人気が高い定番の観葉植物とは?おすすめの品種や植物のもたらす効果なども紹介

大胆な模様替えをしなくても、置くだけで部屋の雰囲気をぱっと変えてくれるのが観葉植物です。インテリアアイテムとしてもおしゃれに飾ることができ、部屋にグリーンを置くことで癒し効果も生まれます。
「観葉植物を育ててみたいけど、たくさん品種があって何を選べば良いか分からない……」そんな悩みを持っている場合は、人気かつ定番の観葉植物を選ぶのがおすすめです。
そこで今回は、初心者の方でも育てやすくインテリア性にも優れたフォルムを持つ定番の観葉植物や選び方のポイントなどを解説します。
観葉植物とは?
観葉植物とは、室内などでの観賞用を目的とされている植物のことをいいます。ほとんどの種類が日本以外を原産地とするものであり、生育環境や気候などに違いが生まれます。しかし、定番品種として流通している観葉植物は、比較的日本の環境でも馴染んでくれるものや品種改良によって耐寒性や耐暑性を向上させたものが多くあります。
観葉植物は生花店や園芸店などの他にも、ホームセンターやインテリアショップ、100円ショップなどでも購入することが可能です。品種によって葉の色合いや樹形、葉のつやといった個性がありますので、自分のお気に入りのデザインを見つけられるでしょう。
観葉植物を置くメリット
観葉植物を部屋に置くことで得られるメリットは主に3つです。
- 部屋の雰囲気を変えられる
- 空気清浄効果がある
- リフレッシュ・リラックス効果がある
ここでは、それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
部屋の雰囲気を変えられる
部屋の雰囲気を変えられるのは、観葉植物を置くメリットの一つです。無機質な印象を与えるインテリアばかりだったとしても、グリーンを一つ加えるだけで印象はがらりと変化します。
たとえば、モダンな部屋にパキラやサンスベリアを置くとスタイリッシュな中に癒しが加わり、和室に小さな盆栽を置けば落ち着いた趣がより際立ちます。このように、観葉植物は空間に調和と個性を与えてくれるため、インテリアの一部として活躍するだけでなく日々の暮らしに彩りと心地良さを添えてくれるでしょう。
空気清浄効果がある
観葉植物には、空気中の有害な化学物質を除去してくれる「空気清浄作用」があります。これは植物による防衛機能の一種であり、空気清浄効果の高い植物を飾ることで部屋の空間を清潔なものに保ちやすくなります。
また、空気清浄効果の高い観葉植物は加湿力にも優れています。有害物質を除去してマイナスイオンを発生させ、さらに加湿までしてくれる観葉植物は、まさに自然の空気清浄機といえるでしょう。
リフレッシュ・リラックス効果がある
観葉植物には、リフレッシュやリラックスといった心身へのポジティブな効果があることが多くの研究でも示されています。植物の緑を見るだけで脳が安らぎを感じ、ストレスホルモンの分泌が抑えられるとされており、仕事や家事の合間にふと視線を向けるだけでも気分が和らぐことがあります。
また、心が落ち着かないときに緑に触れれば、気持ちが整いやすく落ち着きを取り戻せます。観葉植物を部屋に置けば、日々の忙しさの中に小さな癒しをもたらしてくれる存在となるでしょう。
初めて育てる観葉植物の選び方
いざ観葉植物を育てると決めてみても、どんな種類を選べば良いのかと迷ってしまう方は多いでしょう。そのような方は、以下のような点を考慮して選ぶのがおすすめです。
- 置き場所やサイズで選ぶ
- 育てやすい品種を選ぶ
- 自分好みの品種を選ぶ
ここでは、それぞれの選び方について具体的に解説します。
置き場所やサイズで選ぶ
まずは、観葉植物の鉢植えを部屋のどこに置いて管理するのかを決めますその後、その部屋に見合った大きさや飾りたい場所のスペース、サイズ感などを踏まえた上で観葉植物の種類を決めてみましょう。
たとえば、テーブルの上や出窓、棚の上などに飾りたい場合は卓上サイズの小さめな観葉植物がおすすめです。一方で、部屋全体の雰囲気を変えられるようなサイズ感を希望する場合は、中〜大型サイズの鉢植えを購入すると良いでしょう。
