ラナンキュラスの水耕栽培の方法は?注意点やお手入れ方法などもご紹介
ラナンキュラスは薄紙を何枚も重ねた花びらが美しい花です。美しい見た目と豊富な種類からとても人気があり、ブーケや花束などプレゼントにもぴったり。
土を使わず水だけで植物を育てる水耕栽培は、冬の間でも花を楽しむことができる栽培方法です。
美しいラナンキュラスは、長く楽しみたいですよね。そんな水耕栽培で、ラナンキュラスは育てることができるのでしょうか。
この記事では、ラナンキュラスの水耕栽培の方法を、注意点なども交えて解説していきます。
ラナンキュラス以外にも水耕栽培に適しているお花も紹介するので、是非最後までご覧ください。
ラナンキュラスは水耕栽培のみで育てるのは難しい
球根植物は水耕栽培に向いています。美しい花を咲かせるラナンキュラスも、実は球根植物であることをご存じですか?
球根植物であるラナンキュラスも水耕栽培が可能ではありますが、他の植物と比べると球根の形が少し変わっており、上下間違えて水耕栽培をしてしまうと水の中で芽が出てしまうことも……。また、球根は水をあげすぎてしまうと腐ってしまうので注意が必要です。
更に、ラナンキュラスの水耕栽培は病気になりやすく、あまり一般的ではありません。
しかし、正しい方法で水耕栽培をすればしっかりと美しく咲かせることができます。ラナンキュラスの正しい水耕栽培を覚え、美しい花で日常を彩りましょう。
ラナンキュラスの水耕栽培のやり方
家の中で手軽に植物を育てられる水耕栽培ですが、やり方を間違えてしまうと花を咲かせる前に根が腐ってしまったり、生長速度が遅く、なかなか花が咲かないということが起こってしまいます。
せっかくのラナンキュラスを元気に美しく咲かせるために、水耕栽培のやり方を順番に見ていきましょう。
球根を発芽させる
まずは、ラナンキュラスを水耕栽培する場合は根を生やすために、湿らせたキッチンペーパーでくるむか、もしくはバーミキュライト(園芸に使われる、保水性のある土壌改良用の土)に入れて冷蔵庫で発芽させましょう。
この時、水をあげすぎてしまうと腐ってしまうので注意が必要です。
ラナンキュラスは春咲きの球根なので、「春化処理」という球根に寒さを当てることで、水栽培でも大きくきれいな花をつけてくれます。
根を下にして花瓶に入れる
冷蔵庫で発芽させたら、根を下にしてガラスの花瓶に入れましょう。
この時に、上下を間違えてしまうと水の中で芽が生長してしまうので、必ず根がどちらから生えているのか確認して間違えないようにしましょう。
涼しい場所で保管し、根を生長させる
正しい位置で花瓶に入れたら、一か月ほど暗くて涼しい場所で根を生長させましょう。
花は日が当たる場所ですくすくと育つのでは?と思う方もいると思いますが、実は暗く涼しい場所でも育ちます。ある程度根や芽を育ててから暖かい場所へ移動させた方が早く育つので、まずは涼しい場所へ置いて育てましょう。
ただ、ラナンキュラスは湿気を嫌う植物なので、風通しがいいところに置くように注意してください。
温かい室内へ移動させる
根が生長してきたら、日が当たる暖かい場所へ移動します。
ここからが水耕栽培の本番になり、日に当たったラナンキュラスの芽はどんどん生長していき葉や美しい花を咲かせます。
冷蔵庫に入れずにそのまま水耕栽培を始めると生長するまで時間がかかってしまいますが、順序をしっかり守るとすくすくと育ってくれるので、日々のお世話など楽しく生長を見守れます。
ラナンキュラスを水耕栽培で育てる時の注意点
ラナンキュラスの水耕栽培のやり方をご紹介しましたが、手間が少し多く難しく感じた方もいるかもしれません。
しかし、ラナンキュラスを元気に咲かせるために、一つ一つの順序はとても大切です。
次は、ラナンキュラスを水耕栽培で育てる時の注意点をいくつか解説していきます。
- 気温の低い時期に行う
