清楚で涼しげ。上品で贈りやすいブルーの花束
青色の花々は、清楚な色と雰囲気から穏やかな癒しを感じさせてくれます。
暑い夏には視覚的な涼しさを感じられて、暑中見舞いや残暑見舞いの贈り物にもぴったりでしょう。
今回は、夏の贈り物や目上の方へのギフト、ビジネスシーンにもふさわしい、ブルー系でまとめた花束についてご紹介します。
上品な魅力がありながら神秘的な雰囲気も持つ青色の花は、実は自然界では少ない希少な花色です。なぜ青色の花が少ないのかという理由についても解説しているので、ブルーの花束の魅力に惹かれている人はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
青色の与える印象
青色の涼しげで穏やかな雰囲気は、広大な空や深い海といった自然の要素と強く結びついていて、心を落ち着かせて安らぎをもたらしてくれます。
心理的な効果では、青色にはリラックスや安心感があり、ストレスを軽減してくれる効果があります。
集中力や創造性を高める効果もあるとされ、仕事や学習、クリエイティブな場面にもおすすめです。
色のイメージとしては、信頼性や知性、品位などの落ち着いた印象も与えます。
穏やかで安心感を与える青色は、ビジネスシーンにおいても、信頼を築くうえで重要な役割を果たしてくれる色で、老若男女を問わずに贈りやすいです。
もともと自然界では青色の花が少ない
青い花は自然界には少なく、数多くの植物が存在する中でも約10%以下しかない色だと言われています。青い花が咲くには、花びらに青色色素と呼ばれるデルフィニジンという成分が必要ですが、多くの植物にはこの色素を作る遺伝子がないためです。
近年出回っている青いバラや青いカーネーションなどがありますが、実はバラにもカーネーションにも青色色素がないので、自然には青く咲かないのです。
また、青色の花は昆虫などの受粉者にとって目立ちにくいので、植物の生存戦略上で不利なため、数が少ないという見方もあります。そのため、他の色の花に比べて珍しい色なのです。
理由は青色の遺伝子を持つ花が少ないから
花の色は、花びらに含まれる色素によって決まります。赤や紫、青などの色を作るのはアントシアニンという色素で、青色を作るのはデルフィニジンという色素です。
デルフィニジンを作るには、植物が特定の遺伝子を持つ必要がありますが、自然界にはもともと青色遺伝子を持つ花が少ないのが現状です。これには生態学的な要因が考えられます。
花の色は、昆虫などの受粉者を引き付けるために重要な役割を果たします。昆虫の中には青色が見えにくい虫もいて、例えばハチやハエは青色は見えますが、チョウやガには見えません。花に誘われてやってくる昆虫が限定的になってしまうのです。
遺伝子組み換えによる青色の花
ペチュニアやリンドウ、ツユクサなどは青色遺伝子を持っているため、青い花を咲かせることができますが、バラやカーネーション、キクなどは青色遺伝子がないため、自然には青い花が咲きません。
しかし近年、バイオテクノロジーの進化によって、他の青い花から青色遺伝子を移植することにより、青いバラやカーネーションが誕生しました。
世界で唯一の青いカーネーションは「ムーンダスト」、世界初の青いバラは喝采を意味する「アプローズ」です。青いバラは今まで完成不可能と言われていましたが、この研究の成功によって「夢かなう」の花言葉が付けられました。
染色された青い花もある
遺伝子組換え技術によって、青色のバラやカーネーションの開発に成功しましたが、流通数は少なく、まだ希少価値が高い状態です。特に青いバラのは単価が高く、十数本の花束でも数万円単位で販売されています。
ですから、市場で流通している青いバラやカーネーション、胡蝶蘭のほとんどは、青色になる染料を吸収させたり、塗料で色付けしたりして作った染色品です。見た目が美しく安価に買い求められますが、次第に色が抜けて落ちていくデメリットもあります。
特に開花期が長い胡蝶蘭の場合、だんだんと色が抜けて本来の白色へ戻っていくので、ギフトの際には一言添えておくと親切かもしれません。
