ホトトギスの花言葉は?基本情報や特徴、代表的な種類などを紹介
有名な句にもあるように、「ホトトギス」と聞くと鳥を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。ホトトギスは白い花びらに紫の斑が入った花で日本でも多く自生しており、個性的で風情のある姿が古くから親しまれています。
この記事では、ホトトギスの花言葉や誕生花、代表的な品種をご紹介します。育て方やおすすめの贈るシーンも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ホトトギスの種類別の花言葉
ホトトギス全体の花言葉には「永遠にあなたのもの」「永遠の若さ」「秘めた意志」「恥ずかしがりや」などがあります。
「永遠にあなたのもの」や「永遠の若さ」は、ホトトギスの開花時期が長いことに由来しています。そして、「秘めた意志」や「恥ずかしがりや」は、ホトトギスが日陰でも花を咲かせることから付けられたようです。
また、ホトトギスは種類によっても花言葉が異なるので、ご紹介します。
ヤマジノホトトギス
ヤマジノホトトギスは、日本全国の山地に自生している種類です。白い花びらに紫色の鮮やかな斑点が入っているのが特徴で、個性的な見た目をしています。
ヤマジノホトトギスには「愛らしい」という花言葉があるので、お子さまや女性への贈り物にいかがでしょうか。
キイジョウロウホトトギス
キイジョウロウホトトギスは、釣鐘型で艶のある黄色い花を咲かせる品種です。ヤマジノホトトギスとはかなり異なる見た目なので、同じホトトギスなのか不思議に思われる方も多いかもしれません。控えめで可愛らしい印象ですが、花言葉は「あなたの声が聞きたくて」となっています。日本の中でも四国や九州に多く分布している品種です。
ホトトギスの花言葉には怖い意味がある?
花言葉の多くは愛や友情を伝えるような前向きなものが多いですが、中にはネガティブな意味合いを持つ花も存在します。怖い花言葉があると、その花をプレゼントしたくても誤解されるのではないかと心配になりますよね。
しかし、ホトトギスには怖い花言葉はないので安心してフラワーギフトとして贈ってみてください。
ホトトギスの基本情報
ホトトギスのことを深く知ることで、プレゼントしたり育てたりすることがさらに楽しくなります。ここからは、ホトトギスの基本情報を解説します。名前の由来や誕生花など、意外と知られていないことにも注目してみてください。
科・属:ユリ科ホトトギス属
和名:杜鵑草(ほととぎす)
英名:Toad lily
学名:Tricyrtis
原産地:日本、台湾、朝鮮半島
開花期:8月~11月
ホトトギスの特徴
ホトトギスは東アジアを中心に約20種類以上の品種が分布しており、日本でも10種類ほどが自生しています。自生でも毎年花を咲かせる多年草で、直射日光を避けた半日陰で、乾燥しすぎない環境で花付きが良くなる植物です。日本では古くから人々に親しまれており、秋の茶花として使われることもあります。
ホトトギスの花の形状は品種によって異なりますが、代表的なものだと白い花弁に紫色の斑点が入っているのが特徴的です。草丈は40cm〜1mほどで、1つの枝から1〜3輪ほどに分岐して花を咲かせます。花は上向きで、雄しべが長く、ヘリコプターのような花柱が印象的です。
ホトトギスの名前の由来
ホトトギスというと花ではなく鳥を思い浮かべる方も多いかもしれません。歴史上の偉人にまつわる句にも鳥のホトトギスが使われていることでも有名です。
ホトトギスの名前は、花弁の紫色の斑点が鳥のホトトギスの腹部の模様に似ていることから付けられました。
ホトトギスには、「油点草」という別名もありますが、これは若葉に油が飛び散っているような模様にも見えることに由来しています。
