紫色でまとめた花束は高貴な印象|おすすめ品種も紹介

カラーテーマを絞って作った花束は、色の印象が強調されるので、自分が与えたいイメージにより近いものを贈ることができます。

落ち着いたイメージや高貴な印象があるので、尊敬する目上の方への贈り物にぴったりです。

今回は、紫色をテーマカラーとして、紫系でまとめた花束について見ていきましょう。

紫色が持つ印象やイメージ、歴史的な背景なども踏まえて、紫系の花束にぜひ取り入れていただきたい、おすすめの品種についてもお伝えしていきます。

 

ミステリアスな雰囲気漂う紫色の花束の魅力

色とりどりのカラフルな花束も素敵ですが、あえて使う色を最小限に抑えた、シンプルなカラーブーケが人気です。

白系でまとめたホワイトブーケ、オレンジや黄色でまとめたビタミンブーケ、白と緑ですっきりさせたナチュラルブーケなど、色によって花束のテイストが変わるのが楽しいですね。

今回ご紹介するのは、紫系でまとめたパープルブーケです。

紫色の花というといくつかの品種が思い浮かびますが、紫系のブーケにはいったいどんな魅力があるのでしょうか。

 

高貴で上品な印象のある紫

紫色は古くから、高い地位や立場、階級を示す色でした。聖徳太子が定めた「冠位十二階」という制度では、冠の色によって階級が表わされており、最高位の冠は紫色です。

西洋でも紫色は高貴な色として認識されていますが、これは身分の高さそのものを表す色であったというよりも、紫の染料が希少であったことに由来しています。そのため紫色の衣料は希少価値が高く、貴族や富裕層の人間しか身にまとえない色だったのです。

 

尊敬の意味も込められる

このように、高い位や地位、気品や高貴さのシンボルでもある紫色は、赤色も含んでいるので厄除けや魔除けの効果があると考えられています。

ご長寿祝いとして年齢の節目をお祝いする古希と喜寿では、紫色のものを贈るという習わしが定着しています。目上の方には紫色を贈ることで、尊敬の気持ちを表すこともできるのです。

 

大人っぽいミステリアスな印象

紫色には、神秘的なイメージや謎めいたミステリアスな印象があります。紫色の宝石なども、どこか怪しげで神秘的な雰囲気が感じられますよね。そんなミステリアスな印象がありながらも、紫色は成熟して落ち着きのある大人らしさを感じさせます。

 

青系の花束の代用色となる

自然界にはもともと青色の花が少ないので、青系の花束を作るのは大変です。しかし紫色の花であれば青い花よりも多く存在しているので、青みを強く持っている紫系の花を選べば、揃えるのが難しい青系のブーケやアレンジメントで活躍してくれます。

 

紫色で作る花束におすすめのお花たち

紫色と一口に言っても、濃い発色の紫や、ほとんど青に近い落ち着いた紫、ピンク色の要素が強い明るめの紫、淡い色合いで和服にも用いられる紫など、濃淡によって受ける印象が大

きく変わります。

そんな紫色でまとめる花束に取り入れたい、おすすめの紫系の花をご紹介していきます。花言葉も一緒にお伝えしますので、ギフト選びの参考にしてみてくださいね。

 

アヤメ

科・属 アヤメ科・アヤメ属
和名 菖蒲・文目(あやめ)
英名 Siberian iris
学名 Iris sanguinea
原産地 日本、中国、ヨーロッパ
花言葉 「よい便り」「朗報」「メッセージ」「希望」

雅な雰囲気が魅力的なアヤメは、カキツバタととてもよく似ているお花です。

優劣が付けにくく、選択に迷うことの例えでもある、「何れ(いずれ)菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」ということわざになっているほどです。

見分け方のポイントとしては、花の付け根に網目模様があるのがアヤメで、花びらに白い線が入ったものがカキツバタだと覚えておくと見分けやすいでしょう。

かつては各地に自生していたアヤメですが、現在では日本原産のアヤメは絶滅危惧種に指定されている貴重な植物です。

 