ブルーの花束に取り入れたい!お店で買える青色の花
落ち着きや品の良さを感じさせるブルー系の花束は、年代や性別を問わずに贈りやすい色です。青色の花は少ないとお話ししましたが、青や紫系の花はお店で購入できます。
ここからは、花屋で手に入るさまざまな種類の青い花々をご紹介しましょう。フラワーギフト以外にも、自宅に飾って心を落ち着かせたいときにもおすすめですよ。
アガパンサス
科・属 | ヒガンバナ科・アガパンサス属 |
和名 | 紫君子蘭(むらさきくんしらん) |
英名 | African lily |
学名 | Agapanthus |
原産地 | 南アフリカ |
花言葉 | 「恋の訪れ」「愛の訪れ」 |
清楚で上品な雰囲気を持つアガパンサスは、南アフリカ原産のユリ科の多年草です。花の形が星に似ていて、花茎の先に青や白の小さな花がたくさん咲きます。
耐寒性や耐暑性が高く、日当たりと水はけの良い場所であれば、ほとんど手間がかかりません。花期が長く、6月から9月まで楽しめるのも魅力です。花色には青や白だけでなく、紫やピンクなどもあります。
アガパンサスの花言葉には「恋の訪れ」「知的な装い」「優しい気持ち」「恋の季節」「誠実な愛」といったように愛にまつわるものが並んでいますが、これは花の名前がギリシャ語の「Agape(無償の愛)」と「Anthos(花)」を組み合わせ付けられたことに由来します。大切な人や愛する家族への贈り物としてもおすすめです。
エリンジウム
科・属 | セリ科・エリンジウム属 |
和名 | 松笠薊(マツカサアザミ)、襟巻薊(エリマキアザミ) |
英名 | Flat sea holly |
学名 | Eryngium |
原産地 | ヨーロッパ、アメリカ、アジア |
花言葉 | 「秘めた愛」「秘密の恋」「光を求める」 |
エリンジウムは、セリ科の多年草で、球状や円柱状の光沢のある花を咲かせます。光沢のある花はメタリックな質感にも見えるのが特徴です。
花色は青紫色やシルバー色が多く、切り花やドライフラワーにも人気があります。ドライフラワーにする場合は、新鮮なうちに水からあげて乾燥させると、鮮やかな色が残りやすいです。夏の暑さには弱いので、栽培するときは涼しい場所で育てましょう。
花言葉には、「秘めた愛」「無言の愛」「光を求める」などがあります。エリンジウムの花や葉には棘があることから、「秘めた愛」「秘密の恋」の花言葉が付けられました。
カンパニュラ
科・属 | キキョウ科・ホタルブクロ属 |
和名 | 風鈴草(ふうりんそう)、釣鐘草(つりがねそう) |
英名 | Bellflower |
学名 | Campanula |
原産地 | ヨーロッパ |
花言葉 | 「感謝」「思いを告げる」「誠実」「共感」「節操」 |
青や紫や白などの淡い色のカンパニュラは、清楚で上品な印象を与えます。ベルフラワーとも呼ばれ、花の形が鐘のように見えることから、ラテン語で「小さな鐘」という意味の「campanula」が由来として名付けられました。
約300種類もの品種があり、世界各国で愛されているお花です。
日本では北海道から九州まで広く分布しており、山野草としても親しまれています。比較的育てやすい花でもあるので、日当たりと水やりと肥料を適切に与えれば長く楽しめますよ。
キキョウ
科・属 | キキョウ科・キキョウ属 |
和名 | 桔梗(ききょう) |
英名 | Balloon flower |
学名 | Platycodon grandiflorus |
原産地 | 日本、中国、東アジア |
花言葉 | 「永遠の愛」「変わらぬ愛」「気品」「誠実」 |
日本の伝統的な花であるキキョウは、秋の七草のひとつとしても知られています。日本では古くから家紋や刺繍などにも用いられ、日本文化に深く根付いている花です。花は星形で、紫や青、白、ピンクなどの花色があります。
蕾の状態がふくらんだ風船のように見えることから、英名では「Balloon flower」と呼ばれています。
