パキラを大きくしたい!効率の良い育て方やコツは?
観葉植物の中でもポピュラーなパキラは、育て方が簡単なので、初心者向けの観葉植物として大人気です。
サイズ展開が豊富で、テーブルに飾れる卓上サイズのものから、お部屋のシンボルツリーにもなる大きさのものまで揃っています。
今育てているパキラがまだ小さいものでも、パキラ持ち前の生命力を活かしてお手入れしていくことで、もっと大きなサイズに育てていくことができるんです。
今回は、パキラの幹を大きく育てていく方法についてご紹介していきます。
パキラの基本情報
科・属 | アオイ科・パキラ属 |
和名 | パキラ、カイエンナッツ |
英名 | guiana chestnut |
学名 | pachira glabra |
原産地 | ブラジル |
インドアグリーンとして優秀なパキラ
熱帯地域に自生しているパキラは、耐陰性に優れており乾燥にも強いので、初心者でも育てやすい観葉植物の入門とも言える品種です。
自生するパキラは、大きなものでは10メートルほどにもなるといわれています。
丈夫な性質を持っているパキラは、室内などの日陰でも育ちやすく、病気や害虫にも強いので、初心者向けでありながらインドアグリーンとして大変優秀な観葉植物です。
また、パキラの美しく大きな葉は観賞性も高く、お部屋を彩るインテリアとしても活躍できるでしょう。
金運を上昇させる風水効果が!
パキラの別名には「money tree」「発財樹」といった、お金に関わる名前が付いています。
パキラは、1980年頃からアジア諸国で栽培が広がっていき、盛んに取り引きされていたことからも商売繁盛のイメージや、パキラによって財を得る「お金を生み出す木」として広まりました。風水学の面から見ても、パキラを飾ることで仕事運や金運が上昇すると言われているため、オフィスに飾る植物としてもおすすめです。
ご家庭で飾る場合には、リビングや玄関、寝室に飾ることをおすすめします。
パキラの風水効果として、悪い気を払ったり追い出したり、良い気を呼び込んでくれたりする効果が期待できますので、気の出入りがある玄関に飾ることでそのパワーを発揮してくれるでしょう。
パキラの基本の育て方
育てやすさとデザイン性、さらには風水的な効果もあることから人気の高いパキラ。
お世話は難しくないので、基本さえ抑えてしまえばパキラを元気に育てていけます。
元気なパキラを長く楽しんでいくために。育て方の基本ポイントを勉強していきましょう。
適した置き場所での管理
パキラは耐陰性があるため、室内の日陰でも育っていってくれます。ただし、植物ですからやはり日光は大好きなので、直射日光を避けつつ、こまめな日光浴をさせてあげましょう。
乾燥にも比較的強い性質ですが、冷暖房の風が直接当たる場所に置くと、葉の水分が蒸発してしまい葉が傷みます。エアコンの風が直接当たる場所は避けて管理してください。
水やりの頻度が重要
水やりを多少忘れたくらいでは枯れることのないパキラは、過湿状態を嫌いますので、水のやりすぎによって株が枯れてしまう危険があります。
品種によって異なりますが、観葉植物の水やりは「土の表面が乾いてからたっぷりと」が基本です。
鉢土をよく観察して、乾いたことを確認したら、鉢底から水がたっぷり流れ出してくるまで水やりをしましょう。室内で育てる場合には、なかなか土の水分が蒸発していかないこともあるので、水やり前に土の様子はきちんと確認しておきましょう。
受け皿に水を貯めたままでいると、鉢内の湿度が上昇して蒸れてしまい、根が腐ってしまう恐れがあるので、必ず捨ててください。
肥料で生長を助けよう
生命力の強いパキラは、特に肥料を与えずに育てていても、続々と新芽が顔を覗かせていきますが、さらに株や幹を大きくしていきたい!というときには肥料を与えると良いでしょう。
生育期である春から秋の間に、その株の大きさに見合った量の肥料を与えていきます。
固形の置き肥料の場合には、2ヶ月に1度ほどのペースで充分です。
パキラは温度が15℃を下回ると、徐々に休眠期へと移行していき成長が止まってしまうので、秋の終わり頃から冬の間には肥料は要りません。
