小さな星の花・カランコエを贈ろう!|特徴や花言葉

多肉植物の中でも、かわいらしい星形の花を咲かせるカランコエは人気がある植物です。

赤やピンクの鮮やかな色合いの小さな花がたくさん集まって咲く様子は、とても華やかで可愛らしく、観葉植物としても人気があります。

そんなカランコエですが、贈り物にぴったりな花言葉を持っているお花だということをご存じでしょうか。

今回は、素敵な花言葉を持つカランコエについて、特徴や名前の由来、育て方なども含めてご紹介していきたいと思います。

 

カランコエ鉢植えが主流

多肉植物のカランコエは、花束やアレンジメントに使われる花材よりも、単体の鉢植えや他の草花との寄せ植えなどでの販売が主流になっています。

自分で育てたカランコエの花を摘んで、お部屋で切り花として飾るのも素敵ですね。

カランコエは、初心者の方でも比較的育てやすく、お手入れも簡単な植物です。また、カランコエの特性を活かして、室内で通年開花を楽しむこともできますよ。

 

カランコエの基本情報

科・属 ベンケイソウ科・カランコエ属
和名 紅弁慶(べにべんけい)
英名 Kalanchoe
学名 Kalanchoe
原産地 南アフリカ、マダガスカル

 

カランコエの特徴

カランコエは、肉厚な葉や茎を持っている、ベンケイソウ科・カランコエ属の多肉植物です。主にマダガスカルを中心に分布しており、東南アジアや台湾、中国などにも自生しています。

乾燥地域に自生するカランコエは、多肉植物の特徴でもある肉厚の葉に吸収した水分を蓄えておくため、乾燥には強い植物です。

マダガスカル島に自生していたカランコエは、フランスの探検隊が発見した植物で、持ち帰られてから品種改良が展開されていきました。

カランコエが日本にやってきたのは昭和の初め頃とかなり最近の話で、カランコエの代表品種であるブロスフェルディアナ種が、紅弁慶(べにべんけい)として流通しました。

 

独特な繁殖方法

カランコエの葉の先端には、「鋸歯(きょし)」という細かい切れ込みが入っており、この鋸歯部分に新芽の生長点を持っています。葉が落葉すると、その生長点から、新芽が出てきて繁殖するという性質を持っています。

カランコエは子孫を増やしていく繁殖力がとても強く、たくましい植物なのです。

 

カランコエの名前の由来

カランコエの名前の由来は、学名の「Kalanchoe」からきています。英語では「カランチョー」と発音されるのですが、中国では「加籃菜」という漢字が当てられており、これは中国語で「落ちて育つもの」という意味です。

この中国名をもとにして、フランスの植物学者であるミシェル・アンダーソンによって、カランコエと名付けられた説が最有力だとされています。

由来には他にも諸説あり、古代のインド語で「赤錆」を意味する「Kalanka」と、「照り」を意味する「Chaya」を語源として組み合わさったものだという説も存在します。

和名である「紅弁慶(べにべんけい)」は、カランコエの持つ強い繁殖力や、乾燥地帯でも育つたくましさから、まるで弁慶のような強さを持つとして名付けられました。

 

カランコエは短日植物

カランコエは短日植物といって、日照時間が12時間以下と短くなるにつれ、徐々に花芽を作っていき花を咲かせるという性質を持っています。日本では秋以降に日照時間がだんだんと短くなっていきますが、カランコエは11月から5月頃まで花を咲かせます。

 この短日植物の日照時間による開花サイクルを利用すれば、通年開花を楽しむこともできますよ。ただし、室内でずっと管理している場合には、蛍光灯などの人工光で照らされ続けていると、花芽が生長せず開花の準備が整いません。

室内で管理しているカランコエは、意図的に暗い環境を作ることで開花を促します。段ボールなどをカランコエに被せて、蛍光灯などの照明を遮光しましょう。

この短日処理を1ヶ月ほど繰り返していくことによって、花芽の生長を促してカランコエの花を開花させられます。

 

