ユニークな葉が目を引く! クッカバラの育て方や楽しみ方をご紹介!
独創的な葉の形がひときわ目を引くクッカバラですが、成長した株ではさらに芋状の幹がうねるような形で伸びていき、そのユニークさは一度目にしたら忘れられないでしょう。
今回はそんな観葉植物界随一の個性派・クッカバラについて、その魅力をあますことなくご紹介していきます。
クッカバラはどんな植物なのか、購入時のポイント、育て方、よくあるトラブルとその対処法、おすすめの飾り方を順にお伝えするので、クッカバラを育てたいと思っている方はぜひ参考にしてみてださいね。それでは見ていきましょう。
ユニークな観葉植物ならクッカバラ
クッカバラの魅力はなんと言っても、他の観葉植物にはない独特のルックスにあるでしょう。葉には深い切れ込みが多数入ってエキゾチックな形状となり、さらに太い幹からまるで足のように伸びる根も相まって、これ以上ないほどのユニークさを醸し出しています。
こうした独特な葉や幹は、見せ方や飾り方の工夫次第で様々な雰囲気を演出してくれますので、自分好みのインテリアを作り出したいときにも重宝するでしょう。
ちょっと変わった観葉植物を育ててみたい方、お部屋の印象をガラリと変えるインパクトのあるインテリアを探している方は、ぜひクッカバラを育ててみませんか?
クッカバラはどんな植物?
クッカバラの魅力を簡単にお伝えしたところで、クッカバラがどんな植物なのか、もう少し詳しく見てみましょう。
クッカバラという不思議な語感の名前の由来や、育てる際に覚えておきたい原産地についての情報をご紹介します。
クッカバラの名前の由来
クッカバラはフィロデンドロン属(Philodendron)に分類される植物の園芸品種のひとつで、正式名称をフィロデンドロン・ザナドゥ(Philodendron xanadu)といいます。
フィロデンドロンという名前は、古代ギリシャ語で愛を意味するphiloと、木を意味するdendronを組み合わせたものです。
クッカバラというのは園芸品種としての流通名で、オーストラリアに生息するワライカワセミという鳥の英名(Laughing kookaburra)にちなんで付けられたようです。
この鳥の羽根を広げた姿に葉の形が似ているからクッカバラという名前がつけられたという話もありますが、真偽は定かではありません。
なお、クッカバラという名前で多く出回っているのは日本のみのようで、海外ではクッカバラ(kookaburra)という名前で呼ばれることは少ないようです。
クッカバラの原産地
フィロデンドロンは南米と西インド諸島を原産地とする、熱帯地域に生きる植物です。
そして、クッカバラとして親しまれるフィロデンドロン・ザナドゥは、ブラジル出身の植物。
そのため、クッカバラを育てるにあたっては、できるだけ高温多湿を保つと調子よく育てることができます。
ただし、クッカバラは非常に強健な植物ですので、あまり気にしすぎなくとも枯れることはありません。
栽培に適した環境については、後ほどより詳しくお伝えします。
ちなみに、クッカバラの名前の由来であるワライカワセミが住むオーストラリアにも多く輸入されており、園芸家の間で親しまれているようです。
クッカバラを買うときのポイント
クッカバラに興味が出てきた方は、ぜひ通販サイトや生花店などで探してみましょう。
クッカバラは株ごとに表情が異なり、ひとつひとつに個性がある植物。そのため、購入時に好みの株を探すのも楽しみのひとつになるでしょう。
ただし、気に入った株を見つけたら、購入する前に以下の点を忘れずにチェックして、株が健康かどうか確かめてみてください。健康な株を手に入れることが、上手に育てるための第一歩です。
葉の色
健康なクッカバラの葉は、深緑色をしています。
葉の色が薄かったり葉が黄色くなっている株は、日照不足や寒さによって弱っている恐れがありますので、避けたほうが無難です。
また、葉の色をチェックするのと同時に、葉の表面に虫が付いていないかも確認しておくとよいでしょう。
葉の表面に付く虫は、ハダニやカイガラムシなどの害虫である恐れがありますので、こうした虫のついた株も避けるようにしてください。
幹(芋)の部分
サトイモ科の植物であるクッカバラは大きな株であるほど、まるでワサビのような太い幹(芋)が発達します。
この幹の状態も、株の健康度を図る指標になりますので、購入時には注目してみましょう。
根腐れなどの病気を発症している株は、幹が柔らかく腐ったようになる場合がありますので、こうした株は避けてください。
また、太い幹に多くの葉が付いていて葉柄の部分が短くがっしりとしている株は、十分な日光を受けて健康に育っている株である場合が多いので、おすすめできます。
鉢