アンチューサ

科・属 ムラサキ科・アンチューサ属
和名 牛の舌草(うしのしたぐさ)、アフリカ勿忘草(わすれなぐさ)
英名 Alkanet, small bugloss, annual bugloss
学名 Anchusa
原産地 南アフリカ、地中海沿岸
花言葉 「あなたが信じられない 」「真実」

紫の花色を持つアンチューサですが、ワスレナグサのようにみずみずしい青色のアンチューサも魅力的です。

青い花を持つ品種は、「アンチューサ・アズレア」「アンチューサ・カペンシス」があります。

アンチューサは春から梅雨までと長い開花期間で、ワスレナグサにも似ているかわいらしい花を咲かせて楽しませてくれます。

アンチューサの葉はよく見るとうっすら毛が生えていて、触れてみるとざらついているので、この質感と葉の形状から「牛の舌草(うしのしたぐさ)」という和名が名付けられました。

 

クレマチス

科・属 キンポウゲ科・クレマチス属(センニンソウ属)
和名 風車(かざぐるま)、鉄線(てっせん)
英名 Clematis
学名 Clematis
原産地 世界各国の湿地帯に分布
花言葉 「旅人の喜び」「精神の美」「策略」

イングリッシュガーデンとぴったりな相性を持つクレマチスは、「つる性植物の女王」として有名です。日本でも、お庭のグランドカバーや暑さをしのぐグリーンカーテンとして植えられていることが多く、夏の炎天下の中で華やかに咲くクレマチスの姿を見かける機会が多くなりました。

つる性の特徴を活かして上手に誘引していけば、アーチ状に絡ませていったり、好みの形に仕上げていったりできる、ガーデニングの楽しみのひとつになる植物です。豊富な種類があるクレマチスは、品種によって開花期やお手入れの仕方が異なります。

 

スカビオサ

科・属 マツムシソウ科・マツムシソウ属
和名 松虫草(まつむしそう)、西洋松虫草(せいようまつむしそう)、輪宝菊(りんぼうぎく)
英名 Scabiosa
学名 Scabiosa japonica
原産地 アジア、アフリカ、ヨーロッパ
花言葉 「魅力」「風情」「悲哀の心」「不幸な恋」「私はすべてを失った」「未亡人」

小花がぎっしりと集まるボリューミーな見た目のスカビオサは、乾燥させても色が美しく残るためドライフラワーとしても人気です。

スカビオサにはポジティブな花言葉がありますが、悲しげな花言葉も目立ちます。これは、西洋においてスカビオサが、愛するパートナーを亡くした未亡人を慰めるときに贈るお花とされていたためです。

スカビオサは青色に近いような青紫色、ピンクがかった明るい紫、赤みがかっている赤紫系、深みのある紫色など、色のバリエーションが豊かです。編み込んだレースのような繊細な花姿の品種もあるので、同じスカビオサの中でも違ったニュアンスを楽しめます。

 

スミレ

科・属 スミレ科・スミレ属
和名 菫(すみれ)、相撲取草(すもうとりくさ)、マンジュリカ
英名 Violet
学名 Viola mandshurica
原産地 世界中の湿地帯に分布
花言葉 「小さな幸せ」「謙虚」「誠実」

「菫色」の語源にもなったスミレは、ほんのりと良い香りがする薄紫色の小花を咲かせます。青みが濃い紫色を指すスミレのような紫色のことを和色では「菫色」と呼び、英名でも紫色を指す「violet(バイオレット)」と呼ばれています。

スミレとよく似た花の形を持つビオラやパンジーは、スミレを親にして作られた園芸品種です。

 

ハーデンベルギア

科・属 マメ科・ハーデンベルギア属
和名 小町藤(こまちふじ)、一つ葉豆(ひとつばまめ)、紫蔓豆(むらさきつるまめ)
英名 Vine lilac
学名 Hardenbergia
原産地 オーストラリア、タスマニア
花言葉 「運命的な出会い」「広い心」「思いやり」「壮麗」

