根腐れや巨大化も植え替えで解消できる!クワズイモの植え替え時期と植え替え方法
太い幹から大きな濃い緑の葉っぱを出すクワズイモは人気の観葉植物の1つです。
100円ショップでも販売していることもあり、手軽で観葉植物初心者さんや忙しい人にも育てやすい植物であることも人気の所以です。
小さな株から大きな木に成長させるのも比較的簡単で、室内でも大きく育てることができます。
生育が良いためこまめに植え替えを行うことが美しい木を保つ重要なポイントの1つとなります。
そこで、クワズイモの通常の植え替えの方法、育ち過ぎてしまった場合や根腐れを起こしてしまった場合の植え替えの方法をご紹介します。
簡単にできる挿し木と株分けの方法もご紹介しますので、株分けで鉢を増やしていくことにも是非挑戦してください。
クワズイモの植え替え時期とは?
クワズイモは生長が早い植物ですので、年に1回程度の植え替えが必要です。
植え替えをしないまま放置しておくと根腐れや根詰まりにより株を弱らせてしまう原因となりますので定期的に植え替えを行うようにします。
忙しくて毎年植え替えができないという場合でも最低でも2年に1回は植え替えを行うようにすることで美しい葉っぱを保つことができるようになります。
植え替えのサインとしては鉢の底から根がたくさん出てきたときです。
また、葉っぱの色が黄色くなるなど葉の色が悪いとき、水やりをしても葉っぱがしおれ気味のときも根詰まりのサインですのでこのようなときは早急に植え替えをしましょう。
植え替え時期は5月~10月の間に行い、小~中サイズの株なら1回り大きな鉢に、大きな株の場合は土を3分の1程度入れ変えて同じサイズの鉢に植え替えるかこれまで植えていた同じ鉢に戻します。
このとき、鉢の中から出てきた塊茎を分けて別の鉢に植えたり株分けをして増やすことができます。
クワズイモの植え替え方
クワズイモに最適な土とは
クワズイモは水が好きな植物ですが、常に土が濡れていると根腐れを起こして芋が溶けてしまったりコバエなどの害虫を引き寄せてしまいますので、植え替えには水はけのよい土を用意します。
基本的な用土としては観葉植物用の用土2:赤玉土1:鹿沼土1の割合で混ぜたものが最適です。
鉢底にはしっかりと鉢底石を入れて水はけを良くします。
植え替える鉢
植え替えの鉢は基本的には1回り大きな鉢です。
大きすぎる鉢に植え替えるのも逆に良くありません。
これは鉢が大きすぎると鉢の中の水分が多くて根が蒸れて根腐れの原因になりやすくなるからです。
また、根を切って整理をし、同じ大きさの鉢に植え替えることもできますので、これ以上鉢を大きくしたくない場合は同じ鉢に植え直すようにすれば大丈夫です。
クワズイモの植え替えの手順
- ①鉢底に鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れます。
- ②クワズイモを古い鉢からはずし、優しく根をほぐしながら古い土を取り除きます。
古い土は全て取り除く必要はありません。
だいたい取り除けていれば大丈夫です。
このときに傷んだ下葉や不要な葉はカットして取り除きます。
根が伸びすぎていたら整理してしまって構いません。
- ③新しい鉢の底に配合した新しい用土を株の高さを見ながら少し入れます。
- ④クワズイモを鉢に入れ、手で支えながら土を周りに入れます。
- ⑤割りばしなどで周囲を押しながら土を入れ、クワズイモがまっすぐ立つようにしっかりと土を入れて植え込みます。
最後に軽く手で根元をぎゅっと固めます。
- ⑥たっぷりと水を与えたら植え替えが完了です。
クワズイモの挿し木のやり方
クワズイモは挿し木と株分けで増やしていくことができます。
簡単に増やしていくことができますので大きくなったらチャレンジしてみてください。
クワズイモの挿し木は枝を切り取って鉢に挿す方法です。
クワズイモは地表に出ている芋からいくつかの枝が出ていて、その枝から株のような形が出来、葉っぱが生えています。
この塊を切り取ってそのまま植えることができますので、株の中で混み合っている枝を剪定して増やしていくことができます。
やり方は以下の手順となります。
①クワズイモの枝を根元から清潔なハサミやナイフで切り取ります。
②切り取った枝は切り口を日陰で1日程度乾かします。
切り取ってすぐに植えると腐りの原因となりますので挿し木の失敗を軽減する上でも乾燥は大切です。
