ユリのドライフラワーの作り方は?おすすめの飾り方や注意点も紹介

ユリは華やかで上品な印象があります。しかし、生花は時間が経てば枯れてしまい、せっかくの美しさも失われてしまいます。そんなユリをドライフラワーにすれば、長期間その美しさを楽しめます。ユリのドライフラワー作りは、少し手間がかかりますが、決して難しくはありません。適切な乾燥方法や保管方法を押さえれば、長く鑑賞できるでしょう。

今回は、ユリのドライフラワーを作る方法や飾り方、飾る際の注意点を解説します。ユリの魅力を最大限に引き出すコツをお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。

ユリのドライフラワーを作る方法

エレガントな雰囲気と上品な印象を醸し出すユリは、ドライフラワーにすることで長期的に楽しめます。ユリのドライフラワーを手作りすれば、記念に保管したり、お部屋の飾りつけにも活用できるでしょう。

ただし、ユリは水分を多く含む花なので、適切な乾燥方法を選ぶ必要があります。ドライフラワーの作り方にはさまざまな方法がありますが、ユリの場合は、「ハンギング法」と「シリカゲル法」の2つの方法がおすすめです。

ハンギング法とシリカゲル法にはそれぞれ特徴が異なるため、ドライフラワーの仕上がりも異なります。以下で、それぞれの特徴と手順を詳しく解説しましょう。

ハンギング法

ハンギング法は生花を束ねて逆さに吊るし、空気の力で乾燥させる方法です。茎の状態を保ったままドライフラワーが作れるため、茎を活かしたアレンジが楽しめます。また、特別な道具が不要で気軽に始められるのも魅力です。

ハンギング法の手順は以下の通りです。

  1. ユリの茎に麻紐をきつく巻きつけます。
  2. 直射日光が当たらず風通しの良い場所に吊るします。複数吊るす場合は、ユリ同士が重ならないようにしてください。
  3. 2週間ほど吊るして乾燥させます。

シリカゲル法

シリカゲル法はシリカゲルという乾燥剤を使って花を乾燥させる方法です。ハンギング法と比べ、花びらの形を保ちやすく、色も鮮やかに仕上がります。ただし、シリカゲルと密閉容器の用意が必要となるため、作業の手間がかかるのが課題です。

シリカゲル法の手順は以下の通りです。

 

  1. 不要な葉や茎を取り除く
  2. 密閉容器にシリカゲルを敷き、その上にユリを並べます。 花と花の間には十分なスペースを空けましょう。
  3. ユリがシリカゲルで覆われるように、さらにシリカゲルを少しずつ被せます。
  4. 容器の蓋をしっかりと閉め、密閉状態にします。
  5. 1~2週間ほど置いて、乾燥させてください。

ハンギング法とシリカゲル法の違い

ユリのドライフラワー作りには花の特性や好みの仕上がり、作業効率など、さまざまな要素を考慮して適切な方法を選ぶことが重要です。

 

シリカゲル法 ハンギング法
特徴 美しい色と形が保てる ナチュラルな仕上がり
花びらの色や形 変わらない 自然な変色や変形になる
作業の手間 一つずつ丁寧に作る必要がある 簡単で大量生産できる

シリカゲル法は容器に入れるため、ユリの茎部分を取り除くことになります。もし、シリカゲル法で茎を残すなら、ワイヤリングという作業を行います。ワイヤリングは折れやすい素材や短い茎の花材を根元からしっかりとめるテクニックです。花や茎にワイヤーを施すことで、花材を補強し、丈を伸ばすことができます。

ユリのドライフラワーの飾り方

ユリのドライフラワーは、花の形や色に合わせてさまざまな飾り方ができます。季節によって雰囲気を変えるのも楽しみ方の一つです。以下で、ユリのドライフラワーの飾り方を解説します。

花瓶

ユリのドライフラワーは、花瓶に飾るのが最も一般的な飾り方です。フレッシュなときと変わらぬ優雅な姿を保ち、インテリアの中心になります。

花瓶を選ぶときは、適切な高さと口径のものを選びましょう。ユリは大きめの花なので、ボリュームのある花瓶が適しています。ガラス製や陶器製のシンプルなデザインが無難です。ドライフラワーを美しく飾るコツは、花瓶の高さや口径、茎の長さのバランスを整えることです。シンプルながらも存在感のある空間が演出できます。

