クチナシの花言葉に怖い意味はある?縁起が悪い噂や代表的な品種を詳しく解説

艶のある緑の葉と真っ白な花のコントラストが美しいクチナシ。人気が高く、庭で育てて楽しんでいる人も多いのではないでしょうか。しかし、縁起が悪いというイメージもあり、ギフトにしても良いのか心配になることもあるかもしれません。

この記事では、クチナシの花言葉や育て方や代表的な品種などを解説します。おすすめの贈り方やギフトシーンもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

クチナシの花言葉に怖い意味はある?

結論から言うとクチナシの花言葉に怖い意味はありません。

クチナシにはポジティブな花言葉が多いため、安心してフラワーギフトにできます。クチナシの花を贈る際に花言葉の意味を伝えれば、相手も喜んでもらえるでしょう。

クチナシは縁起が悪い?噂の真相

真っ白な花を咲かせるクチナシは、西洋においては「天使が地上に降ってきた花」とされ、縁起が良い花として親しまれています。しかし、日本では縁起が悪い花という考え方も存在します。

日本では、「クチナシ=くちがない」と連想できることから「嫁にもらうくちなしとされ、庭に植えていると女性が結婚できない花とされていた背景があるからです。

しかし一方で、「口がない=弱音をはかない」というイメージもあり、真面目にコツコツ努力する縁起の良い花ともされています。

クチナシの花言葉

クチナシの花言葉は、その白くて可愛らしい見た目と甘くてロマンティックな香りに似合う、素敵な意味合いになっています。日本版と西洋版で少し花言葉が異なるので、それぞれを詳しく解説します。

日本での花言葉

クチナシの花言葉は「洗練」「優雅」「喜びを運ぶ」「とても幸せです」などがあります。洗練や優雅は、クチナシのシンプルながらも上品な花姿に由来しており、洗練された美しさで、古くから人々を魅了してきました。喜びを運ぶという花言葉は、夏の始まりに爽やかな風にのってクチナシの花の香りが漂うことに由来しています。また、とても幸せですという花言葉は、西洋の花言葉から来ているようです。

西洋での花言葉

西洋でのクチナシの花言葉は、「I’m too happy(とても幸せ)」です。アメリカではダンスパーティーの際に、男性が女性にクチナシの胸飾りを贈る風習があるようです。そのため、クチナシを受け取った女性の嬉しい気持ちを象徴するような花言葉になっています。

クチナシの基本情報

ここまでは、クチナシの花言葉について解説してきました。ここからは、クチナシの実態をさらに深く知りたい方に向けて、基本的な情報や名前の由来などを解説します。

 

  • 科・属 アカネ科・クチナシ属
  • 和名 梔子
  • 英名 Cape jasmine
  • 学名 Gardenia jasminoide
  • 原産地 亜熱帯、日本、台湾、中国、インドシナの温帯
  • 開花期 6月~7月

クチナシの特徴

クチナシはアカネ科クチナシ属の植物で、東アジアや日本が原産地です。6~7月頃に純白な花を咲かせ、濃い緑色の葉との美しいコントラストを楽しめます。

甘い香りも魅力であり、樹高は1~2m程度とそれほど高くなく、庭木として気軽に育てることができる花です。花は一重咲きと八重咲きがあり、一重咲きは早咲き、八重咲きは遅咲きの傾向にあります。

クチナシは古くから日本で染料として用いていたこともあり、その名残で現在でも直品用の着色料としてお菓子や漬物に使われていることでも有名です。

クチナシの香り

クチナシは可憐な花も魅力ですが、その甘く豊かな香りも人気の理由の一つです。春のジンチョウゲ、夏のクチナシ、秋のキンモクセイは「三大香木(サンダイコウボク)」と呼ばれ、季節を感じさせる木として親しまれており、それぞれに良い香りを持ちます。クチナシは濃厚で甘い香りが特徴です。庭木としてはもちろん、切り花を部屋に飾ると、クチナシの甘い香りが部屋を包み込んでくれるのでおすすめです。

クチナシの名前の由来

「クチナシ」という名前の由来はその実にあります。クチナシは花の後にオレンジ色の実をつけますが、熟しても裂けることがありません。そのため、「口が無い=クチナシ」と名づけられました。花ではなく実に着目したユニークな命名です。

クチナシの誕生花

誕生花とは生年月日にちなんだ花のことで、ギリシャ神話に由来するとされています。当時の人々は、自然界のあらゆるものに神様が宿ると信じており、花や木などの植物、特定の月や日も例外ではありませんでした。そこで、生まれた月や日にちなんだ花をその神様に捧げることで、幸運を祈願したのです。

クチナシが誕生花となるのは3月16日、3月19日、4月29日、5月6日、6月7日、6月30日、7月7日です。当日に誕生日を迎える人や近辺に誕生日がある人にクチナシの花を贈ってみましょう。きっと、特別なバースデープレゼントになるはずです。