カランコエの花言葉

カランコエは、和名にもなっている紅色やピンクなどの鮮やかな色合いのものが多く存在しますが、他にも白や乳白色、オレンジなどのカラーバリエーションがあります。

ぷっくりした肉厚の葉と、星形の小花がとてもかわいらしいので、インテリアグリーンやフラワーアレンジメントでも人気のあるお花です。

星形の小花がたくさん集まって咲く様子が、花たちが仲良く身を寄せ合っているようで愛らしいですよね。

そんなカランコエには、「あなたを守る」「幸福を告げる」「たくさんの小さな思い出」「おおらかな心」といった素敵な花言葉が付けられています。

「あなたを守る」「たくさんの小さな思い出」は、集まって咲くカランコエの花姿に由来している花言葉です。

「幸福を告げる」の花言葉は、カランコエの品種の中に、星形ではなく釣鐘型の小花を咲かせる品種があり、それが教会のベルをイメージさせることから付けられました。

西洋での花言葉は、人気や人望の意味を持つ「popularity」です。これも、集まって咲く小花の姿からイメージされた花言葉ですね。

 

カランコエの風水効果

落葉によって繁殖できるカランコエは、葉に子株をたくさんつける「子宝草」として親しまれています。その強い生命力から、風水的な観点でも「子宝に恵まれる」縁起物とされている植物です。

子宝の運気をアップさせる以外にも、努力による成功を引き寄せる風水効果もあると考えられています。仕事運や勉強運を上昇させてくれるカランコエをお部屋に飾って、風水効果に期待してみましょう。

 

カランコエの人気品種

熱帯地域を原産地とするカランコエは、発見されたブロスフェルディアナ種から品種改良を重ねられ、今では約100種以上もの原種があると言われています。そこに園芸品種を加えると、その数は約200種にもなるそうです。そのどれもがユニークな形や特徴を持っているので、お気に入りのカランコエを探すのも楽しそうですね。

それではさっそく、多様に存在するカランコエの品種の中からいくつかをご紹介していきましょう。

 

ブロスフェルディアナ

最も代表的なカランコエの品種であり、カランコエと言えば一般的には「ブロスフェルディアナ」のことを言います。

ブロスフェルディアナは、ぷくぷくした葉が特徴の典型的な多肉植物の姿よりも、普通の草花に近いようなフォルムを持っています。

花の咲き方は一重咲き、八重咲き、バラ咲きなど豊富なバリエーションを持っており、和名で「紅弁慶(べにべんけい)」と呼ばれるのもこの品種です。

 

ウェンディ

「ウェンディ」も、先述のブロスフェルディアナと同じく、カランコエの代表品種です。

オランダで生み出されたウェンディは、作者の名前から「カルパーウェンディ」と呼ばれることもあります。

花の形は星形ではなく釣鐘状をしていて、ブドウのような赤紫色の花を俯かせ気味に咲かせます。花びらの縁はひらひらと波打っていて、フリルのような姿がとても可愛らしい品種です。

 

テッサ

「テッサ」もウェンディと同じく、オランダで生まれた品種です。こちらも釣鐘状の花を、俯かせ気味に咲かせます。

花色は白やオレンジで、開花期が長くて花付きも良いことが特徴です。枝垂れた茎の形状を活かして、ハンギングなどで吊るして飾るのがおすすめですよ。

 

パリ

「パリ」は八重咲きの花が豪華なカランコエで、バラの花のような華やかさも持ち、「クイーンローズ」という別名も持っているほどです。

花色のバリエーションが多様に存在するため、その華やかな姿と花色の豊富さから、ギフトとして贈るのもおすすめしたいカランコエとなっています。

 

月兎耳

「月兎耳(つきとじ)」は、葉が白い毛で細かく覆われているカランコエの品種です。ウサギの耳のようにふんわりとした質感であることが、名前の由来になっています。

月兎耳の変異種には、葉の輪郭が黒く染まる「黒兎耳(くろとじ)」、月兎耳よりも葉に厚みがあり、福耳のようであることから名付けられた「福兎耳(ふくとじ)」、葉に茶色の毛が生えていることから猿の姿に例えられた「孫悟空(そんごくう)」など、派生種がさまざまです。ちなみに孫悟空には、「チョコレートソルジャー」や「ブラウンバニー」といった可愛らしい別名も付いていますよ。

