コンパクトな植物、コルジリネ・ストリクタの特徴や育て方、風水効果など
コルジリネ・ストリクタはお店のディスプレイや飲食店などによく飾られている観葉植物ですが、近年では室内インテリアやガーデニング植物としても人気が高まっています。
すらりと伸びた細長い葉はスタイリッシュで、洗練された印象もありますね。
葉色が豊富にあるので、品種によってさまざまな表情を楽しめますよ。
今回は、そんなコルジリネ・ストリクタの特徴や育て方のコツなどについて、詳しくご紹介していきます。
コルジリネ・ストリクタの基本情報
まずは、コルジリネ・ストリクタの基本情報から見ていきましょう。
科・属 | リュウゼツラン科・コルジリネ属 |
和名 | 青ドラ、青ドラセナ |
英名 | good-luck tree、good-luck plant |
学名 | Cordyline stricta |
原産地 | オーストラリア、ニュージーランド |
コルジリネ・ストリクタの特徴
コルジリネ属には20種類ほどの品種が存在していますが、コルジリネ・ストリクタはそのうちの1種類です。
ジャガイモなどのような地下茎(ちかけい)を持つ樹木です。
コルジリネは、地中で地下茎がだんだんと肥大化していき、根茎が形成されていきます。
樹高は1〜3mにもなりますが、生長速度は比較的緩やかなので、樹形や樹高が大きく変化していくことはなく、室内向きの観葉植物と言えます。
「神聖な木」として、自生地では儀式などの神聖な場でも使われてきた植物です。
オーストラリアなどの亜熱帯・熱帯地域を原産地としていますが、耐寒性があるため、日本の気候でも育てることができます。
生命力が強く丈夫なので、観葉植物のお世話に不慣れな初心者の方でも育てやすい品種です。
混同されやすいコルジリネとドラセナ
コルジリネとドラセナは全く異なる種類の植物なのですが、この2種類は見た目が大変よく似ているために混同されやすいです。
店頭では、「ドラセナ コルジリネ」と表記されて販売していることもあります。
姿かたちが似ているからといって、いったいなぜここまで混同されやすいのか疑問ですよね。
実は、コルジリネは以前、分類がドラセナ属でした。
ドラセナと言えば、コルジリネを指すのが一般的でもあったので、いまだにドラセナと表記されているという事情があるのです。
一方、コルジネ・ストリクタは深い緑色の葉色が特徴的なので、「青ドラセナ」や「青ドラ」と呼ばれています。
近年は、インテリアとして人気の高い『ドラセナ』と同様に、葉っぱのカラーを楽しむ観葉植物として親しまれています。特徴的な葉の色は、代表的な赤紫や緑、ピンクや薄黄色など種類によってさまざまです。
屋外で地植えはもちろんのこと、屋内でも鉢植えで楽しめますよ。
ドラセナとの見分け方は簡単で、根茎があるものがコルジリネであり、根茎を持たないものがドラセナになります。
コルジリネ・ストリクタの名前の由来
ギリシャ語では、コルジリネは「こん棒」という意味を持っています。また、ストリクタとは「硬い」「剛直」という意味があります。
「コルジリネ」は、まっすぐ真上に幹を伸ばしていくコルジリネ・ストリクタの性質を、「ストリクタ」は強い生命力を表している名前です。
コルジリネ・ストリクタの美しい花
コルジリネ・ストリクタは、美しい花を楽しむこともできる品種です。
生長していくと、日本では夏の初めから梅雨の時期にかけて、小さな粒が集まって咲く集合花を咲かせてくれます。
淡い紫の花色で、枝の先端部分に連なって咲くので、藤の花の姿にも似ていますよ。
開花すると、花の中心には黄色い雌しべがはっきりと見え、黄色と涼しげな深緑色、淡い藤色の美しいコントラストを観賞できます。
このように開花が楽しめるのも、コルジリネ・ストリクタの魅力のひとつです。
花言葉「幸福な交際」「爽やかな交際」
そんな優雅な花姿を見せてくれるコルジリネ・ストリクタには、「幸福な交際」という花言葉があります。
コルジリネの品種では、ハワイで「魔除けの木」とされており、家に訪れる悪霊を払ってくれる木として庭に植えられている種類もあります。
聖なる木としても愛されているコルジリネには、「幸福な交際」や「爽やかな交際」という花言葉が付けられました。
愛し合う人たちを温かい絆で繋いでくれるような花言葉ですね。
このように縁起の良い素敵な花言葉があるため、コルジリネ・ストリクタはお祝い事のグリーンギフトとしても人気があります。
新婚祝いや新居祝いなどのシーンにも贈りやすい観葉植物です。
風水
コルジリネ・ストリクタのように、細く尖った葉が上向きに伸びていく観葉植物は、風水的には鋭い陽の木を発すると考えられています。
家に気が流れ込む玄関口などに置いて飾ることで、悪い気を追い払い、家庭を守ってくれるでしょう。