また、英名の「Toad lily」は、「ヒキガエルのようなユリ」という意味で、ホトトギスの模様がカエルに似ていることと、花弁がユリに似ていることから付けられたようです。
ホトトギスの誕生花
ホトトギスを誕生日プレゼントとして贈るなら、誕生花を意識してみましょう。誕生花とは誕生日にまつわる花のことで、365日全てになにかしらの花があてられています。誕生花はその季節の旬であったり、ほかの由来があったりとさまざまで、国や年代によっても少しずつ異なります。
ホトトギスが誕生花になるのは9月12日と10月9日なので、この日に誕生日を迎える方が身近にいればぜひホトトギスを贈ってお祝いしてみてください。
ホトトギスの代表的な種類
ホトトギスは東アジアを中心に約20種類が存在するといわれています。それぞれの品種で葉や花の形、色などが異なるので、お好みの品種を探してみてください。
ホトトギスといえば白い花弁に紫色の斑点のイメージが強いですが、模様がないものや黄色い花も存在します。
タイワンホトトギス
タイワンホトトギスは台湾や沖縄が原産の品種で、滝の側など山地の湿ったところに自生しています。茎はジグザグ状によく分岐し、高さは25〜80cmほどになります。
花びらは白と紫色のグラデーションで、赤紫色の斑点が特徴的です。別名、「ホソバホトトギス」とも呼ばれています。
ジョウロウホトトギス
ジョウロウホトトギスは、スズランのような釣鐘形の花を付ける品種で、日本では四国や九州に多く分布しています。花を下向きに付ける姿が、上品で奥ゆかしい印象を与えることから女官を意味する上臈(ジョウロウ)という名が付けられました。
葉には艶があって茎には細かい毛が生えているのが特徴的です。茎の長さは40〜100cmほどになり、伸びてくると弓なりに垂れ下がるので、植えるときはスペースに余裕をもっておきましょう。
キバナノホトトギス
キバナノホトトギスは、ヒマラヤやフィリピンにも自生している品種で、日本では宮崎県で見られます。明るくて鮮やかな黄色い花を咲かせ、濃い緑色の葉とのコントラストが美しいです。どちらかというと湿度を好む一般的なホトトギスに比べ、キバナノホトトギスは乾燥した環境を好みます。
シロホトトギス
シロホトトギスは花弁に模様が入らず、雪のような真っ白な色をしているのが特徴です。山地のやや湿った場所に自生し、高さは40〜80cmほどになります。日本では北海道から四国、九州にかけて幅広く生息している品種です。
丈夫で育てやすく、家庭での栽培も難しくありません。その際には、風通しが良く半日陰になる場所で、水はけの良い土を用いて育てましょう。
サツマホトトギス
山の崖や傾斜地など、日陰になる場所に自生し、日本では九州に多く見られる品種です。その中でも鹿児島県によく自生していることからこの名が付けられました。
ホトトギスの多くは茎に毛が映えていますが、サツマホトトギスは茎に毛が生えていません。
ホトトギスの育て方
ホトトギスは日本各地で自生している植物なので、難しい管理をしなくても家庭で育てることができます。丈夫で枯れにくく、生育も旺盛なので初心者の方にもおすすめです。
ここからは、ホトトギスの育て方を解説します。
用土・肥料
ホトトギスは水はけさえ良ければ、それほど土質を選びません。自分で用土を配合するなら赤玉土小粒、腐葉土、パーライトを同量ずつ混ぜたもので構いませんが、市販の草花用の培養土でも十分です。ほかにも、軽石小粒や硬質鹿沼土小粒なども使えますが、水はけが良くなりすぎるようなら山ゴケなどを土に混ぜ込むと、ほどよい水持ちになります。
肥料は、植え付け時に元肥としてリン酸の多い緩効性化成肥料を少々混ぜ込んでおきましょう。その後は、生育期である3〜5月の間に月に1回油かすを、開花前から開花後までの6〜10月にかけては薄めた液体肥料を週に1回ほど施します。