育てやすい品種を選ぶ
観葉植物において育てやすさの定義は、「管理がしやすい」「お世話が簡単」「初心者でも失敗しにくい」といった点が挙げられます。そのため、丈夫な性質があり、強い生命力や繁殖力を兼ね備えている観葉植物が育てやすい種類といえます。その他にも、乾燥に強い種類や耐陰性が優れている種類も比較的育てやすいでしょう。
気軽に育てたい方や仕事などで家を留守にする時間が長い方などは、頑丈な性質の観葉植物を選ぶのがおすすめです。
自分好みの品種を選ぶ
自分好みの観葉植物を選ぶのも、おすすめの選び方の一つです。観葉植物を育てる上で大切なのは、愛着を持って心を込めたお世話をすることです。眺めるたびに癒されるような自分の好きな樹形や葉の色、雰囲気などからお気に入りの一鉢を選べば、毎日のお世話が楽しみになるでしょう。
観葉植物は個体ごとにフォルムにも差があるので、実物を見てから購入するのがおすすめですが、大きな鉢植えだと購入後の持ち帰りが大変になるので注意が必要です。最近ではネットショップでも幅広い種類の観葉植物を取り扱っているため、大きいサイズの観葉植物を求めている場合は通販サイトを利用すると良いでしょう。
人気が高い定番の観葉植物12選
ここでは、人気が高い定番の観葉植物を12種類紹介します。特徴や魅力などを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
フィカス・ウンベラータ
科・属 | クワ科・フィカス属 |
和名 | フィカス・ウンベラータ |
英名 | Ficus umbellata |
学名 | Ficus umbellata |
原産地 | 熱帯アフリカ低地 |
ハート形の葉が愛らしく人気のあるフィカス・ウンベラータは、観葉植物の中でも特に人気が高い定番品種です。明るいライトグリーンの葉が部屋を明るい雰囲気に変えてくれます。店舗のディスプレイやおしゃれなカフェなどにも飾られていることが多いため、見たことがある方は多いのではないでしょうか。
フィカス・ウンベラータのつやつやとした葉は愛らしく、元気に育てるほど色つやが良くなっていきます。フィカス・ウンベラータには「すこやか」「永久の幸せ」「夫婦愛」などの花言葉があるため、結婚祝いなどの贈り物としてもおすすめの観葉植物です。
フィカス・ベンガレンシス
科・属 | クワ科・フィカス属 |
和名 | フィカス・ウンベラータ |
英名 | Benghalensis |
学名 | Ficus benghalensis |
原産地 | インド、スリランカ、東南アジア |
フィカス・ベンガレンシスは、樹形がシンプルながらもスタイリッシュな印象を与える観葉植物です。幹が力強く伸び、そこから大きな楕円形の葉が広がる姿はまるで天然のオブジェのように空間にアクセントを加えてくれます。インテリアグリーンとしても人気が高く、シンプルな部屋にもモダンな雰囲気を演出できる点が特徴です。
また、葉の表面にはほんのりとした光沢があり、光が当たると上品な存在感を放ちます。その美しさは日々の暮らしの中でふとした癒しとなり、眺めているだけでも穏やかな気持ちにさせてくれるでしょう。
サンスベリア
科・属 | キジカクシ科・サンスベリア属 |
和名 | 虎の尾(とらのお) |
英名 | Sansevieria |
学名 | Sansevieria trifasciata cv. Laurentii |
原産地 | 熱帯アフリカ |
花言葉 | 「永久」「不滅」 |
尖った肉厚の葉をまっすぐと伸ばしているサンスベリアは、観葉植物の中でも高い空気清浄力を持っているものと認定されている「エコ・プランツ」の一つです。多肉質の葉に水分を蓄えているのでとても乾燥に強く、冬は水やり頻度が少なく済むので管理が比較的楽です。
サンスベリアが持つ剣状の葉は虎の尻尾にも例えられており、和名では「虎の尾(とらのお)」とも呼ばれています。このように尖っている葉の形状は、風水学的には魔除けや厄除けの効果があるといわれているため、風水効果も期待できる観葉植物です。
