胡蝶蘭を長持ちさせる方法とは?育て方のポイントと気をつけたい病害虫!

胡蝶蘭は花の中でも長く楽しめる花として知られています。しかし、そのためには適切なケアをすることが大切です。上手に育てれば、長い期間にわたってとても優美で素敵な花姿を見せてくれることでしょう。そこで今回は、胡蝶蘭を長持ちさせるための方法を徹底的に解説します。胡蝶蘭の育て方に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。

 

胡蝶蘭の基本的な育て方

胡蝶蘭を長持ちさせるためには、胡蝶蘭の基本的な育て方をまず知る必要があります。

花はそれぞれ特性があり、その特性に合った育て方をしなければ枯れる原因になったり、本来の寿命よりも短命になることも。まずは、胡蝶蘭の基本的な育て方を紹介します。

 

育て方①水やりの頻度とポイント

花を育てるうえでとても大切になる水やり。水やりを適切に行えるかどうかは、花が元気に育つためには重要なポイントとなります。

「花はとりあえず忘れずに水さえあげておけば大丈夫」なんて思っている方も多いと思いますが、闇雲に行うことはとても危険です。

胡蝶蘭は、高温多湿の地域原産の花ですが空気中の中に含まれる水分を補給できるという変わった特徴を持っており、もともと水分量が多い植物になります。

これは一般的なお花や植物と比べても、胡蝶蘭が取り込む水分の量は多いと言えるでしょう。

空気中からも水分を取り込むことができるということは、水やりの回数や頻度を多くしなくても水分が足りているということ。

逆に水やりの頻度が多くなると、胡蝶蘭の含有水分量が過剰になることで多湿の状態が続くことになります。多湿の状態が続くと、根腐れやカビの原因になり最悪の場合枯れてしまうことも。

多湿状態になることを防ぐためにも、胡蝶蘭の鉢は通気性が良くなるよう工夫がされていることが多いのです。

以上のことを踏まえて、胡蝶蘭の水やりは控えめが適切です。

 

  • 具体的な水やりの回数

胡蝶蘭の水やりの回数の目安は1週間に1回です。

もちろん、乾燥状態や気温などで多少の変動はありますが、基本的には1週間に1回で問題ありません。逆にこれ以上多くしてしまうと、多湿状態が長く続き根腐れの原因になります。

 

ただし、根腐れや多湿が心配だからと言って、1週間に1回の水やりの時にも水を極力少なくしてしまうと、今度は水分不足になる可能性があります。

そのため、水やりの時にはしっかりと水を与えてあげるようにしましょう。

 

  • 水やりのタイミング

水やりのタイミングは1日の中で厳密に決まっているわけではありません。しかし、できるだけ夕方など日が落ちてから水やりをするとよいでしょう。

朝起きたタイミングで水やりをする人が多いと思いますが、朝に水やりをしてしまうと日中の高温で鉢の中が蒸れる可能性があります。

また近年の猛暑を考えると、朝に水やりをしてしまうと、暑さで干上がってしまい水やりの意味がなくなる可能性も。そのため、夕方の日が落ちたタイミングで水やりをするようにしましょう。

 

【水やりのワンポイントアドバイス】

ここで、水やりのワンポイントアドバイスです。

水やりの回数は量ですが、基本的には1週間に1回で構いません。

しかし、株の大きさや乾燥度合いによっては、水やりの調整をするのがポイントです。ここで注意したいのは、極端に量を増やさないこと。

乾燥や株の大きさから、回数を増やしたい場合には、基本の回数や量よりもほんの少しだけ増やすようにしましょう。

また、胡蝶蘭を贈り物でいただいた場合には、ラッピングがされていることが多いですよね?綺麗なラッピングだと剥がすのがもったいないと感じるかもしれませんが、そのままにしておくと湿気の逃げ道がなくなり、適切な水やり頻度でも多湿の状態になり腐ってしまうおそれがあるので、ラッピングは必ず取るようにしましょう。

 