ハーデンベルギアは、胡蝶蘭の花をかなり小さくして、紫色に染めたような花をしています。主な花色は紫色ですが、白い品種の「ハーデンベルギア・スノーワンダー」、濃い発色の紫色を持つ「ハーデンベルギア・コンプトニアナ」などもあります。つる性植物であることから、店頭などで見かけるハーデンベルギアは、あんどん仕立てで販売されている姿を多く見かけます。

深みのあるグリーンの葉をバックに、艶やかな花が咲く様子は美しく、ガーデニングでも人気の高いお花です。

 

バラ

科・属 バラ科・バラ属
和名 薔薇(ばら)
英名 Rose
学名 Rosa
原産地 北半球の亜熱帯〜寒帯
花言葉 「愛情」「美」「情熱」「熱烈な恋」

フラワーギフトの定番でもあるバラ。園芸用やフラワーギフトに用いる花材としても人気の高いバラには、品種が膨大に存在しています。その中には紫色のバラもあり、品種によってピンク色に近い明るい色のものから、寒色系の紫までさまざまです。

格調高い印象の紫色と、高貴な印象が強いバラは大変相性が良く、紫色のバラからはミステリアスな雰囲気が感じられます。

そんな紫色のバラには、「気品」「誇り」「高貴」「尊敬」「上品」「王座」といった花言葉が並んでいますよ。

 

バラの花は贈る本数によっても花言葉の意味が変わりますが、1本から999本という現実的に用意するのは難しいものすごい数の本数にまで花言葉があります。

ここでは、現実的な数字として準備できそうな1本〜22本までの本数別の花言葉をご紹介します。恋人相手以外にも使える花言葉もあるので、バラの花束を贈る際には参考にしてみてください。

 

【本数で違うバラの花言葉】

 

1本 「一目ぼれ」「私にはあなたしかいません」
2本 「この世界には二人だけ」
3本 「愛しています」「告白」
4本 「一生愛し続けます」 「死ぬまで私の愛は変わりません」
5本 「出会えて心から嬉しい」
6本 「あなたに夢中」

「お互いに敬い、愛し、分かち合いましょう」

7本 「ひそかな愛」
8本 「あなたの思いやりや励ましに感謝」
9本 「いつまでも一緒に」「いつも一緒にいてほしい」
10本 「あなたは完璧な人」
11本 「最愛」
12本 「私と付き合ってください」「私の妻になってください」

「日ごとに強まる愛」

13本 「永遠の友情」
22本 「あなたの幸運をお祈りします」

バラを贈りたいと考えている方は、こちらの記事も参考にして見てください。

おしゃれなバラをプレゼントしよう!花言葉や贈る際のよくある質問を紹介

 

 

ヒヤシンス

科・属 ユリ科・ヒアシンス属
和名 風信子・飛信子(ひやしんす)
英名 Common hyacinth, garden hyacinth
学名 Hyacinthaceae
原産地 北アフリカ、地中海沿岸
花言葉 「悲しみを越えた愛」「スポーツ」「遊戯」

紫色のお花といえば、ヒヤシンスを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。早春に咲き出して、甘い香りとともに春の訪れをいち早く伝えてくれるヒヤシンスは、球根を水栽培で育てることもできます。

たわわに咲いた涼しげな花穂からは、甘い香りが強く漂うので、切り花のヒヤシンスを持ち帰って一本飾るだけでも、お部屋いっぱいに甘い香りが満ちていきます。甘い香りといってもしつこい、くどいといった甘さではなく、さっぱりとした爽やかな甘さなので、この香りを味わいたいがために、生花店でヒヤシンスを見かけるとつい買ってしまうほどです。

 

フジ

科・属 マメ科・フジ属
和名 藤(ふじ)
英名 Wisteria
学名 Wisteria floribunda
原産地 アジア、北米、ヨーロッパ
花言葉 「優しさ」「決して離れない」「恋に酔う」「忠実」「歓迎」

ヒヤシンスと並んで、紫の花として挙げられるのがフジかもしれません。ちょうど5月の大型連休辺りに見頃を迎えるフジは、各地で藤棚が作られ、観光スポットや休憩所として楽しまれています。