夏から秋にかけて咲き、暑さにも寒さにも耐えられる丈夫さが魅力です。
花言葉は「永遠の愛」「気品」「誠実」で、中でも紫色は「永遠の愛」「変わらぬ愛」を意味し、恋人や夫婦間でのギフトにもおすすめです。
デルフィニウム
科・属 | キンポウゲ科・デルフィニウム属 |
和名 | 大飛燕草(おおひえんそう) |
英名 | Delphinium, Larkspur |
学名 | Delphinium |
原産地 | 北アメリカ、ヨーロッパ、アジア |
花言葉 | 「清明」「高貴」「あなたは幸福をふりまく」「誰もがあなたを慰める」 |
デルフィニウムは、夏になると涼しげな青や紫の小さなベル型の花を咲かせます。デルフィニウムには大きく分けて3種類あり、長い花穂のエラータム系と、ほっそりした花姿のシネンセ系、この中間的なベラドンナ系に分けられます。花の名前は、ギリシャ語で「イルカ」を意味する「デルフィス」からきており、つぼみの形がイルカに似ているため名付けられました。
花言葉には「清明」「高貴」「あなたは幸福をふりまく」「誰もがあなたを慰める」があります。
品種改良によってさまざまな色や形のデルフィニウムが作られ、花束やアレンジメント用の花材としてもよく使われます。
ヒヤシンス
科・属 | ユリ科・ヒアシンス属 |
和名 | 風信子・飛信子(ひやしんす) |
英名 | Common hyacinth, garden hyacinth |
学名 | Hyacinthaceae |
原産地 | 北アフリカ、地中海沿岸 |
花言葉 | 「悲しみを越えた愛」「スポーツ」「遊戯」 |
球根植物のヒヤシンスは、春になると小さな星形の花が茎にびっしりとつき、穂状になって咲きます。花色には、白や赤、ピンク、青や紫、黄色などがあって多彩で、香りは甘く爽やかです。庭植えや鉢植えでも育てられますが、水耕栽培も可能です。切り花としても人気があり、香りを楽しみながら飾ることができます。
花名は、ギリシャ神話に登場する美少年・ヒュアキントスから名付けられました。
彼は太陽神アポロンと西風の神ゼピュロスに愛されていましたが、アポロンと円盤投げの遊戯をしていた最中、嫉妬したゼピュロスの起こした風によって円盤が頭に当たり、命を落としてしまいます。彼の血から咲いた花がヒヤシンスだと言われ、「悲しみを越えた愛」「スポーツ」「遊戯」などの神話に基づいた花言葉が付けられました。
ブルースター
科・属 | キョウチクトウ科・ルリトウワタ属 |
和名 | 瑠璃唐綿(るりとうわた) |
英名 | Southern star, Tweedia |
学名 | Tweedia caerulea |
原産地 | ブラジル、ウルグアイ |
花言葉 | 「幸福な愛」「信じあう心」 |
ブルースターは、南米原産の多年草で、初夏から秋にかけて星型の青い花を咲かせます。「オキシペタラム」の別名や、「瑠璃唐綿(るりとうわた)」の和名でも流通します。
ブルースターは切り花としても人気が高く、花束やアレンジメントにもよく使われている花材です。
西洋の風習では、花嫁が結婚式で青色のものを身につけると、生涯にわたって幸せになれるというサムシング・ブルーの言い伝えがありますが、これにちなんで、結婚式のブーケや男の子の誕生祝いにもブルースターが使われています。
花言葉は「幸福な愛」「信じあう心」です。
茎を切ると白い液が出てくるので注意が必要ですが、花持ちも良く、長く楽しめます。
ブルーレースフラワー
科・属 | セリ科・トラキメネ属 |
和名 | ソライロレースソウ |
英名 | Blue lace flower |
学名 | Trachymene caerulea |
原産地 | オーストラリア |
花言葉 | 「優雅なたしなみ」「慎み深い人」 |
一年草のブルーレースフラワーは、オーストラリア西部が原産地です。淡いブルーの小花が傘状に集まって半球状に盛り上がり、レース編みのようなやさしい雰囲気を持っています。花色は、ブルー以外にピンクや白もありますよ。切り花として人気が高く、フラワーアレンジメントやブーケによく使われているお花です。
