花に関わる仕事〜花屋で花に関わる職種・仕事内容と給料について〜
花に囲まれた暮らしを感じる暮らしの中で、プレゼントから人生のイベントまで、さまざまな場面で綺麗な花を目にする機会も増えました。
綺麗な花は、心を癒したりリラックスさせてくれます。
小さい頃に憧れた「花屋さんになりたい」と夢のある花屋さんの仕事ですが、花屋さんといってもその中でも、いろいろな種類の仕事があるんです。
職種によって、仕事内容も変わります。
花に関わる仕事は興味があるけれど、どんな仕事内容かわからない!
お給料の相場はいくらくらい?と気になる方に、花に関わる職種と仕事内容から花屋転職後の一般的な給料までを、紹介したいと思います。
花に関わる仕事はどんなものがある?
花に関わる仕事といっても、多くの種類の仕事があります。
花の生産者も花に関わる仕事になりますし、花を販売する花屋も花に関わる仕事です。
他にも結婚式場や個人のお庭など、多様な場所・場面で花に関わる仕事があります。
1.生産・流通で花に関わる仕事
花に関わる仕事にも、生産や流通など『花を商品として販売する前の段階』で花に関わる仕事があります。
花屋
花に関わる仕事で1番イメージしやすい職種が、花屋だと思います。
身近で、花の購入やプレゼントのアレンジを注文時など、一般的に花を買いに行くお店のことです。
一言で花屋といっても、花屋だけでもたくさんの職種があります。
花屋の仕事については、この記事で後ほど詳しく、説明したいと思います。
花卉(かき)栽培農家
花卉栽培農家は、地域の特徴にあった花栽培をしています。
花卉栽培農家は、同じ1つもしくは2つの種類の花だけを栽培していることが多いために、その花のプロであることが多いです。
種や球根・挿木などから、個々の花に合った育て方で栽培して、栽培した花は商品としてお店や会場・花市場に配送出荷されています。
花卉栽培農家は、アルバイトで雇用者を雇いながら、花栽培や収穫をされているところも多いです。
育種家・種苗会社員
よい品種を作るために研究を重ねて、2重のものを3重に咲かせる新しい種を作ったり、珍しい色の花を咲かせるように品種改良に取り組む育種家や、農産物の種を生産し農家に供給する種苗会社員などの仕事もあります。
2.アレンジで花に関わる仕事
花をデザインをして作品を作る、アレンジをする仕事もいろいろな職種があります。
アレンジといっても、さまざまな場所やシュチュエーションで、それぞれに必要とされる知識や技術が異なってくるので、その環境ごとの得意とする職種があるんです。
以下に、代表的な5つの職種をあげてみました。
フラワーコーディネーター
結婚式やシーンに合わせた、会場を彩る装花を担当する仕事です。
花屋の仕事の中で、1番魅力がある仕事内容だと思います。
フラワーコーディネーターに関しては、花屋で働く機会も多いために、花屋の仕事のところでのちほど詳しくまとめてみました。
華道家
これも知っている人も多いかと思います。
季節に応じた花を風情を持って花、器に綺麗に活ける仕事をするのが、華道家です。
枝つきや花の向きを上手に活かした、アレンジに比べると少ない花材で作品を完成させるところも魅力だと思います。
芸能界でもよく見かける、仮屋崎省吾さんも華道家ですよね!