フジの花からは、ほのかに良い香りが漂ってくるため、藤棚に立っているとフジの淡い香りに包まれて、なんとも幸せな気分になれますよ。

淡い紫色を持つ上品なフジは、和色の「藤色」の語源になっています。

 

ムスカリ

科・属 キジカクシ科・ムスカリ属
和名 葡萄風信子(ぶどうひやしんす)
英名 Grape hyacinth
学名 Muscari
原産地 地中海沿岸、アジア南西部
花言葉 「明るい未来」「通じ合う心」

ムスカリは、ブドウを上向きにひっくり返したような花姿をしています。道端などで見かけると、すぐにムスカリだ!と分かるようなユニークなお花です。

花からはとても良い芳香があるムスカリですが「ゴールデンフレグランス」という黄色いムスカリは、香りに優れている品種で、さらに濃厚に香ります。花束やアレンジメントフラワーに香りを付ける花材として使われることも多いです。

 

ラベンダー

科・属 シソ科・ラベンデュラ属(ラヴァンドラ属)
和名 薫衣草(くんいそう)
英名 lavender
学名 Lavandula
原産地 地中海沿岸、熱帯アフリカ北部など
花言葉 「あなたを待っています」「期待」「沈黙」「清潔」

香り高いラベンダーは、アロマやサシェなどの香料でも人気のお花です。香料として使われているのは「イングリッシュラベンダー」という品種で、栽培用には「フレンチラベンダー」という品種もあります。

ほっそりとした花茎に、小花をたくさん付ける姿は涼しげです。ラベンダーはドライフラワーにしてもきれいに仕上がるので、スワッグやガーランドとして飾っても楽しめます。

 

ライラック

科・属 モクセイ科・ハシドイ属
和名 紫丁香花(むらさきはしどい)
英名 Lilac
学名 Syringa vulgaris
原産地 ヨーロッパ東南部
花言葉 「思い出」「友情」

 

ライラックの花も、モクセイ科らしく甘い香りを持っているお花です。

基本的にライラックの花びらは4枚なのですが、ごく稀に花びらの先が割れていて、全部で5枚の花びらを持つように見える花もあります。5枚の花びらを持つライラックは「ハッピーライラック」と呼ばれ、見つけたことを誰にも話さず花を飲むと、愛する人と永遠に結ばれるという西洋の言い伝えがあります。

 

ルピナス

科・属 マメ科・ハウチワマメ属
和名 登藤(のぼりふじ)、逆さ藤(さかさふじ)、立ち藤(たちふじ)、葉団扇豆(はうちわまめ)
英名 Lupine
学名 Lupinus
原産地 北アメリカ西部
花言葉 「想像力」「いつも幸せ」「あなたは私の安らぎ」「貪欲」

フジに似た花を咲かせるルピナスには、フジの花をひっくり返したような姿をしていることから、「昇藤」「逆さ藤」「立ち藤」の別名があります。

ルピナスと聞くよりも、和名の呼び方のほうが花の形や色が伝わりやすくていいですね。ルピナスの群生地は観光名所にもなっていて、東京ドーム65個分の面積を持つ国営の武蔵丘陵森林公園でも、色とりどりのルピナスがカラフルに群生する様子を見ることができます。

切り花としても流通数が増えているので、生花店で見かけることがあるかもしれません。

ルピナスはスイートピーなどと同じくマメ科の仲間なので、花が咲き終わると枝豆のようなさやに種子を作りはじめます。

 

まとめ

今回は、紫系でまとめた花束について、紫の持つイメージや、紫色の花束に取り入れたいおすすめの花をご紹介してきました。

誇り高く上品な印象がありながら、ミステリアスで妖艶な印象も持っている紫色は、尊敬の気持ちや大人らしさを表現するフラワーギフトとしてもおすすめできるカラーです。

この記事でご紹介した花以外にも、魅力的な紫色のお花はまだまだあります。ぜひご自分でも探してみてくださいね。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?