クワズイモってどんなお花?特徴や種類を解説
室内インテリアとして人気を集めるクワズイモですが、実は花を咲かせるのも知っていますか?
花を咲かせることができれば、葉っぱお花2つの魅力を楽しむことができます。
クワズイモと呼ばれる理由や、観葉植物としての特徴、さらにおすすめのポイントや花言葉など、クワズイモの情報を全てご紹介します。
クワズイモの種類
サトイモ科の多年草で、東南アジアや中国などが原産地で日本でも四国や九州、沖縄などで自生しています。
沖縄県や鹿児島県では道路の側、家の庭先などで自生していることが多いです。
高温多湿を好み、暑さに強いので育て方は比較的初心者向き。
クワズイモはハートの形の葉を付けるので、見た目も非常にかわいらしい観葉植物です。
クワズイモと呼ばれる植物には、主に2種類があるのを知っていますか?
葉脈が葉先に向かっている「シマクワズイモ」と、葉脈が葉の縁に向かっている「クワズイモ」です。シマクワズイモは全体的に小型なのが特徴なので、葉の大きさで見分けるときに押さえたいポイント。
育て方は同じなので、葉の形や大きさなどで好みの種類を育てるといいでしょう。
クワズイモには毒があるってホント?
クワズイモは”食わず芋”の名前の通り、芋のようにイモ部分があるので食べられそうに見えるのですが、食べることはできません。
イモ部分をはじめ、葉や樹液にはシュウ酸カルシウムが含まれてた毒があるので、万が一食べてしまうと消化器系の中毒や皮膚の粘膜に刺激を起こす可能性が高いです。
嘔吐やけいれんを起こす場合もあり、口の中が炎症を起こすこともあるでしょう。
これは犬猫の場合も同じなので、ペットを飼っている方は気を付けてください。
毒は葉っぱの切り口から出る汁にも含まれているので、お世話する際は手袋などで毒を触らないようにすれば安心です。
クワズイモの特徴
クワズイモは、根から吸い上げた水の量よりも、葉から発散させる水分の量が多い特徴があります。
そのためクワズイモに水やりをした翌日は、根から吸い上げた水が葉の先から垂れることがあります。
この水がお部屋の加湿効果になり乾燥を防いでくれるので、自然に湿度をあげたいという人にはおすすめです。
葉っぱから出る水には毒はないので、安心してたくさんお水をあげましょう。
床に落ちる水が気になる場合は、タオルなどを置くのがおすすめです。
クワズイモは万能インテリアアイテム
クワズイモは、その個性的なシルエットで室内グリーンとして人気があります。
葉や茎、根が不思議な曲線を描き、その姿はとってもスタイリッシュ!
どんなインテリアにも合うでしょう。
ブラウンの籠(こも)に入れればアジアン風に、シンプルにモノトーンの陶器鉢を使うとモダンな印象になりおすすめです。
なぜインテリアとして万能なのか、風水や花言葉との関係を解説します。
クワズイモの風水
クワズイモは風水の効果も高いということをご存じでしょうか。
観葉植物の中でも成長スピードが早いクワズイモは「成長が早い=出世する」とされるため「出世芋」と呼ばれ、縁起の良い植物とされています。
大きな葉が上向きに伸びていくクワズイモは、強い陽の気を持ち、調和をもたらす効果があるともいわれているので、さまざまな風水効果が期待できます。
インテリアとしてはもちろん、ギフトとしても喜ばれる観葉植物です。
クワズイモの花言葉
クワズイモは、「復縁」や「仲直り」という花言葉を持つ観葉植物です。
大きな葉っぱはハートの形をしており、復縁という花言葉の由来となっています。
クワズイモ自体に復縁の効果があると言われており、クワズイモを女性へのプレゼントとして贈ることも多いです。
すてきな花言葉を持つクワズイモ、ぜひ花を咲かせてみたいですよね。
クワズイモの花を咲かせるコツが知りたい
このクワズイモ、実は花を咲かせることもあります。
ここからは、クワズイモの花の見た目、メリットやデメリット、花を咲かせるコツなどをご紹介していきます。
観葉植物が花を咲かせることは珍しいので、花を咲かせたい人はコツを押さえておきましょう。
クワズイモの花について
初夏~夏にかけて株が成熟してきますが、この時期にクワズイモの花は咲きます。
葉っぱの陰から白い棒のような花を覗かせて、その白い花穂の周りを黄緑の葉で包むのが特徴です。
この包んでいる葉の一種を仏炎苞(ぶつえんほう)といいます。
仏炎苞が花穂を包んでいる特徴的な姿は、サトイモ科の花の特徴です。
花からはほんのり甘い匂いがするので、花の香りを楽しむのもおすすめの楽しみ方ですよ。
花を咲かせるメリット・デメリット
クワズイモの花を咲かせると、どんなメリットがあるのでしょうか。
デメリットも合わせて見ていきましょう。
<メリット>
一番の大きなメリットは、自分の手で花を咲かせることができた、という達成感でしょう。
花を咲かせることが少ない観葉植物の中で、クワズイモは珍しい種類の樹木です。
クワズイモは、花を咲かせた後、実から種を取り出すことができます。
種を取って植え付けをすれば、より愛着が湧くこと間違いなし。
室内インテリアとしてクワズイモを飾るだけでなく、実生をやってみたいな、という方におすすめです。
<デメリット>
デメリットとしては、咲いた花を咲かせたまま保管できないということです。
花に栄養がいってしまい、元気がなくなってしまうことがあります。
実生してみたいという目的がなければ、花は早めに切り取るとよいでしょう。
どうしたら花は咲くの?