リース

ユリのドライフラワーを使ったリースは、インテリアの彩りを美しく引き立てる素敵なアイデアです。リースは玄関やテーブルなど、さまざまな場所に飾ることができるのが魅力的です。リースは、壁掛けや玄関先、テーブルの飾りとして活用できます。ナチュラルな雰囲気を演出してくれるため、インテリアのアクセントにぴったりです。

スワッグ

ユリのドライフラワーを使ったスワッグは、玄関やリビングなどに飾ると大変おしゃれです。スワッグとは枝や草、花などを束ねて壁に飾るアレンジメントのことを指します。スワッグの飾り方のポイントは、玄関やリビングなど人の目につきやすい場所に飾ることです。季節に合わせてリボンの色やアクセントを変えるのも素敵です。ユリのドライフラワーはボリューム感があるため、1本で存在感のある仕上がりになるでしょう。

ユリのドライフラワーを飾る際の注意点

ドライフラワーの魅力を最大限に引き出すには、花の特徴を理解し、飾り方に気をつける必要があります。そこで、ユリのドライフラワーの美しい姿を長く楽しむための注意点をご紹介します。

直射日光を避ける

ドライフラワーは直射日光に弱く、色あせや変形の原因となります。そのため、ユリのドライフラワーを飾る際は直射日光の当たらない場所を選ぶことが重要です。

カーテンやブラインドを活用すると効果的でしょう。直射日光を遮ることで、ユリのドライフラワーの劣化を防ぐことができます。

エアコンの風を当てない

ユリのドライフラワーを飾る際は、エアコンの風を直接当てないよう注意が必要です。エアコンの風は、ドライフラワーの繊細な質感を損なう可能性があるためです。

ドライフラワーを置く場所は、エアコンの吹き出し口から離れた場所に設置してください。

エアコンの風を避け、適切な温度管理を行うことで、ユリのドライフラワーを長期的に美しく保つことができます。

ぶつけないようにする

ユリのドライフラワーは繊細な質感を持っているため、取り扱いには十分な注意が必要です。飾る際はぶつけないよう細心の注意を払いましょう。人の行き来が多い場所は避け、ぶつかりにくい場所に設置してください。特に小さな子どもやペットがいる家庭では、手の届かない高い位置に飾るのがおすすめです。

また、ドライフラワー同士が互いに接触しないよう、適切な間隔を空けることも重要です。

湿気を低く保つ

ドライフラワーを長期的に美しく保つには、湿気を低く保つことが非常に重要です。湿度が高いとドライフラワーの変色やカビが発生する恐れがあります。

そのため、ドライフラワーを飾る際は、できるだけ湿気の少ない場所を選ぶことが肝心です。エアコンが効いた部屋や除湿器を設置した部屋などの湿度が低い環境が適しています。

また、ドライフラワーをガラスのケースに入れて保管するのも効果的です。ガラスのケースに入れることで外部からの湿気の侵入やほこりを防ぐことができます。さらに、容器の中にシリカゲルを入れると湿気を吸収し、より効果的に湿度管理ができるでしょう。

このように、ドライフラワーを長期的に美しく保つには、湿気管理とほこり対策が重要です。適切な環境で保管することで、ドライフラワーの魅力を最大限に引き出せます。

ユリの基本情報

ユリは冠婚葬祭をはじめ、花屋や園芸店で取り扱われており、高貴な印象と上品な雰囲気から人気が高い花です。年間を通してさまざまなユリの品種が販売されており、長年の品種改良により多様化が進んでいます。一方で、日本固有種としてヤマユリ、スカシユリ、ササユリ、テッポウユリなど15種類の原種も存在します。日本原産のユリは、アジアを中心とした地域の中でも特に日本に多く分布している花です。