花言葉は、「優美」「清楚」「純潔」。
ディディスカスの流通名でも販売されています。
栽培する際には、風通しがよく日当たりのいい場所で育てると、花がよく咲いてくれます。高温多湿に弱いため、水はけの良い土壌を用意しましょう。
ヤグルマギク
科・属 | キク科・ヤグルマギク属 |
和名 | 矢車菊(やぐるまぎく) |
英名 | Cornflower |
学名 | Centaurea cyanus |
原産地 | ヨーロッパ |
花言葉 | 「繊細」「優美」「教育」「信頼」 |
ヤグルマギクは、春から初夏にかけて咲くキク科の一年草です。花びらの形が矢車に似ていることから、この名前が付けられました。
ヨーロッパ地方が原産地で、古代エジプトやルネサンス期のイタリアでも親しまれていたようです。花色には青や白やピンクなどがあり、さまざまな品種が存在しています。
ヤグルマギクは切り花やドライフラワーとしても人気で、食べられるお花のエディブルフラワーとしても有名です。ハーブティーや料理に使うと、青い花びらが上品なアクセントになりますよ。丈夫で育てやすい草花なので、種まきや鉢植えでも栽培を楽しめます。
ニゲラ
科・属 | キンポウゲ科・クロタネソウ属 |
和名 | 黒種草(くろたねそう) |
英名 | Love-in-a -mist |
学名 | Nigella damascena |
原産地 | 地中海沿岸、西アジア |
花言葉 | 「未来」「夢の中の恋」「深い愛」「不屈の精神」「ひそかな喜び」 |
別名「Love-in-a -mist(ラブ・イン・ア・ミスト)」とも呼ばれるニゲラは、青紫色の花が緑の糸状の葉に包まれている特徴的な花姿です。細かい糸状の葉の中に花が咲く姿は、霧の中に花が浮かぶようですよね。
春から夏にかけて咲き、花径は約3センチほどと小ぶりです。花色は青紫が一般的ですが、白やピンクなどの品種もあります。
花言葉は、「夢の中の恋」「深い愛」「ひそかな喜び」などがあり、幻想的な咲き姿から連想されています。
種子は黒色であることから、和名では「黒種草(くろたねそう)」と呼ばれ、種にはややスパイシーな香りがあります。
リンドウ
科・属 | リンドウ科・リンドウ属 |
和名 | 竜胆(りんどう)、疫病草・瘧草(えやみぐさ) |
英名 | Gentian |
学名 | Gentiana scabra |
原産地 | 日本、中国 |
花言葉 | 「正義」「勝利」「高貴」「悲しんでいるあなたを愛する」 |
秋の野山に咲く美しい青紫色のリンドウは、日本や中国などの東アジアに広く分布しています。漢字では「竜胆」と書きますが、これはリンドウの根が漢方薬として使われていたことに由来します。胃腸の調子を整える効果があるリンドウの根は「竜の胆のように苦い」と言われていたのです。
リンドウの花びらは晴れた日にだけ開き、曇りや雨の日には閉じてしまいます。その様子から「悲しんでいるあなたを愛す」や「寂しい愛情」といった花言葉もあり、秋の物悲しさを象徴する花でもあります。
紫色は高貴さや尊敬の念を表すことから、敬老の日に贈られる花としても人気です。
まとめ
今回は、上品で贈りやすいブルーの花束についてご紹介しました。
落ち着いたブルー系でまとめられたフラワーギフトは、その神秘的な美しさと穏やかな色彩から贈られた人に癒しと喜びを届けてくれます。
もともと自然界に少ない青色の花ですが、バイオテクノロジーの進歩によって、不可能だと言われた青色のカーベーションやバラの開発にも成功しています。染色技術により、買い求めやすい価格で流通もしていますよ。
リラックス効果や集中力の向上にもつながる青色は、洗練された美しさからビジネスシーンでの贈り物にもふさわしいカラーです。特別感のあるフラワーギフトをお探しの方は、ブルーでまとめた花束を検討してみてはいかがでしょうか。