フラワーアレンジメントの仕事に役立つ資格やスキルは?

美しいフラワーアレンジメントを作り上げる「フラワーコーディネーター」の仕事。

フラワーアレンジメントの仕事には、優れたデザイン性やコーディネートセンスはもちろんのこと、お花や植物に関する専門的な知識、的確に花材を扱う技術も必要になります。

人を笑顔にさせてくれる花束やアレンジメントを作り上げる仕事は、きっとやりがいのある素敵な仕事ですよね。

今回は、フラワーアレンジメントの仕事をするために役立つ資格や、スキルについてご紹介していきます。

フラワーコーディネーター(デザイナー)とは

フラワーアレンジメントとは、花器の中にオアシスと呼ばれる吸水スポンジを入れて、そのスポンジに花を挿して活けていくアレンジメントのことを指しています。

花材の美しさを活かして、ブーケを作ったり、カゴや器などに美しく飾りつけるというものです。

アレンジメントに使用する花材は生花だけに限りません。

ドライフラワーや、特殊な加工が施されたプリザーブドフラワー、造花なども含めて、花材の美しさを活かしたフラワーデザインを行なうものです。

身近なところでは、プレゼント用のフラワーギフトや、宿泊施設や飲食店、デパートなどの店頭を飾るディスプレイにもフラワーアレンジメントが取り入れられています。

このようなフラワーアレンジメントをデザインをする職業は、「フラワーデザイナー」や「フラワーコーディネーター」と呼ばれます。

基本的にフラワーデザイナーとは、花材を活かして魅力的なアレンジメントデザインを作る仕事をする人の総称ではありますが、有資格者を「フラワーデザイナー」と呼ぶ場合が多くなっています。

 

具体的な仕事内容

フラワーコーディネーター(デザイナー)の具体的な仕事内容は、生花屋、市場、冠婚葬祭の式場など職場によって異なりますが、まずは一般的な生花店を例にして見ていきましょう。

仕事の流れとしては、仕入れがある日は仕入れた花の水揚げから始まります。

生花店の仕入れは朝の6時頃から始まります。

市場で働くとなると、お客さんが仕入れに来る前に準備しなければなりませんので、夜も明けきらぬ3時頃から勤務が始まるのです。

 

生花店では、水揚げ以外にも店内の掃除、キーパー(冷蔵庫のようなガラスのショーケース)や鉢の清掃、オーダーやメールの確認、来店されたお客様への対応、注文されたお花の配達などがメインになります。

SNSでお店の情報を発信している店舗でしたら、商品の写真撮影やSNS発信も仕事に含まれます。

 

働き始めたばかりで仕事に慣れてお花をアレンジできるようになるまでは、お花の水揚げや清掃業務が主になるでしょう。

花のお世話だけではなく、水が入ったバケツや土の入った鉢を運んだり、完成した商品を車に積んで配達したりと、かなり体力が必要になる仕事内容です。

また、店内は花に合わせて温度調節をするため、冬は寒い中で仕事をすることになります。

このような苦労もありますが、お花が大好きな人は、好きなものに囲まれて癒されつつ働けるでしょう。

フラワーアレンジメントに必要なスキル

フラワーアレンジメントの仕事をするには、資格よりもスキルが重要になってきます。

次は、お花の仕事に携わるうえで、必要となってくる能力やスキルについてお話ししましょう。

 

専門知識

お花のアレンジメントは、使う用途や目的、シーンなどによって、花の色や種類を的確に判断してアレンジを仕上げていきます。

そのため、花の性質や特徴、季節に応じた旬のお花など、専門的な知識が必須になるでしょう。また、お客様からの要望やオーダーに応じて、希望の予算内で品物を作るため、時価で変わる花の価格を頭に入れつつ、柔軟にデザインしていくことが必要です。

特に、ブライダルシーンにおいてのフラワーアレンジメントでは、花の専門知識と併せて、式に関する知識が必須となってきます。

 

デザインや色彩センス

フラワーアレンジメントは、絵画などとは異なり、立体的にデザインしていくものです。

そのため、色彩センスや知識も重要視されますし、空間デザインやバランスセンスも大切です。

相手のイメージするものに近付け、クライアントの希望するデザインになるよう、時には花の香りまでも考えてデザインしていきます。

人気のフラワーコーディネーターの作品をチェックしたり、芸術やアート作品、建築物などにも目を向けて、日々アンテナを巡らせておくと勉強になるでしょう。

 

