初心者でも楽々実践できる!モンステラの冬越しの方法
モンステラが冬になるといつも弱ってしまうと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
厳しい冬の訪れと共に、モンステラの冬越し対策は大切なテーマになります。
寒さに弱いモンステラを冬でもイキイキと元気に育てるには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。
今回は初心者の方にも実践できる、モンステラの冬越しの方法を詳しく紹介していきます。
モンステラの基本情報
独特な葉っぱが特徴的なモンステラは、初心者にも育てやすい観葉植物として人気があります。葉には生長するにしたがって深い切れ込みが入り、それがこの植物のトレードマークになっているのです。
熱帯雨林原産のモンステラは生命力に溢れ、インテリアとしても一目置かれる存在になるでしょう。
モンステラは、どんな特徴を持つ植物なのでしょうか。
ここでは基本情報を整理していきます。
モンステラの特徴
モンステラは熱帯アメリカ原産の、つる性のサトイモ科モンステラ属の植物。
原産地では暗いジャングルの中で、大きな木に絡まって自生しています。
このような環境で育つ野生のモンステラは、巨木に囲まれているので、日差しの恩恵を受けるのは困難です。
葉のサイズも大きいため、上部の葉がわずかな日の光さえも遮ってしまいます。
このような理由から葉に切れ込みを作り、下部の葉に日光浴をさせ、栄養を届けようとしたといわれています。
モンステラの葉っぱは生長するにつれてユニークな形に変化していきますが、まだ小さなうちは切れ込みがなく、ポトスのようにかわいいハート型をしています。
また英語名の「Swiss cheese(スイスチーズ)」は、モンステラの葉の模様がスイスのチーズ(エメンタール)に似ていることから付けられました。
モンステラの名前の由来
モンステラの学名は「Monstera deliciosa(モンステラ・デリシオーサ)」です。
「Monstera」はラテン語では、モンスターと言う意味。
これはモンステラの葉のフォルムが独特で型破りなことが由来となっています。
また「deliciosa」は美味しいという意味です。果実は食用となり、パイナップルとバナナをミックスさせたような味だと言われています。
日本でも沖縄では店頭で販売されることもあります。
しかしシュウ酸カルシウムを内包しているため、完熟させてから食べる必要があるでしょう。
モンステラの気根の役割は?
モンステラを育てていると、茎から気根と呼ばれる特殊な根が生えてくることがあります。
これは幹を支える役割を持っていて、他の木にしっかりと絡みつくために必要なのです。
つる性のために上へ上へと生長していく性質を持ったモンステラは、たくさんの気根を生やして体を支えています。
気根の役割は多岐に渡っており水や養分の吸収にも使われているので、カットするのは極力控えましょう。
モンステラの種類
モンステラは30種類以上の品種があると言われています。日本で販売されている品種の多くは「デリシオーサ」です。
またモンステラに似ており、小さいサイズのものを「ヒメモンステラ」と呼んでいます。
こちらの品種はサトイモ科のヒメハブカズラ属の植物。分類上では異なる植物ですが、とても似ています。
モンステラの花言葉
熱帯アメリカでは、モンステラは縁起がいい植物として大切にされています。
過酷な自然の中でグングンと生長する繁殖力が、豊かさの象徴とされているからです。
また花言葉にも、良い意味が込められているので、特別な日のプレゼントにも最適になります。
モンステラの花言葉は「うれしい便り」「壮大な計画」です。
モンステラの栽培について
大きな切れ目の葉っぱが野性的なモンステラ。
一目でモンステラと分かるシルエットは、さまざまなインテリア雑貨や食器のモチーフとしても活用されています。
観葉植物としても人気が高く、エキゾチックな魅力に惹かれる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、モンステラを選ぶ際の注意点や栽培に適した場所などを紹介していきます。
モンステラの株を選ぶ際のポイント
モンステラをこれから購入したいと考えている方に向けて、株を選ぶ際のポイントをお伝えします。
はじめに、茎がしっかりしているかどうかをチェックしてください。
次に葉の大きさやツヤ、傷み具合などを確認します。
下の方の葉っぱが枯れていることもあるので、細かく観察しましょう。
最後に害虫が発生していないかを確認すると万全です。
状態の良い株をチョイスすることが、元気に育てるポイントにもなります。
モンステラの栽培に適した場所
育てやすさが魅力のモンステラですが、熱帯雨林が原産地なので置き場所には注意が必要です。なるべく自生している環境に近づけることで、元気に育ってくれますよ。
日光について
明るい場所を好みますが、直射日光には弱いので注意が必要になります。
室内の明るい場所に置くようにすれば問題はありません。
栽培に適した温度
温暖な環境を好むので適温は20℃~30℃くらいです。
しかし基本的には15℃前後~30℃くらいであれば、問題なく生長するでしょう。
寒さには弱いので、冬は5℃以下にならないように管理してください。
このことから気温が5℃以下になる地域では、冬の間は室内で管理するのがおすすめです。
地植えにしたい場合
温暖な地域にお住まいの方は、モンステラを地植えにして鑑賞することができます。
その場合は、室内である程度株を大きく育ててから屋外に移すと丈夫に育ちます。
まだ幼い株は環境に耐えるパワーがなく、ストレスにも弱いので室内で育てるようにしましょう。
モンステラを冬越しさせるコツとは?
