正月で使用する花飾りとは?縁起の良い花や主な飾り方などを紹介

1年の始まりを清らかな気持ちで迎える正月。その空間を華やかに彩る花飾りは、ただのインテリアではなく、新たな年の幸福や繁栄を願う大切な意味が込められています。

松や南天、葉牡丹などの縁起物を取り入れた花飾りは、古くから日本の正月文化に根付いた風習の一つであり、現代でも大切にされています。

本記事では、正月にふさわしい花飾りの種類や選び方、正月の花との違いなどを分かりやすく解説します。

そもそも正月の花飾りとは?

新しい年の訪れを祝う正月はただの節目ではなく、幸福や繁栄を願う神聖な行事です。その準備の一つとして日本では古くから「正月飾り」を行う風習があります。

正月の花飾りは、年神様を迎えるための場を整えるという意味合いだけでなく、空間に季節感や華やかさを添え、年の始まりを清らかに彩る役割も担っています。ここでは、正月の花飾りの意味や飾る時期、飾る場所について詳しく解説します。

正月の花飾りの意味

以前より、日本では正月になると「年神様」と呼ばれる神様が各家庭に訪れ、幸運を与えてくれると考えられていました。年神様とは、その年の幸運や健康、五穀豊穣をもたらすとされる神様であり、新しい年の福や徳を司る「歳徳神」とも呼ばれています。

正月の花飾りは、新年の幸運をもたらす年神様を迎え入れるための「おもてなし」としての意味があり、神聖な場所をつくるための結界の役割も担っています。正月の花飾りに使用される植物などは縁起が良いとされるものが多く、神様をお出迎えする以外にも家族の無病息災を願う意味も込められています。

正月の花飾りを飾る期間

正月の花飾りを飾り始めるのに最も適しているのは、年末の「松飾り」を設ける期間とされる12月28日ごろです。一方、避けるべきとされているのは12月29日であり、「9」が「苦」を連想させるので縁起が良くないと考えられています。

また、31日に飾るのも「一夜飾り」と呼ばれ、神様への敬意を欠く行為とされているため、可能であれば28日か30日に飾るのが良いでしょう。

新年を迎えたら「松の内」と呼ばれる1月7日まで飾るのが一般的です。ただし、松の内の期間は地域によって違いがあるので、必ずしも1月7日というわけではない点には注意してください。
こうした時期を意識して花飾りを設けることで、しきたりを大切にしながら気持ち良く新年を迎えられるようになります。

正月の花飾りを飾る場所

正月の花飾りは、神様が訪れやすくしたり家を神聖なものにしたりするための飾りです。そのため、外から見えやすいように門や玄関先に飾るのが理想的です。

ただし、アパートやマンションの場合は玄関の外側が共用部分になるため、基本的に私物を置くことは禁じられています。それだけでなく、玄関ドアの外側に飾って良いのかなどもアパートやマンションの規約によって異なるので、一度確認しておくことをおすすめします。

玄関ドアの外側に正月飾りを飾れる場合は、フックなどを利用して小さめの花飾りを飾ると良いでしょう。

正月の花飾りの処分方法

 正月の花飾りは、松の内(1/1~1/7)が明けたら片付けるのが一般的です。近所の神社へ持っていき、「どんど焼き」と呼ばれるお炊き上げで処分します。

どんど焼きは「左義長(さぎちょう)」とも呼ばれており、神聖な火による浄化の力で1年間の災いを払い、商売繁盛や無病息災、子孫繁栄などを願うものです。日本の伝統的な行事で、各地の神社で小正月(1/15)に行われるのが多いですが、地域によって日程が異なる場合もあります。

近所にどんど焼きを行っている神社がない場合は、花飾りを白い紙に包み、塩をふってから自宅で処分しても良いとされています。

正月の花の違い

「正月の花飾り」と「正月の花」は似ているように感じるかもしれませんが、飾る目的において明確な違いがあります。正月の花飾りは年神様を家に招くためのものですが、正月の花はお客様をおもてなししたり正月の雰囲気を楽しんだりするために活用されることが多いです。

また、正月の花飾りとは異なり、正月の花は片付ける時期が決まっているわけではありません。そのため、花が萎れてきたり枯れてきたりしたら片付けると良いでしょう。

正月の花を飾る際は、玄関やリビングなど、人が集まる場所がおすすめです。正月は来客も多くなる時期なので、歓迎の気持ちを込めてお客様の目に触れやすい場所に飾るのがポイントです。

長く楽しむなら正月の花を飾るのがおすすめ!