生花作家や華花家などと呼ばれることもあります。
デザインという言葉を聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、花に携わるデザイナーという言葉もたくさんあります。
フラワーデザイナー
結婚式やホテル・ショールームや贈り物の花のアレンジなどを演出するデザイナーのことを言います。
フラワーコーディネーターの中の一部を指して、フラワーデザイナーと呼ぶことが多いようです。
ブーケデザイナー
ブーケ専門のアレンジ製作をする、ブーケデザイナーという職種があります。
結婚式の和装・ドレスなどのブーケ製作をメインに行う仕事です。
結婚式場と契約されている花屋で専従することが多いブーケデザイナーは、結婚式場で出向いて花嫁さんとブーケの打ち合わせを行ったり、前撮りで使うブーケを製作してイメージの確認を行ったりしながら、結婚式当日のブーケ製作を行います。
ブーケデザイナーは、デザインのトレンドに合わせてブーケの製作のために勉強をしながら、形や色味を工夫したブーケを提案する仕事内容です。
フラワースクール講師
フラワースクール講師は、最近増えてきている花に関するスクールの講師です。
アレンジに使用する花の種類は、生花だけでなくプリザーブドフラワーだったり、アーティフィシャルフラワーなど素材も多様化しています。
そのためそれぞれの、花の特徴やアレンジの技術や知識が必要です。
アレンジをデザインして、花材の準備から見本の作成、レッスンの授業の運営までの工程でも多くの仕事内容になります。
更には、最近では花だけでなく、葉や緑などの植物をアレンジの花材とする教室も増えてきているようです。
3.造園に関わる花の仕事
日本風の庭を設計・デザインする庭師や、公園や個人邸宅・庭園などをデザイン性高く綺麗に装飾するガーデンデザイナーという仕事もあります。
松の枝からデザインを手がけたり、造形性も高い作品が多いです。
国の重要文化財の施設などの、庭園の造園も庭師やガーデンデザイナーが手がけています。
花屋で活躍している人の職種は?
花屋で花に関わる仕事といえば、簡単に想像がつくものも幾つかあると思います。
まずは、花屋を経営する経営者、アレンジを作成したり提案するフラワーデザイナーという仕事も一般的に有名です。
お店の販売担当であれば、接客担当やレジ担当業もあります。
大きな店舗やチェーン店では、事務業や商品をお客さんに配送する仕事も個別で必要です。
また、お店の戦略担当としてマーケティング業務担当も必要となります。
どの業務もお店にとって必要な、花に関わる仕事です。
その1つ1つの職種とその仕事内容について、見てみましょう。
フラワーデザイナー
フラワーデザイナーとは、花の特徴を生かしてシーンや用途に合わせて花をアレンジする職種です。それぞれの花の特徴や経験を経て、綺麗に見せるアレンジや装花を作るプロの仕事になります。
フラワーコーディネーターとも類似しますが、式の会場を装花するフラワーコーディネーターに比べると、多様なシーンの大小様々なアレンジに対応する職種です。
小さなものでは、卒業式の生徒のブートニアから、大きなものになると大会場の装花の仕事もあります。
花屋で、注文されたプレゼント用のアレンジの製作をしたり、ブーケの製作をするのもフラワーデザイナーの仕事です。
花屋で定期的な、教室主催があればその講師になることもあります。
アレンジを作成する前の段階の、水揚げから全ての花屋の仕事もフラワーデザイナーの仕事の1つです。
花屋経営の仕事
花屋としてお店を構えると、フラワーデザイナーだけではお店が成り立ちません。
影の力持ちとなる、職業も幾つかあるので紹介したいと思います。
マーケティング業
まず花屋の宣伝や購買戦略にとって欠かせない花に関わる仕事として、マーケティング業があります。お店をお客さんに知らせる広報業を行ったり、宣伝業務に携わる仕事です。
最近ではネットショップが主体となっている店も増えて、ネットショップの運営もマーケティング業務の1つとなります。
事務業
お店では、経理やその他の事務に関する仕事もあります。
お客様からの電話対応や、発注や発送などの業務も事務業務です。
配送業
花屋の店頭での販売もありますが、配送も花屋の大事な仕事内容です。