③枝の乾燥後、すべての葉っぱを半分に切ります。
④鉢に鉢底ネット、鉢底石を入れます。
⑤用土を入れ、茎を入れて周りにも土を入れ、根元を押さえます。
⑥たっぷりと水を与えます。
⑦発根するまでは水を切らさないように土が常に湿っている状態で管理をします。
新しい葉っぱが出てきたら通常どおりの表面が乾いたら水をやる水やりに戻します。
クワズイモの株分けの仕方
クワズイモでは子株ができることがあります。
元々の大きな芋の根元の土から小さな芽が出ているときは子株ができています。
放っておくと根詰まりの原因となり、株分けをしてあげた方が良いので植え替えのタイミングで同時に株分けをしましょう。
①元々の大きな芋の隣に小さな株ができていますので、子株を根が付いたままカッターなどで切り落とします。
②切り口を日陰で1日程度乾かします。
③挿し木の時と同様に用土に植え込みます。
このとき葉っぱは切る必要はありません。
大きすぎる葉っぱや不要な葉っぱがあったら整理する程度でかまいません。
④水をたっぷり与え、明るい日陰で管理します。
葉っぱから水がポタポタたれてくるようであれば根から水を吸っている証拠になりますので順調なサインです。
植え替え時には毒に注意
クワズイモの樹液にはシュウ酸カルシウムという毒が含まれます。
口に含むと刺激性の痛みを感じ、肌の弱い人は樹液でかぶれることがあります。
葉、茎、根の樹液に毒性がありますので植え替え時に茎を切ったりする場合には樹液に触れないように注意が必要です。
植え替え時にはゴム手袋を使用し、もし触れてしまったら手をしっかり洗うようにしてください。
また、小さいお子様やペットが口にしないように作業中の注意はもちろん、後片付けはしっかりと行うようにしましょう。
挿し木で増えたらプレゼントしても喜ばれる
クワズイモを挿し木で増やしたら家族や友人にプレゼントすると良いでしょう。
人気の観葉植物で育てるのも簡単なので欲しい人に上げると喜ばれます。
注意点は上記でご紹介した通り樹液に毒が含まれますので、小さいお子様がいる家庭やペットのいるお宅へのプレゼントは避けてください。
水耕栽培にチャレンジしてみるのもおすすめ
株分けしたクワズイモで水耕栽培に挑戦するのも1つの手です。
ただ、クワズイモは腐りやすいので水を毎日交換して新鮮な水を保つようにすることが条件となります。
土に植わっていたクワズイモを株分けして水耕栽培にする場合はハイドロカルチャーかセラミスを使った方法がおすすめです。
根をハイドロカルチャーかセラミスで覆うように植えて専用の液体肥料を与えていればきれいに育ちます。
セラミスは水を腐りにくくする効果がありますので、ハイドロカルチャーとセラミスで迷うならセラミスがおすすめです。
ハイドロカルチャーで育てる場合も底や中心の方の見えない場所にセラミスを入れると管理がしやすくなります。
土に植えるよりも少し難易度は上がりますが、室内で見栄えも良い株を楽しむことができますので、ちょっとした楽しみとして水耕栽培にチャレンジしてみると面白いですよ。
巨大化してしまったクワズイモを小さくする方法
クワズイモは簡単に栽培でき、生育も良い植物ですので環境が良いとあっという間に大きくなります。
ところが生育が良すぎて巨大化してしまい、困ってしまうこともありますよね。
時には自立できなくなったり、お化けみたいにうねうね伸びて見栄えが悪くなったり…。
でも大丈夫です。その場合も簡単に挿し木で木のサイズをコンパクトにすることができますので思い切ってやってみましょう。
やり方は、クワズイモの地上に出ている芋をナイフでカットします。
葉っぱが付いている方は鉢に植えてちょうど良いと思う長さで、今鉢に植わっている下の方も適当に残した長さで切れば大丈夫です。
葉っぱが付いている方は日陰で1~2日乾燥させます。
葉っぱがしおれないように葉っぱにビニール袋をかけて、切り口だけ乾燥させると安心です。
芋の切り口を見て濡れていなければ鉢に用土を入れ、挿し木の要領で植え込みを行い、水をたっぷり与えます。
根元の方は切り口が乾いたら戸外で雨ざらしにして管理をするのが簡単です。
1カ月ほどで新しい葉が出てきます。
室内で管理する場合は土が湿りすぎると葉っぱがない状態なので蒸散ができないため、葉っぱが出るまでは土がしっかり乾いてから水やりをするようにしてください。
