結婚式会場を彩る装花とは?役割や種類について
会場を華やかにする結婚式には欠かせない装花。
結婚式に出席したことがある人は、会場の至るところまで飾られた、きれいなお花に感動したことでしょう。
会場でゲストがよく目にするところからさりげない場所まで、結婚式ではたくさんお花が使われているんです。
実際にどんな装花があるのか、会場の場所ごとに見てみましょう。
今回は、装花の役割や種類、選び方や相場についてなどをご紹介していきます。
そもそも装花とは
装花とは、挙式会場や披露宴会場を飾るお花のことで、「会場装花」と呼ばれることもあります。
チャペルやバージンロードはもちろん、披露宴のメインテーブルやゲストテーブル、ウェディングケーキなどを装飾するお花も装花と呼びます。
ウェディングケーキのカット用ナイフや、司会者の方が使うマイクまで、細部まで飾れば飾るほど、会場を華やかに盛り上げて、忘れられない挙式にしてくれるのが装花の役割です。
花嫁様が持つブーケや、ドレスに着けるコサージュなどを含んで呼ぶこともあります。
選んだ花の色やイメージで、会場の雰囲気を思い通りにアレンジできるのです。
会場のイメージや予算などをフローリストと相談しながら、装花のセッティングを打ち合わせていくのが一般的です。
装花の種類
結婚式を飾る装花には、どんな種類があるのでしょうか?
一般的に装花は、挙式会場と披露宴会場で分けた2種類があります。
挙式会場の装花 | 祭壇装花、チェアフラワー
フラワーバージンロード など |
披露宴会場の装花 | 受付装花、ウェルカムボード装花
エントランス装花、メインテーブル装花 ゲストテーブル装花、キャンドル装花 ウェディングケーキ装花 マイク装花、グラス装花 など |
装花と言っても、式場に花を飾る場所はさまざま。
特に、披露宴ではマイクやグラスなど、細かい場所にも花を使用することがあるため、自分たちはどこに花を飾りたいのかを、ざっくりと決めておくと良いです。
次は主な装飾場所となる装花について、いくつかご説明します。
祭壇装花
祭壇装花は、新郎新婦が誓いを交わし合う祭壇に飾られる装花です。
祭壇の上、もしくは祭壇の両隣に飾るタイプがオーソドックスになります。
白が主流にした花色を用いて、神聖で厳かな雰囲気を演出します。
チェアフラワー
チェアフラワーはゲスト用の椅子を飾るものです。ベンチフラワーとも呼ばれていて、
バージンロードのすぐ脇の椅子に飾ります。
基本的には白の花を使用することが多いので、ユリや白いバラなどが人気です。
ほかにも、カスミソウや薄ピンクのお花が選ばれる傾向にあります。
フラワーバージンロード
フラワーバージンロードとは、バージンロードをお花で飾る演出のことです。
花びらを道の両脇に撒くタイプ、バージンロード上に生花や造花を敷くタイプの2種類があります。
フラワーバージンロードは、式場によってはできないところもあるので、必ず事前に問い合わせておきましょう。
メインテーブル装花
メインテーブル装花は、「高砂装花」とも呼ばれます。
ゲストの注目が一番集まるメインテーブルは、披露宴や会場全体のイメージを左右する重要なポジションです。
一番目立つ場所でもあるので、なるべく華やかにする傾向があります。花の種類や色合いは、式の雰囲気やイメージによって変えることが可能です。
ゲストテーブル装花
ゲストテーブル装花は、「卓上装花」とも呼ばれる装花で、ゲストをおもてなしする装花です。
メインテーブル装花と上手く雰囲気を合わせつつ、ゲストの方々のお食事の邪魔とならないよう、すっきりとした飾りにします。
ウェディングケーキ装花
披露宴のシャッターチャンスでもあるウェディングケーキ。
衣装やテーブルなどの次に、こだわり抜きたいポイントです。
ケーキの装花と合わせて、ナイフ装花にもこだわるご夫婦が多くなっています。
ゲストの方々に撮影される瞬間ですから、細部まで飾っておきたいですね。
装花はどうやって決める?
結婚式を控えたご夫婦は、いったいどのようにして装花の打ち合わせをされているのでしょう?