- 水の量に注意する
- 高温多湿を避ける
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
気温の低い時期に行う
ラナンキュラスの球根は水を吸いすぎてしまう為、気温の高い時に培養土などに入れてしまうと湿気などで根が腐ってしまうことがあります。
したがって、ラナンキュラスを育てる場合は気温が低く、乾燥している時期に行いましょう。
水の量に注意する
上記でも述べましたが、とにかくラナンキュラス球根は水の管理が大事です。
ラナンキュラスの球根はカサカサに乾燥している状態なので、水をたくさん与えた方が良いのではと思う方もいるかもしれませんが、先程も述べた通りラナンキュラスの球根は水を吸いすぎてしまうので、水の量を間違えてしまうと腐ってしまいます。
高温多湿を避ける
気候に関係なく植物を栽培できる水耕栽培ですが、室内での気温や湿度には注意しなければなりません。
土の代わりとなる水は気温の影響を受けやすく、特に真夏や真冬などは管理が難しくなってしまうこともあるでしょう。湿気がひどいと植物の元気がなくなってしまい、病気や枯れてしまうこともあるので注意が必要です。多湿にならぬよう、風通しを良くするように心がけてください。
水耕栽培で育てるラナンキュラスのお手入れの方法
ラナンキュラスは湿気を嫌がるので、水の管理や気温が大事な植物です。
昔の気温と比べ現在の気温は高くなりがちなので、そういう事も注意して大事に育てていきたいですね。
- 根が成長したら鉢植えに移動させる
- 土が乾いたらお水をたっぷり与える
- 地植えにする場合は植えっぱなしでもOK
美しく咲くラナンキュラスを少しでも長く元気に保つために、次はお手入れの方法を解説していきます。
根が生長したら鉢植えに移動させる
根がある程度生長したら、鉢植えに移動させます。
水の管理が大事な植物なので、ずっと水耕栽培で育て続けると病気になりやすくなってしまいます。ラナンキュラスを長く楽しむために、水はけの良い用土を用意しましょう。
市販の土でも育ちますが、赤玉土5、腐葉土3、バーミキュライト2の割合で混ぜることをおすすめします。
土が乾いたらお水をたっぷり与える
鉢植えに移動した後の水やりは、葉に水をかけてしまうと病気になる原因になってしまうので、株元に水を与えるようにしましょう。
肥料を与える場合は1週間に1回、液体肥料を水やり代わりに与えるとしっかりとした株に育ちます。
葉が緑色の時に、月に2〜3回くらいの割合で液体肥料を与えると葉色を濃緑に保てます。
地植えにする場合は植えっぱなしでもOK
地植えをする際は、有機質に富んだ土質の日当たりの良い場所に植えるのが良いでしょう。
植え方は球根の上に2〜3cm土がかかる深さに、約15cmの感覚で植えつけます。
ラナンキュラスは耐寒性があまり強くなく、厳寒期は霜除けなどの防寒が必要です。
地植えにした場合は植えっぱなしでもまた翌年に花を咲かせることができますが、根が腐ってしまうと復活することはできなくなってしまうので、花が枯れた後の球根を掘り上げることをおすすめします。
水耕栽培のメリット
球根から育てる場合のラナンキュラスは少し手間が多く、水の管理などの注意も必要ですが、通常の栽培の方法だと、さらに土の管理や追肥など更にお手入れが大事になってきます。
ここからは、通常の栽培方法と比べると比較的気軽に挑戦できる水耕栽培のメリットをご紹介します。
- 手軽にはじめられて比較的簡単
- 室内の少ないスペースで栽培できる
- 土耕栽培よりも衛生的
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
手軽にはじめられて比較的簡単
水耕栽培は土が必要ないので土づくりの手間などがなく、比較的簡単に植物の栽培を始めることができます。