パキラ
科・属 | アオイ科・パキラ属 |
和名 | パキラ、カイエンナッツ、発財樹(はつざいじゅ) |
英名 | Pachira, Guiana chestnut, Money tree |
学名 | Pachira |
原産地 | 中南米 |
観葉植物を初めて育てる方におすすめなのがパキラです。広げた手のひらの形のような葉がかわいらしく、インテリア性も高いので人気があります。
パキラの最大の魅力は、丈夫さと育てやすさにあります。乾燥に強く耐寒性も持っており、耐陰性にも優れているため、まさしくインドアグリーンにぴったりです。
ただし、日光が不足してしまうと葉が間伸びしたように伸びて引き締まったシルエットにならないため、適度に日光浴をさせて株を元気に育てるのがポイントです。
また、パキラは比較的成長スピードが早いので、剪定でこまめに樹形を整えていく必要があります。
ゴムの木
科・属 | クワ科・フィカス属 |
和名 | ゴムの木 |
英名 | Ficus |
学名 | Ficus (Genus name) |
原産地 | 熱帯地域 |
樹液がゴムの原材料となるゴムの木は、フィカス属を総称した呼び名です。丸みのある楕円形の葉は光沢があって、みずみずしい緑色や葉の縁がクリーム色のものなど、葉色のバリエーションも豊富です。
幹が柔らかいので、幹を曲げたデザインの曲がり幹なども販売されています。ゴムの木の中でも、「フィカス・アルテシマ」は大ぶりの葉が美しく、存在感抜群の品種です。ゴムの木の品種はどれも定番であり人気が高いので、流通数も多く入手しやすいのも魅力の一つです。
コーヒーの木
科・属 | アカネ科・コーヒーノキ属 |
和名 | コーヒーの木、アラビカコーヒーの木 |
英名 | Arabian Coffee |
学名 | Coffea arabica |
原産地 | エチオピア、熱帯アフリカ、マダガスカル周辺 |
コーヒーの木は常緑性植物であり、通年美しい緑色の葉を眺められるのが魅力の観葉植物です。観賞用のコーヒーの木からも、飲料用のコーヒー豆を収穫できます。たくさん豆を収穫できれば、自家製のコーヒーを味わうこともできるでしょう。
一般的に流通しているのはアラビカ種というコーヒーの木ですが、これは飲料用のコーヒー豆の栽培にも使われている品種なので、自宅でつくった豆でも美味しいコーヒーになります。収穫までには時間がかかりますが、ジャスミンのような白い小花を咲かせたあとに、「コーヒーチェリー」とも呼ばれる赤い実をつくります。
ユッカ
科・属 | リュウゼツラン科・イトラン属 |
和名 | ユッカ、青年の木(せいねんのき) |
英名 | yucca |
学名 | Yucca gigantea, Syn. Yucca elephantipes var. gigantea |
原産地 | 中央アメリカ、北アメリカ |
ユッカは「青年の木」の和名でも流通しています。「青年の木」と呼ばれるのは、「ユッカ・ギガンティア」という品種であり、以前は「ユッカ・エレファンティペス」の品種名で呼ばれていました。
ユッカの木のゴツゴツとした質感のたくましい幹が象の足のように見える様子から名づけられたといわれています。
また、まっすぐに幹を伸ばして成長していく姿を青年の力強さに重ね、「青年の木」と呼ばれるようになりました。ユッカの原産地は乾燥地帯なので、水切れよりも水の与えすぎによる根腐れに注意が必要です。
モンステラ
科・属 | サトイモ科・モンステラ属 |
和名 | モンステラ、蓬萊蕉(ほうらいしょう) |
英名 | Monstera |
学名 | Monstera |
原産地 | 熱帯アメリカ |
花言葉 | 「うれしい便り」「深い関係」 |
南国の雰囲気満点な観葉植物であるモンステラは、ボタニカルの柄やアロハシャツの柄などにもモチーフとしてよく使われているので、馴染み深い観葉植物かもしれません。大きな葉に深い切れ込みが入っている個性的な見た目は、アジアンな雰囲気やエキゾチックな雰囲気も持ち合わせています。
