ゴールドクレストが茶色くなった!枯れる原因と復活させる方法
ゴールドクレストは葉がきれいな針葉樹で、庭植えから寄せ植えまで使えるガーデニングに人気の樹木のひとつです。
比較的丈夫な樹木ですが、根腐れなどの原因によって茶色くなってしまうことがあります。
この記事では、ゴールドクレストが茶色くなる原因や育て方のポイントについて詳しく解説します。また、ゴールドクレストを復活させるための対処法についてもご紹介するので、「最近なんだかゴールドクレストの葉が茶色い……」「枯れてきている……?」などとお悩みの方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
ゴールドクレストが枯れる原因と対処法
ゴールドクレストが茶色くなってしまう原因は様々ですが、起こりやすい症状の原因として以下の点に注意が必要です。
- 根腐れや根詰まり
- 葉焼け
- 病害虫による被害
- 鉢内の蒸れや泥はね
また、ゴールドクレストは実はそもそも日本の気候に合っていない樹木でもあります。そのため、日本の夏の高温多湿に弱く、自宅の環境に適応するのには年数が掛かることもあるでしょう。
特に植えてから1〜2年のゴールドクレストは、枯れないように注意が必要です。
それではさっそく、ゴールドクレストが枯れる原因や対処法について詳しく解説します。
根腐れ
根腐れが起こると「土が乾きにくくなる」「葉が茶色に変色する」「幹が柔らかくなる」などの症状が見られます。
根腐れの原因は、土の酸素濃度が低下して土の環境が悪くなること。土の環境が悪いと根が水を吸水しづらくなり根が腐ってしまいます。
根腐れが起きているのを発見したら、鉢から株を抜き、痛んでいる根を切り落としましょう。
しかし、ゴールドクレストが1m以上にもなれば、抜き出して対処するのは難しいですよね。植え替えなどができない場合は、しばらく水を与えずに様子を見てみても良いでしょう。
また、寄せ植えとして植えている場合には、他の植物の根を傷めないように注意が必要です。
根腐れが起きないためには水はけの良い土に植えて、加湿になりすぎないことがポイント。また、水やりは表面だけ与えるだけでは鉢中に酸素が行き届かないため、乾いたら鉢底から流れ出るまでしっかりと水やりをしましょう。
根詰まり
根詰まりは、主に鉢植えで植えっぱなしにしていると起こりやすくなります。鉢底から根が出ていたり、鉢にヒビが入っていたり、葉が黄色くなる現象があれば、根詰まりを疑ってみましょう。
ゴールドクレストは、本来は10m以上にもなる性質があるため、根もどんどん伸びていきます。根詰まりを起こしているゴールドクレストは、植え替えをして新しい根を伸ばしやすくしてあげましょう。
葉焼け
葉焼けは、夏の直射日光など強い日差しを浴びて起こる症状です。葉焼けが起こると葉の色素が抜けて白くなったり、葉の一部が茶色く枯れてしまいます。
ただし、ゴールドクレストなどのコニファー類は紫外線が大好きという性質を持っているため、ある程度の日光には耐えてくれます。先端から茶色になっていたり、中が茶色くなっていたりする場合は、水切れや蒸れも疑ってみましょう。
葉焼けした葉は元には戻らないため、切り取って新しい葉を育てていきます。
害虫
ハダニが付くとクモの巣のような糸が見られたり、葉の裏に小さな虫が見られたりします。また、葉の色が薄くなる症状も出ます。
ハダニは一度付くと駆除するのが大変な害虫のひとつ。なるべく早く気づいて対処するのが大切です。
傷んだ葉は取り除き、殺虫剤スプレーを散布しましょう。殺虫剤を使いたくない場合は牛乳でも効果があります。
ハダニを防ぐためには、風通しの良い環境にしてくことがポイントです。
病気
ゴールドクレストは病気にかかりにくい樹木ですが、元気に育てるためには「赤錆病」という病気に注意する必要があります。葉の先が赤色っぽく変色していたら、赤錆病を疑いましょう。
病気の発見が遅くなると木全体が枯れる原因になります。
一度変色した葉っぱは元に戻らないため、病気の伝染を防ぐためにも見つけたらすぐに取り除き、葉を取り除いたらなるべく早く「ダコニール1000」などの殺虫剤をまいて再発を防止しましょう。
鉢内の蒸れ
ゴールドクレストは、複数の葉が密集することにより、とてもきれいな見た目を維持しています。しかし、葉が密集しすぎると蒸れてしまい、内側から枯れてしまう可能性も。蒸れを防ぐためには、風通しを良くすることがとても大切です。
ゴールドクレストの蒸れを防ぐためには風通しの良い場所に置き、葉や枝を適度に摘み取ることがポイント。
寄せ植えなどで他の植物を一緒に植える場合は、ゴールドクレストと他の花とのすき間を空けるようにし、成長した姿もイメージしながら植えると良いでしょう。
泥はね