お店から配送して配送先で花を楽しんでもらうためには、配送は大切な仕事となります。
普通免許や、お店の配送車のサイズに合わせた免許の取得が必要です。
配送業も兼ねる花屋が多いために、花屋に転職する時には普通免許の有無の確認をされることも多くなっています。
フラワーコーディネーターの仕事内容
綺麗な仕事に見えて、多忙なスケジュールの花屋。
その花屋で1番多いとされている職種が、フラワーコーディネーターです。
花屋のフラワーコーディネーターの仕事は、大きく2つにわけることができます。
1つは、花屋のお店の営業に関する仕事です。それから2つ目は、アレンジの製作に関する仕事になります。
花屋の開店仕事
開店前
①市場で当日必要な花の買い付けをします。
花市場が休みの前日は、翌日・翌々日分までまとめて買い付けをしておきます。
②買い付け後はお店に戻って、在庫の花の水揚げ作業です。
※水揚げとは、花を元気に咲かせ続けるための茎のお手入れになります。
③作り置きやディスプレイ用のアレンジ製作、開店準備
開店後
④キーパー(花の冷蔵庫)の管理と確認
⑤花出し、店頭に花を並べます。アレンジも同様です。
⑥適宜、水やり
⑦接客・注文対応・予約確認
⑧花の手入れ
閉店後
⑨掃除
⑩花の片付け、売り上げ金の計算とレジ閉め
一般的な花屋での業務は、このような流れになります。
アレンジ製作や教室主催があれば、並行して作業が必要です。
市場は早朝からの買い付けが必須ですので、フラワーコーディネーターの朝は早くなります。
フラワーアレンジメント製作
フラワーコーディネーターの仕事で、もっともイメージにあるのが『フラワーアレンジメント製作』だと思います。
最近のトレンドとして、ブーケを贈るよりも増えているのが、フラワーバスケットなどのフラワーアレンジメントの商品です。
贈られた人が、そのまま飾ることができて、手間の要らない鉢や花器にアレンジされた商品が店頭でも人気になっています。同じように、鉢物の蘭や観葉植物も同様です。
フラワーコーディネーターは、まず市場から仕入れた花を水揚げをします。
それから、花器(花を活ける器)に水を満たしたアレンジフォームをセットした後に、水揚げをした花をアレンジしていきます。
この時に、アレンジの色味や雰囲気はイメージに合わせて作る必要があるために、季節の花や花ごとの特徴・花言葉などについても知識が必要です。また、カラーコーディネートの知識があると、アレンジの統一感や雰囲気がよりイメージに近い状態での完成もできやすくなります。
花を活けながらバランスを見て、葉やグリーンを入れたり、ピックなどの装飾を追加していきます。
アレンジ完成後は、ラッピングです。
花のイメージを崩さないように包装紙を選びながら、お客さんが持ちやすいようにラッピングを行います。
花屋は、作業場所が綺麗な人=仕事が上手な人であることが多いです。
アレンジ製作の途中で、切った枝や茎は適宜片付けながら、作業を進めていくことも大切になります。
アレンジ製作は、開店前後でもっとも時間を要するフラワーコーディネーターの仕事です。
花屋勤務の一般的な年収っていくら?
花屋勤務の一般的な年収は、経験やお店の規模で異なります。
それは、花屋の規模や系列店の有無でも異なったり、継続年数や資格・仕事内容でも異なることが多いようです。
平均的な月給は18万円から25万円くらいと言われています。2021年10月の求人の平均年収では、330万円となっているようです。
この給料は、普通のサラリーマンに比べると低い傾向にありますが、キャリアや資格を考慮されたり、働き方を認めてもらうことで高くなる可能性もあります。
なので、働く人の条件によって異なることが多い傾向です。
地方では15万円くらいという場合もありますので、自分の生活を考えた就職が必要となります。
花に関わる仕事の特徴
決して高い給料とは言えないし、楽ではない花屋の仕事ですが、それでも花に関わる仕事に就きたいのには理由があります。
その理由の1つが、綺麗なものに向き合う時間を多く持って、日々過ごすことができることです。
会社で癒される時間があるとすれば、休憩中の一息の珈琲だったり、ふと窓から見る風景だったりかもしれませんが、花屋では花と向き合う時間も多くて癒される時間もとても多くなります。