また、これから挙式を考えているパートナーの方々も、どのような流れで装花のイメージを組んでいくのか、おおまかな流れを知りたいですよね。
ここからは、装花の選び方や、決め手となるポイントなどについてご紹介します。
会場のイメージに合わせて
まずは、どんなイメージの会場にしたいか、全体的なテーマを決めましょう。
あまり難しく考えず、ナチュラル、エレガント、かわいい、和風など、ざっくりとしたワードを挙げたイメージでも大丈夫です。
イメージが決まったら、メインテーブルに飾る花の種類や、大きさなど細かく決めていきます。当たり前ですが、華やかにすればするだけ費用がかさむので、なるべく予算オーバーしないように、イメージと金額を比べながら決めるのがおすすめです。
季節の花
結婚式を行う季節に合わせた、その季節の旬のお花や色合いを取り入れてオーダーするのもおすすめです。
例えば春でしたら、桜の花がぱっと思い浮かびますよね。
全体的に淡いピンク色をテーマカラーとして使うのもおすすめです。
夏にはヒマワリを使用したビタミンカラーをテーマにしてもいいですね。
鮮やかな発色のビビッドカラーなども取り入れると、個性的なウェディングになりそうです。
秋にはコスモスやバラ、ガーベラ…といったように、季節に合った花材を装花に取り入れてみましょう。
好きな色・花
新郎新婦がそれぞれに好きな色や、お二人で決めたテーマカラーなどがあれば、その色に沿って装花を選んでいきましょう。
海や水族館などに思い出深いエピソードがあれば、全体的にブルー系で統一したマリンテーマもおすすめです。
アウトドア系の趣味をお持ちでしたら、ナチュラルな雰囲気に。
とにかく明るく元気なご夫婦でしたら、明るいイエローやオレンジをベースにするのもいいですね。
お二人で相談して色やテーマを決めていきます。
好きな種類のお花があれば、そのお花をメインに持ってきたアレンジメントを頼んでみましょう。
装花はなぜ高いの?相場と理由を解説
結婚式の装花は、生花を使用することが多いので、金額も高くなってしまいます。
会場に使うお花とブーケを合わせると、なんと相場は20万円ほど。
ですが、式場側もわざと価格を高く設定しているわけではありません。
装花代の相場が高い理由としては、人生の晴れ舞台である結婚式を支えるうえでのきちんとした理由があります。
続いては、結婚式の装花相場が高くなる理由について、ひとつずつご説明していきます。
①手数料
まず第一の理由としては、手数料が挙げられます。
装花の価格というのは、お花屋さんが納品した純粋な価格だけではなく、式場側による手数料が上乗せされているためです。
では、自分で持ち込んだら手数料を抑えられるのでは?と思いますよね。
残念ながら、メインテーブルなどの装花については、ほとんどの式場で持ち込みが禁止されています。
理由としては、お食事の席などに飾るお花が、万が一お料理に何かが入ったと騒ぎがあったときに、持ち込まれたものだと詳細を把握しきれないなどのトラブルがおきるからです。こういったリスクがあることから、もし持ち込みが可能であっても、持ち込み料が発生するケースがほとんどです。
②技術料
結婚式の装花が高い理由としては、次に挙げられるのが技術料です。
結婚式場で使うブライダルフラワーには、式の終わりまで美しく真っすぐ保てるよう、お花の茎にワイヤーを通しておいたり、会場の温まった室温で花びらが開きすぎないよう1枚1枚に糊付けをしたりと、店頭販売では通常行わない特別なケアが行われています。
このように細やかなケアが施されるため、当然フローリストにはかなりの手間が掛かっています。
もちろん、会場すべてのお花に処置をするわけではないのですが、ケア分の技術料が発生しており、装花の価格が上がっているのです。
③備え分のお花代
装花の相場が高い理由には、備えている分のお花代が含まれていることも挙げられます。
結婚式の装花は、実際に会場に出ている本数以上に余分を仕入れてあります。
これは、会場の室温によってコンディションの悪くなったお花をそっと挿し替えたり、仕入れた中からベストコンディションの色や咲き方をしているお花を使ったりするためです。
華やかな結婚式の雰囲気を壊さないように、備え分の花が用意されているんですね。
会場装花の費用を抑える方法
結婚式の装花が、通常のアレンジメントなどを購入するよりも、割高になる理由がお分かりいただけたかと思います。
ご夫婦の最高の日をベストコンディションで飾るために、表立って見えない部分にも細やかなケアが施されている装花。
嬉しさを感じつつも、そこはやはり費用をなるべく抑えておきたいのが本音ですよね。
ここからは、割高になってしまう結婚式の装花を、見栄えを落とさず、理想の会場イメージのままで節約できる工夫や、コストを下げるポイントをご紹介します。
色指定して種類をお任せ
装花の価格が上がる最大の理由としては、花材の値段があります。
装花に使用するお花の種類によっては、倍近く価格が異なることもあります。
理想とする結婚式の実現には、花の種類にも細かくこだわり抜きたいところではありますが、あまり細かく指定しすぎると見積り額が跳ね上がってしまいます。