育て方②温度管理はとても重要

胡蝶蘭を育てる時には、温度管理にも気を使うようにしましょう。

胡蝶蘭は耐寒性が弱い植物ですので、冬の寒さは苦手です。そのため、最低でも気温は15度以上があることが絶対条件です。

寒さに耐えることができないので、外植えすることはできません。日中は外に飾っている場合でも、夜は必ず室内に入れるようにしてください。

また、室内でも冬は玄関などの寒い場所には注意が必要になります。

 

育て方③置き場所にも注意

胡蝶蘭を育てる時には、胡蝶蘭を置く場所にも注意するようにしましょう。

胡蝶蘭を長持ちさせるためには、環境を整えることがとても大切。

胡蝶蘭の最適な置き場所を詳しくみていきましょう。

 

  • 風通しの良い場所に置く

胡蝶蘭を置く場所は、風通しの良い場所に置くようにしましょう。

胡蝶蘭は多湿状態になると枯れてしまうことがあるので、風通しの良い場所で蒸れを防ぐ必要があります。ただし、エアコンの風は禁物です。

胡蝶蘭に限ったことではなく、植物全般エアコンの風はとても苦手なので、エアコンの風が直接当たる場所での管理は避けましょう。

 

  • 直射日光を避ける

胡蝶蘭の置き場所で注意するのが、日当たりです。

もちろん日当たりは植物にとっては大切なもの。しかし、直射日光は葉焼けの原因になったり枯れてしまう原因にもなるので、必ずレースカーテン越しで管理するようにしましょう。

また、急に日に当てることも注意が必要です。

極端な環境の変化で葉焼けを起こしたり、元気がなくなり萎れるリスクがあります。

 

  • ペットや子供の手の届かない場所

胡蝶蘭を置く場所で盲点になりやすいのが、子供やペットがいるご家庭での置き場所です。

小さな子供やペットがいるご家庭では、お花に触ってしまったりペットが食べてしまったりする危険性があります。

胡蝶蘭にストレスがかかってしまうため、胡蝶蘭を置く場所は小さな子供やペットが届かない場所にするようにしましょう。

 

季節ごとの胡蝶蘭のケアのポイント

胡蝶蘭の基本的な育て方を紹介しましたが、少し深掘りして季節ごとにどのようなケアが必要なのかをみていきましょう。

季節ごとに適切なケアをすることは、胡蝶蘭を長持ちさせる方法ではとても大切になります。

 

①春のケアのポイント

春の胡蝶蘭のケアのポイントは、植え替えです。胡蝶蘭は暖かくなり始める4月頃が植え替えの最適時期です。このタイミングを逃さないよう植え替えを行うことで、胡蝶蘭が元気に成長することができます。

一方で、冬などの植え替えのタイミング時期でない時に植え替えをすると、枯れる原因になります。根腐れなどで至急植え替えをしなければならない場合を除いて、4〜6月以外は絶対に避けるようにしましょう。

 

①夏のケアのポイント

夏の胡蝶蘭のケアのポイントは肥料を与えてあげることです。肥料は、植物が成長する手助けをしてくれます。

また、6月ごろは湿気が多い時期になるので、水やりの頻度には注意しましょう。

①秋のケアのポイント

秋の胡蝶蘭のケアのポイントは、日照時間の変化に気をつけること。

日照時間の長い夏と違い、徐々に日照時間が短くなってきます。

また、胡蝶蘭の生育期間は夏の終わり頃までですので、だんだんと成長が遅くなり休眠期に入っていきます。そのため、水やりの頻度や回数にはさらに注意するようにしましょう。

④冬のケアのポイント

冬の胡蝶蘭のケアのポイントは、水やりの頻度です。

基本的に水やりは控えめな胡蝶蘭ですが、冬はさらに間を空けるようにしましょう。

目安は20日に1回です。

 