コミュニケーション能力

これは多くの職業で役立つ能力ではありますが、花を扱う仕事でも大いに役立ちます。

フラワーコーディネーターの仕事は、ひとりではできません。

もちろん独立してお店を持つとなれば話は変わってきますが、基本的には協力やチームワークが必要な職業です。

アレンジのセンスが抜群に良くても、協調性のない人とは一緒に働きたくありませんよね。

自分の仕事や役割を充分に理解して、周りの動きを把握し、臨機応変に動けることは何よりも重要になります。

また、結婚式場でのフラワーコーディネーターは、特にこのコミュニケーション力が求められます。

式を挙げるカップルそれぞれが持っている「理想の結婚式」に近付けるよう、きちんとヒアリングを行ない、思い浮かべるイメージを擦り合わせていくことが大切なのです。

決められた予算内で、どのような雰囲気や演出をしていくか、使う花の種類や色は何にするか、希望を汲み取っていかなければなりません。

ただ希望を聞くだけではなく、予算内で理想に近づけるにはどうすれば良いのか、自分のアイディアや考えも伝えていく必要があります。

 

体力

お花に関する仕事は、とてもおしゃれに見えて憧れてしまいますが、実際はかなりの重労働です。

優雅に泳ぎながらも、水面下では水かきを欠かさない白鳥に例えてみると分かりやすいでしょうか。花屋の仕事は、基本的には立ち仕事であり、力仕事が多くあります。

水の入ったバケツや重い鉢、完成した大きなアレンジメント品などを、繊細な花や商品が傷まないよう、細心の注意を払って運ばなければなりません。

また、花にとって良い環境にするため、店内や作業場の温度は低温でなければならず、冬場はとても寒いです。

開店前に花材を仕入れる必要があるので、仕入れの日は早起きが必須になるでしょう。

お花に携わる仕事は、おしゃれで華やかに見えますが、重労働を伴う体力勝負の仕事でもあります。

 

お花や植物への愛

お花はそれぞれの原産地やルーツによって、お手入れの方法や水やり頻度、適した温度や湿度などが異なります。

それらの知識を頭に入れて、お花それぞれに合う適した管理方法が必要です。

これには、植物の専門知識だけではなく、お花への愛情や思いやりが欠かせません。

フラワーアレンジメントの仕事に資格は必要?

さて、フラワーアレンジメントの仕事をしたいと考えている方は、何か特別な資格が必要なのかどうかが気になるでしょう。

フラワーコーディネーターの仕事には、必ず必要な資格というものはありません。

求められるものは、実践で動ける技術やお花の知識、早く美しくアレンジメントを制作できる能力です。

生花店、イベント会場などで仕事として花に触れ、経験を積めば、フラワーコーディネーターと名乗ることができます。

フラワーアレンジメントに関する求人でも、経験者を希望する求人がほとんどです。

花の仕事に携わる多くの人が資格を取得する前に働き始め、働きながら自主的に勉強をしたり、役立つ資格を取得したりしています。

お花の仕事に資格は必須でないとは言え、現場での動きへ繋げるために役立つ資格はいくつもあります。

専門学校で学ぶ

いきなり現場で働く勇気がない……という場合は、専門学校で勉強してから就職につなげる方法もあります。

フラワーコーディネーターになりたいと、はっきりしたビジョンを描けているのであれば、園芸専門の学校に入ると良いでしょう。

専門学校では、卒業後に即戦力となれるよう指導教育が行われています。

就職先へのコネクションもありますから、花やブライダル専門学校で学べば、確実に就職へとつなげられるでしょう。

また、専門学校ではフラワー装飾技能士の国家資格や、日本フラワーデザイナー協会資格(NFD)を取得することができます。

 

まだ具体的に就きたい職業がなく、幅を広げて植物や花、園芸に関われる仕事に就きたいのでしたら、コースの一環として園芸を学んだり、ガーデンデザインを学んだりすると役立つでしょう。

 

就職前に資格を取得する

いざ生花店で下積みを…と就職活動を始めても、就職に難航するケースがあります。

ほとんどのお花屋さんでは、すぐに実践で役立つ人材を求めているからです。そういった場合のために、前もって資格を取得したり、教室に通ったりしてから就職活動をするのもおすすめですよ。