他にも、仕事運を上げてくれる風水効果があるとされています。ビジネスに関する良縁や、良い取引先やパートナーを引き寄せてくれるパワーがあるそうです。
悪い気を払ってくれるだけではなく、悪いものを浄化して良い気を呼び寄せてくれる効果もあるので、なんだか最近良くないことが続いている……と感じたり調子が優れないときには、コルジリネ・ストリクタを飾って、風水効果に期待してみてはいかがでしょうか。
ただし、観葉植物の持っている風水パワーを活かすには、植物が元気に育っていることが前提条件です。
弱っている観葉植物は、反対に運気を下げてしまいますので、ただ置いておけば効果が期待できるというわけではありません。
日頃から心を込めてお世話して、コルジリネ・ストリクタの持つ風水パワーにあやかりましょう。
コルジリネ・ストリクタの育て方
コルジリネ・ストリクタを元気に育てるには、育て方のポイントを抑えることが肝心です。
「ストリクタ」の名前のように、もともと生命力が強く、強健なコルジリネ・ストリクタのお世話は、そこまで難しいものではありません。
次は、コルジリネ・ストリクタの基本的な育て方について、各項目ごとに詳しくご紹介していきましょう。
置き場所
コルジリネ・ストリクタには耐陰性があるため、半日陰の室内でも元気に育ってくれます。
日陰でも育つからといって、まったく日光に当てないのでは元気をなくしてしまうので、適度に明るい場所で管理するようにしましょう。
適度に日光浴をさせることで、葉に透明感が生まれて活き活きとした姿になります。
窓際などに置く場合は、レースカーテン越しやブラインド越しに日光が差すように調節してください。
強すぎる日光に長時間当たると、葉焼けを起こして、光合成を担う組織が死んでしまいます。
冬越し
コルジリネ・ストリクタは、暑さにはとても強いので、夏場はそこまで神経質にならなくとも、元気に夏を越してくれますよ。
一方で、耐暑性に比べると耐寒性は弱いため、冬場の温度管理には気を配る必要があります。
最低でも5℃以上を保てるように温度調整して、普段屋外で管理している鉢植えは、冬の間は室内に入れてえげるようにすると良いでしょう。
コルジリネ・アウストラリスという品種は、とても強い耐寒性を持っているため、冬でも屋外で管理ができ、地植えでも冬越しできます。
水やり
コルジリネ・ストリクタの水やりは、「鉢土が乾いてからたっぷりと与える」ことが基本です。
春から秋の間の生育期は、鉢土の表面が乾いたのを確認してから、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりします。
乾いたら水をたっぷりと与える、メリハリをつけた水やりがポイントです。
休眠期を迎える冬場は、生育期よりも乾燥気味に育てていくのがコツです。
気温が下がり、生長速度が落ちてくる秋口辺りから、水やりの頻度を徐々に減らしていきましょう。
乾かし気味に育てて、樹液の濃度を高めることにより、耐寒性をアップさせることができますよ。
冬場の水やりは、鉢土の表面が乾いたのを確認したら、そこから2〜3日ほど後に水を与えます。冷たい水道水をそのまま与えると株が凍ってしまう恐れもあるので、なるべく常温に戻してから与えるよう注意してください。
注意点として、水やりの後には受け皿に溜まっている水をこまめに捨てるようにしましょう。
水を溜めたままにしておくと、虫の発生に繋がる恐れがありますし、鉢内の湿度が上昇することで、根が蒸れて腐ってしまう危険があります。
こまめに受け皿の水を捨てて、清潔な状態を保ちましょう。
肥料
コルジリネ・ストリクタには、4〜10月の間に肥料を与えると、効果的に生長を促進させることができます。
緩効性の化成肥料を、2ヶ月に1回程度のペースで与えましょう。
液体肥料の場合には、1〜2週間に1回の頻度で与えていきます。株に元気がなく、弱っているときには、速効性のある液体肥料を使用してください。
休眠期を迎える冬の間は、肥料は与えずに育てます。
冬越しの準備として、秋の終わりまでには置き型の肥料を取り除いておきましょう。
過度に肥料を与え過ぎると、根に養分が詰まって根詰まりを起こしてしまいますので、注意が必要です。
剪定・切り戻し
コルジリネ・ストリクタの剪定は、樹形が崩れてきたら剪定で全体を整えていきます。
葉が付いているところから、好みの高さになるように茎をカットして、切り戻しで整え直します。
曲がっている茎をまっすぐに戻したい場合には、まっすぐな部分まで切り戻して整えましょう。
ちなみに、剪定や切り戻しで切り落とした枝は、挿し穂として使えば株を増やしていくことができますよ。
葉などが枯れているときは、枯れた葉を剪定で取り除いていきます。葉が枯れるのは、湿度や水分が足りていないのが原因として挙げられます。
霧吹きなどで葉に水をかける「葉水」をこまめに行ない、注意して保湿してあげると、元気な葉を守ることができますよ。
