花のある暮らしで心にゆとりを。お花で作る癒し空間
在宅ワークの推奨や自宅で過ごす時間の増えた昨今では、自宅をより過ごしやすく快適な空間にしようとあれこれ工夫する人が増えてきています。
家具を新調してみたり、凝ったインテリアを考えてみたり……おうち時間をより良くするためにはいろいろありますが、中でも手軽に挑戦できるのが暮らしにお花を取り入れることです。
近年ではお花の定期便サービスも充実していて、手軽にさまざまなお花を楽しめるようになってきています。お花が家に飾ってあるだけで、空間がぱっと華やいで明るくなりますよね。
今回は、花のある暮らしを叶えるためのおすすめの飾り方や、手入れしやすい花の種類などをご紹介していきます。
普段の生活にお花を取り入れる
お花が家に飾ってあるだけで、なんだか暮らしの質がグレードアップしたように感じませんか?
雑然とした場所にお花を飾るのは、なんだかもったいない気がしますから、自然と部屋をきれいに保とうという意識も生まれます。
普段からあまりお花に触れてこなかった方は、お花の世話というとハードルが高く感じてしまうかもしれません。しかし、切り花であれば初心者の方でもチャレンジしやすいでしょう。
基本的には水替え程度のお手入れで済みますし、花瓶がなくてもグラスやマグカップがあれば切り花を生けることができます。
最寄りのお花屋さんに立ち寄って、数本でも一輪でも構いませんので、まずは試しに切り花を買って飾ってみましょう。
花を飾って癒しの空間作りを
お花を飾ることによって得られるメリットとして、空間を明るくしてくれるインテリアになること以外にも、リラックス効果が挙げられます。
お花がもたらす癒し効果は、実際に行われた実験によって科学的に証明されているものです。お花を飾っている側と飾っていない側では、数値的な面で精神的な違いがあることが分かっています。
花を飾ることによって、私たちには疲労やストレスの軽減、抑うつ感や怒りといった負の感情を軽減させる効果がもたらされるのです。
日々のモチベーションを上げたい方、最近疲れや気の滅入りを感じている方は、暮らしにお花を取り入れてみてはいかがでしょうか。
暮らしに合わせた飾りやすいお花の種類
一口にお花と言えども、その形はさまざまです。切り花や鉢植えのお花、ドライフラワーやフェイクフラワー、最近ではインテリアアイテムとしてのハーバリウムも人気がありますよね。
暮らしにお花を取り入れてみよう!と思っても、いざ飾るとなると何を選べばいいのか分からない……そんなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、インテリアとして取り入れるお花の種類について、それぞれの特徴やメリットをご紹介していきます。
ご自宅の雰囲気や部屋のインテリア、ライフスタイルなどに適したものを選んで取り入れてみてくださいね。
切り花
お花を飾る方法としていちばん思い浮かべやすいものが、切り花を花瓶に生ける方法ではないでしょうか。
生花の魅力としては、なんといってもみずみずしさや香り、花色の鮮やかさです。
季節に合わせた旬の花を買ってくれば、お部屋でも四季を感じられます。何より、お店であれこれとお花を選ぶのがとても楽しい時間となるはずです。
フラワーベースにもこだわれば、よりお花の表情を活かして飾ることができますし、お気に入りのフラワーベースを使うことで気分も上がるでしょう。
迷ったときには、ガラスなどのクリアな素材の花瓶か、白色の花瓶を用意しておけばどんなお花にも似合いますし、インテリアの邪魔にもなりません。
水の入る容器であればなんでも花器になりますので、花瓶をお持ちではない方も気軽に挑戦してみましょう。
枝もの
枝ものは、基本的に切り花よりも花瓶の水が汚れにくく長持ちしやすいので、コストパフォーマンス面でもおすすめです。特に、切り花が傷みやすい夏場などには枝もののほうが長く楽しめますよ。
枝ものの特徴としては大ぶりなものが多いため、大きさによっては床置きにして存在感のあるインテリアとしても楽しめるのがポイントです。
また、春にはミモザやサクラ、夏にはアジサイやドウダンツツジ、秋はパンパスグラス、冬にはコットンフラワーなど、季節に合わせた旬の枝ものを飾ることで、季節を感じられるインテリアにもなるでしょう。
暑い夏に枝ものを飾れば、清涼感があり涼やかな空間を演出できますよ。
鉢植え
鉢植えのお花や観葉植物は、切り花とは違いお世話すれば長く楽しむことができます。
お手入れの手間はかかりますが、その分毎日の変化を楽しめたり、お世話の楽しさを知ることができるでしょう。
自分でお世話した花が翌年も花を咲かせてくれたら、その喜びもひとしおですよね。
また、インテリアとして観葉植物を取り入れるのもおすすめです。人気の観葉植物には初心者の方でも育てやすい品種が多いので、気軽にチャレンジできますよ。