ギフトにも人気があるモンステラは、冬の管理さえ気をつければ誰でも簡単に育てることができます。
寒さに弱い植物を育成する際には、いつでも室内に移動させられる状態だと安心です。
ここでは初心者にもできる冬の管理方法をお伝えしていきます。
コツさえ押さえれば、寒い日本の冬でも乗り越えることができるので安心してくださいね。
耐寒温度
熱帯地方原産のモンステラは夏には強いですが、冬には弱いのが特徴です。
耐寒温度は5℃なので、それ以下になる場所では室内に移動させる方が無難になります。
霜に当たると枯れてしまうので気をつけましょう。
秋になって気温が下がると、モンステラは休眠期に入ります。
したがって早めに室内に入れて、環境に馴染ませておくことが大切です。
冬場の管理方法
次に冬の水やりと病気対策などを解説しますので参考にしてください。
水やり
寒くなるとモンステラの生長が緩やかになっていくため、それに合わせて水やりも控えめにしてください。鉢土が乾燥したのを指で触って確認してから、3日~7日位間隔を空けて水を与えるようにします。
冬場はとにかく乾燥気味に育てることが重要です。
過剰な水やりは根腐れの要因にもなります。
ただし、葉の表面が乾くのを防ぐ必要がありますので、霧吹きを用意しておき、葉に水をかけてあげると良いでしょう。
日当たり
ジャングルの中で育ったモンステラは耐陰性が強いのが特徴です。
しかし直射日光には弱いので、時々明るい場所に置いて日光浴させてあげましょう。
冬はカーテン越しの明るい場所に置くことで、葉のツヤや美しさを維持できます。
ただし冬は昼と夜の寒暖差があるので、窓辺に置いたままだとモンステラが弱ってしまうことがあるので気をつけてください。
カビ対策
モンステラはタフで育てやすい植物ですが、冬は加湿が原因でカビが発生しやすくなるので注意が必要です。
これはほとんどの場合、水の与え過ぎで起こると言われています。
土の表面に白カビが見られたら、少しの間水を与えずに様子をみましょう。
また気根にカビが発生した場合は、キッチンペーパーなどできれいに拭き取ってください。
それでも改善しない時は、カビが生えた部分の気根をカットしましょう。
冬に多いとされるモンステラの根腐れの症状
暖かい季節にはグングンと生長していたモンステラが、寒くなって急に弱ってしまうのは悲しいですよね。
冬に多いとされるモンステラのトラブルは、ほとんどの場合が根腐れによるものになります。
モンステラの根腐れは、水の与え過ぎが原因です。
初心者の方はタイミングが掴みにくいので、毎日少しずつ水を与えたりして失敗してしまいます。
一度根腐れを起こしてしまうと、急に元気がなくなり、放置すると枯れてしまうこともあるので気をつけましょう。
では根腐れのサインにはどのようなものがあるのでしょうか。
葉が変色する
根が傷むと水分が滞ってしまい、葉っぱまで栄養が行き届かなくなります。
それが原因で葉が黄色や黒色に変色して枯れてしまうことがあるのです。
もし茎の部分が黒ずんでいたり、触ってやわらかくなっていたら、かなり進行しているサインになります。
葉にツヤがなくなる・垂れ下がる
健康な状態のモンステラの葉にはツヤがあり、茎にも張りがあります。
しかし根腐れを起こしてしまうと、何となくくすんだような色になり、葉が垂れてくることもあるでしょう。
このような状態は、水切れを起こしている際にも起こりやすいです。
ですから水やりをしっかり行っているにも関わらず、葉に元気がなくなった時には根腐れを疑ってみてください。
モンステラの根腐れの対処法
根腐れを起こすと、葉の状態に異常が現れます。
上にも挙げたように葉が黄色く変色したり、ツヤがなくなり垂れ下がるなどの症状が出るのです。
また葉が黒くなっている時には、症状が悪化している状態なので、早めに対処しないと枯れてしまう可能性があります。以下確認してみてください。
茎の状態を確認する
まず、茎の状態を確認しましょう。
茎を触ってみて、固くてしっかりしていれば問題はないです。逆に少し柔らかいようだと水をあげすぎてしまっているので注意しましょう。
モンステラの茎は生長の段階で黒くなることもあるので黒くなっている場合は心配ないでしょう。
土の状態をチェック
次に土の状態を確認してみましょう。
もし白い靄のようなものが付着している場合は、カビが発生している可能性があります。
この場合は土を取り替える必要があります。
ただし休眠中はなるべく植え替えをしない方が良いので、それほどひどくない場合は春まで待ってください。
根腐れがひどくて腐食が始まっている
茎の状態を確認してぶよぶよと柔らかい時は、一刻も早く対処が必要です。
