ユッカ(青年の木)の育て方をご紹介。ユッカの基本情報から復活させる方法までのまとめ
ユッカは日本では長きにわたり広く流通している観葉植物です。濃い緑色の長い葉を真っ直ぐ上に伸ばしたユッカの姿はどんな人でも目にしたことがあるはずです。
でも、あらためてどう育てたらいいのか聞いてみると、答えられない、という人が多いのではないでしょうか?
ユッカが、職場や学校、お家にあるのに、世話をしたことがない、何も知らないという方もいるかもしれません。
置く場所、水やり、温度管理、土の種類、鉢の大きさなどを気をつけることで、ユッカは元気に大きく育ちます。また、ユッカの名前の由来やユッカには花が咲くのか、といった豆知識もご紹介します。ぜひ身近なユッカをかわいがって育ててみてください。
ユッカはどんな植物?
ユッカは、中央アメリカが原産です。具体的な国としてはメキシコが挙げられます。日本に初めてユッカを輸入したのは、愛知県渥美半島の業者と言われています。日本の気候の中でも育てやすいユッカは、昭和から平成、令和と3つの時代をまたぎ、日本中に広く普及することになりました。鉢植えはもちろんのこと、地面に直接植える地植えのユッカもいたるところで見られます。
メキシコでは、5〜6mもの大きさに育ついユッカですが、日本でも気候が合うと3〜4mほどに育つ場合もあるそうです。
ユッカの名前の由来
ユッカというかわいらしい名前は、カリブ諸島の言葉Yuca(ユカ)から来ています。実はユカはキャッサバという別の植物を現す言葉なのですが、混同されたことから、この名前がついたということです。
日本では別名の「青年の木」という名前でも親しまれています。真っ直ぐに伸びた葉や次々と新芽をだす様子が、青年のようにエネルギーに満ちていることが由来のようです。
ユッカには「青年の木」の他にもさらに別名があります。それは「ユッカ・エレファンティペス」という名前で、木の幹が太く、エレファント=象の足に似ていることが名前の由来になっています。
青年や象にたとえられることも、ユッカの男性的でたくましい個性を表しているのようです。
ユッカの育て方
ユッカが会社や学校にあるけど特に誰もが世話をしているようすがないな…といったことがあなたの身近でもあるかもしれません。ユッカは、ときには人工の観葉植物かと勘違いされてしまうほどに、ほとんど世話をしなくても元気でいてくれるありがたい植物です。
それでも、生きている植物ですから、まったく何もしなければ枯れてしまうこともあります。
具体的にユッカはどんなふうに育てればよいのか、項目別にご案内していきます。
温度
暑さに強く寒さに弱いユッカを日本で育てる場合には、冬の寒さに注意しなくてはいけません。
鉢植えを外に置いている場合には、冬の時期には室内に移しましょう。
ユッカが耐えられる温度は5℃までと言われています。縦に長い日本列島の場合、温暖な地方では地植えのまま越冬することができます。もしユッカを庭木として育てたい場合には、お住まいの地域の気候と合うかどうかよく検討してみましょう。
日光の当て方
ここでは室内でユッカを育てる場合の注意点について紹介します。ユッカを丈夫な育てるには、季節に合わせて陽射しの取り入れ方を変えることが望ましいです。
春から秋までは、レースのカーテン越しの柔らかい光が入る窓辺に置くといいでしょう。
秋が深まってきた頃からは、レースのカーテンを開けて窓ガラス越しの光を浴びさせることでユッカは元気に育ちます。冬の間は気にして強めの光を取り込むことで、ユッカは枯れずに越冬することができます。
玄関など、寒くなりやすい場所にユッカを置いている場合は、冬の間だけは室内に移すことがおすすめです。
無事にユッカが冬を越すことができたら、春にはまたレースのカーテンを閉めて光の調節をしてください。
水やり
ユッカの原産国である中央アメリカの地、メキシコは日本とちがい大変乾燥した気候です。その中で生まれたユッカもやはり乾燥した状態を好みます。
植物には毎日水をあげなくては、と思っている人もいるかもしれませんが、そのやり方はユッカにとっては逆効果になってしまいます。
ユッカは毎日水をあげなくていいのです。むしろ、「毎日あげてはいけない」と言った方がいいかもしれません。水やりの頻度は「1週間に1度」で充分です。