クチナシの代表的な品種

クチナシは白い花を咲かせるものがほとんどですが、実は200種類以上のさまざまな品種が存在します。以下では、一般的に園芸用や切り花として多く流通している代表的な種類をご紹介します。

コクチナシ

コクチナシは通常のクチナシよりも葉や花が小ぶりな品種で、白い八重咲きの花を咲かせます。樹高は30〜40cm程度と低めなので、鉢植えでも育てやすいでしょう。

また、枝分かれして広がっていくため、地植えするとおしゃれなグランドカバーになるでしょう。

ヒメクチナシ

ヒメクチナシは、日本でも静岡県や四国、九州などに自生している品種です。樹高は30〜50cm程度なので家庭でも管理しやすく、甘い香りも楽しめます。

花が咲き終わって秋になると実をつけるので、1年を通してさまざまな姿を見せてくれるでしょう。ただし、寒さには弱い性質があるので、寒冷地では鉢植えで育て、寒い時期は場所を移動させるなどの工夫が必要です。

ヤエクチナシ

ヤエクチナシはその名の通りバラのような八重咲きの品種で、西洋でコサージュに用いるため栽培されていました。樹高は1~2mほどとクチナシの中でも大きく、花も5~6cmと大ぶりで、香りも強いという特徴があります。庭で存在感のあるクチナシを育ててみたい方におすすめの品種です。実がなりにくいので、周囲を汚すことなく花だけを楽しみたい方にも適しています。また、ヤエクチナシは天然記念物にも指定されています。

クチナシの実の活用方法

クチナシは花や香りを楽しむだけではなく、実用的な使い方もあります。日本でも昔から人々の生活の側にありました。以下では、クチナシの実の具体的な活用方法を解説します。

染料

乾燥させたクチナシの実は、古くから黄色の染料として食品や衣類に利用されてきました。日本の伝統色の一つになっており、少し赤みのある黄色で「梔子色(くちなしいろ)」と定められています。その名残で、現在でもたくあんや栗きんとんなどの黄色を鮮やかにする染料として用いられています。ハンカチやTシャツなども簡単に染まるので、試してみるのも良いでしょう。

漢方

クチナシのオレンジ色の実を乾燥させると山梔子(さんしし)とよばれる漢方の生薬になります。山梔子には「消炎」「鎮痛」「解熱」などの効果があるとされ、かつては足腰の疲れをとるという効能で旅人から評判を集めていました。防腐効果があることから、携帯食にも利用されていたようです。

クチナシの育て方

クチナシは白くて可愛らしい花を咲かせ、甘い香りを放つため、自宅でも気軽に育てることができます。品種にもよりますが、樹高もそれほど高くならないので管理しやすいでしょう。以下では、クチナシの育て方の基本を解説します。

用土・植えつけ

クチナシに適しているのは、通気性と保湿性に優れた土です。また、養分が豊富な土壌を好むので、植えつけ前に腐葉土をたっぷりとすき込んでおきましょう。クチナシを鉢植えで育てる場合は、市販の花木用の培養土でも構いません。

植えつけに適している時期は、春か秋の気候の良い日がおすすめです。秋に植えつける際に遅れてしまうと、冬がくるまでに根をしっかりと張れないことがあります。そのため、暑さが和らいできたら早めに植えつけましょう。

深さ・直径共に30cmの穴を掘り、根鉢を軽く崩して植えつけます。その後、水をたっぷりとやりましょう。

置き場所

クチナシは日当たりの良い場所で育てることで、生育が良くなり、花もたくさん咲くようになります。日陰でも育たないことはありませんが、花が少なくなってしまう可能性があるので、できるだけ日なたで管理できるようにしましょう。

どちらかというと乾燥よりは湿気を好むので、西日が強く当たる場所も避けてください。

水やり

クチナシは乾燥を嫌うので、適度な水やりがポイントになります。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたタイミングで鉢底から水が溢れるくらいたっぷりと水を与えましょう。

一方、地植えでクチナシを育てている場合は、根付いてからは定期的な水やりは特に必要ありません。ただし、夏に晴天が続くときなど、土の乾燥が気になるときには適度に水を与えます。過湿が続くと根腐れを起こす可能性があるので、土がさらさらに乾いてから水やりをしてください。

肥料

クチナシは肥料を与えなくても十分育ちますが、適度に肥料を与えることでさらに花つきが良くなります。開花する前の3~5月と開花後の7月の年2回に、ゆっくりと効いていく緩効性化成肥料や油かすを与えましょう。

株元から少し離れた場所の土を深さ10cmほどに耕し、肥料をすき込んでおきます。ただし、肥料を与えすぎると病気や害虫の被害に遭いやすいため、控えめにしておくと良いでしょう。

植え替え

クチナシを鉢植えで育てているときに、鉢の底から根が飛び出して来たら、一回り大きな鉢に植え替えましょう。根が底から出ていなくても、水の浸透が悪くなっていたら鉢の中に根が回っている合図です。そのままにしていると根詰まりを起こし、株が弱ってしまうため、早めに植え替えましょう。