植物自体の健康度を確認するのに併せて、鉢が自分の生活スタイルに合っているかどうかもチェックすると、失敗はより少なくなります。
小さい鉢は省スペースで置き場所を選びませんが、鉢内が乾くのが早く、頻繁に水やりをすることが難しい生活スタイルの人には向きません。
反対に、大きな鉢は置き場所が限られる一方で、鉢内が乾きにくく、水やりの頻度は少なく済みます。また、鉢に受け皿が付属しているかどうかも確認しておくとよいでしょう。
もちろん、植物と鉢を別々に購入して、後から自分の生活スタイルに合わせた鉢に植え替えるという方法もあります。
クッカバラの育て方
クッカバラを手に入れたら、飾る場所を決めて、いよいよ栽培のスタートです。
ここからは、クッカバラを育てる上で押さえておきたい基本的なポイントについてお話していきます。
クッカバラは大変強健で初心者の方でも簡単に管理することができますが、きれいな姿をいつまでも楽しみ続けるためには、最低限のコツを知っておく必要があるので知っておきましょう。
置き場所
クッカバラの置き場所を決める際は、その場所がどれくらいの温度であるのか事前に確認しておくとよいでしょう。
クッカバラの置き場所は、可能であれば冬場でも15℃程度を維持できる場所が理想的です。すでにご紹介した通り、クッカバラは熱帯性の植物ですので、温かい環境を好みます。
そのため、極端に低い温度の場所では調子を崩しやすく、最悪の場合枯れてしまうこともあるのです。
しかし、クッカバラは熱帯性の植物としては耐寒性に優れた一面もあり、最低5℃程度までは冷え込んでも生存する場合があるようです。ただし、これはあくまでもなんとか生存が可能というだけであって、健康に維持できる気温ではないことには注意してください。
水やり
クッカバラに限らず、熱帯性植物の水やりは、季節によって頻度を調整することが大切です。
春は暖かくなるにつれて徐々に成長しますので、成長の速度の様子を見つつ、用土が乾いたらすぐに水を与えましょう。
最も旺盛に成長する夏場は、用度が乾く前にたっぷりと与えるようにします。
秋は気温の低下とともに成長が緩やかになってきますので、様子を見ながら水やりの頻度を減らしていきましょう。
冬場は成長が非常に遅くなりますので、それに合わせて水やりの頻度も落とします。
冬は用土が乾いてから数日置いて水をやるくらいの低頻度にしてください。
寒い時期に水をやりすぎると低温障害が出て株が弱ってしまう場合があるので、十分注意しましょう。
肥料
クッカバラはそれほど多くの肥料を必要としないため、管理のしやすい観葉植物です。
購入したクッカバラの用土にはすでに適度な肥料が施されている場合が多いので、基本的には肥料を与えなくても問題ありません。
しかし、適切に肥料を与えることでより充実した株に育て上げることができますので、栽培に慣れてきたら肥料を与えてみてもよいでしょう。
肥料を与えるのに適した時期は春から初夏にかけての、これから成長が旺盛になる直前の時期です。その時期にすでに元気よく成長を始めているようであれば、遅効性の肥料をやや少なめに与えておきます。
クッカバラは過剰な肥料分を与えると肥料焼けを起こす場合がありますので、肥料のあげすぎに注意し、秋から冬の施肥は控えるようにしましょう。
クッカバラによくあるトラブル
ここまでご紹介してきたポイントを押さえておけば、丈夫で栽培の易しいクッカバラは誰でも手軽に育てることができます。
しかし、そんな強健なクッカバラとはいえ、まれにトラブルに見舞われることも。
クッカバラによく見られるトラブルについては事前に知っておき、万が一発生してしまったときには手早く対処できるよう準備しておくことが大切です。
ここでは、クッカバラに起こりやすいトラブルとして低温障害と根詰まりについて取り上げます。症状の特徴と対処法について、ぜひ覚えておいてください。
低温障害
温かい環境を好むクッカバラは、気温が5℃以下になると低温障害を起こす場合があります。低温障害が発生すると、古い葉が一斉に黄色くなって枯れてしまったり、葉が黒く変色するなどの症状が出ます。
これらの症状が確認されたら、クッカバラをより暖かい場所に移動させ、しばらく水やりを控えて様子を見てください。
葉が落ちてしまっても、幹が生き残っていれば暖かくなるにつれて回復する可能性がありますので、すぐに捨ててしまわずに、様子を見てあげるとよいでしょう。
根詰まり
クッカバラは比較的成長が早く、育っていく姿を楽しめる観葉植物。しかし、成長が早い分根もよく発達し、しばしば根詰まりを起こしてしまうので注意しましょう。
根詰まりとは鉢内に根が成長できるスペースがなくなってしまったときに起こるトラブルで、根詰まりを起こすと鉢内の水の通りが悪くなってしまいます。