この場合は以下の方法で植え替えをしましょう。
- プランターからモンステラを出す
- 黒く腐っている根をカットする
- 処理が済んだら、新しい土に植え替える
完全に枯れてしまう前に対処することが肝心です。気がついたら早めに対応しましょう。
人気のモンステラ3選
モンステラを育ててみたいけれど、種類がたくさんあるので迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
ここでは定番のモンステラから少し珍しいものまで、人気のモンステラの種類を紹介します。
どんなモンステラが人気なのだろう?と疑問を持っている方は、参考にしてみてください。
デリシオーサ
こちらは定番のモンステラです。グングンと育ち、草丈が最大で150cmくらいになります。
まだ小さいうちは葉の切れ込みはありませんが、生長に従って現れ始めるでしょう。
丈夫なので初心者の方が育てる場合は、最初はデリシオーサがおすすめですよ。
また変異株でデリシオーサを小さくした品種の「コンパクタ」も人気です。
コンパクタは、それほど大きくならないので狭いスペースに置くこともできます。
ボルシギアナホワイトタイガー
スタイリッシュな見た目で人気の「ボルシギアナホワイトタイガー」は、白くて小さな斑入りのモンステラになります。
斑入りの中で1番人気ですが、希少なので、なかなか手に入りにくく、高額な品種です。
また斑入りの品種は、デリケートなものが多く育成が難しいのが特徴です。
したがって、初めて育てる場合はフラワーショップの店員さんに注意点をよく確認することをおすすめします。
ペルツーサ(ヒメモンステラ)
ペルツーサは小さなサイズのモンステラです。
小型のモンステラは総じて、「ヒメモンステラ」に分類されています。
ペルツーサには葉っぱに入る切れ込みが大きいのが特徴です。
置く場所に限りがある場合は、あまり大きくならないこの品種がおすすめですよ。
初めてのモンステラの冬越し対策
モンステラを育成してから、初めての冬を迎える方は対策をしておきましょう。
春や夏の活動期とは、お世話の仕方がまったく異なるため、事前に確認しておくのが安心です。
ここでは寒い季節のモンステラの育て方のポイントを解説します。
葉っぱの乾燥
冬はエアコンの効いた室内に置くため、モンステラの大きな葉っぱは乾燥しがちになります。
特に気をつけたいのは、エアコンの風向きです。
風が当たり続けると、葉っぱが乾燥状態になり、やがて枯れてしまうこともあります。
エアコンの風が当たらない場所にモンステラを移動しましょう。エアコンの風が植物に当たってしまう場合は、微風に切り替えるなどの工夫が必要になるでしょう。
葉の表面は時々キッチンペーパーなどを使って拭き、霧吹きを使って水を吹きかけてあげてください。軽く潤うくらいに与えると艶がでて元気になってくれますよ。
肥料
活動期とは違って冬は生長の速度が緩やかなので、肥料は与えなくて大丈夫です。
栄養を吸収するパワーも弱っているため、あまりたくさんの肥料を与えると根が傷んでしまう原因になります。
これは肥料焼けと言う症状で、ひどくなると葉が黒くなって萎れてしまうので注意しましょう。
基本的には休眠期はしっかり休ませ、活動期になったら肥料を与えるようにしてください。
モンステラの冬支度
冬の寒さが厳しい地域にお住まいの方は特に、室内でも気温が下がって困っている方も多いでしょう。
しかしどのお宅にもある、段ボールや新聞紙を使って寒さ対策ができます。
まずモンステラのサイズに合った段ボールを用意してください。
もしモンステラが大きくてピッタリの段ボールがない場合は、何個かの段ボールをガムテープなどで貼り円形状にします。
これを被せればOKです。もし高さが足りない時は、新聞紙やビニール袋で覆ってあげてください。
段ボールなら使用しない時には折りたたんで家具に隅に収納できるので便利ですね。
ビニールを被せる際には、必ず空気穴を空けるようにしましょう。
また、モンステラは急激な温度変化にも弱いです。したがって暖かい部屋から日光浴などで外へ出す際には、短時間から始めて徐々に慣れさせていくようにしましょう。
まとめ
モンステラは熱帯地方原産の植物なので寒さには弱いです。そのため、冬越しの準備をしておくことは大切なポイントになります。
冬越しさせるには、特に水やりのタイミングと置き場所に気をつけましょう。
活動期と同じように水を与えてしまうと、根が傷み根腐れを起こすことがあるので注意してください。
ここでは万が一根腐れを起こしてしまった際の見分け方と、対処法も紹介させて頂きました。参考にして、寒さからモンステラを守っていきましょう。