ラナンキュラスの水耕栽培は少し手順や注意点が多かったですが、球根植物のヒヤシンスなどは、器に水を入れて球根を置いておくだけでグングンと生長してきれいな花を咲かせてくれます。器の水は取り替える必要がありますが、日々の水やりなどは必要ないので手軽です。
室内の少ないスペースで栽培できる
水耕栽培は、室内の室内の少ないスペースで栽培できるという点もメリットです。
一人暮らしで部屋が狭い、卓上に何か植物を飾りたい、室内で気軽に花を楽しみたい、鉢植えは植え替えなどが面倒臭い、期間限定で植物を育てたい、という方におすすめの育て方でしょう。
ガラスの器を使えば生長した根を観察することもできますし、おしゃれでインテリア性も高いです。
花だけでなく野菜も水耕栽培できるものがあるので、ちょっとした野菜を育てて、そのまま料理に使うということもできますよ。
土耕栽培よりも衛生的
水耕栽培は室内で管理するので、病原菌なども発生しにくく、虫がつきにくいというメリットもあります。
観葉植物を育てたいけど、どうしても虫が苦手で心配……、室内に土を置きたくない、という方にもおすすめできる育て方です。
水耕栽培のデメリット
ここまでは水耕栽培でのメリットをご紹介しました。手軽に始められるなら、すぐに始めてみたい!と感じた方もいるのではないでしょうか。
しかし、水耕栽培はデメリットに感じる部分があるのも事実です。次は、デメリットについても見ていきましょう。
管理の手間は必要
手軽で簡単な育て方だとご紹介しましたが、生きている植物である以上、最低限の管理の手間は必要です。
室内だと生長させるのに必要な日光が不足がちになってしまうので、日当たりの良い窓際へ置いたり、植物栽培用のLEDを設置したりと水耕栽培ならではの手間は必要になります。
きちんと管理することで病気にならず元気な植物を育てることができるので、管理の手間は惜しまず育てましょう。
こまめに水を交換しなければならない
水耕栽培はその名の通り、土の代わりに水を使った栽培方法なので水がとても大切です。
水耕栽培用の器に入れた水は、時間がたつと水質が落ちてしまいます。
水質が悪くなってしまうと藻や苔、カビなどが生えてきてしまい、不衛生なだけでなく、植物が枯れてしまうこともあります。
発根していないうちは1週間に一度、根が生えてきたら月に2〜3回のペースで水換えすることをおすすめします。目安の交換頻度よりも、ぬめりや苔が生えてきそうな時は早めに交換して、清潔な水を保つように注意してください。
ラナンキュラス以外の水耕栽培に向いているお花は?
水耕栽培のメリットやデメリットをご紹介しました。
水耕栽培は、室外の土耕栽培よりも比較的簡単に始められますが、その分、水を清潔に保つことが大切になり、水温や湿気など室内の気温にも注意を配ることが必要です。
しかし、今回ご紹介した注意点に気を付ければ問題なく育てることができるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
次は、ラナンキュラス以外で水耕栽培に向いている花についてご紹介します。
- チューリップ
- スイセン
- ヒヤシンス
それぞれの特徴を見ていきましょう。
チューリップ
水耕栽培での定番でもあるチューリップは、ユリ科チューリップ属の多年草(球根植物)です。
花壇によく植えられており、春になるとさまざまな色の花を咲かせたくさんの人を楽しませてくれますね。
毎年9月頃になると、ホームセンターなどで水耕栽培用のチューリップの球根が「冷蔵チューリップ」「アイスチューリップ」という名で売られ始めます。
ただ、チューリップの水耕栽培は初心者には少し難易度が高く、うまく花を咲かせられないことも少なくありません。