ホトトギスを地植えで育てる場合は、肥料がもう少し控えめでも問題ありません。
置き場所
ホトトギスは風通しが良い半日陰で育てましょう。直射日光が長時間当たる場所だと葉焼けを起こしてしまうので、影ができにくい場所では背丈の大きなほかの植物の側に植えます。しかし、花が咲くまでの春先から夏にかけては、適度に日に当てることで丈夫で元気な株に育ちます。
乾燥しすぎると葉が傷んでしまうため、湿度を50〜60%程度に保てる場所が良いでしょう。風が吹き込むなら風よけを作ったり、頻繁に打ち水することで乾燥を防げます。
水やり
ホトトギスを地植えで育てている場合、植え付け後に根付いて茎や葉をどんどん伸ばすようになるまでは、土が乾いたらたっぷり水をやりましょう。しっかり根付いて安定してきたら、基本的に降雨のみで足りるので水やりは必要ありません。気温の高い時期に晴天が続いているなど、土の乾燥が見られる場合は適度に水やりをしましょう。
ホトトギスを鉢植えで育てている場合は、土の表面が乾いたタイミングで水をやります。鉢の底から水があふれるくらい、たっぷりと与えましょう。ホトトギスの茎や葉がだらんと垂れ下がってきたら水不足のサインです。夏は特に乾燥しやすくなるため、朝と夕方の2回に分けて水やりをしますが、成長が緩やかになる冬は4〜5日に1回程度でも問題ありません。
植え付け・植え替え
ホトトギスは種から育てることもできますが、早く花を咲かせたいなら苗を購入する方がおすすめです。植え付けに適している時期は、新芽が芽吹きはじめる3〜4月ですが、7〜10月には開花している苗も出回り始めるので、このときに購入したらすぐに植え付けましょう。
ホトトギスを地植えする場合は、あらかじめ作っておいた用土に穴を掘って植え付け、その後たっぷり水をやります。鉢植えの場合は、鉢の底に軽石を敷き、培養土などを鉢の半分くらいまで入れたあとにホトトギスの苗鉢を置いて高さを決め、鉢の縁が2~3cm残るようにして残りの土を入れ込みます。このスペースは、水やりをした際に水がキープできるようにするためのものなので、縁ギリギリに土の表面がこないように調整してください。植え付けたら、鉢の底から水があふれるくらいたっぷりと水やりをします。
ホトトギスは毎年花を咲かせる多年草なので、根もどんどん成長していきます。同じ鉢で何年も育てていると鉢の中に根が回りきって育成が悪くなるので、1〜2年に1度はそれまでより一回り大きな鉢に植え替えましょう。植え替えも、植え付け同様に3〜4月に行うのがおすすめです。
夏の管理方法
ホトトギスは暑さと強い紫外線に弱いので、半日陰になる場所に鉢植えを置くか、地植えの場合は日除けを作りましょう。地植えの場合は降雨のみで水分は足りるので、毎日の水やりは必要ありませんが、土が乾燥しすぎると弱ってしまうため、夏場は朝と夕方の1日2回水やりをします。気温が上がる昼間に水やりをすると、水が温まって株に負担をかけてしまうので、できるだけ涼しい時間帯に水やりをしましょう。
特に乾燥しやすい時期は、湿度を保つために周囲に打ち水をしたり、霧吹きなどで葉水を与えたりするのもおすすめです。
冬の管理方法
冬になるとホトトギスの地上部は枯れますが、根は生きている状態です。寒さには強い植物ではあるのですが、株が凍り付くほどの寒さだと根まで枯れてしまうことがあるので注意しましょう。
冬でも気温が低くなりすぎない西日本なら、特に防寒対策をせずとも屋外で冬越しが可能です。しかし、関東から北の東北地方では、鉢植えを軒先に移動させたり地植えなら腐葉土などでマルチングするなどして防寒対策を施しましょう。
増やし方
ホトトギスは、株分けや挿し芽、種まきなどで増やすことができます。
新たな苗を購入するよりもコストを抑えてたくさん増やすことができるので、ガーデニングでホトトギスをさらに楽しみたい方は参考にしてみてください。