アレンジの技術や基本知識を教えている教室などに通えば、実際に花に触れながら資格を取得することができます。

未経験の職場にいきなり飛び込むよりも、商品の扱いに慣れておいたほうが安心しますし、自信にもなりますよね。

無資格・未経験よりも、資格があって花の扱いに慣れている人材のほうが、採用する側も安心して採用できます。

資格を取得するためのコース学習では、それぞれの資格のカリキュラムに沿って学んでいくため、取得までのおおまかな流れが把握でき、就職までのスケジュールが立てやすいのもポイントです。

勤めながら独学で学ぶ

フラワーコーディネーターに関する資格では、国家資格の「フラワー装飾技能士」以外、民間の協会や教室で監修されています。

それぞれの資格によって特徴が異なりますので、「この資格があれば、この仕事に就ける」というものが明確にはありません。

先述したとおり、花の仕事に資格は必須ではなく、技術やスキル、コミュニケーション力、体力があれば働くことができます。

センスの良いアレンジメントを制作する花屋さんでも、必ず資格を持っているわけではありません。

人によっては、生花店などで実際に勤めて経験を積み、働きながら本や動画、インターネットなどから独学で知識をつけるという方法も合っていると思います。

フラワーアレンジメントに活かせる資格

フラワーアレンジメントに関わる仕事では、資格は必須ではないとお伝えしました。

しかし、アレンジメントの仕事に長く関わりたいのであれば、花の知識やデザインの勉強は常に必要です。

採用するうえでは、「NFD3級」「フラワー装飾技能士3級」の資格は、現場で即戦力になる目安としての基準があります。

国家資格以外にも、アレンジメントに活かせる民間協会の資格が多く存在しています。

この民間資格も豊富な種類があり、実務として役立つ資格から、趣味の範疇の資格まで存在していますよ。

しかし、「この資格を取れば必ず仕事に就ける」と保証されているものはありません。

資格取得を検討している場合は、「取得した資格で何ができるか・何をしたいか」という面をしっかり見極めてから勉強に臨みましょう。

 

ここからは、フラワーアレンジメントの職業に活かせる資格についてご紹介します。

フラワー装飾技能士検定(国家資格)

フラワー装飾技能士検定は、国内唯一のブライダルフラワー装飾における国家資格です。

冠婚葬祭会場やイベント会場でのフラワー装飾技能を評価して、認定する資格になります。

フラワー装飾技能士試験では、実務試験と学科試験を行ないます。

級には、3級・2級・1級があり、各級によって実務経験年数などの受験条件が異なってくるので、詳しく見ていきましょう。

実技試験内容 受験条件(実務経験)
3級 花束、リボン、バスケットアレンジ、ブートニア(結婚式で新郎の胸ポケットに飾るコサージュ)の作製 6か月以上
2級 スタンド花、盛り花、贈呈用花束の作製 2年以上
1級 ブーケ、卓上装花、立食用卓上装花の作製 7年以上

※受験条件は、専門学校などで学んでいると緩和されることがあります。

フラワーデザイナー(NFD)

「花文化の普及」「日本の文化的生活水準の向上」を目的としている、公益社団法人日本フラワーデザイナー協会による認定資格です。

昭和42年から始まり、50年以上にも及ぶ歴史があるこの資格は、フラワー装飾技能士検定に次いで、役立つ資格と言えるでしょう。

認定資格では、実技試験と学科試験を行ない、3級・2級・1級があります。

実技では、日常的なフラワーアレンジメント、ウェディングブーケ、イベント用フラワーアレンジメントの作製を行ないます。

フラワー装飾技能検定と似た部分の多い資格ですが、フラワーデザイナー資格(NFD)では実務経験が少ない人も受験が可能です。

フラワーデザイナー資格(NFD)の1級の合格は、日本フラワーデザイナー協会のスクールで指導する、講師資格を取得のための受験ステップでもあります。

フラワーデコレーター(FDA)

フラワーデコレーター協会が主催している認定資格です。

フラワーアレンジメントに欠かせない色彩やデザイン、花についての知識や、アレンジメント技術を習得できます。

級には3級・2級・1級があり、3級は自宅学習で取得することが可能です。

2級以降は、フラワーデコレーター協会の認定スクールへのスクーリングなどが必要となります。

1級を取得すると、フラワーデコレーター協会の認定スクールを開校できます。

開校したスクールでは、学ぶ生徒にフラワーデコレーター2級、フラワーカラーコーディネーター2級の資格を取得させることが可能になります。

補助金も支給されるので、いつか自分の教室を開校して、生徒に技術指導をしていきたいと考えている人にはおすすめの資格です。

園芸装飾技能士(国家資格)