葉水の際には、湿らせた柔らかい布やティッシュなどで葉の表面を優しく拭いてあげましょう。こうすることで、葉の表面に付着した埃を落として、光合成がしやすくなります。
植え付け・植え替え
コルジリネ・ストリクタは1〜2年に1回のペースで植え替え作業を行ってください。
植え替え時期は5〜8月頃が適しています。
真夏の炎天下や猛暑日、極端に湿度の高い日などを避けて行ってください。
鉢から根を取り出したら、根を優しくほぐしつつ、古い土を落としていきます。
根の状態をチェックして、腐っている部分や黒ずんでいる部分、萎びた箇所は切り落としてください。
伸びすぎた根も調節していき、古い根を整理しましょう。
植物の根は非常にデリケートな部分ですので、必ず消毒した清潔なハサミや刃物でカットしてくださいね。
一回り大きな鉢と、水はけの良い新しい土を用意したら、株を移し替えます。
植え替え後はたっぷりと水をやり、しばらくは風通しの良い日陰で株を休ませましょう。
注意したい病気・害虫
病気や害虫を予防するには、日頃からこまめに葉水をかけ、葉の表面を優しく拭き取って清潔に保っておくのが効果的です。
特にかかりやすいという病気はありませんが、ハダニやカイガラムシなどの害虫が寄生する場合がありますので、注意しましょう。
これらの害虫は、早くに発見できることが肝心です。
葉の裏などを好んで寄生するので、日頃からお手入れで葉に触れていると、被害が拡大しないうちに発見できて、被害を最小限に抑えられるでしょう。
カイガラムシは、幼虫のうちには駆除剤が有効ですが、成虫になると体が固い殻に覆われるため、薬剤が浸透しにくくなってしまいます。
成虫が寄生していたら、歯ブラシなどの柔らかいもので、葉に付いているカイガラムシを擦り落として駆除しましょう。
カイガラムシの排泄物はべたべたとしていますので、放置しておくと葉などにカビが発生する原因となります。
べたついている葉は、濡れた布などで清潔に拭き取っておきましょう。
気温が高く乾燥する時期には、ハダニの発生率がぐんと上がります。
ハダニは乾燥した状態を好み、よく葉裏に寄生している害虫です。
保湿することでハダニ対策になるばかりか、コルジリネ・ストリクタの葉を美しく保つことができますので、一石二鳥ですよ。
乾燥の気になる時期には、必ず葉水を行ない、株の健康状態を整えつつ、害虫や病気を予防しましょう。
コルジリネ・ストリクタを増やしてみよう
コルジリネ・ストリクタは、「挿し木」「茎挿し」といった方法を用いて株を増やしていくことができますよ。
このどちらの方法も、剪定や切り戻しの作業で切り落とした枝を利用することができます。
観葉植物を育てる楽しみとして、株を増やすのもそのうちのひとつです。
コルジリネ・ストリクタの栽培に慣れてきたら、次は株を増やして楽しんでみてはいかがでしょうか。
それぞれの増やし方について、手順や注意点をご紹介していきましょう。
挿し木
まずは挿し木の手順からご説明していきましょう。
挿し木に使う挿し穂には、できるだけ元気な葉のある枝を10cmほどの長さに切り落として使います。
【挿し木の手順】
- 挿し穂の葉は2〜3枚だけ残して、残りの葉は取り除いておきましょう。
- 葉から水分が蒸発するのを防ぐために、残っている葉は半分にカットしておきます。
- 挿し木用のポットなどに水はけの良い土を入れて、充分に湿らせましょう。
- 土の表面に挿し穴を作ったら、挿し穂を土に挿し、周りの土を軽く固めます。
- 乾燥しないように水を充分に与えつつ、風通しの良い半日陰でしばらく管理しましょう。
経過が順調だと1ヶ月程度で発根しますので、根が出たら明るい場所に移して管理していきます。
茎挿し
茎挿しは、葉がない茎からでも増やしていける方法です。
コルジリネ・ストリクタの葉が落葉してしまった場合にも、茎挿しで新しく元気な株を作ることができますよ。
【茎挿しの手順】
- 茎挿しの挿し穂には、10〜15cmほどに切り落とした茎を使います。
- 土の上に寝かせるようにして置いたら、軽く土を被せていきましょう。
- 茎を縦に挿す場合には、上下の位置を間違えないように土に挿してください。
- 横向きで寝かせる場合には、土の中に隠れる程度に軽く埋めるのがコツです。
まとめ
今回は、人気のある観葉植物、コルジリネ・ストリクタについて、植物の特徴や育て方をご紹介してきました。
ドラセナとよく似た姿を持ち、間違われやすいコルジリネ・ストリクタには、青ドラセナという呼び方もありますが、ドラセナとはまったく異なる植物です。
深みのあるダークグリーンの葉は美しく、上へとまっすぐに伸びていく性質から、飾る場所を選ばないコンパクトさもあります。
邪気を寄せ付けない風水効果も期待できるコルジリネ・ストリクタを、家の運気を上げる観葉植物として育ててみてはいかがでしょうか。