サンセべリアの育て方とは?手入れ方法や病害虫対策などを紹介
インテリアとしても人気の高いサンセベリアは比較的丈夫で育てやすく、忙しい人や植物初心者にもぴったりの観葉植物です。スタイリッシュな見た目に加え、空気を浄化するといわれることから自宅に取り入れる人が増えています。
本記事では、サンセベリアを健康的に育てるための基本的なポイントや長く楽しむためのコツなどを具体的に解説します。
サンセベリアの特徴・基本データ
サンセベリアの基本情報は以下の通りです。
| 学名 | Sansevieria |
| 和名 | チトセラン(千歳蘭) |
| 科名・属名 | キジカクシ科・チトセラン属 |
| 原産地 | 熱帯アフリカ、南アフリカ、マダガスカルなど |
| 草丈 | 5~100cm |
| 耐寒性・耐暑性 | 弱い・強い |
サンセベリアはサンセベリア属スズラン亜科の多年草です。アフリカの乾燥地帯などが原産であり、乾燥に強く害虫にも強いため、初心者にもおすすめの観葉植物です。
サンセベリアは剣のように尖った多肉質の葉っぱが上向きにまっすぐ伸びていることや、虎のしっぽを連想させる柄が特徴です。中には、両端に黄色い縁取りのようなラインが入った種類もあります。葉の長さは15~50cm程度が一般的ですが、長いものになると2m近くになります。
また、先が尖っていて剣のような形をしていることから、風水では邪気除けの効果があるとともされます。さらに、マイナスイオンを多く発しており、リラックス効果や安眠作用も期待できるといわれています。
サンセベリアは暑さや乾燥には強いですが、寒さと湿気には強くないので水の与えすぎには注意が必要です。
サンセベリアの種類と品種
サンセベリアの種類は60~70種類ほどもあるといわれており、流通も多く入手しやすい観葉植物です。
ここでは、サンセベリアの中でも特に人気な定番の品種を3つ紹介します。
サンセベリア・ローレンティー
サンセベリアの中で最もポピュラーな品種として、サンセベリア・ローレンティーが挙げられます。「トラノオ」や「フクリンチトセラン」とも呼ばれており、葉っぱが肉厚で縦に細長く上向きにまっすぐ伸びるのが魅力です。
また、葉の両端は黄色いラインで縁取られていたり内側に黄色い小さな横縞模様の斑が入っていたりするのも特徴的です。サンセベリア・ローレンティーは、比較的大きく存在感のある品種として人気があります。
サンセベリア・スタッキー
「ツツチトセラン」の別名を持つサンセベリア・スタッキーは、サンセベリア・ローレンティーよりもさらに細くシャープにした品種です。葉っぱが内側に丸まったような筒形になっていて横の縞模様は入っており、トゲのないアロエのような印象を与えます。
また、サンセベリア・スタッキーが発するマイナスイオンは通常のサンセベリアの約3倍ともいわれており、リラックス効果などがより期待できます。落ち着いた空間をつくりたいと考える場合は、サンセベリア・スタッキーを選ぶと良いでしょう。
サンセベリア・ゼラニカ
サンセベリア・ゼラニカも、人気の高い品種の一つです。葉の形状はサンセベリア・ローレンティーに似ていますが、よりグレーがかった緑色にゼブラ模様の白い斑があり、白の縞模様は葉全体に満遍なく入っているものがほとんどです。
シックでスタイリッシュな雰囲気で人気があり、草丈は15cm~1m程度になるのが一般的です。サンセベリア・ゼラニカは、サンセベリアの中でも特に乾燥に強く耐陰性もあるため、比較的育てやすい品種として人気です。
サンセベリアを育てるまでの準備

ここでは、鉢植えで育てる場合と庭などで直接育てる場合、それぞれの準備について解説します。土の準備の仕方や肥料の与え方のポイントなども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
鉢で育てるための準備
サンセベリアを鉢で育てる際には、まず「苗」「植木鉢」「用土」「鉢底石」「スコップ」などの基本的な道具を用意しましょう。
植木鉢は、通気性と排水性の良さが大切です。プラスチック製の鉢は軽くて扱いやすい反面、湿気がこもりやすいため、素焼きやテラコッタなどの通気性に優れた素材を選ぶのがおすすめです。これにより、根が蒸れにくく健康的に育ちやすくなります。
また、鉢の底には鉢底石を敷き、余分な水がしっかり排出されるようにしておくことがポイントです。その上に観葉植物用や多肉植物用の水はけの良い土を入れましょう。一般的な園芸用土に軽石やパーライトを混ぜることで、より排水性を高めることもできます。
庭などに直接育てるための準備