ユリは北半球の温帯域を中心に原産し、日本でも山の斜面などに自生するヤマユリなどが見られます。ユリ科ユリ目の植物で、主に6〜8月が旬です。

ユリの特徴

ユリは基本的に6枚の花びらで構成されています。ユリの花びらは一見6枚あるようにみえますが、内側の3枚の花びらと外側の3枚のがくで構成されています。白色のイメージが強いユリですが、実際には黄色やピンク、オレンジなど多様な色バリエーションが存在します。

ユリの茎は細身ながら、花は大きく咲くのが特徴的です。風が吹くと花が優雅に揺れ動くことから、「揺すり」という言葉が語源になったと考えられています。

ユリは高貴な印象と上品な雰囲気を醸し出すため、ドライフラワーにしても十分に魅力を発揮することができるでしょう。

ユリの花言葉

ユリの花言葉は、「純粋」「無垢」です。高貴で清らかな意味の花言葉がつけられており、ユリの美しい姿にぴったりですね。また、白ユリは「純潔」「威厳」「甘美」黄色は「陽気」「偽り」「不安」、 ピンクは「虚栄心」、オレンジは「華麗」「愉快」といった花言葉があります。

このように、ユリの色によって花言葉が異なるため、ユリを贈る際は、受け取る側の好みや状況に合わせて、適切な色のユリを選ぶことが大切です。

特に、黄色やピンクのユリには「偽り」「不安」「虚栄心」、 黒ユリには「復讐」「呪い」といった意味の花言葉があるため、贈り物には注意しましょう。

ただし、一般的に花言葉は他の花と組み合わせると和らぐとされています。そのため、他の色や種類のユリと組み合わせたり、他の花材と組み合わせたりするのがおすすめです。 

ユリの美しさと意味を理解しながら、適切な選択をすることが大切です。

ユリの人気の種類

ユリの種類は多様なため、人気の高いものをいくつか紹介しましょう。

中でも特に人気が高いのが、オリエンタルユリという品種の「カサブランカ」です。カサブランカは純白の大きな花と強い芳香が特徴で、「ユリの女王」とも呼ばれています。オリエンタルユリの中でも群を抜いた知名度と人気を誇り、他のオリエンタルユリの2倍ほどの市場価値があります。

また、「テッポウユリ」「スカシユリ」「LAユリ」など、原種や交配種を元にしたさまざまなユリの品種も生花店で人気を集めています。それぞれ独特の魅力を持っており、シーンやお好みに合わせて使い分けられます。特にカサブランカは、大きい花びらを持つため、ドライフラワーにも最適でしょう。

ユリ以外のドライフラワーにおすすめの花

ドライフラワーは、花の種類によってさまざまな表情を見せてくれます。色や質感、形の違いを活かせば、お部屋の雰囲気も自由に演出できるのが魅力です。 最後に、ユリ以外のドライフラワーにおすすめの花をご紹介します。

アジサイ

アジサイはドライフラワーとしても人気の高い花ですが、適性は品種や収穫時期によって大きく異なります。一般的に、オランダ産のアジサイがドライフラワー向きの特徴を備えています。オランダ産のアジサイは肉厚で硬めの質感を持っているためです。乾燥に強いため、ドライフラワーにした際も形と色が長期的に保たれやすいでしょう。一方、野生のアジサイなどは水分が多く、乾燥に弱いため、ドライフラワーには向きません。

ドライフラワーにするなら、オランダ産のアジサイを使うのがおすすめです。特に、秋頃に収穫したアジサイは水分が少なく、乾燥が容易なため、より良い仕上がりが期待できるでしょう。

かすみ草

かすみ草は、ドライフラワーとして非常に魅力的な花材です。その繊細な雰囲気と優雅な外観が、さまざまな用途に活用できるのが特徴です。 特に、染色したかすみ草は、より一層趣のある表情を見せてくれるでしょう。ドライフラワーの中でもかすみ草は特に人気が高いです。きめ細やかな質感が多くの人々を魅了していると考えられます。

スイートピー

スイートピーは甘い香りと繊細な花びらが魅力ですが、ドライフラワーとしても人気の花です。スイートピーは「門出」「優しい思い出」といった花言葉を持っているため、送別会や卒入園式などの祝福の場面でも活用されています。