正月の花飾りは、飾る期間が10日ほどしかありませんが、正月の花であれば花が元気である限り飾ることができます。正月らしいアレンジや飾り方をすることで、正月の雰囲気を十分に楽しめるでしょう。

たとえば、松や南天などを組み合わせたフラワーアレンジメントを飾れば、正月らしさを演出できます。それだけでなく、花器をいつもより上品なものにしたり干支の置物などと合わせたりするのも良いでしょう。

正月の雰囲気を少しでも長く楽しみたい場合は、正月の花を飾ってみることをおすすめします。

正月に飾るのにぴったりな花スタイル

正月に飾る際のおすすめの花スタイルとして、以下の4つが挙げられます。

  • 生花・切り花
  • フラワーアレンジメント
  • 寄せ植え
  • スワッグ

ここでは、それぞれの特徴や魅力について詳しく見ていきましょう。

生花・切り花

花を飾る方法として、最も簡単なのが花瓶などの花器に挿して楽しむ生花や切り花です。花の扱いに慣れていない方でも簡単に取り入れることができ、場所を選ばずに飾りやすいのが魅力です。

生花や切り花をできるだけ長持ちさせたい場合は、毎日水替えをしたり花瓶をきれいに洗ったりすることが大切です。花瓶の水の中で雑菌が繁殖してしまうと、花が枯れやすくなってしまうため、清潔に保つことを心がけてください。

花がうまくまとまらなかったりバランスが悪かったりするときは、セロテープやワイヤーなどを使用して花留めすることで茎が安定します。

フラワーアレンジメント

フラワーギフトに多く選ばれているフラワーアレンジメントは、さまざまな種類の花を組み合わせたアイテムです。カゴやボックスの底にあるオアシスやスポンジには防腐剤が含まれていることが多く、水を替えたり花器を洗ったりする必要がないのが魅力です。

フラワーアレンジメントは自宅用に購入するのはもちろんのこと、大切な方への新年の挨拶としてプレゼントしても喜ばれます。正月でフラワーアレンジメントを飾る際は、人が集まりやすい場所に置くと目につきやすく、より正月の気分を味わえるでしょう。

寄せ植え

寄せ植えは花を生きた状態で飾ることができ、切り花やフラワーアレンジメントに比べて長く楽しめるスタイルです。切り花やフラワーアレンジメントは室内向きですが、寄せ植えは正月が終わったあとも玄関先や庭に飾ることができます。

正月の花の寄せ植えには冬でも元気に育つ植物が多く使用され、葉牡丹やアリッサム、パンジーに加え、正月らしさを出すために南天や松などが活躍します。

スワッグ

スワッグはドイツ語で「壁飾り」や「揺れるもの」を意味したものであり、海外では伝統的なクリスマス飾りとして古くから存在しています。好きな花や木を自由に束ねて壁に飾るのが一般的ですが、ヨーロッパでは魔除けの意味もあるといわれています。

近年、その手軽さとおしゃれさから日本でも人気が上がり、縁起の良い正月の花を使用してスワッグをつくる人も増えてきています。正月の花というと和風なイメージが強いですが、スワッグの気張りすぎないナチュラルなかわいさは、現代の洋風インテリアにもしっくり馴染みます。

正月にぴったりな縁起の良い植物

ここでは、正月にぴったりの縁起の良い花を9種類紹介します。それぞれの特徴や魅力なども併せて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

胡蝶蘭

開店祝いや開業祝いなどで贈られることの多い胡蝶蘭は、「幸福が飛んでくる」という花言葉があることから縁起が良いとされています。花の姿が美しく正月にぴったりの花であり、お世話の手間がかからないのも魅力の一つです。

胡蝶蘭の冬場の水やりは2週間に1度くらいで良いので、何かと忙しい正月でもお世話がしやすいでしょう。

また、胡蝶蘭は花持ちが非常に良く、適度に管理すれば1~2ヶ月程度きれいに咲き続けてくれます。

花持ちの良い菊は、「末永く続く」という意味を持っていることから高貴の象徴であり、幸福や繁栄を呼ぶ花として親しまれています。「菊を飾ると幸福が来る」ともいわれており、縁起の良い花として正月にぴったりです。

菊には大輪のマムや小菊、ピンポンマムなど、さまざまな種類があり、バリエーションが豊かです。色合いもピンクや紫、明るい黄色などがあるので、正月を明るく彩ってくれるでしょう。

福寿草

福寿草は雪解けとともに黄金色の花を咲かせることから、春一番を伝える代表的な花の一つとして数えられています。幸福と長寿を呼ぶ縁起の良い花ともされており、年末年始が近づくと床飾りとして鉢植えが市場に並びます。

ただし、福寿草には全体的に毒が含まれており、摂取することで死亡した例も報告されています。地面から芽を出したばかりの福寿草はフキノトウと間違われることもありますが、誤まって食べてしまうことのないように注意してください。

蝋梅(ロウバイ)

蝋梅(ロウバイ)は、12~2月にかけて蝋でできたような黄色い花を咲かせる樹木です。甘い香りを放つことから、英名では「Winter Sweet」とも呼ばれています。

上品で透明感のある黄色い蝋梅の花は春の訪れを感じさせ、正月の花としても親しまれています。枝ものなので、生花やフラワーアレンジメントに取り入れれば高さを生かした立体感を演出できるでしょう。