例えば、お花の種類を細かく指定せずに、希望する色だけ伝えるというのもひとつの手段です。色の希望を伝えておけば、好みの会場装花を叶えつつ、節約も可能になります。
また、希望カラーと合わせて、望みのテイストも伝えておきましょう。
可愛らしい雰囲気、大人っぽいエレガントな雰囲気、ナチュラルでシンプルな雰囲気、スタイリッシュなどなど…
好みの色にあわせて、希望のテイストを伝え、さらに予算も伝えておけば、希望とするイメージの会場デザインに近付けつつ、フローリストが予算内に収めた花材を使ってくれますよ。
似たお花で代用する
使用したいお花があれば、似たお花を代用するのもコストダウンに繋がります。
1本あたりの差額は大したことがなくても、全体的にかなりの使用本数を必要とする装花では、トータルで見るとかなりの金額差が生まれるからです。
例えば、バラを使ってゴージャスな会場に仕上げたい場合、たくさんの バラが必要になるでしょう。
ですが、バラは1本あたりの単価がとても高く、予算がアップしてしまいますので、予算内に収めたい場合の花材としてはやや不向きなお花です。
そこで、代わりにトルコキキョウで代用してみましょう。
八重咲きのトルコキキョウなどは、バラに負けず劣らず幾重にも重なった花びらで、ゴージャスな花姿です。
花びらもふんわりとしていて、やわらかな女性らしいフェミニンな雰囲気を持っています。
このように、全てのお花を代用することで、大幅なコストダウンに繋がります。どうしても使用したいお花が高い場合は、安くて似たお花と混ぜて飾るのもよいでしょう。
旬のお花を使う
どうしても使いたいお花があっても、季節外れのものだと旬なお花に比べて高価になる傾向があります。
分かりやすくヒマワリを例に挙げるなら、夏場は旬の花材としてコストを抑えられますが、冬の結婚式に用意するとなると、輸入で取り寄せるケースも考えられるので、取り寄せるのが大変な分、費用がかさんでしまうのです。
どうしても旬以外のお花を使いたいときは、使用するポイントを決めて、限った場所の花材として使いましょう。
生け方はクラッチタイプで
装花の費用を節約するポイントとして、お花の生け方を指定するのも方法のひとつです。
生け方で最も安価なものは、ガラスの花器に花束状にした花材を挿すクラッチタイプになります。
吸水スポンジに花を挿しつつ形を整えていく生け方に比べて、クラッチタイプだと手間が大きく省けるため、技術料項目の節約になるのです。
さらに、クラッチタイプの装花は、挙式が終わった後に、ゲストの方々へ花束としてお持ち帰りいただけるので、ゲストをおもてなしできるという嬉しいメリットがあります。
造花やグリーンを混ぜる
会場の装花すべてを生花で用意するとなると、かなりのコストがかかってしまいます。
一部に造花を使用したり、グリーンの花材を取り入れることでボリュームを確保しましょう。
コツとしては、一部分だけ取り入れるなど限った場所で使えば、全体的にグレードダウンしたチープな印象になりません。
他にも、キャンドルなどのアイテムを使って、装花を小さく作るのもポイントです。
ハーバリウムなどを使っても、見栄えが良くておしゃれですね。
風船や小物で代用する
メインテーブルやフラワーバージンロードなど、お花を使ったほうが良い場所は、生花を使用するのが好ましいですが、ゲストテーブルやその他の小さな飾りは、バルーンやその他の小物で代用することで、装花を用意するよりも安くなることがあります。
バルーンアートなどは、注文すると高くなることもありますが、テーブル数が少ないのであれば、自分たちで作ってテーブルに飾れば、費用が抑えられることがあるでしょう。
また、小さめなキャンドルにしたり、あえて花を置かないのもおすすめです。
テーブルが寂しいと感じたら、花びらを散らすことで華やかさをキープしつつ、費用を抑えることもできるでしょう。
ブーケを持ち込む
ブーケに関しては、持ち込みを許可している式場もあります。
一般的にお花屋さんで用意されるブーケは、手数料などが上乗せされない分、式場価格よりも安く済みます。
また、造花のブーケを使用すれば、より安くブーケを用意することができるでしょう。
ただし、注意点としては、持ち込み料の確認を必ずしておくことです。
ブーケ代に持ち込み料をプラスしたうえで価格を見積り、式場準備のものよりも安いかどうかを比較しましょう。
現在では、人気が上がっているドライフラワーの専門店も多く出ていることや、ネット通販の普及に伴い、誰でもハイセンスなブーケをリーズナブルに選べる傾向にあります。
また、自らで手作りでブーケを作るのも、思い出に残るブライダルとなるでしょう。
自作した手作りブーケでしたら持ち込み料が必要ないケースもあるので、その点も確認しておきましょう。
まとめ
今回は、結婚式会場を彩る装花について、種類や選び方、相場や費用を抑えるコツについてご紹介してきました。
パートナーとの門出をお祝いする結婚式は、ご家族やお世話になった方々を招いて行なう、盛大な式になります。
細部までこだわり抜きたい気持ちも山々ですが、抑えられるポイントを抑えて、賢く結婚式を挙げましょう。