基本的に、クワズイモは株が成熟していないと花は咲きません。
株が充実している条件としては、以下の2つが挙げられます。
- 茎が太くしっかりとしていること
- 全体的に元気で、きれいな葉色であること
葉っぱの色が薄い場合、日光不足が考えられます。
根茎が柔らかくなっている場合は根腐れの可能性大。こまめなチェックが必要です。
また、間延びしている場合も同様なので、しっかり日光に当ててあげましょう。
大切なのは、クワズイモが花を咲かせるための最適な環境を整えることです。
クワズイモの花を咲かせるコツ
クワズイモの花がどうすれば咲くのかがわかったところで、花を咲かせるコツをご紹介していきます。
花を咲かせるには、株を充実させる必要があるのは先ほど解説した通りです。
そのため、クワズイモの正しい育て方で長く育てる必要があるでしょう。
さて、クワズイモの花を咲かせるコツとは、どのようなものがあるのでしょうか。
咲かせるコツをみていきましょう。
クワズイモの花を咲かせる置き場所は?
植物全般に言えることですが、大切なことのひとつに置き場所があります。
まずクワズイモの花を咲かせるために必要なのは「環境作り」です。
クワズイモは強い日差しを好まないので、なるべく日陰で強く光りが当たらない場所で管理してあげるとよいでしょう。
窓際に置く場合はレースのカーテン越しに、暖かい時期ならば、屋外の明るい半日陰でもよいです。
いきなり直射日光に当てると、葉焼けを起こして枯れてしまうので注意が必要です。
ただし、暗すぎる場所も成長を妨げるのであまりよくありません。
クワズイモの花を咲かせるための過ごし方~冬編~
冬場は室内の日当たりのいい場所に置きましょう。
極端に冷え込む場合は、クワズイモをビニールで覆って保温する方法もあります。
クワズイモは熱帯原産の観葉植物なので、寒さにやや弱いです。
夜間の窓際は外の寒さの影響を受けやすいので、窓際から離して部屋の内側に移動するといいですね。
ただし、直接エアコンの風などが当たる場所は、クワズイモ自体の乾燥を招いてしまうので注意が必要です。
どうしても乾燥が気になる場合や、乾燥を予防したい場合は霧吹きで葉を湿らせるようにするとよいでしょう。
クワズイモの水やりのタイミング、やり方は?