休眠期に肥料を与え過ぎると、根に養分が詰まることにより根腐れを引き起こす原因にもなります。適量の肥料でパキラの生長を促進することで、株が元気になり、害虫被害や病気にもかかりにくくなりますよ。
毎年の剪定作業が大切
パキラを健康的に育てて、幹を太くしていくためには、選定作業も大切な工程です。剪定作業は、梅雨頃が適期になります。
剪定では、脇に出ている芽や枝を切り落として幹だけの状態にしましょう。
やや寂しく心もとない姿にはなりますが、秋になればまた新芽が出てきますので安心してくださいね。このように葉を落とすことで、今まで葉にも行き渡らせていた栄養が幹に集中するようになり、幹の生長を促進することができます。
この剪定作業を毎年重ねていくにつれ、パキラの幹が徐々に太く生長していくのです。
定期的な植え替えを
パキラなどの観葉植物は、植物の品種にもよりますが1〜2年ごとに新しい鉢への植え替えが必要です。特に、幹や株を太く大きくしていきたい場合には、一回り大きな鉢へ定期的に植え替えることで根が育って広がっていきます。
ただし、大きく育てていきたいばかりに、株に対して大きすぎる鉢を選ぶと、鉢内の土がなかなか乾かずに根腐れの原因tのなることもあるので、適した大きさの鉢を選びましょう。
根が生長しているのにも関わらず窮屈な鉢のままで育てていると、根から養分や水分を上手く吸収できないばかりか、根腐れを起こして株が枯れてしまう恐れもあります。
鉢底や鉢土から根が飛び出ていたり、パキラの大きさに対して鉢が見合っていなかったり、土から腐ったような匂いがするときは植え替えのサインです。
寒い時期を避け、パキラの生育期である春から秋の間に、植え替え作業を行ないましょう。
あまり寒い時期に植え替えを行なってしまうと、植え替えによる負担からパキラがなかなか回復できず、そのまま弱っていってしまうこともあります。
【植え替え手順】
(1)まずは株を鉢からやさしく抜き出しましょう。
(2)古い土を落としつつ、根を丁寧にほぐしていきます。
(3)一回り大きな鉢に、鉢底ネットと鉢底石を敷き、新しい土を入れます。
(4)パキラの株を置き、株の周りに土を足して埋めていきましょう。
(5)植え替え後にはたっぷり水やりをして、風通しの良い日陰で2週間ほど管理します。
「挿し木」で増やそう
パキラは、植物の枝や葉を土などに挿して発根させる「挿し木」で増やしていくのがおすすめの方法です。
植え替え時期と同様に、生育期である春から秋の間が適期になります。
【挿し木の手順】
(1)葉色が良く健康的な枝を10~20センチほど切り取ります。
※剪定で切った枝を使ってもOKです。
(2)切り口に発根促進剤を塗ると発根しやすくなります。
※塗らなくても構いません。
(3)土は、肥料の含まれていない清潔なものを用意して、挿し穂を挿しましょう。
(4)10日から2週間ほどで新芽を確認できます。これが発根のサインです。
(5)しばらくして根が安定したら、大きな鉢に植え替えましょう。
もしパキラの株が弱ってしまったときに、元気な枝が残っていれば挿し木の方法で新しい株を育てていくことも可能です。
パキラの実生苗・挿し木苗の違い
パキラの苗には、「実生苗」「挿し木苗」の2種類があり、この違いによって育ち方が異なってきます。
「実生苗」とは、種から発芽させる「実生(みしょう)」で育てた苗のことを指します。
「挿し木苗」は、先ほどご説明した「挿し木」の方法によって増やした苗のことです。
パキラの幹を大きく太くしていきたい場合には、この苗の違いによって太さに差が生まれてきます。
実生苗のパキラは、適度に日光に当てていくと幹がどんどん太く育ってくれるのですが、それに比べると挿し木苗のものはあまり太くなっていかず、実もつきません。
挿し木苗は大きくならないわけではありませんが、生長スピードは実生苗のほうが勝るため、幹の太いパキラに育てていきたい!という方は、前もって実生苗を選びましょう。
実生苗と挿し木苗の見分け方
幹の太いパキラに仕上げるためには、実生苗のほうがおすすめだと分かりましたが、それでは実生苗と挿し木苗は、どのように見分ければ良いのでしょうか?