 

子宝弁慶草

「子宝弁慶草(こだからべんけいそう)」は、子宝と名前に入っているように、特に繁殖力が強い交配種です。その繁殖力は「クローンコエ」の別名を持つほどで、葉の縁部分にはたくさんの新芽をつけています。

葉が落ちるとどんどん繁殖していきますので、管理する際には株を増やしすぎてしまわないよう注意が必要かもしれません。

 

不死鳥

「不死鳥(ふしちょう)」は、葉がすべて落ちても育ち続ける力強い品種です。

子宝弁慶草のように繁殖力が強い交配種であるのも名前の由来ですが、鳥が羽を広げているようなフォルムが特徴的であるのも由来のひとつでしょう。

不死鳥は、赤いベル型の小花をたくさん咲かせます。まるで不死鳥の炎を思わせる色ですよね。

 

カランコエの基本の育て方

花束やアレンジメントの花材としても人気のカランコエは、室内で手軽に育てることができる多肉植物です。乾燥にも強いので、初心者の方でも育てやすいのが嬉しいですね。

短日植物の性質を活かして、一年中開花する姿を楽しめるインドアグリーン向きであるのも、カランコエの魅力のひとつです。

ここからは、カランコエの基本的な育て方やお手入れ方法について、詳しくご紹介していきます。

 

置き場所

カランコエは、通年日光が当たる明るい場所で管理するのが好ましいです。

日本の寒さには弱いため、冬季は必ず室内で管理してください。管理温度としては10度以上を保てると、カランコエが過ごしやすい温度になります。

気温が5度を下回るとカランコエの株は休眠期に入り、低温状態が長く続いて休眠したままだと株が枯れてしまいます。特に冬季は、窓際で鉢を管理していると、外の冷気にさらされて株がダメージを受けてしまうこともありますので、日中は窓際で日光浴をさせて、冷え込む夜間には室内の中ほどや奥へ移動させるよう注意して冬越しさせましょう。

 

水やり

カランコエは、春から秋の間に生育期を迎えます。生育期の間は、鉢土が乾いていたらたっぷりと水やりをしてください。カランコエは水の与えすぎで根腐れを起こしやすいので、必ず土が乾燥しているのを確認してから水を与えるようにしましょう。

秋以降はカランコエの株が徐々に休眠期へと移行していきますので、春から秋の生育期よりも乾かし気味に管理するよう意識します。

冬季の水やりは、土が乾いているのを確認してから2〜3日後を目安にして水を与えるとちょうど良いでしょう。

株を乾燥気味に育てると、耐寒性を上げることにもつながります。

 

肥料

カランコエに肥料を与える場合には、新芽が出てくる生育期の間に与えてください。

液体肥料を10日に1回ほどのペースで与えることで、カランコエの生長を助けることができます。

開花したら肥料は要りませんので、投与をストップしてくださいね。

 

植え替え

カランコエの株は、1〜2年に1回ほど、新しい鉢へと植え替えを行いましょう。

根が鉢の中で生長しすぎて根詰まりを起こすと、上手に水分や養分を吸い上げられなくなってしまい、根腐れに繋がる恐れもあります。

また、ずっと同じ鉢や古い土で育てていると、衛生的にも良くありません。定期的に新しい鉢と新しい土を用意して、カランコエの生育環境を整えましょう。

植え替え作業の適期は、春から梅雨に入る前までです。真夏の暑さを避け、秋の始め頃に行っても良いのですが、植え替えは株に負担が掛かる作業ですので、休眠期を迎えるまでになるべく早く植え替え作業を終えて、株をじっくり回復させることが重要です。

株が回復できないままに冬を迎えてしまうと、寒さに勝てず枯れてしまう恐れもあります。

植え替え作業を行う前は、しばらく乾燥気味に管理しておくと、株が引き抜きやすくなり作業しやすくなりますよ。

 