根腐れが起きてしまったときの植え替え方
クワズイモの失敗と言えば根腐れです。
高温多湿を好む植物ですが、常に土が湿っていると根腐れを起こして芋が溶けてしまいます。
健康な茎はパンと張っていて硬い状態です。
茎の芋を触ってみてフカフカしたり皮がズルっとむけるような状態は根腐れを起こしています。
鉢から嫌な臭いがする場合も根腐れが疑われます。
根腐れは放っておくとどんどん広がって枯れてしまう原因となりますので早急に対処しましょう。
対応方法としては腐った部分をナイフで切り落とします。
里芋のような綺麗な切り口になるまで腐った部分や黒く変色した部分は取り除きます。
そして切り口を1~2日乾かし、用土に植え替えます。
根腐れした場合は前の土は使わずに捨て、新しい土に植え替えましょう。
芋が溶けてなくなってしまった場合も諦めずに同様の方法で葉っぱの株の塊を挿し木してみてください。
クワズイモはたくましい植物です。
芋がなくても発根する可能性が高いのであきらめずに葉っぱの部分を挿し木すれば新しい葉っぱが出て十分に育ってくれます。
茎を太くするための栽培方法
クワズイモの茎をショップにある木のように太く大きくしたい、小さな苗から育てていても思ったように太くならない、という場合は日照と肥料がポイントとなります。
できれば日当たりの良い場所に地植えをして肥料をたっぷり与えるのが効果的ですが、地植えにできない場合は鉢を日当たりの良い外に出して肥料をしっかりと与えれば効率的に茎を大きくすることが可能です。
葉焼けがしない程度の明るい日向に置いてたくさん日の光を浴びさせます。
室内だけでは茎を太くするのは難しいので数年間の春夏の間は外で管理するようにしてください。
この方法は「なんか最近ヒョロヒョロしてきたな」というような株にも効果がありますので、クワズイモがなんとなく細いなと思ったら試してみてください。
樹形をきれいに保つコツ
クワズイモは明るい場所が好きな植物です。
管理がしやすい植物ですので明るいところに置いておけば簡単に育てることができます。
しかし、室内で育てていると葉っぱが全部窓に向かって傾いていってしまったり、葉っぱがやたらと大きくなりすぎて樹形のバランスが悪くなりがちです。
樹形をきれいに保つためにはできれば春から秋にかけては外の直射日光が当たりすぎない日向で管理してあげることで葉っぱが大きくなりすぎたりせずに美しい状態を保つことができます。
観葉植物の葉っぱはその環境に合った葉っぱを生やします。
室内などの光の少ない環境ではなるべく多くの光を取り入れようと大きな葉っぱになりがちで、時には前の葉っぱを落として大きな葉っぱを出します。
そのような状態から光が十分に足りる場所に置けば前の大きな葉っぱは不要となり、通常のサイズの葉っぱを出します。
室内で管理したい場合はなるべく光の当たる明るい場所に置くようにしてください。
また、茎が伸びすぎて樹形が崩れた場合は上でご紹介した方法で幹を途中で切って挿し木で植え替えるという方法でリサイズをする方法が効果的です。
すぐに大きくなってしまって困るときは?
クワズイモは生長が早いのでどんどん大きくなります。
これ以上大きくなっては困る、という場合は、水を控えめにして鉢の表面が完全に乾いてから水を与えることによって成長を緩やかにすることができますので、特に室内で管理しているクワズイモに関しては水は表面の土が乾いてから与えるようにしてください。
とはいえ、葉が乾燥すると今度はハダニが付きやすくなりますので葉っぱの表面はこまめに霧吹きで水をかけてあげてください。
ホコリもハダニの原因となりますので、葉っぱを洗う意味でも霧吹きをしたり、時には濡れた布で葉っぱの表面を拭いてあげてください。
定期的な植え替えで綺麗なクワズイモの葉を楽しんで
クワズイモの植え替えについてご紹介しました。
定期的な植え替えはもちろん、大きくなりすぎて樹形が悪くなってしまった、根腐れを起こしてしまったという場合にも挿し木で植え替えることによってクワズイモを新たな形に甦らせることができます。
また、挿し木や株分けによって簡単に増やしていくことができ、楽しみが増える植物でもあります。
年に1度植え替えを行えば観葉植物初心者さんでも綺麗な幹とトロピカルな葉っぱを楽しむことができる植物ですので是非育ててみてはいかがでしょうか。