胡蝶蘭が気をつけたい病害虫

胡蝶蘭を長持ちさせるための育て方の基本がわかったところで、実は胡蝶蘭を育てるうえで気をつけたいことがまだあります。

それは、病害虫です。

植物にはそれぞれ、かかりやすい病気や発生しやすい害虫が存在します。

この病害虫の発生の兆候を見逃さずに、早めの対処をすることも、胡蝶蘭を長持ちさせるためにはとても大切です。

それでは、胡蝶蘭が気をつけたい病害虫とその症状、また対処の方法を詳しく見ていきましょう。

 

胡蝶蘭が気をつけたい病気

まずは、胡蝶蘭が気をつけたい病気を紹介します。

予防が可能な病気も多いので、しっかりと確認してくださいね

病気①葉焼け

■葉焼けの原因

葉焼けの原因は複数あり、直射日光・薬害・塩害などが原因になって起こります。

いずれにしても、急激な環境の変化によって、起こると考えましょう。

 

■症状

・葉っぱが黄色や茶色に変色

・葉っぱが白っぽくなる

 

■対処法

葉焼けが起こってしまったら、環境の変化によるダメージを起こしているのですぐに元の場所へと移動します。

また、葉焼けした部分は元には戻らないので、ひどい場合には葉っぱごと取り除くようにしましょう。

 

■予防策

予防策は、急激な環境の変化を起こさないこと。

もし、場所を変えたいのであれば、元の場所との環境の変化が大きい場合には徐々に移動させて慣れさせていきましょう。

直射日光による葉焼けを防ぐためには、必ずレースカーテン越しに置くことです。

病気②立ち枯れ病

■立ち枯れ病の原因 

フザリウム菌というカビの一種に感染したことにより生じる病気です。水滴や湿気が溜まり葉が蒸れることにより感染します。

 

■症状

・葉っぱが黄色くなる

・葉っぱが落ちていく

 

■対処法

風通しの良い蒸れのない場所に置き、「タチガレン」「リドミル」などの薬剤を塗布する。

 

■予防策

立ち枯れ病の予防策は、とにかく蒸れを防ぐことです。

多湿の環境に置か図に風通しをよくし、蒸れることを予防しましょう。

 

病気③炭そ病

■炭そ病の原因

炭そ病は、高温多湿の環境で発生しやすくなります。

また、炭そ病は風などで菌が飛んでいき、感染が広がっていきます。

特に多湿状態になりやすい6月〜7月、そして9月と10月は発生しやすい時期ですので注意しましょう。

 

■症状

・葉っぱに淡褐色の小さな斑点が現れる

・黒色の大きな斑点ができる

 

■対処法

炭そ病は、一度感染してしまうとどんどん広がってしまうため、見つけ次第すぐに対処するようにしましょう。一度病気にかかってしまった箇所は元には戻りません。

そのため、症状が出ている箇所は全て取り除きましょう。

ただし、初期段階であれば薬剤散布で対応できる場合があります。

 

■予防策

炭そ病の予防策はとにかく風通しをよくすることです。

高温多湿の環境下で発生する病気ですので、多湿状態を作らないよう注意しましょう。

また、薬剤を散布しておくことも有効です。

 

病気④灰色カビ病

■灰色カビ病の原因

灰色カビ廟は、カビ(糸状菌)によって引き起こされる伝染性の病気で、4月から11月にかけて発生しやすくなります。

被害部位は花弁、つぼみ、葉、茎などで、小さなカビが多く現れます。灰色かび病にかかってしまうと、株の残渣や土の中などにいる病原菌が、地表面に落ちた枯れ葉や花がらで増殖します。これが風で飛ばされ、他の部位にもうつる危険性があります。

 

■症状

初期症状は水がにじんだようになります。

その後褐色になり、やがて腐敗、軟化して、表面に灰褐色のカビが密生します。

 

■対処法

発病した箇所は元には戻りません。

むしろ放っておくとどんどん広がっていきますので、病気の蔓延を防ぐために発病してしまった箇所は取り除くようにしましょう。

被害がひどく、植物全体に回ってしまっていた場合には、残念ですが株事処分するしかありません。

 

