お盆に咲く花9選|季節を彩る自然の花の特徴や選び方のポイントなどを解説

お盆はご先祖様を迎える大切な時期であり、供花を通じてその思いを形にする文化が根づいています。特に8月中旬は夏から秋へと季節が移ろう時期であり、自然界でもこのタイミングにしか見られない美しい花々が数多く咲きます。
そこで今回は、お盆の時期に咲く代表的な花とその特徴、選ぶ際に意識したいポイントなどを詳しく解説します。
お盆の時期に咲く花の特徴
お盆の時期に咲く花には、以下のような特徴があります。
- 高温や直射日光に強い性質を持つ
- 乾燥に耐えやすく花持ちが良い
- 青・紫・白を中心とした涼しげな色が多い
- 派手すぎず控えめな咲き方が特徴
- 夏から秋への季節の移ろいを感じさせる
ここでは、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
高温や直射日光に強い性質を持つ
お盆の時期に咲く花には、強い日差しや高温にも耐えられる丈夫さが備わっています。夏の真っ盛りにあたる8月中旬は日中の気温が30℃を超えることも多く、直射日光の下ではすぐに花がしおれてしまうことがあります。
しかし、この季節に自然に咲く花は日差しをものともせず、炎天下でも凛とした姿を保つ性質があります。さらに、厚みのある葉やしっかりとした茎、熱に強い構造を持つものが多く、山野や道ばたでも元気に咲き続けます。
こうした性質は自然に適応した結果であり、見た目の美しさとともに力強さも感じさせてくれる魅力の一つです。
乾燥に耐えやすく花持ちが良い
お盆の時期に咲く花は、乾燥する気候でも美しさを保ちやすいという共通点があります。特に、夏場は気温が高いだけでなく風も強まりやすく、地表の水分が蒸発しやすい時期です。そのため、この時期に咲く花は乾燥に耐える構造を自然に備えており、水分を効率的に蓄えたり、蒸発を抑える葉の表面構造を持っていたりすることが多いです。
切り花として用いた場合にも比較的長く鮮度を保てるため、お盆の数日間にわたって供える花としても適しています。特別な処理をしなくても持ちが良いことから、管理の手間をかけずに美しさを楽しむことができる魅力があります。
青・紫・白を中心とした涼しげな色が多い
お盆の時期に咲く花の色合いには、全体的に涼しさを感じさせる傾向があります。真夏の強い日差しの中でも青や紫、白といった落ち着いた色調の花が多く咲き、その姿は見る人に清涼感と静けさを与えてくれます。
こうした色味は視覚的に暑さを和らげる効果があり、お盆という静かな時間にぴったりです。さらに、白は「清らかさ」や「尊さ」を象徴する色でもあり、仏前に供える花としても好まれます。
青や紫も、華美になりすぎず品のある印象を与えるため、色そのものが空間の雰囲気を整えてくれます。暑い時期だからこそ、色が持つ力がより一層引き立つでしょう。
派手すぎず控えめな咲き方が特徴
お盆の時期に咲く花は、どれも控えめで落ち着いた咲き方をしているのが特徴です。花びらの形状が繊細であったりサイズが大きすぎなかったりするものが多く、全体的に派手さを抑えた自然な佇まいが印象的です。
中には、風に揺れるように茎がしなやかで、空間に軽やかさを生むような咲き方をする花もあります。こうした控えめな咲き姿は静かに故人を偲ぶお盆の空気にぴったりであり、派手な演出よりも心に寄り添うやさしさを伝えてくれます。
また、仏前に飾る花としても馴染みが良く、周囲の花や空間と自然に調和しやすい点も評価されています。
夏から秋への季節の移ろいを感じさせる
お盆の時期に咲く花は、夏の名残と秋の気配が混じり合うような印象を与えてくれます。暦の上では立秋を迎える時期でもあり、花の姿や色合いにはどこか秋を思わせる静けさや深みが現れてきます。
鮮やかな夏の花に比べて色味や咲き方に落ち着きがあり、まさに季節の節目を知らせるような存在感があります。こうした花を目にすることで、ただ季節を感じるだけでなく、時の流れや自然の変化に気づかされる機会にもなるでしょう。
お盆に咲く代表的な花9選
お盆に咲く代表的な花として、以下の9種類が挙げられます。
- オミナエシ
- キキョウ
- ナデシコ
- ヒオウギ
- フヨウ
- ホオズキ
- ミソハギ
- ヤマユリ
- リンドウ
お盆の季節には、日本の風土に根ざした花々が自然と咲き始めます。ここでは、お盆の時期に咲き、かつ花屋でも比較的入手しやすい代表的な9種類について紹介します。
オミナエシ
オミナエシは、細く繊細な茎の先に小さな黄色い花を房のように咲かせる姿が特徴です。華美ではないものの、その可憐さと素朴な美しさが古くから親しまれてきました。
秋の七草の一つとしても知られ、どこか儚げで品のある印象を与えます。お盆の時期には自然に咲いていることも多く、季節の移ろいを静かに伝えてくれる存在です。