春を迎えた時に花を咲かせるためには、温度管理が大切です。最初は10℃以下の涼しい場所で管理しつつ、芽が出たら15℃ほどの温かい環境で育てることをおすすめします。
スイセン
スイセンはヒガンバナ科スイセン属の多年草(球根植物)です。
早春に花を咲かせ春を告げてくれる花で、10月〜11月に球根が売られるようになり、3月〜4月頃に花を咲かせてくれます。
花が咲いた後に土に移すことで長く楽しむことができるスイセンは、種類も多く、他の球根植物と比べて育てやすいのが魅力です。
スイセンの球根は小さめなので、ビー玉などを使って安定させるのがおすすめです。
ヒヤシンス
ヒヤシンスは、キジカクシ科のヒヤシンス属の多年草(球根植物)。
ヒヤシンス科、ユリ科で分類されることもあるヒヤシンスはチューリップやスイセンと並んで春の花壇を彩る代表的な花です。
そんなヒヤシンスは水耕栽培ができる球根植物の中でもメジャーで、寒さに強く特に水耕栽培に適しています。小学校で育てたことがある、という方も多いのではないでしょうか。
むしろ寒くないと花を咲かせずに時期を終えてしまうので、基本的に窓辺など10℃以下の涼しい場所に置いて育てるようにしましょう。
ヒヤシンスの水耕栽培を始める時期は、10月下旬から11月頃がおすすめです。そこから3〜4か月ほどすると花が咲き、1か月ほど花を楽しむことができます。
水耕栽培に向いているヒヤシンスですが、球根にはシュウ酸が含まれているので肌の弱い人が素手で作業してしまうと皮膚がかゆくなってしまう可能性があります。心配な方は軍手などを使って作業しましょう。
ラナンキュラスの水耕栽培に関するよくある質問
最後に、ラナンキュラスの水耕栽培について、よくある質問にお答えしていきたいと思います。
- 球根ならどれでも水耕栽培は可能ですか?
- ラナンキュラスは植え替えが必要ですか?
- 花が終わったらどうすれば良いですか?
球根ならどれでも水耕栽培は可能ですか?
球根は内部に養分をたっぷり含んでいるので、肥料がなくとも水だけで花を咲かせることができます。しかし、すべての球根が水耕栽培に適しているわけではありません。
水耕栽培に適している球根はいわゆる「秋植え球根」といって、秋頃に植えて冬〜春に咲くものです。
秋植え球根の中でも丈夫で育てやすいのが先程紹介したヒヤシンス、スイセンの他にクロッカス、ムスカリなども初心者におすすめの植物です。
チューリップは秋植え球根ですが、温度管理が難しく少し難易度が高いので、初心者は他の植物をおすすめします。
ラナンキュラスは植え替えが必要ですか?
ラナンキュラスを長く楽しむためにも、植え替えをおすすめします。
最初の花のつぼみがでたら、15〜18cmの鉢植えに移し変えてあげましょう。
小さな花瓶のままだと、根詰まりを起こしてしまうかもしれません。根詰まりをしてしまうと花が咲かなくなってしまうので注意が必要です。
花が終わったらどうすれば良いですか?
ラナンキュラスは花が終わっても来年にはまた花を咲かせることができます。しかし、きちんと後処理をしないと根が腐ってしまい、また花を咲かせることができません。
花が終わった後は、地上部が枯れるまで水を与えて球根を太らせます。地上部が枯れた後は水やりを止め、雨水などに当たらず風通しの良い場所に置いてあげましょう。
10月〜11月頃になると芽が出てくるので、出てきたら水やりを再開してください。肥料などを適切に与えてあげると、また花を咲かすことができますよ。
まとめ
冬の間でも花を育てることができる水耕栽培は、植物によっては初心者でも気軽に始められる栽培方法であることがわかりました。
今回ご紹介したように、ラナンキュラスをはじめ球根植物は水耕栽培しやすいです。
しかし、ラナンキュラスは水耕栽培のみで育てるのは難しいため、根が出てきたら鉢植えに移動させることをおすすめします。
この記事を参考に、美しいラナンキュラスを育ててみてくださいね。