■予防策

灰色カビ病は、多湿を好む病気です。

そのため風通しが悪く植物が蒸れている状態になると発生しやすくなります。風通しの良い場所で蒸れを防ぐことが大切です。

また、しっかりと日光に当てることで予防することができます。

 

胡蝶蘭が気をつけたい害虫

次に、胡蝶蘭か気をつけたい害虫を紹介します。

害虫は気づいたら繁殖していた…なんてことも珍しくないため早めの対処を心がけましょう。

 

害虫①アブラムシ

■アブラムシの原因

アブラムシの原因は主に乾燥です。

高温で乾燥した状態が続くとアブラムシが寄生してしまいます。

 

■症状

・つぼみが落ちる

・つぼみがいつまでも開花しない

・花が落ちる

 

■対処法

アブラムシは水で薄めた牛乳を霧吹きで拭きかけることで駆除ができます。

薬剤を使わずに駆除することができるので、小さい子供やペットがいるご家庭でも安心して対処ができるでしょう。

 

■予防策

アブラムシの発生を防ぐためには、何よりも乾燥を防ぐことが大事です。乾燥を防ぐためには葉水を適度にすることが効果的です。

 

害虫②カイガラムシ

■カイガラムシの原因

主に乾燥が原因でカイガラムシという害虫が発生します

植物全般に発生する病気ですので、気をつけることが大切です。

 

■症状

・葉の裏に白くふわふわした粉状のものが付着している

遠目から見るとホコリのように見えますが、よくよく見るとゆっくりですが動いていることが確認できます。葉の裏にも発生します。

 

■対処法

害虫駆除剤を散布し剥がれ落ちるのを待ちましょう。

また発生している数が少なければ、ピンセットなどで取り除くことができます。

 

■予防策

カイガラムシの予防策はとにかく乾燥を防ぐこと。

乾燥状態が続くと、気づいたらカイガラムシだらけになっているなんてことも珍しくありません。カイガラムシは葉の裏についていることもあるため、しっかりと葉の裏も確認するようにしてください。

乾燥を防ぐためには、葉っぱに霧吹きで水を拭きかけてあげるといいでしょう。

 

害虫③葉ダニ

■葉ダニの原因

高温や乾燥している環境が続いてしまうと、葉ダニが発生します。

 

■症状

・葉のツヤがなくなる

・葉の裏側にベタつき、白い斑点が見られる

・葉の裏側がかすり状になっている

・黒いブツブツ(葉ダニ)が確認できる

 

■対処法

葉ダニは、水を吹きかけて駆除することができます。

薬剤には、耐性がつきやすいので水をかけて対処しましょう。

 

■予防策

葉ダニの予防策は乾燥を防ぐことです。

葉の乾燥を防ぐためには、適度に葉水を行うようにしましょう。

 

害虫④アザミウマ

■アザミウマの原因

高温、乾燥が原因で、アザミウマが寄生することで発生します。

 

■症状

・胡蝶蘭の花びらのふちが黄色く変色している

 

■対処法

アザミウマが発生してしまったら、薬剤で駆除するようにしましょう。

「オルトラン」などの薬剤が効果的ですが、効果は一時的です。日頃から予防に努めることが大切です。

 

予防策

アザミウマの発生を防ぐためには、乾燥を防ぐことが1番です。

乾燥を防ぐためには、水やりのほかに葉水を適度にしてあげることがおすすめですよ。

 

まとめ

今回は、胡蝶蘭を長持ちさせるための方法を紹介しました。胡蝶蘭は、長く楽しむことができる植物です。しかし育て方を間違えてしまうと、せっかくの胡蝶蘭もすぐに枯れてしまうことにつながります。胡蝶蘭を出来るだけ長持ちさせるために、胡蝶蘭の特性を確認し適切に育ててあげましょう。

愛情をかけてしっかりケアしてあげることで、長持ちさせることが可能になりますよ。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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