黄色は温かみと希望を感じさせる色合いでもあり、仏前に供える花としても明るすぎず、やわらかな印象を与えます。茎が細い割に意外としっかりしていて花持ちも良好なため、日持ちを気にする夏場の使用にも適しています。
キキョウ
キキョウは、星形の美しい姿と深みのある紫色が印象的な多年草です。つぼみが風船のようにふくらむ姿から「風船の花」とも呼ばれており、開花の瞬間に可憐な魅力を感じることができます。
花言葉には「永遠の愛」や「誠実」などがあり、お盆という静かな祈りの場にもよく調和します。草丈が低く、整った形状で咲くことから供花に用いても花全体のバランスを崩しにくい点も魅力の一つです。
気温が高い中でも比較的花持ちが良く、涼しげな印象を与える色味が夏の厳しい日差しの中でも凛と映えます。派手すぎず、それでいて印象に残る佇まいがお盆にふさわしい一輪といえるでしょう。
ナデシコ
ナデシコは繊細なフリル状の花びらとやさしい色合いが特徴で、日本では古来より「大和撫子」と称されるように慎ましく上品な花として親しまれています。お盆の時期には、野生種を含め多くの種類が自然に開花しており、可憐ながらもどこか力強い美しさを感じさせます。
花の色は淡いピンクや白が中心で全体としてやわらかな印象を与え、仏前や室内に飾るのにも適しています。
また、花が小さめで控えめな佇まいであるので他の花との組み合わせしやすく、アレンジしやすい点も魅力です。ナデシコの持つ清楚な雰囲気は、静かに手を合わせる時間に寄り添ってくれるような存在です。
ヒオウギ
ヒオウギは、夏の強い日差しにもよく映える鮮やかな色合いと扇を広げたようなユニークな葉の形が特徴の花です。花色には赤やオレンジが多く、季節の節目を告げるような存在感があります。
花が終わったあとの「ぬばたま」と呼ばれる黒い種子も古来より親しまれており、万葉集などの文学にも登場するなど、日本文化との関わりが深い花です。咲き姿自体は派手すぎず、花のサイズもほど良いため、お盆に飾る花としても馴染みやすい佇まいを持っています。
暑さに強く、乾燥にも耐える丈夫な性質から切り花としても扱いやすく、夏の供花に適した種類の一つです。
フヨウ
フヨウは大きめの花びらとやわらかな質感が特徴で、夏から初秋にかけて花を咲かせます。日中に開いて夕方にはしぼむ一日花ですが、次々に新しい花を咲かせてくれるため、連日その美しさを楽しむことができます。
色合いはピンクや白が中心で、見た目がやわらかく温かみのある印象を与えます。夏の花でありながらもどこか涼やかな雰囲気を持ち、見る人の気持ちを和ませてくれます。
お盆の飾り花として使用する際も空間にやさしい印象をもたらし、落ち着いた雰囲気の中に華やかさを添える存在となります。その見た目と性質から、品のある供花として高い人気を誇っています。
ホオズキ
ホオズキは、提灯のような袋状の赤い萼(がく)が特徴の花で、お盆の風物詩としても広く知られています。花そのものは控えめですが、実を包む鮮やかな萼が目を引き、飾りとしての存在感があります。
ホオズキは昔から「霊を導く灯り」ともいわれており、ご先祖様の帰り道を照らす役目を持つとされることからお盆の飾り花として定着しています。観賞用として出回っているものは見た目も整っており、長く飾って楽しむことができるのも魅力の一つです。
ナチュラルな雰囲気を持ちながらも、お盆の空間に意味を添えてくれる特別な花材といえるでしょう。
ミソハギ
ミソハギは、細長い茎の先に小さな花を縦に連ねて咲かせる特徴があります。見た目には控えめながらも整った咲き姿と紫がかった色合いが美しく、厳かな雰囲気を演出します。
古くから「精霊花(しょうりょうばな)」とも呼ばれており、盆棚やお墓に供えられる風習が根づいています。お供え時には水をかけてお清めに用いられることもあり、実用性と意味合いの両方を兼ね備えた花として親しまれています。
湿地を好む性質もあり、水とのつながりが深いことから夏の暑さの中でも清涼感を感じさせてくれる花です。
ヤマユリ
ヤマユリは日本の野生ユリの中でも特に大輪で芳香が強く、一際存在感のある花です。純白の花びらに黄色いラインと斑点が入った姿は気品があり、ひと目で人の心を引きつけます。
また、開花時期がちょうどお盆の時期と重なることから、季節を象徴する花としても選ばれています。香りが豊かでありながら上品で、仏前を華やかにしながらも落ち着いた空気感を保ってくれるのも魅力の一つです。
ヤマユリの大きさと重厚感から数本飾るだけでも十分な存在感があり、厳粛な雰囲気にふさわしい花として高く評価されています。自然の力強さと繊細さを兼ね備えた一輪です。
リンドウ
リンドウは、深みのある青紫の花色とすっきりとした立ち姿が印象的な花で、古くから秋の訪れを告げる草花として親しまれています。お盆ごろから咲き始める早咲きの種類が多く、暑さが残る中でも涼しげな印象を与えてくれます。