おしゃれなインテリアアイテムとして絶大な人気を誇っているモンステラは、一鉢置くだけでも存在感があり部屋の模様替えや気分転換にぴったりです。
サトイモ科の植物ですので耐陰性があり、室内で育てるインドアグリーンに向いています。
ガジュマル
科・属 | クワ科・イチジク属 |
和名 | ガジュマル、多幸の木、幸せを呼ぶ木 |
英名 | Chinese Banyan, Malayan Banyan |
学名 | Ficus microcarpa |
原産地 | 沖縄、東南アジア、台湾、オーストラリアなど |
日本では沖縄県に自生しているガジュマルは、自生するものでは数十m以上にも成長します。。
沖縄では、聖霊・キジムナーが宿る神聖な木として、人々に愛されている植物です。気根(きこん)という特徴的な根を伸ばして成長していきますが、その気根の形が足の生えた小人のようにも見え、今にも歩き出しそうな樹形がチャーミングで人気です。
個体ごとに幹の形が違うため、多くのファンに愛されています。おしゃれながらもユニークさや個性が欲しいときには、ガジュマルを選んでみてはいかがでしょうか。
エバーフレッシュ
科・属 | マメ科・コヨバ属 |
和名 | 赤鞘合歓木(あかさやねむのき) |
英名 | Pithecellobium confertum ever fresh |
学名 | Cojoba arborea var. angustifolia |
原産地 | ボリビア、ブラジル |
エバーフレッシュは、和名で「ネムノキ」と呼ばれるほどに似ており、ネムノキのように夜になると葉を閉じて就眠運動をするという特徴を持っています。鳥の羽のような葉をすべてきれいに閉じて眠る姿は、一緒の生活サイクルを生きているように感じ、愛着がわきやすいでしょう。
昼と夜で違った表情を魅せてくれるエバーフレッシュは、植物の生きている様子をつぶさに感じられるため、とても根強い人気があります。
オーガスタ
科・属 | バショウ科・ゴクラクチョウカ属 |
和名 | 瑠璃極楽鳥花(るりごくらくちょうか)、扇芭蕉擬(おうぎばしょうもどき) |
英名 | bird of paradise tree |
学名 | Strelitzia nicolai |
原産地 | マダガスカル |
花言葉 | 「輝かしい未来」「あたたかい心」 |
南国ムード満点なオーガスタは、バナナに似た大きな葉を持っています。学名の「ストレリチア」や「ニコライ」などの名称でも流通しています。
リラックスムードを演出してくれるゆったりとした雰囲気を持つオーガスタには、金運や健康運を上げる風水効果も期待できるため、生活の中に取り入れる方が多くいます。
ドラセナ・マッサンゲアナ
科・属 | リュウゼツラン科・ドラセナ属 |
和名 | 幸福の木、縞千年木シマセンネンボク |
英名 | Dracaena, Goodluck plant, Corn stalk plant |
学名 | Dracaena fragrans “Massangeana” |
原産地 | 熱帯アジア、熱帯アフリカ |
花言葉 | 「幸福」「永遠の愛」 |
ドラセナ・マッサンゲアナは、コルジリネと見た目がよく似ていて混同されやすいのですが、根茎を形成しないものがドラセナ・マッサンゲアナです。「幸福の木」という縁起の良い別名もあり、ハワイでは「魔除けの木」として家庭の庭に植えられています。
ドラセナ・マッサンゲアナは日本の冬の寒さは苦手なので、冬季は必ず室内で冬越しさせるようにしましょう。
まとめ
観葉植物を生活に取り入れることでリラックスできる空間を創出でき、緑のある生活を楽しむことができます。観葉植物を選ぶ際は、置き場所やサイズ、育てやすさから決めると良いでしょう。
おすすめの観葉植物には、パキラやサンスベリア、ゴムの木などが挙げられ、どの種類も初心者の方でも安心して育てられます。ぜひ本記事を参考に、自分の生活リズムや好みなどに合わせてお気に入りの種類を見つけてみてはいかがでしょうか。