サンセベリアを庭などに直接植えて育てる場合は、まずその地域の気候を考慮することが重要です。サンセベリアの耐寒温度はおよそ10℃前後のため、一般的な地域では一年中屋外で育てるのは難しく、冬の寒さで枯れてしまう可能性があります。しかし、冬でも10℃以上を保てる温暖な地域であれば、地植えでも越冬が可能です。
通常の気候では、5~9月の暖かい時期だけ屋外で地植えにし、気温が下がる10月以降は鉢に植え替えて室内で管理すると安心です。地植えする際は、水はけの良い土壌を選び、雨がたまりにくい場所に植えましょう。
また、真夏は強い直射日光によって葉焼けを起こすことがあるため、遮光ネットや木陰を利用して半日陰の環境を整えるのが理想的です。寒暖差が激しい地域では、鉢植えで育てて季節に応じて屋外と室内を使い分ける方法が適しています。
サンセベリアの育て方

ここからは、サンセベリアの基本的な育て方について解説します。育て方のコツを知っておくことで、大切に育てながら増やしていくこともできるようになるので、ぜひチェックしてみてください。
植え付け
サンセベリアを植え付ける際は、鉢の底面に鉢底石を敷いてその上に観葉植物用やサンセベリア用の用土など、水はけの良い土を真ん中あたりまで被せます。その後、サンセベリアの苗を密集させないように少し間隔を空けて植え付けてください。さらに土を被せれば植え付け完了です。
なお、赤玉土と腐葉土と川砂を5:4:1の割合で混ぜた土も通気性が良いので使用を検討してみてはいかがでしょうか。
水やり
過湿が大敵のサンセベリアは、水を与えすぎてしまうと根腐れを起こす原因となり、最悪の場合は枯れてしまうので注意が必要です。水を与えるタイミングは、他の観葉植物よりも少ない頻度で問題ありません。
また、季節によって水やりの頻度を変えてください。春から夏の暖かい時期は土の表面がしっかり乾いてから与えるようにし、秋は2週間に1回の頻度で水やりします。
冬場で10℃を下回る時期は水やりは不要です。ただし、冬でも10℃以上になる場合は、土の表面がしっかり乾いたタイミングで少なめに与えてください。
肥料
サンセベリアはそれほど手のかからない観葉植物なので肥料を与えなくても育ちますが、与える場合は春から夏に緩効性肥料を1~3ヶ月に1回、もしくは液体肥料を月に2回程度が理想的です。緩効性肥料なら「サンセベリアの肥料」という専用の肥料もあり、比較的簡単に購入できます。
なお、冬に肥料を与えてしまうと肥料焼けを起こし枯れてしまうことがあるので、冬は与えないようにしましょう。
剪定
サンセベリアにおいては剪定の必要性はほとんどないといわれています。ただし、徒長により茶色に変色し、ひょろひょろと伸びた感じになってしまったときは、栄養分が行き届かなくなってしまうことがあります。そのような場合は、弱った部分を剪定することで見栄えと風通しが良くなります。
葉が全体的に弱っている場合は根元から切る必要があるので、春から秋に剪定をしましょう。なお、植え替え直後はデリケートになっているので、そのタイミングの剪定は避けたほうが無難です。
冬越しさせる方法
サンセベリアを冬越しさせる場合は、室内で10℃以上に保ちながら管理してください。温度の低い窓際ではなく、窓からは少し離した場所に置くのがポイントです。
サンセベリアは寒さに弱く、冬の間休眠状態になるので水は不要です。ただし、暖房が効いていて乾燥しているような場合は、月1程度の頻度で水を与えても問題ありません。
サンセベリアは暖房の風に当たると弱ってしまうので、暖房の風には直接当てないようにしましょう。
挿し木での増やし方
挿し木とは、サンセベリアの葉を切って新しい株を増やす方法です。挿し木は成長期の5~8月が適しています。
主な手順としては、清潔なハサミでサンセベリアの葉を根元から切り、5~10cmの長さに切り揃えたら2~3日程度乾かします。
その後、新しい鉢に鉢底石を敷き、通気性と水はけの良い用土を半分程度入れたら葉の先端側を上にして土に挿し、新苗をつくります。その際、方向を間違えると発根しないので注意が必要です。発根してきたら水やりしながら様子を見てください。
サンセベリアの育て方のポイント
ここまででは、基本的な育て方について解説してきましたが、置き場所や苗の選び方、植え替え時期の方法など、育てる際のポイントが存在します。
ここでは、サンセベリアを育てる際に知っておきたいポイントなどを具体的に解説します。
置き場所
サンセベリアは熱帯地域が原産で乾燥にも強く、高温の環境を好みます。しかし、暑い時期に直射日光が当たると葉焼けを起こしてしまうので、直射日光の当たらない窓辺など、適度に日光の当たる場所に置くのが大切です。