この見分け方は意外と簡単で、パキラの株元を観れば一目瞭然です。
株元が膨らんでおり、先端に向けて細くなっていくような、ずんぐりとした姿であれば実生苗になります。幹の太さに変化がなく、一定のものだと挿し木によって増やされたパキラです。
ただし、子の見分け方だと、まだ苗の小さなうちはなかなか見分けづらいです。小さな苗のうちは、葉をチェックしてみましょう。初めの葉が双葉であれば、実生苗です。
売り場では目視確認できない方法ではありますが、根によって見分ける方法もあります。
挿し木での増やし方では、枝を切って発根させるため、土に埋まった幹の側面から根が生えている状態です。
幹の先端部分は、挿し木時にカットされているので切り口が鋭利になっていますが、実生は種から育てていくので鋭利な切り口部分がありません。
パキラを美しく元気に育てていくコツ
元気いっぱいに美しく育つ観葉植物には、毎日元気を貰えますよね。健康な観葉植物からは、風水効果も発揮されます。
次は、パキラを美しく元気に育てていくためのコツやポイントをご紹介していきますので、基本の育て方へのプラスアルファとして参考になさってみてくださいね。
葉焼けに注意
室内の日陰でも育ってくれるパキラですが、適度な日光浴は大切です。しかし、日光が強すぎたり直射日光にさらされたりしてしまうと、パキラの美しい葉が葉焼けを起こしてしまいます。
葉焼けとは、人間でいう日焼けした状態のようなものですが、植物にはとても深刻で、光合成を行なう組織が破壊されることにより、葉焼けした箇所は光合成ができなくなってしまう病気です。範囲が少なければ良いのですが、もし広範囲で葉焼けしてしまうと植物に必要な量のエネルギーを作れずに、株が枯れてしまうこともあります。
もし葉焼けによって葉が茶色く変色していたら、葉焼け部分は再生しないので、その葉は切り落としましょう。
日光不足に注意
反対に、日陰で育てすぎて日光が不足してしまうと、ひょろひょろと細い幹になってしまいます。これは「徒長」といって、光合成でのエネルギーが足りず、幹に充分な栄養が行き渡らずに起こる現象です。
いつもは日陰で管理している場合でも、1日に4時間ほどは日光浴をさせて、適度な日光でパキラを健康的に管理しましょう。
仕立て直しで樹形を整えよう
生命力の強いパキラはどんどん新芽が出てくるので、放っておくと樹形が崩れがちです。
あまりに葉が茂り過ぎたり枝が混み合ってしまったりすると、風通しが悪くなることで蒸れてしまい、病気や害虫の発生にも繋がります。
樹形のバランスが悪くなってきたら、こまめに剪定をして整え、見た目の美しさと風通しの良さをキープしましょう。
幹にある茶色い節の「成長点」の上から新芽が発芽しますので、生長点を残すよう意識して剪定するのがポイントになります。
葉水で害虫予防
パキラには、ハダニやカイガラムシなどの害虫が発生する場合があります。
カイガラムシなどの害虫は、植物に寄生すると、栄養分を吸汁してしまいます。大量に発生すると株全体の健康にも関わる被害になりますので、早期発見が大切です。
葉裏などに好んで寄生するので、日頃からパキラをよく観察しておきましょう。
乾燥しすぎた状態では発生率が高まりますので、霧吹きなどで葉に水をかける「葉水」をこまめに行なって予防しましょう。葉水を行なうことで、葉からも水分を吸収してくれて水やりの効率が高まるというメリットもあります。
幹の編み込みにチャレンジ
園芸店やインテリアショップなどで、幹が三つ編みに編み込まれているパキラを見かけたことはないでしょうか。
とてもデザイン性の高いこの幹は、実は人工的に作られている幹で、パキラを2〜5本あわせて植えて、幹の生長にあわせて編み込んで仕上げられています。
パキラの性質上、葉が上のほうに茂るため、編み込み作業を行ないやすいのです。
編み込んであるパキラは、その分ややお値段も高くなっていますが、手作りでも編み込みの幹に仕上げることができるのです。
【パキラの編み込み方】
(1)15センチ以上の苗木を3本用意しましょう。
(2)編み込む部分にある枝や葉は切り落としておきます。
(3)編み込みやすいよう、3本の株を近付けて植えます。
(4)適度なゆとりを持たせて根元から編んでいきましょう。
※きつく編んでしまうと生長したときに幹が折れやすくなってしまいます。
(5)編み終えたら、最後に紐などで軽く束ね、鉢の中心に支柱を立てて固定しましょう。
実生苗を使うと、幹が柔らかいので編みやすく編み込み向きですが、挿し木苗でも作業は可能です。
ただし、幹を編み込んだパキラは、編み込んでいない株よりも長寿ではないというデメリットもあるので、検討のうえ挑戦してみてくださいね。
編み込んだパキラに元気がないときは
3本のうちのどれかの株に元気がない……そんなときには、元気がなさそうな幹に、カッターなどの刃物で少し切り込みを入れてみてください。
切り込み部分が茶色く見えたら、その株は枯れてしまう手前です。
他の株に元気があって、編み込んだ幹がまだ柔らかい状態であれば、新しい元気な幹を使って編み直してみましょう。
もし、編み込んだパキラのうちの数本が枯れてしまった場合には、悲しいですが幹を切り落としましょう。
まだ株に元気が残っている状態で、上手くいけば切り口から新芽が出てきますが、そのまま株が腐ることも多々あります。
そうなったら、編み込みをほどいてあげて、1株ずつ育てていきましょう。
腐った株は、諦めて捨てずに、植え替えを行なってみてください。
腐っている部分を切り落として植え替えをすることで、パキラが持つ強さを活かして復活してくれるかもしれません。
まとめ
今回は、パキラを大きく育てていくコツや、お手入れのポイントなどについてご紹介してきました。
熱帯地域が原産のパキラは、丈夫さや乾燥に強い性質を持ち、とても育てやすい観葉植物です。1日4時間ほどは日光浴をさせるよう心がけると、ぐんぐん太い幹に育っていってくれます。種から育てられている実生苗を選ぶことで、より生長スピードが上がります。
育て方に慣れてきたら、幹の編み込みにもチャレンジして、オリジナルのパキラを仕上げてみましょう。
縁起物でもあるパキラをお家で育てて、その生長を楽しんでくださいね。