園芸装飾技能士は、厚生労働省が認定している国家資格です。

主に、樹木や観葉植物などを使い、建物や庭の装飾能力を認定する資格になります。

こちらも、実技試験と学科試験があります。

園芸装飾技能士の資格取得後は、生花店やホームセンター、イベント会場はもちろん、宿泊施設や飲食店など幅広い職場で資格を活かすことが可能です。

国家資格ですので、就職の強みにもなると言えるでしょう。

ブライダル関連の資格

「ブライダルフラワーコーディネーター検定(BFCA)」は、ブライダルフラワーコーディネーター協議会主催の資格です。

ブライダルフラワーを専門とするフラワーコーディネーター育成のための資格になります。

ブライダル関連では他にも、「IWPAウェディングフラワーデザイナー資格」というものがあり、こちらはIWPA国際ウェディングプランナー協会が主催している、ウェディング部門特化のフラワーデザイン技術を取得する認定資格になっています。

他に持っていると役立つ資格

花の配送などには運転が必須ですので、普通自動車運転免許の取得はかなり役立ちます。

他にも、全国美術デザイン教育振興会(ADEC)が主催している「色彩士検定」も、カラーコーディネートやアレンジメントのデザインに大いに役立つ検定資格でしょう。

上記でご紹介した以外でも、学んだスキルや知識、センスはフラワーアレンジメントを作るうえでのひらめきとして役立ちますよ。

直接的にはお花に関係がない資格や知識でも、いずれアレンジメントに活かして繋がっていくものは多く存在します。

 

プレミアガーデンではフラワーデザイナーの求人を募集中!

引用:プレミアガーデン

 

現在、プレミアガーデンではフラワーデザイナーの求人を募集しています。

仕事内容は、水揚げ、アレンジメント・スタンド花・花束・ブーケ制作、配達、来店接客、ラッピング、花の手入れなど、花に関する業務は一通りあります。

未経験者には一通り仕事ができるようになる為のプログラムも新しく新設されました。3年で一通り花の仕事が出来る様に専属の先輩が教えてくれるので、未経験の方にも応募しやすい仕事となっています。

フラワーデザイナーとして働きたい、経験を積みたいという方におすすめですよ。

 

募集要項はこちらです。

・23歳〜45歳迄の男女 (長期勤続によるキャリア形成を図る為)

・社会人としての常識的マナーのある方

・向上心がある方

・敬語を話せる方

※全社員が気持ち良く働ける清潔感のある環境を目指している為、

  礼儀正しい方に限らせて頂きます。

【!重要!】書類ご応募の際、ご応募書類に必ず電話でのご連絡先を記載して頂くようお願い致します。

 

勤務地は東京本店、大阪支店、名古屋支店、福岡支店で、正社員とアルバイトを募集しています。

 

プレミアガーデンってどんな会社?

プレミアガーデンは高品質なお花をお届けしている「通販」を主軸とした会社です。

胡蝶蘭やスタンド花、ブーケやアレンジメントなど、さまざまな種類のフラワーギフトを取り揃えており、会員数10万人を超えるフラワーギフト専門サイトとなっています。

お花屋さんは正月は忙しい所が多いですが、プレミアガーデンでは暮れと正月は意外と仕事は落ち着いています。

年末年始は毎年社員の7割が休みとなっており、弊社は法人のお客様が多いので法人様が休みのときは暇になります。

しっかりと休みを取りたいという方にもおすすめですよ。

 

まとめ

今回は、フラワーアレンジメントに関する仕事、フラワーコーディネーター(デザイナー)について、役立つ資格やスキルなどをご紹介しました。

フラワーアレンジメントの仕事に携わるには、何よりも実務経験が物を言います。働くうえで必須の資格はありませんが、いつでも勉強して新しいことを学んでいく姿勢が大切でしょう。

花屋さんといえば小さい頃の憧れの職業でもありますが、実は重労働を伴う体力勝負の職業です。早朝出勤や寒い店内での勤務など辛い部分もありますが、お客様の喜ぶ顔を見ることができたり、接客の楽しさがあったりと、やり甲斐や喜びも大いにあります。

何より、お花を愛する方であれば、大好きなものに囲まれて仕事ができるのは幸せですよね。

この記事が、お花に関わるお仕事を考えている方に少しでも役に立てば幸いです。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?