株分け
ホトトギスは生育旺盛なので、年数がたつにつれてどんどん大きくなっていきます。よく育ったホトトギスの株を掘り起こし、2〜3芽残るようにして株の根元を分けましょう。分けた分だけ新たな株を増やすことができます。
株分けに適している時期は3〜4月です。新しい株は植え付け方法に従って植えると、再び大きく成長していきますよ。
挿し芽
挿し芽は株を掘り起こすことなく行えるので、気軽に増やしたい方におすすめです。春に伸びた勢いのある茎を切り取り、培養土が入った育苗用トレイに挿して直射日光の当たらない明るい場所で管理しましょう。
根が出てくるまでは水を切らさないようにし、その後は鉢や庭などに植え替えましょう。
種まき
ホトトギスの花が咲き終わったら11月頃に種を収穫できます。その種を密閉容器で保存して置き、 3月になったら培養土の入った種まき用のトレイにまいて静かに水を注ぎましょう。本葉が2〜3枚ついたら直径6cmほどのポットに植え付けます。置き肥として緩効性肥料を施し、水をたっぷりやって半日陰で管理しましょう。その後は、2週間に1度のペースで薄めた液体肥料を与えて育てていき、根がしっかり張ってきたら鉢や庭に植え付けましょう。
注意すべき病害虫
ホトトギスは、ナメクジやヨトウムシなどによって、モザイク病などのウイルス性の病気にかかることがあります。これは、葉の切り口から雑菌が入ることで発症するもので、葉に斑点が出ていたら感染の可能性を疑いましょう。ウイルス性の病気は治ることがなく、周りの他の植物にも感染を拡大させてしまうため、残念ですが株を抜いて処分する必要があります。
また、春になるとアブラムシなどの害虫も付きやすくなります。これらの害虫はホトトギスの葉や茎から樹液を吸い取って株を弱らせてしまうため、発見次第速やかに駆除しましょう。数が多いなら、植物用の殺虫剤を噴霧すると効果的です。
ホトトギスを贈るおすすめのシーン
ホトトギスは素朴で少し個性的な花が魅力の植物です。自分で育てて楽しむのも良いですが、花束やアレンジメントに加えてプレゼントするのも良いでしょう。
最後に、ホトトギスを贈るおすすめのシーンをご紹介します。
結婚記念日
ホトトギスには、「永遠にあなたのもの」という花言葉があります。結婚記念日にホトトギスを贈ることで、これからも一緒に生きていきたい気持ちをパートナーに伝えることができるでしょう。
毎年のことですから、何を贈ればよいか迷うこともあるかもしれませんが、今年はホトトギスを選択肢にしてみてはいかがでしょうか。
プロポーズ
ホトトギスの「永遠にあなたのもの」という花言葉は、これからの人生を共に歩むことを誓うプロポーズでの贈り物にも適しています。ホトトギスは素朴で繊細な美しさがあるので、派手なプレゼントが苦手な方でも贈りやすい花です。
誕生日
ホトトギスには「永遠の若さ」という花言葉もあります。年を重ねてもいつまでも若い気持ちを持ち続けたいというアグレッシブな方への誕生日プレゼントにいかがでしょうか。ホトトギスは男性にも贈りやすい花なので、男女問わず贈りやすいでしょう。
季節の贈り物
ホトトギスは夏の終わりから秋の終わりにかけて咲く花で、古くから秋の風物詩としても親しまれています。秋の行楽や敬老の日など、この時期のお祝いや記念日などにいかがでしょうか。ホトトギスを贈ることで秋の訪れや季節の移り変わりを演出できます。
まとめ
ホトトギスには「永遠にあなたのもの」や「愛らしい」、「あなたの声が聞きたくて」など、純粋な愛を伝えるような素敵な花言葉があります。怖い意味合いも含まれていないので、安心して大切な人に贈れるでしょう。丈夫で育てやすいので、ガーデニング初心者の方にもおすすめです。
ホトトギスの花言葉を知って、贈り物や栽培に生かし、魅力を再発見してみてください。