一方、冬場は窓際に置くとかえって気温が低くなってしまうので、室温が10℃以上になる暖かい場所で室内照明は当たる場所や日光が当たりやすい場所に置くのがおすすめです。ただし、エアコンの風が直接当たると弱ってしまうので、当たらないように注意してください。
苗の選び方
サンセベリアの苗はできるだけ発色が良く、張りがあるものを選ぶと良いでしょう。その他にも、葉のつき方や株の状態、根の部分が弱っていないものかどうかも重要なチェックポイントです。
また、アブラムシやハダニといった害虫やカビがついていないか、傷がついていないかもよく見ておくことをおすすめします。なお、インターネットでの購入だと現物を見て選べないため、しっかりした苗を求めている場合は直接花屋に足を運んで購入するほうが良いかもしれません。
植え替え時期の方法
サンセベリアは成長が早く、鉢の中が狭くなると根詰まりを起こしやすい植物です。根詰まりのまま放置すると根腐れの原因になるため、定期的な植え替えが欠かせません。
植え替えに適した時期は、気温が安定して暖かい5~8月の成長期です。その際は、通気性が良く、現在よりひと回り大きめの鉢を選びましょう。
土は水はけの良いものを使用し、排水性の高いサンセベリア専用の培養土がおすすめです。植え替え直後は植物が新しい環境に慣れる期間のため、肥料は与えずに様子を見てください。
サンセベリアにつきやすい病害虫
観葉植物が枯れてしまう原因の一つに害虫や病気があります。サンセベリアにも発生しやすい病害虫があり、対策を取っておくことが大切です。
ここでは、サンセベリアが被害に遭いやすい病害虫の対処法を解説するので、管理する際に役立ててください。
カイガラムシ
カイガラムシはカメムシの仲間で、草花の養分を吸い取ってしまう害虫です。体長は2~3mmほどと小さく、白っぽい姿が特徴です。暖かい5~7月に繁殖しやすく、サンセベリアに寄生すると枯れる原因になるので早めの対処が求められます。
サンセベリアの購入時には付着していないかを確認し、万が一見つけた場合は成虫になる前に駆除してください。成虫になると薬剤が効きにくくなるため、注意が必要です。
駆除には市販の薬剤を使用する他、濡れた布で拭き取ったり歯ブラシなどでそっと落としたりする方法が有効です。その際は葉を傷つけないよう、やさしく取り除くことを心がけましょう。
アブラムシ
アブラムシは体長1~3mmほどの小さな害虫で、黄緑色をした個体が多く見られます。観葉植物の葉や新芽に群がり、養分を吸い取ることで生育を妨げてしまいます。繁殖力が非常に強く、放置すると短期間で増えてしまうため、早めの駆除が重要です。
また、アブラムシの排泄物はアリを引き寄せたり、すす病を引き起こしたりする原因にもなるので注意してください。駆除方法としては、水で洗い流したり薬剤を散布したりといった方法以外にも、濡れた布やティッシュで拭き取るなどの方法が有効です。発生を予防するためには、チッ素を多く含む肥料を控え、風通しの良い環境を保つことを心がけると良いでしょう。
うどんこ病
うどんこ病は、カビが原因で発生する植物の病気です。葉の表面に白い粉をまぶしたような症状が現れるのが特徴で、放置すると光合成が妨げられて生育が弱ってしまいます。
サンセベリアがうどんこ病にかかってしまった場合は、感染した部分を早めに切り取るのが基本です。株全体に広がっている場合は、残念ながら株ごと処分する必要があります。
対策としては、専用の薬剤を散布する他、重曹水や薄めた酢をスプレーする方法も効果的です。予防には風通しを良く保ち、チッ素を多く含む肥料を控えることで発生リスクを減らせます。
炭疽病
炭疽病はカビの一種が原因で発生する植物の病気であり、主に葉や茎に赤褐色や茶褐色の斑点が現れるのが特徴です。症状が進行すると病斑が拡大し、やがて株全体が弱って枯れてしまうこともあります。
発症した場合は感染した部分をすぐに切り取り、焼却して処分しましょう。その上で、病気の拡大を防ぐために専用の薬剤を散布すると効果的です。
予防策としては風通しを良くし、高温多湿の環境を避けることが大切です。その他にも、排水性の良い用土を使用したり株元に水やりしたりといった工夫も良いでしょう。
サンセベリアを購入するならプレミアガーデンへ!
サンセベリアは比較的手がかからず、初心者にとって育てやすい観葉植物です。マイナスイオンで空気清浄作用が期待できるといった点から、インテリアグリーンとして高い人気を誇っています。
寒さと湿気に弱い点と病害虫、植え替え、水やりのポイントを押さえておけば、長期間楽しむことが可能です。ぜひ本記事を参考に、サンセベリアを生活の中に取り入れて楽しんでみてはいかがでしょうか。
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