花びらはやや厚みがあり、閉じたり開いたりを繰り返す様子が愛らしく、長く楽しめることも人気の理由です。色合いは落ち着いていながらもはっきりとしており、仏前を引き締めながらも温かみを添える効果があります。
咲き姿に派手さはありませんが凛とした気品があり、祈りの気持ちを静かに伝えてくれるような存在です。
お盆に咲く花を選ぶ際のポイント
お盆に咲く花を選ぶ際、以下の5つを押さえておくことをおすすめします。
- 花言葉を考慮する
- 香りが強すぎない花を選ぶ
- 落ち着いた色合いを意識する
- 管理がしやすい種類をチョイス
- 派手すぎないラッピングにする
お盆の花を選ぶ際は単に見た目の美しさだけでなく、場所との相性なども踏まえた配慮が求められます。ここでは、花選びで失敗しないために意識したい5つのポイントについて詳しく紹介します。
花言葉を考慮する
お盆に贈る花は、見た目だけでなく「花言葉」にも配慮することが大切です。故人を偲び、敬意や感謝の気持ちを表す機会だからこそ、その花に込められた意味が相手の心に響きます。
「永遠の愛」や「静かな祈り」といった意味合いを持つ花はお供えとしても適しており、故人への思いを静かに伝える手助けになります。一方、強い主張や攻撃的なイメージを持つ花言葉は避けるのが無難です。
花言葉を意識することで供花がより心のこもった贈り物となり、遺族にも温かく受け取られる可能性が高まります。
香りが強すぎない花を選ぶ
お盆に供える花として重要なのは、強い香りが周囲に与える影響を考慮することです。特に仏間や室内に飾る場合は、控えめな香りの花を選ぶのが一般的とされています。
香りが強すぎると空間全体に広がってしまい、人によっては不快に感じることもあるので注意が必要です。
また、暑い時期は花の香りが拡散しやすく、気温によって香りが重く感じられることもあります。やさしく淡い香りの花を選べば、仏壇やお墓まわりの雰囲気を穏やかに整えてくれるでしょう。
香りが主張しすぎないことで供花としての役割を静かに果たし、空間との調和を大切にした供え方ができます。
落ち着いた色合いを意識する
供花にふさわしい色合いとして、白や紫、淡い青といった落ち着いた色が選ばれることが多く、お盆という静かな時間にぴったりです。これらの色は視覚的に涼しさや清らかさを感じさせ、炎暑の季節にも心地良い印象を与えてくれます。
特に、白は清潔感と厳粛さの象徴とされており、仏前には欠かせない色です。一方、原色のような派手で強い色合いは場の空気にそぐわない場合があるため、避けたほうが良いかもしれません。
落ち着いた配色を意識することで供花がその場の空気と調和し、見る人の心を穏やかに整えてくれるでしょう。
管理がしやすい種類をチョイス
夏の高温多湿な気候は、花が傷みやすい時期でもあります。そのため、お盆の供花には管理のしやすさも大切な選定基準になります。
具体的には、水が下がりしにくく日持ちの良い種類を選ぶことで、美しい状態を長く保つことができます。
また、「水替えの頻度が少なくて済む」「花びらが落ちにくい」「暑さにある程度耐性がある」といった性質も選定のポイントです。お盆の時期は供える場所が仏壇やお墓、祭壇などとさまざまであるため、どこに置いても扱いやすいことが重要です。
忙しい中でも気軽に手入れできる花であれば遺族の手を煩わせず、贈る側の心配りとしても好印象を与えることができるでしょう。
派手すぎないラッピングにする
供花としての花束を贈る際は、ラッピングの色や素材にも細かな気配りが求められます。お祝いの場では華やかな装飾が映えることもありますが、お盆の場面では落ち着いた雰囲気を大切にするのがマナーです。
白やグレー、淡い紫といった控えめな色味の包装紙やリボンを選び、全体のトーンを落ち着かせるようにしましょう。それだけでなく、キラキラとした装飾やカラフルなプリントなども避け、無地や和紙風の上品な素材を使用するとより丁寧な印象になります。
花そのものの美しさを引き立てる控えめなラッピングに仕上げることで、故人への敬意と贈り主の思いやりがより明確に伝わります。
お盆に花を贈るならプレミアガーデンへ!
お盆の時期に咲く花には、暑さに強く清らかで落ち着いた印象を持つものが多く見られます。見た目の涼しさや控えめな佇まいが特徴的であり、供花としても多くの場面で選ばれています。
花を贈る際は、色合いや香り、花言葉やラッピングの印象までを含めて丁寧に選ぶことで、より思いの伝わる贈り方になるでしょう。
プレミアガーデンでは、多種多様の花材を取り揃えています。花束はもちろんのこと、フラワーアレンジメントなども提供しているため、お盆に花を贈りたいと考えている場合はぜひ一度プレミアガーデンを覗いてみてください。