「胡蝶蘭を二度咲きさせる」とは、胡蝶蘭をご自宅で育てている方や、お花をいただく機会の多い会社や事業所の方ならもうご存知の事かもしれません。

胡蝶蘭は、花をつける花芽を伸ばし始めてつぼみを持ってから、2か月前後と長く咲き続ける花が特徴ですが、その花が咲き終わってからもなおすぐにもう一度花を咲かせたい時や、誤って長く伸びた花芽を途中から折ってしまった際に行うやり方です。

ここでは、花が咲き終わってから再び二度咲きをさせたい場合と、花芽を折ってしまった際の二度咲きのさせ方を解説していきます。

1.胡蝶蘭の花が咲き終わってからの二度咲きのさせ方

胡蝶蘭の花が全て咲き終わってしまい、茎だけがひょろ長く残っている、または花が数個残った状態となった胡蝶蘭を、鉢ごと捨ててしまう人も少なからずいます。

花が終わり本来の目的を果たした、その後の世話を面倒に思ったり、手入れの仕方が良くわからない人や会社・事業所が多いためです。

けれども、咲き終わった胡蝶蘭は、その花芽の根元から切らずに、3分の2くらいの長さを残してカットしておくと、再びそこから花芽を分岐して伸ばし花を咲かすことが可能です。
カット位置の目安は、節の1～2cm上あたりです。


2.花芽を折ってしまった場合の二度咲きのさせ方

花芽に、7～8個ほどの大きなつぼみを持ち、徐々に花を咲かせて、たわわに咲きそろった胡蝶蘭の眺めは壮観です。

この長く伸びた花芽は、お店から商品として送られてきた場合は、緩くカーブを描いた針金に沿って綺麗な弧を描くように止められており、乱暴に扱わない限りは折れないようにできています。

しかし、振動や衝撃に弱いため、何かのはずみで茎の途中からポキリ通れてしまうこともあります。

同様に、自宅栽培の場合でも、伸びてきた花芽をささえる棒や針金が必要となるため、止めている作業中に大切な花芽をポキッとやってしまうこともしばしばです。

このような場合でも、花が咲き終わった時同様、折れた箇所からばい菌が入らないよう清潔なハサミで切り整え、花芽を3分の2くらいの長さに残しておくと、再び花芽を伸ばして花を咲かせます。

花が咲き終わったにしろ、花芽を折ってしまったにしろ、胡蝶蘭にとって花を立て続けに2度咲かせることは、株にとって負担です。葉が4～5枚以上ついている状態の株で行うことが望ましいです。

花が咲き終わっている場合では、花全てが咲き終わると株の消耗が激しく、2度咲きの花の数も少なくなってしまうため、2輪ほど花を残した状態で花芽をカットして切り花とて楽しみ、残りの余力は2度咲きの花芽にまわすようにすると良いです。

花芽を折ってしまった場合でも、蕾のうちに折ったものの場合は、2度咲きの花数や大きさは、前とほぼ変わらない物をつける可能性があります。