放置していると下葉が落ちるようになったり、水の通りが悪くなった箇所の根が枯れてしまったりする事態につながってしまうのです。
水やりの際、与えた水がスムーズに用土に吸収されなくなったり、鉢底の穴から余分な水がしっかり出てこなくなったりしたら、根詰まりの恐れがあります。
根詰まりが発生した場合、春から夏にかけてであれば、すぐに植え替えをするとよいでしょう。
秋から冬の場合、置き場所に15℃以上の気温が確保できるならば植え替えをし、そうでない場合は春を待って植え替えをします。
クッカバラの植え替え
ここでは、クッカバラの植え替えについて、ポイントを解説していきます。
どれくらいの頻度で植え替えすべきか、用土はどうするか、時期はいつがよいかなどを、詳しく見ていきましょう。
頻度
植え替えをすることで、根が育つための新しいスペースを与えることができ、株がさらに大きく成長することが期待できます。
しかし、自然界では同じ場所で成長し続ける植物にとって、栽培下での植え替えはストレスのかかることでもあります。
そのため、植え替えはあまり高頻度になりすぎないようにしなければなりません。
クッカバラは、株に対しての鉢の大きさが十分であれば、2〜3年に一度ほど植え替えをしてあげれば問題ありません。
ただし、根詰まりを起こしてしまった場合はより大きな鉢に早めに植え替えてあげるのがおすすめです。
時期
植物は、成長期以外の時期に植え替えると、なかなか根付かずに調子を崩してしまうことがあります。そのため、植え替えはできるだけ15℃以上の気温が確保できる春から夏にかけて行いましょう。
用土
クッカバラは大変丈夫な植物ですので、用土もあまり気を使わずに選ぶことができます。
市販の観葉植物のための培養土を用いてもよいですし、ハイドロカルチャー用の用土を用いるなどしても大丈夫です。
ただし、肥料分が豊富に含まれている用土では肥料やけを起こす場合がありますので、そうした用土は避けた方が無難でしょう。
同時に株分けすることで増やせる
また、クッカバラは植え替えの際に株分けをして増やすこともできます。
クッカバラの大型の株には、幹が分岐した箇所があったり、根本から子株が出ていることがあります。長く育てていると子株が出てくることがあるので、育てる楽しみ方もどんどん増えていきますよ。子株が出てきたら、株分けして増やしてみましょう。
株分けの方法は以下の手順で行いましょう。
- 清潔なカッターやハサミで親株から子株をそっと切り離す
- 切り口を乾かす
- 湿り気がなくなったら子株を植え替えと同じ手順で土に植える
- 明るい日陰に置き、親株と同じように管理する
子株を植える用土は赤玉土やハイドロカルチャー用土などの清潔なものを選び、切断した部分から雑菌が入らないようにします。
既に子株から根が出ている場合は、親株との接続部をよく見て根を子株に残してあげるよう注意して切り離しましょう。切り離したら、植え替えてあげてください。
子株に根を残してあげれば根が出てる状態から始められるので、成長が早いですよ。大切な根を痛めないように、丁寧に植え替え作業を行ってくださいね。
クッカバラのおすすめの飾り方
クッカバラは株の大きさや鉢の形状などによって、さまざまな飾り方が可能です。
ここでは、クッカバラのおすすめの飾り方を2つご紹介します。
もちろんこれら以外にも魅力的な飾り方はたくさんありますので、皆さんのアイディアで自分だけのクッカバラを楽しんでみてくださいね。
個性的な根上がり仕立て
植物の根の部分が地上に見えるように、やや浅めに植える方法を、根上がり仕立てと呼びます。クッカバラは根上がり仕立てに最も適した観葉植物のひとつで、見ごたえのある幹や根の形状を存分に観察することができるでしょう。
根上がり仕立てで販売されている株も多いですので、自分好みの形の幹や根を持っている株を探してみるのも一興です。
小さい株なら水耕栽培も
クッカバラの小さい苗は、水耕栽培にしてみても面白いでしょう。
用土を使わないため清潔感があり、どこにでも気軽に置いて楽しめるのが水耕栽培の魅力。その涼しげな見た目は夏の楽しみ方としてもおすすめです。
株分けした子株から根が出るまでの間水に挿して管理するのも、増やすことと見栄えを両立できるおすすめの方法ですよ。
まとめ
今回は人気の観葉植物クッカバラについて、基本的な情報の紹介に始まり、買う時のポイント、育て方、トラブルの対処法、おすすめの飾り方をお伝えしてきました。
クッカバラは丈夫で育てやすく、個性的な葉はインテリアにも最適なので、お部屋のイメージを変えたいと思っている方や初心者にもおすすめの植物です。生き生きとした綺麗な緑の葉は、お部屋に置けば日々の生活も明るく気持ちのいいものにしてくれるはず。
この記事を参考に、ぜひクッカバラを育ててみませんか?