水をやるタイミングは、土の表面が乾いてからが目安です。
クワズイモの花を咲かせるためのコツは、水をたっぷりとあげることなので鉢底から水が流れ出るまで、たっぷり水やりしてあげましょう。
鉢底から流れ出た水は、そのまま受け皿にためておくと根腐れの原因になるので必ず捨ててください。
また、土が干かないうちに水やりすることも根腐れを起こす原因になります。
そのため、必ず土が乾いているか確認してから水やりを行いましょう。
クワズイモは、冬の間の成長速度は遅めです。そのため水やりの頻度を少なくし、乾かし気味に管理するのがコツ。土の表面が乾いて4~5日たってからたっぷりと水やりしましょう。
霧吹きで葉に水やりをする「葉水」は湿度を高める効果があります。
クワズイモのお手入れとして、年間を通して葉水を行いましょう。葉水をすることで病虫害も防ぐことができるのでなるべく行いましょう。
クワズイモの肥料の与え方
クワズイモの肥料は、生長期の5~9月に与えます。
効き目が緩やかに続く固形の緩行性肥料を2~3ヵ月に一度与えましょう。
緩行性肥料と合わせて、2週間に1回程観葉植物用の液体肥料を与えます。
液体肥料は即効性があるので、あまり大きく成長させたくない場合は固形肥料のみでも大丈夫です。
植え付けの際、土に混ぜるタイプの肥料を与える方法もあります。冬でも新芽が出た場合、薄めた液体肥料を与えてみてください。
花を咲かせたいからと肥料を与えすぎると、土の中の肥料濃度が高くなり、クワズイモの元気がなくなることもあるので、肥料の与えすぎには注意してくださいね。
生長期以外は肥料を控え、必ず規定の量を守るようにしましょう。
病気や害虫の予防方法
クワズイモの花を咲かせるため、長く育てていると病害虫の被害にも合うこともあるでしょう。
クワズイモの病気や害虫について詳しく解説していきます。
クワズイモの病気
クワズイモの病気に軟腐病があります。
根茎がぶよぶよとして腐ってきたら要注意。
5月~10月の雨の多い時期に発生しやすい病気です。
菌が繁殖し水分が通る茎の中の管を塞き止めてしまうため、観葉植物全体に栄養が行き渡らなくなって腐り、悪臭を放ちます。
ぶよぶよとした部分から出た水が葉に付着すると、さらにそこから病気が悪化することも。
軟腐病の菌は葉や茎などの傷口から進入するので、こまめに葉をチェックしましょう。
またこの病気は薬剤が効きづらいので、病気になってしまった部分はすぐ切り取ります。
この時に、使用するハサミや手袋は必ず消毒液や熱湯で消毒するようにしましょう。
クワズイモの害虫
クワズイモに付きやすい代表的な害虫に、ハダニやカイガラムシがあります。
高温で乾燥した状態が続くと発生しやすく、ハダニのほとんどは葉っぱの裏側に発生します。
発生すると葉の色が変色してくるので、葉っぱをこまめなチェックが必要ですね。
もしハダニがついた場合は、水で洗い流すことで駆除が可能です。
またハダニは水を嫌うので、霧吹きで葉水をしてあげると予防につながります。
カイガラムシは葉っぱの新芽や裏側に付く白いワラジ状の害虫で、風通しの悪い場所で多く発生します。
カイガラムシを見つけたら ヘラや歯ブラシを使用して、カイガラムシをこすって落としていきます。
ハダニと同じように葉水をしてあげると予防になりますよ。
クワズイモの花を楽しむために剪定(せんてい)をしてみよう.
クワズイモの花を咲かせる準備として、見た目の美しさも大切です。
そのため、クワズイモの葉が大きくなりすぎた場合は剪定(せんてい)をしましょう。
クワズイモは成長が早く、健康な状態だと葉っぱがどんどん広がっていきます。
大切に育てているクワズイモが大きく成長するのは嬉しいことですが、部屋のサイズ感に合わないことも。そうなる前になるべく早く剪定(せんてい)を始めます。
切る際には新芽や枝を出したい場所をつぶさないように気を付けましょう。
見栄えも大切なので、切ったときのバランスを考えてカットしていきます。
茎をカットしたところから白い樹液が出ますが、これは毒性があるので、ビニールやゴム手袋などで直接樹液に触らないよう注意が必要です。
植え替えをしてみよう
クワズイモの花を咲かせるには、元気な状態が条件のうちのひとつです。
クワズイモの葉色が悪くなった場合、根詰まりの可能性があります。
鉢底を確認して、たくさん根が出ているようなら植え替えをしてあげましょう。
植え替えの適切な時期は5月です。
基本的にあまり暑い時期や寒い時期には植え替えは行いませんが、根詰まりがひどいようなら冬以外に植え替えを行いましょう。
ひとまわり大きな鉢に、観葉植物用の土を使って植え替えます。
植え替えた後はたっぷりと水やりをして下さい。
また、クワズイモの鉢を大きくしたくない場合は株分けもできるので、小さめの鉢に株を分けて植えてみましょう。
まとめ
サトイモ科の植物特有のかわいらしさがあるクワズイモですが、花を咲かせることも魅力のひとつです。クワズイモをしっかり育てると、もしかしたら珍しい花を咲かせることができるかもしれません。
その個性的な佇まいは、部屋を癒やしの空間に変えてリラックスできる空間を作ってくれるでしょう。リビングに飾れるだけでおしゃれな雰囲気にしてくれたり、風水効果で癒やしてくれたりといろいろなメリットがあります。
花を咲かせることは、大きな達成感を与えてくれます。ぜひクワズイモを暮らしに取り入れて、花を咲かせることにチャレンジしてみましょう。育て方のコツさえつかめば、人生のよきパートナーになってくれるでしょう。