【植え替えの手順】

(1)鉢から株を引き抜いて、根に付いた土をやさしく落としていきます。

(2)黒ずんだ根や傷んだ根があれば、清潔なハサミなどでカットして根を整理します。

(3)新しい鉢に鉢底ネットと鉢底石を敷いて、土を3分の1ほど入れておきます。

(4)株を中心に置いたら、隙間を埋めるように土を足していき、株を安定させます。

(5)最後に水をたっぷりと与えて、風通しの良い半日陰でしばらく休ませましょう。

 

カランコエの花を咲かせよう

先述のように、カランコエは短日植物なので、日照時間を調整することによって花芽の生長を促すことができます。

室内で管理する場合には、段ボールなどで遮光することによって短日処理を行うと、開花を促せます。

ここからは、カランコエの花を美しく咲かせるためのいくつかのポイントをご紹介します。

 

摘心

カランコエの花を美しく咲かせるためには、秋を迎える前に「摘心(てきしん)」を行いましょう。摘心とは、新芽の先端である「頂芽」を摘み取ることで、脇芽を育てていくための作業です。

植物は、先に出ている頂芽へ優先して養分を送るという性質を持っています。この頂芽を摘むことによって、脇芽を増やして他の芽にもまんべんなく栄養を注がせることができるのです。

摘心によって芽の数を増やせれば、花の数も増えて豪華な花姿を楽しむことができますよ。

注意点としては、新芽と摘み取る際に、残したい脇芽まで摘み取ってしまわないように気を付けましょう。脇芽まで摘み取りすぎては芽が育っていきませんので、比例して花の量も減ってしまいます。

 

切り戻し剪定

長く育てているカランコエの株は、だんだんと花つきが悪くなっていきます。

花つきを復活させるためには、1〜2年に1回ほど伸びすぎた茎を短く切って整える「切り戻し」を行いましょう。

剪定作業も植え替えと同じく春から梅雨前までの間か、開花後に行うのが適期です。

切り戻しでは、根元から10cmほどを残して、大胆に切ってしまいましょう。10cmというとかなりの長さになるので心配になりますが、1ヶ月ほどで新芽が伸びてきてくれますので安心してくださいね。

 

花がら摘み

開花したカランコエは、どんどん新しい花を咲かせてくれるので、古い花と新しい花が混ざって咲いていきます。散って落ちている花びらは、こまめに片付けておきましょう。

また、古い花がだんだん枯れてきて、枯れた花が3割ほどになってきた茎は、剪定で取り除いておくと長くお花を楽しむことができますよ。

 

カランコエは挿し木で増やせる

カランコエは、「挿し木」の方法を使って株を増やしていくことができます。育て方に慣れてきたらカランコエの株を増やして、お部屋をもっと華やかにしてみましょう。

 

【挿し木の手順】

(1)10cmほどに切った茎を用意したら、切り口をV字にして吸水面を増やします。

(2)先のほうの葉を2〜3枚だけ残して、他の葉は切り落としましょう。

(3)大きい葉は半分にカットして、葉から水分が蒸散するのを防ぎます。

(4)水を入れた容器に、茎の切り口を数時間ほど浸からせておきましょう。

(5)土に指などで穴を掘り、挿し穂を土に挿します。

(6)たっぷり水を与えたら、しばらく風通しの良い日陰で管理します。

(7)1ヶ月ほどで発根するので、半年ほどかけて根を生長させたら植え替えましょう。

 

まとめ

今回は、初心者の方でも育てやすく管理が簡単なカランコエについてご紹介してきました。

とても愛らしい花を咲かせますが、残念ながら切り花やアレンジメントとしての流通は少ない植物です。代わりに、鉢植えでは多く流通していますので、ぜひご自分でカランコエを育てて、開花を楽しんでくださいね。

カランコエの花はとても鮮やかな色合いのものが多く、また短日植物の性質を利用して、一年中花を咲かせることも可能です。インテリアグリーンとして、カランコエでお部屋に彩りを添えてみてはいかがでしょうか。

 

大切なあの人にお花を送ってみませんか?