蝋梅の花言葉は「慈愛」であり、美しく小さめに咲く花にぴったりです。

葉牡丹

葉牡丹は、年末が近づいてくると公園の花壇や園芸店の寄せ植えで見かけることが多くなる植物です。葉牡丹は花ではなく、葉の部分が紫やクリーム色に色づいたものであり、重なる葉が牡丹に見えることからこの名前がつけられたといわれています。

牡丹自体が縁起の良い葉なので、牡丹に似ている葉牡丹も縁起が良いものとされています。牡丹よりも手に入りやすく、手入れも簡単で長く楽しむことができるので、植物の管理が苦手な方でも飾りやすい植物です。

南天

南天は、房状の小さな赤い実をつける植物です。色鮮やかな赤で美しさを感じられるため、フラワーアレンジメントのアクセントとしてもよく使用されています。

また、南天には「難を転ずる」という意味合いがあり、鬼門の方角に植えると良いとされています。

なお、南天に似た植物として千両や万両があり、どちらも赤い実をつけるのが特徴です。千両や万両は、常緑樹で金運に恵まれて商売繁盛につながる縁起の良い植物といわれており、南天の代わりとして使用されることもあります。

正月の象徴である門松にも使われている松は不老長寿の象徴とされ、古くから縁起の良い樹木として親しまれています。その理由としては、松が常緑樹であることや紅葉の季節になっても葉が落ちずに常に青々としていることが挙げられます。

1年中青々としていることから生命力が高いとされており、正月には松を飾って子孫繁栄を祈るようになったといわれています。松はおめでたいイメージが強く、正月の切り花やフラワーアレンジメントに加えれば、より正月感を演出できるでしょう。

松と同じく、門松に使用されている竹はまっすぐ天に向かって伸びていくことから、「生命力」や「長寿」の象徴といわれています。それだけでなく、竹は邪気を払うとされているので、正月の花材としてぴったりです。

竹は太さや長さによって存在感が大きくなるので、フラワーアレンジメントなどに加えると主役のように目立ちます。竹があるだけで正月感が出るので、正月の雰囲気を感じたい場合は活用を検討してみてはいかがでしょうか。

正月のイラストや髪飾り、着物の柄のイメージの強いのが梅です。梅も縁起の良い樹木とされており、その理由には開花期が関係しています。

地域によって差がありますが、梅の花が咲くのは2~3月とされており、一般的な早春の時期です。他の花よりも早く咲かせることから、「出世」や「開運」の象徴とされています。

また、梅の花言葉には「上品」や「高潔」などがあり、神聖な行事である正月にふさわしい意味合いを持っています。

正月の花を贈るならプレミアガーデンへ!

プレミアガーデンは、全国の幅広い地域にさまざまなフラワーギフトを提供している花屋です。胡蝶蘭をはじめ、旬の花を取り揃えており、リーズナブルな価格で届けています。

最後に、プレミアガーデンが手がける正月向けのフラワーギフトを3つ紹介します。

真っ白で豪華な胡蝶蘭3本立て

あらゆる場面で重宝される人気の高い白い大輪胡蝶蘭3本立て

白く美しい大輪の胡蝶蘭の3本立てです。高さが約85cmあり、迫力のある豪華なフラワーギフトになります。

真っ白な胡蝶蘭には「清純」という花言葉があり、明るく美しい花姿はその場を明るく清潔なイメージにしてくれるでしょう。大切な取引先やお客様の会社など、企業向けの新年の挨拶として贈ってみてはいかがでしょうか。

菊が使われたフラワーアレンジメント

贈り物で人気の黄色・オレンジ系のフラワーアレンジメント

黄色やオレンジ、グリーンなどのビタミンカラーを組み合わせた元気の出る印象のフラワーアレンジメントです。花を大胆に使うことで花束を飾り付けたような雰囲気を演出しており、テーブルやカウンターに飾ることでその場をあたたかく包み込んでくれます。

縁起の良いとされる菊を使用したフラワーアレンジメントであり、正月がすぎてもそのまま楽しめる点も嬉しいポイントです。

クリスマスから年末まで楽しめるフラワーアレンジメント

クリスマスカラーのおしゃれなフラワーアレンジメント

赤と緑といったクリスマスカラーを取り入れたフラワーアレンジメントであり、正月でも違和感なく飾ることが可能です。

バラなどのフリルのある花を多く使用しており、全体的に豪華な印象を与えるため、飾るだけでその場が一気に華やぐでしょう。

まとめ

正月の花飾りは、新しい年の始まりを華やかに演出するとともに、年神様を迎える清らかな空間づくりとしても大切な意味を持っています。飾る花にはそれぞれ縁起や願いが込められており、縁起の良い花を活用することで伝統的な雰囲気と季節感を同時に表現できます。

ただし、正月の花飾りは飾る期間が限られており、時期をすぎたら処分する必要があります。そのため、正月の気分を長く楽しみたいと考える場合は、正月の花を飾るのがおすすめです。

プレミアガーデンでは、正月にぴったりの花材を多数展開しています。正月の雰囲気を長く感じたいと考えている場合は、ぜひ一度プレミアガーデンを覗いてみてください。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?