また、地植えのユッカの場合には、夏の晴天が続いた時以外は水やり自体をしなくてかまいません。日照時間が短く地面が渇きにくい冬場には、ユッカには水をあげずに断水状態にします。
ただし、ユッカを植え替えをした時だけは、土を触って乾燥していたら鉢の下から水が出るぐらいにしっかりと水やりが必要になります。植え替えがうまくいき、しっかりと新しい土に馴染んだら、水を与えすぎないように注意しましょう。
土の種類
前述のとおり、乾燥を好むユッカは水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れを起こしてしまう可能性があります。自宅にもともとあった花壇用の土を流用したりするのは避けた方がいいでしょう。
ユッカには、とにかく水はけの良い土を使うことが大切です。ブレンドする場合は[観葉植物用の土2:赤玉土1:鹿沼土1]の割合でブレンドしましょう。
ブレンドした園芸用の土を購入する場合には「水はけが良い」と書かれているものを選びましょう。「観葉植物用」のツチが水はけのよいブレンドになっていることが多いです。土は植物を上手に育てる決め手になりますので、わからない場合には、お店の人に「ユッカを育てたい」と相談するのもおすすめです。
また、土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂などの無機質(栄養分のない種類)の土で覆うことでコバエの発生を防ぐことが出来ます。
害虫について
ユッカがかかりやすい病虫害は、ハダニです。ハダニといっても思い浮かばないかもしれませんが、葉っぱにクモの巣がかかったような白いものがみられたら、それがハダニです。対策としては、葉を濡れた布巾などで拭き取るか、勢いのある水で流して駆除します。室内に置いたユッカもベランダや庭に出して、ホースの水をかけることで、ハダニを追い払うことができます。水をかけることが難しい場合には、霧吹きなどで葉に水を与えることで予防することができます。
また、ユッカにはカイガラムシが発生することがあります。カイガラムシはその名の通り、貝殻のような形でら幹や葉についていて動きません。放っておくと、ユッカが枯れてしまう原因になります。見つけ次第歯ブラシなどでこすり落とすかピンセットで取り除きます。カイガラムシは、専用の薬剤を置くことで予防もできます。
剪定
ユッカについて検索をすると「ユッカ大きくなりすぎ」という関連ワードが出てきます。ユッカはよく育つ観葉植物で、時には困ってしまうほど大きくなってしまうこともあるのです。
そんな場合には自分で剪定することで、またインテリアとしてユッカを楽しめるようになります。
やり方はまず傷んでいる部分をきれいに切ります。そして、葉が密集してしまっている部分については、状態の良い数枚を残し、残りの葉を取り除きます。
これだけでも横の広がりがおさえられて、スッキリとコンパクトになる場合もあります。
さらサイズダウンさせたい場合には、このぐらいの大きさにしたい、という高さでスパッと切ってしまって大丈夫です。ただし、残した部分にしっかりと葉がついていないとユッカも元気がなくなってしまうので、小さくしすぎないよう注意してください。また切り口が大きい場合には「癒合剤」という薬を塗ることで、水分の蒸発や病気を防ぐことができます。園芸店で相談してみましょう。
また、ユッカは丈夫なのであまり心配はいらないのですが、剪定に使うハサミは消毒をしておいた方がいいでしょう。1番簡単なやり方は、ハサミの刃をガスの火であぶる方法です。園芸用の専用ハサミでなくても、よく切れるハサミであれば剪定に使うことができます。
挿し木
剪定した後のユッカの幹や枝は、挿し木をすることで増やすことができます。葉が付いている場合は、下葉を切り落とします。幹は10〜20センチ程に切り揃えます。上下を間違えないように、挿し木用土に植えたら明るい日陰で管理します。1〜2ヶ月程で根が出てきます。さらに新芽が出てきたら、前述した自分でブレンドした土か水はけのよい市販の土に植え替えましょう。
育てるだけでなく増やす楽しみもあるユッカ、ぜひ剪定にも挑戦してみてください。
枯れたユッカを元気にさせるには?