ドライフラワーにしたスイートピーは、生花の状態から形や色がほとんど変わらずに保たれます。ほのかな甘い香りも残ることから、装飾性と共に心温まる雰囲気を演出できるでしょう。特に、スイートピーの淡いピンクや白の花色は上品で優雅な印象を与えます。その繊細な花びらの表情を生かし、リースやスワッグなどのアレンジにすることで、華やかながらも清楚な雰囲気を演出できるでしょう。

スターチス

スターチスはドライフラワーに最適な花の一つで、近年人気が高まっています。昔は主に葬儀で使われることが多かったイメージがありましたが、今では装飾用のドライフラワーとしても広く活用されるようになりました。

スターチスは生花の状態からドライフラワーになっても、ほとんど形や色の変化がありません。むしろ、ドライフラワーにすることで、より一層上品で繊細な雰囲気が引き立ちます。最近では、くすみピンクやベージュなどのソフトな色のスターチスが登場しており、選択肢が広がっています。ソフトな色のスターチスは、ナチュラルな雰囲気のインテリアコーディネートにも活用しやすいでしょう。

千日紅

千日紅は、ドライフラワーにしても生花の状態とさほど変わらず、美しい仕上がりが期待できます。ただし、ドライフラワーにした後に花瓶に飾るときには、茎が曲がりやすいため注意してください。これは、ドライフラワーにして水分が失われることで茎がやわらかくなり、自重で曲がってしまうためです。そのため、ドライフラワーとして飾る際は、茎を垂直に保つことが重要です。

千日紅のドライフラワーを逆さまに飾ると、茎が下向きになり、自重による曲がりを防ぐことができ、花びらの形も整った状態で保つことができます。さらに、茎を固定できるようワイヤーなどを使うと、より確実に曲がりを防げます。

ドライフラワーの特性を理解し、飾り方のコツを押さえることで、上品な仕上がりが実現できるでしょう。

バラ

ドライフラワーのバラは独特のアンティークな雰囲気が魅力です。バラはドライフラワーにすることで、生花のときとは大きく異なる表情を見せてくれます。

バラをドライフラワーにする際のポイントは、適切な収穫タイミングを見極めることです。バラは咲ききった後に吊るすと、花びらが散りやすくなったり、色が鮮やかに出なくなったりすることがあります。そのため、蕾の状態や開花具合を見ながら、最適な収穫時期を見極める必要があります。バラの生育状況を細かく観察し、花びらがやわらかくなりかけた時期に収穫するのがおすすめです。

ミモザ

ミモザは春の訪れを告げる代表的な花として、近年ますます人気を集めています。その鮮やかな黄色の花房とやわらかな質感は、ドライフラワーとしても大変魅力的です。ただし、ミモザはドライフラワーにすると花びらがポロポロと落ちやすくなるのが難点です。

ミモザのドライフラワーを長期的に楽しむためには、以下のような対策がおすすめです。

 

  • 生花の状態でリースやスワッグを作り、徐々にドライ化させていく
  • 直射日光を避け、ほこりや湿気の少ない環境に置く

 

ミモザは花が完全に開ききる蕾の状態に近い時期に収穫すると、形と色を保つことができます。ミモザは春の訪れを感じさせる人気の花材ですが、ドライフラワーにすると花びらが散りやすい特性があります。生花の状態から徐々に乾燥させ、直射日光を避けるなど、特性に合わせた対策を行うことで、その魅力を最大限に引き出せるはずです。

まとめ

ユリのドライフラワーは、ハンギング法やシリカゲル法を使って作ることができます。飾り方は花瓶に活けたり、リースやスワッグを作るのがおすすめです。ユリのドライフラワーを飾る際には、以下の点に注意してください。

 

  • 直射日光を避ける
  • エアコンの風を当てない
  • ぶつけないようにする
  • 湿気を低く保つ

 

ユリは爽やかな雰囲気があり、「高貴」「純潔」などの花言葉を持つため、人気があります。ユリのドライフラワーを上手に活用して、お気に入りの空間を楽しんでみてください。

 

大切なあの人にお花を送ってみませんか?