癒しの媒体としての花以外の見方として、最近では自己表現の手段としてアレンジを作品とすることを楽しみにしている、フラワーコーディネーター志望の人も増えているそうです。
花屋の仕事のメリット
- 花について間近で、学ぶことができる
- 自分の作品を作ることができる。
- 季節の花や植物について、感じることができる。
好きで本を見て学ぶのに比べて、生の花に触れることで、吸収する情報はまったく異なってきます。
いろんな花の知識も自然と身に付くことも多いです。
アレンジを作りながら、自己表現としての作品に喜びを感じたりすることもあります。
また、四季が曖昧になる世の中でも季節に合わせた花や植物を目にしながら、仕事を通して季節を感じることもできるメリットも嬉しいことです。
花屋のデメリット
- 花の鮮度を保つため、店内が温度が低めの設定で、冬場は寒い。
- 水仕事が多いために、肌荒れをしやすい。
- ハサミや茎などの鋭利なもので、傷を作りやすい。
どの花屋でも共通のデメリットが上記になりますのでまず、冬場は寒さ対策が必要です。
また、手の皮膚が荒れやすかったり怪我も増えるために手袋を使っている人もいます。
花屋転職に向いている5つの条件
花屋で働く人にも、向き・不向きがあります。
以下に、花屋転職に向いているポイントをまとめてみました。
花が好き
花屋さんで働く条件で、必須なのが『花が好きな人』です。
好きでもないことに必死になったり、学ぼうとする気持ちはなかなか起きにくいと思います。
花が好きでずっと眺めていたい人と、花に対する興味のない人では、やりたいことや学びたいこと・意欲が全く違ってきますので『お花を好きなこと』これがまず大前提となるでしょう。
もの作りや、表現をすることが好き
花屋で、お花を1本だけ買っていくお客は少ないと思います。
花屋に来る人の大部分は、アレンジやブーケを注文・購入してから持って帰ることがほとんどです。
アレンジ製作もブーケを束ねるのにも、技術も必要となりますが同時に好きなことで、楽しい仕事につながります。
お客さんに渡るそのアレンジも、心を込めて作るようにしましょう。
立ち仕事・寒さに耐えられる
デメリットでもお伝えしましたが、花屋の店内は、花を長持ちさせるため低めの温度設定になっています。
夏はいいですが、冬は特に寒くなりますので耐寒のできる人が働く条件となることが多いです。また基本は立ったままの仕事であることが多いために、立ち仕事ができることも条件になります。
人と関わることが好き
ネットショップを除き、花屋の業務の大半はお客さんとの接客業務です。
話すことが苦手だったり、花についての知識を説明できるような人と関わることが好きな人が接客業でも向いています。
お客さんから聞いた情報をもとに、アレンジを製作する必要がありますので、しっかりコミュニケーションを取って、希望されている商品の情報を集めてイメージしましょう。
細かい・繊細な作業ができる
花はとても繊細で、扱いも繊細です。それでかつ、アレンジ製作や接客後の対応はスピーディーな必要があります。鋏(ハサミ)を使用しながら、細かい作業もしつつ、繊細な花を優しく扱う必要もあるために、作業に慣れても花の扱いはとても重要です。
丁寧に花を扱うことができる、細やかさと繊細な作業をしてもストレスを強く感じない性格の人は、花屋の転職に向いていると思われます。
観葉植物と付き合うために、あると便利な資格
花に関わる仕事についてたくさんの職種を紹介してきましたが、花屋で働く時にあると便利な資格に、グリーンアドバイザーという資格があります。
グリーンアドバイザーとは、花だけでなく鉢物のアドバイザーの資格です。
花だけで販売をしている花屋さんは少ないために、グリーンの知識もあるととても役に立ちます。
2日間の講習と、その講習を受けることでほとんど問題なく合格できる試験をクリアすることで、取れる資格です。
検定料が必要になるのと、5年ごとの更新が必要になります。
花に関わる仕事で、グリーンの知識があるとないとでは全く別物ですね。
花に関わる仕事に興味がある人は、是非グリーンアドバイザーという資格についても興味を持ってみると良いかもしれませんね。
まとめ
今回は花屋をメインに、花に関わる仕事について紹介をさせて頂きました。
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