これまで挙げてきたユッカの育て方を知らずに、すでにユッカが枯れそう、という方もいるかもしれません。
日本の家庭でユッカが枯れてしまう原因としては、「水のあげすぎ」が一番多いと思われます。反対にまったく水をあげていない場合も考えられます。まず、枯れそうなユッカの土の状態を見て、どちらか判定してみましょう。
水をあげすぎていた場合には、水やりをやめてみます。反対に乾燥しすぎには、水を適度に与えます。
その他、葉があまりにも増えていると限られた養分が行きわたらなくなるため、余分な葉をカットします。剪定の項目でも触れていますが、元気な数枚を残して、密集した葉を取り除きます。
水やり法を見直し、余計な葉のカットをしたら、もう一つ気をつけることは「置き場所」です。日当たりのよくない場所や温度の低い場所に置いている場合は、置き場所も変えてみましょう。日当たりが良く、温度が5℃以下にならない場所に移してみてください。
このままユッカの生命力を信じて、様子を見ていると元気になってくることも大いにあります。もし、それでも枯れそうな状態が続く場合には、「挿し木」がおすすめです。ユッカ自体が枯れそうでも、元気な枝や葉があれば、挿し木をすることで復活させることができるのです。上にあげた【挿し木】の項目にしたがって、ぜひユッカを元気にさせてあげてください。
もとのユッカが元気になるか判断がつかない場合には、様子を見ることと並行して、挿し木をスタートさせるとよいでしょう。また、挿し木は、うまく根付かないこともあるため、2、3本を同時に行うといいでしょう。
数年に一度は植え替えを
水の与え方と温度管理がユッカが枯れてしまう主な要因ですが、ユッカに対して鉢が小さすぎる場合も枯れてしまう原因になります。
植え替えなんて、とても面倒そうですが、ユッカを元気に育てるには大切なことです。鉢が小さすぎると、根がぐるぐると鉢の周りを何周もしているような状態になり、根同士が絡み合って、腐りやすい状態になります。また、ずっと変えていない土には栄養分がほとんどなく、有害な微生物が発生してしまっていることもあります。
ユッカの場合、生長はそこまで早くはないため、3~4年に1度の植え替えで充分です。 コツとしては、生育期である4~9月の間に行うことが大切です。小さくなってしまった鉢よりも一回り~二回り大きな鉢へと植え替えましょう。植え替えるときには鉢の土の1/4を落とします。土の種類を吟味していない場合には、植え替えが土を替えるチャンスとなりますので、ユッカに合った水はけのよい土をしっかり選んでください。
挿し木の植え付けをするときも同じで、4~9月の温かい時期に行うようにしましょう。
水やりの項目でも触れていますが、植え替えをした時だけは、しっかりと水やりをしましょう。
ユッカに花は咲くの?
これまで、観葉植物・グリーンとしてのユッカの育て方をご紹介しました。
最後に、ユッカに花は咲くのかどうか、お伝えしたいと思います。
実は、ユッカにも花は咲きます。とても珍しいことなので、ユッカの花が咲くとブログなどで紹介する方が多いようです。中には17年目で初めて咲いた、という例もありました。
なぜ、こんなにユッカが花を咲かせるのがめずらしいのかというと、日本にはユッカの受粉に必要な「ユッカ蛾」という虫がいないからなのだそうです。日本でもユッカ蛾の代わりに、鳥や蜂、コウモリが受粉をさせることで、稀に花を咲かせることがあるのだそうです。白くて丸いお花が集まって咲く様子は、男性らしい葉とはちがってかわいらしい姿です。
もし、ユッカを上手に育てることをマスターしたら、次は屋外に置いて、いつの日か花が咲くのを楽しみにしてもいいかもしれません。
まとめ
ユッカは育てやすく丈夫な観葉植物ですので、室内のインテリアとして人気が高いです。
ですが、現在コロナウイルス感染拡大の観点から、外出を控えているという方も多いでしょう。そんな時は、観葉植物を通販で購入することをおすすめします。
プレミアガーデンではユッカをはじめ様々な観葉植物を取り扱っております。自社配送で、植物のプロがご自宅まで配達いたしますので、到着時に「鉢が割れていた」「枝が折れていた」ということがありません。
ぜひこの機会にプレミアガーデンの観葉植物をお試しください。