剪定

クチナシの剪定は花が咲き終わった7月頃に行ってください。8月になると、翌年花を咲かせるための花芽を作り始めます。そのため、8月を過ぎてからの剪定は花芽まで切り落としてしまう可能性があり、翌年の花付きに影響を与えるためです。

選定するときは、強く伸びすぎている枝や込み合っている枝や伸びなくなった枯れた枝などを切り落としましょう。

増やし方

クチナシを増やすには、「挿し木」と「株分け」の2つの方法があります。挿し木や株分けは、新しい苗を購入するよりもコストを抑えられるでしょう。クチナシの栽培に慣れてきたら、株を増やして庭先をにぎやかにしてみてください。以下で、それぞれの手順を解説します。

挿し木

  1. その年に伸びたクチナシの枝を10〜15cmほどカットし、下1/3の葉を全て取り除きます。
  2. 残りの葉は根側を半分だけ残してそれぞれ横に切り取り、枝の切り口は鋭利なカッターやハサミで斜めに切り直しましょう。
  3. 水を入れたコップなどに挿して1時間ほど水を吸わせ、その後土を入れた鉢に静かに挿しこみます。
  4. 風通しの良い明るい日陰で管理すると1ヶ月ほどで発根するので、庭などに植えつけましょう。

株分け

クチナシは横に伸ばした枝から根を出す性質があります。根が出てきた枝を切り取って植えつけるだけで完了するので、挿し木よりも簡単です。株分けは生育期を迎える前の3~4月頃が適しています。

注意すべき病害虫

クチナシは病気や害虫の被害に遭いやすいので、日頃から異常が見られないかこまめにチェックしておきましょう。早期発見、対策で被害を最小限に留めることができるので、病気や害虫の可能性があるかを知っておくことが大切です。

病気

クチナシを日当たりや風通しが悪い環境で育てていると、すす病になることがあります。すす病は、「すす」が付いたように葉が黒くなる病気で、放置していると株の生育に悪影響を与えます。発見次第、傷んでいる葉をすぐに除去することで被害の拡大を防げますが、すでに進行している場合は、専用の薬剤で対処できる場合もあります。

日当たりの良い場所で育て、枝を適度に間引いて風通しを良くしておくことで発生を防ぐことができるでしょう。

害虫

クチナシにはオオスカシバの幼虫が付きやすく、放置していると葉を食べられてしまいます。オオスカシバの幼虫は夏に発生しやすくなるので、発見したら速やかに駆除しましょう。専用の殺虫剤を用いると効果的です。

また、春にはアブラムシがつきやすく、大量発生すると樹液を吸い取ってしまいます。アブラムシが付いているのを見つけたら、専用の薬剤ですぐに駆除してください。薬剤を噴霧することで、再発防止にもつながります。

クチナシを贈るおすすめのシーン

クチナシは、可愛らしい花と甘い香りが特徴のため、切り花や鉢植えをプレゼントするのもおすすめです。大切な方に贈るのであれば、花言葉を意識したギフトにしてみてはいかがでしょうか。最後に、クチナシを贈るおすすめのシーンをご紹介します。

結婚祝い

「洗練」「優雅」などの花言葉は、幸せいっぱいの花嫁さんにぴったりです。笑顔輝く幸せいっぱいの友人への結婚祝いにいかがでしょうか。白いクチナシは、花嫁さんの純白のウエディングドレスも連想させます。

結婚式当日は個人的な贈り物が難しい場合もあるので、都合の良い日を聞き、前もって渡すと良いでしょう。

誕生日

クチナシの花を大切な人の誕生日プレゼントとして贈るのもおすすめです。「とても幸せです」という花言葉に、「出逢えて幸せです。生まれてきてくれてありがとう」という自分の気持ちを込めることができるでしょう。

誕生日プレゼントは、いつも何を贈るか悩んでしまうという方は、今年はクチナシの花束やアレンジメントをプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

出産祝い

新しい命の誕生には、「喜びを運ぶ」というクチナシの花言葉がぴったりです。まさに、幸せを運んできてくれたというお祝いの気持ちを込めて、赤ちゃんが生まれた家庭に贈りましょう。

ただし、出産間もない時期は赤ちゃんのお世話で忙しくしていることがあるので、頃合いを見て事前に日時を相談するなどの配慮が必要です。また、花束よりも管理が簡単なフラワーアレンジメントだと負担をかけません。

クチナシの花言葉を知りフラワーギフトを贈ろう

今回はクチナシの怖いという噂の真相や花言葉、育て方などを解説しました。クチナシには、怖い花言葉や縁起が悪い意味もないため、安心して贈ることができます。クチナシの花言葉は「洗練」「優雅」「喜びを運ぶ」「とても幸せです」などがあるため、ギフトにもふさわしい意味ばかりです。クチナシの可愛らしい花と甘い香りは、贈る人の心を癒してくれることでしょう。クチナシは庭木としても人気なので、ぜひ栽培も楽しんでみてください。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?