室内の日陰でも育てやすいものや、寒さや暑さに耐性があるもの、乾燥に強いものなどを選べば、観葉植物を初めて育てる方でも、枯らしてしまうリスクを少なくすることができます。
観葉植物には、部屋のシンボルツリーになるような大きめのサイズから、卓上で気軽に飾れる手のひらサイズのものまでありますので、飾りたい場所にあわせて大きさを選んでみましょう。椅子の上に置いてみたり、小さな鉢をいくつか棚に並べて飾ってみたりするだけで、お部屋の雰囲気がワンランク上がること間違いなしです。
つる性の植物や土を不要とするエアープランツなどの植物であれば、鉢を吊り下げるハンギングでの飾り方もおすすめです。空間のデッドスペースを活かせるので、コンパクトなお部屋でも圧迫せずに飾ることができます。
つる性の観葉植物を垂らして、ゆらゆらと揺れる姿を眺めれば、癒やしグリーン空間が生まれるでしょう。
ドライフラワー
生花を乾燥させたドライフラワーは、観賞期間が長いというメリット以外にも、自分で簡単に作ることができる点も挙げられます。購入した生花を自宅でドライフラワーにすれば、アンティークなインテリア作りができますよ。
ドライフラワーの作り方にはいくつか方法がありますが、最も簡単なのは切り花を逆さに吊り下げて乾燥させる「ハンギング法」です。
直射日光の当たらない風通しが良い場所で乾燥させれば、自宅で手軽にドライフラワー作りを楽しめます。
また、生花とは違って水を必要としませんので、飾り方の幅も一気に広がります。無造作に置いておくだけでも良いですし、吊り下げてスワッグとしても楽しめるでしょう。
生花として楽しんだ後には、ドライフラワーを作ってさらに長くお花を楽しんでみませんか?
プリザーブドフラワー
切り花や鉢植えのお花はどうしてもお世話の手間がかかる……と悩んでいる方は、お世話が不要なフラワーアイテムを選びましょう。
例えば、プリザーブドフラワーは、生花を特殊な液で加工してあり、鮮やかな花色を保ったまま長期保存ができるお花です。状態が良ければ5年以上も観賞が可能です。
水やりなどの手入れは不要ですので、部屋のインテリアアイテムとして飾っておけますよ。
また、プリザーブドフラワーなどを使って作られたハーバリウムもおすすめです。ハーバリウムとは植物標本という意味を持ち、オイルと花を瓶に入れて飾るアイテムです。
雑貨店やインテリアショップなどでも見かけるので入手しやすく、小さな場所にも飾りやすいのでおすすめですよ。
容器を揺らすとオイルに浸かった花がゆっくりと動き、幻想的な美しさがあります。
切り花を長持ちさせるには?
花らしさをいちばん感じられるのは切り花ですが、美しい花を長く楽しむには水替えなどのお手入れは欠かせません。ただし、ただ花瓶の水を替えるだけではなく、茎のお手入れをする必要があります。
切り花は正しいお手入れ方法で管理すれば、長く美しい状態を保つことができますよ。
続いては、切り花を長持ちさせるためのお手入れ方法についてご紹介していきましょう。
水切り
切り花を購入してきたら、まずは「水切り」を行いましょう。
水切りとは、水中で茎先をカットすることで、茎が水を吸い上げやすくするための作業です。
買ってきた切り花は、まず茎先を軽く洗い、ぬめりなどを落としておきます。
花束として売られていたものでしたら、茎を輪ゴムで束ねてあったり、茎先に保湿ゼリーが付いていたりしますので、茎を傷つけないように輪ゴムなどを取り外し、保湿ゼリーは丁寧に洗い落としておきましょう。
バケツや洗面器などの容器に水を溜めて、茎先を浸けたら、切れ味の良い花バサミなどで茎先を斜めにカットします。このとき切り口を斜めにするのは、水を吸い上げる面を増やす目的があります。
水切りの際には、文房具やキッチン用のハサミよりも、園芸用の花バサミを使うのがおすすめです。
花バサミは通常のハサミよりも刃が薄く作られているので、植物の茎の中にある、水を吸い上げるための道管を潰さずに茎を切ることができます。
水替え
花瓶の水替えは、できれば毎日行うのが理想です。水を清潔にしていないと、どんどん雑菌が繁殖していき、その雑菌により茎が傷んでしまうので長持ちしにくくなります。
水替えの際には、水を入れている容器も洗剤などで洗っておけるとベストです。
特に気温が上がる夏場などは、雑菌の繁殖スピードも速いため、毎日水を替える必要があります。夏場に切り花が早く枯れてしまうのは、水の清潔さも影響しているのです。
忙しくて毎日の水替えは難しいという方も、2〜3日以内に必ず替えるようにしましょう。
切り直し
切り直しとは、日々の茎のお手入れとして、茎を数センチずつ水切りしていく作業のことです。
切り花を取り出したら水に浸かっていた茎先を洗い、ぬめりなどを洗い流します。もし傷んで変色している部分は切り落とすようにしましょう。
そして1〜2センチほど茎をカットする水切りを行い、茎先を清潔に保つようにしてください。
茎の断面が汚れていたら、せっかく清潔な水に取り替えてもすぐに汚れてしまいますよね。できれば水替えのタイミングで、一緒に行うのがベストです。
延命剤
毎日の水替えがちょっと面倒な人や、家を留守にする時間が長い人、少しでも長く切り花を楽しみたい人は、延命剤を活用するのもおすすめです。
切り花や花束などを店頭で購入すると、お店によってはサービスで延命剤を付けてくれるところもありますよね。この延命剤には、水を腐らせにくくする抗菌剤や、切り花に必要な栄養分などが含まれていますので、使用することによって切り花が長持ちしやすくなるのです。
また、延命剤を使用した場合には毎日水を替えなくても済みますので、忙しい方には助かりますね。
生花店などの店頭では、よく個包装の小さな袋が販売されていますが、ホームセンターや100円ショップなどでもボトルなどで売られています。
また、ハイターなどの漂白剤を1〜2滴垂らすことで、水中での雑菌の繁殖を抑えることができますよ。ただしハイターは、入れ過ぎてしまうとかえって切り花が枯れてしまう危険もありますので、注意して使用してください。
お花をおしゃれに飾るアイディア5選
切り花のお手入れ方法が分かったところで、続いてはお花をおしゃれに飾るためのアイディアを5つご紹介していきたいと思います。
同じお花でも、飾り方を変えるだけでだいぶ雰囲気が変わります。
花瓶に飾るだけでは味気ないなと感じる方は、ぜひいろいろな飾り方にチャレンジしてみてくださいね。
花瓶と切り花の比率は1:1がおすすめ
たくさんの花を束ねて飾ればおしゃれに見えますが、少ない本数で飾るにはバランスが気になるところです。
一輪挿しや少ない本数で切り花を飾るときには、花瓶の高さと花瓶から出ている花の長さを1:1になるよう調整するのがおすすめですよ。
花束で買ってきた場合には、グラスなどを使って一輪ずつばらして飾るのも素敵です。
ダイニングテーブルに一輪、寝室に一輪といったように、お部屋ごとに似合う花を合わせて飾ってみるのもいいでしょう。
ニュアンスカラーでまとめる
切り花を選ぶときに、くすみカラーやニュアンスカラーといった、やさしげな色合いの花色でまとめて花を選んでみるのもおすすめです。
はっきりとした色合いのお花ではなく、淡くてやわらかい色合いのお花を選んで統一してみると、ニュアンスカラーでまとめられたおしゃれな雰囲気になります。
お部屋の雰囲気もやわらかな印象になり、韓国インテリアや北欧インテリアなどにもぴったりですよ。
ティーカップに盛り付ける
切り戻しを何度もしていると、だんだんと茎が短くなってきますよね。
長持ちしてくれるお花ほど、茎が短くなるので、初めに飾っていた花器との長さが合わなくなってきます。
そんなときには、茎をもっと短くカットして、ティーカップやマグカップ、グラスなどの浅めの容器に盛り付けるようにふんわりと活けてみましょう。
まるでティーカップから花が咲いているかのように華やかで、テーブルに置いておくだけでも素敵ですよ。
シリンダーに挿してみる
シリンダー容器に切り花を一輪挿しにして飾れば、モダンでおしゃれなインテリアアイテムになります。
シリンダー立てがあれば、いくつかのシリンダーを等間隔に並べられるので、おしゃれさもぐっと上がりますね。どちらも100円ショップで購入できますので、入手しやすいのもうれしいポイントです。
ドライフラワーにしてシリンダーにコルク栓をすれば、ハーバリウムとはまた違った雰囲気の植物標本風インテリアに仕上がります。
仕切りボックスでアクセサリー風に
作ったドライフラワーを、アクセサリーボックスなどの仕切りがある箱に収納すれば、とても可愛らしいフラワーボックスが完成します。
木製のボックスを使えば、ドライフラワーのアンティーク感をより際立たせてくれますよ。髪飾りやコサージュが飾られているようで、とてもおしゃれな雰囲気になります。
ガラス製の蓋付きのものであれば、中の花を眺めながらドライフラワーに埃が溜まることなく管理できるでしょう。
まとめ
今回は、花のある暮らしについて、お花を部屋に取り入れる飾り方のアイディアや、切り花を長持ちさせるためのお手入れ方法などをご紹介してきました。
家で過ごす時間が増えたことによって、部屋をさらに居心地が良いものにしようと見直す人が増えています。そのうちの方法のひとつとして、お部屋にお花を飾るのがおすすめです。
部屋に花があることで空間が明るく華やかになりますし、リラックス効果も期待できます。
花を育てることが好きな人は、観葉植物などの鉢植えを室内で育てるのも良いですね。
生花のお手入れが苦手な人は、ドライフラワーや特殊加工された長期保存向きのプリザーブドフラワーもおすすめです。
自分に合った方法で生活に花や緑を取り入れて、花のある暮らしを存分に楽しんでください。