水やりや雨により、土が葉っぱや幹にかかる泥はねが原因で、病害虫が発生しやすくなる可能性があります。
水やりをする時は、株元に優しく与えるようにしましょう。また、バークチップなどを土の上に敷くと、泥はねを防ぐだけでなく見た目も良くなるためおすすめですよ。
そもそも日本の気候に合っていない
ゴールドクレストの原産地である北アメリカの気候の特徴は、夏は乾燥していること。生育適温は15〜25度で、特に35度を超える日本の猛暑には注意する必要があります。
植えてから数年は元気だったけれど、猛暑の年に一気に枯れてしまったという事例もあるようです。高温多湿になる日本の夏は、ゴールドクレストにとって厳しい環境ということを覚えておきましょう。
枯れてしまったゴールドクレストの復活方法
ゴールドクレストが茶色になってしまった場合でも、緑の部分がまだまだ残っているなど、木が生きていれば復活させることができます。葉が茶色くなり枯れてしまったかもという時には、以下の方法を試していきましょう。
- 枯れた葉は取り除く
- 病気や害虫被害にあった枝は早急に都に鼠族
- 挿し木で新しく育てる
枯れたゴールドクレストを復活させるためには、新しい葉っぱを増やすことも大切です。ただし、暑さが厳しい夏場などに強剪定などをすると急激に弱ってしまう可能性もあるため注意しましょう。
枯れた葉は取り除く
一度茶色に枯れてしまった葉は元の緑色には戻りません。また、枯れた葉をそのままにしているとカビが生えるなど病害虫の原因になる可能性があります。
枯れた葉に気づいたら、その都度取り除いていきましょう。葉先だけが枯れている場合は、枯れた部分だけ切り取るなど、株全体のバランスを見ながら整えていくのがポイントです。
切り取っても葉先から再び枯れてくる場合には、水切れや根詰まりも疑ってみましょう。
病気や害虫被害にあった枝は早急に取り除く
葉が赤くなる「赤錆病」や、ハダニなどの害虫を見つけたら広がる前に取り除きましょう。土の上に落ちていても病気が伝染するため、株元もきれいにしておくことが大切です。
定期的に目のつく場所で育てることも病害虫の早期発見につながりますよ。
挿し木で新しく育てる
全体の半分以上が枯れている場合は、復活させるのが難しいかもしれません。
また、復活しても木全体のバランスが崩れてしまい、見栄えが悪くなってしまうこともあるでしょう。
ゴールドクレストは挿し木で増やせるため、残った枝で新しく育てるというのもひとつの手です。挿し木から育てると大きくなるまでには数年かかりますが、小さな株から育てることで、より自宅の環境に馴染みやすくなるというメリットもありますよ。
挿し木の手順
ゴールドクレストの挿し木の手順については以下の通りです。
- 新しくてしっかりした枝を先から10cm〜15cmほど切り取ります。
- 土に挿す部分の葉を取り除きます。
- 水に1〜2時間ほど浸けて吸水させます。
- 切り口に発根剤を付けて挿し木用の土に挿します。
- 根が張るまで土が乾燥しないようにします。
剪定した時に出た枝で増やしてみるのも楽しいですよ。ゴールドクレストが枯れてしまった時の予備として育てておくのも良いでしょう。
特に梅雨時期は挿し木がしやすいため、ぜひチャレンジしてみてください。
ゴールドクレストを健康に育てよう!育て方の基本
ゴールドクレストの葉が茶色くなることを予防するために、ここからはゴールドクレストを健康に育てるための基本的なポイントについて見ていきましょう。
ゴールドクレストの生育適温は15〜25度。
日本の高温多湿に弱いという性質はありますが、性質や育て方を知ることで元気に育てられるガーデニングに欠かせない樹木のひとつです。
用土・肥料
ゴールドクレストは、水はけがよい土を好みます。一般的に販売されている培養土で問題ありませんが、水はけが良すぎると夏に水切れが発生しやすくなるため注意が必要です。
土が乾きやすいのが気になる場合には、バークたい肥などを土の上に敷くのも良いでしょう。上記でもご紹介したように、バークを敷くことで泥はねを防ぐことにもつながります。
また、ゴールドクレストの肥料はあまり必要ではありません。植え付けのタイミング、または生育期の春先頃に緩効性肥料を与える程度にしましょう。
置き場所
ゴールドクレストは、日当たりの良い場所を好むため屋外が適しています。1年を通して日当たりの良い場所に置きましょう。
半日陰でも育ちますが、日当たりが悪いと葉の色が薄くなったり、全体のバランスがくずれる原因になります。
ただし、夏の高温多湿により根腐れが起きて枯れる可能性があります。庭植えの場合は移動できませんが、鉢植えの場合には猛暑が続く夏場は半日陰へ移動させるのも良いでしょう。
水やり
ゴールドクレストの生育期は春。鉢植えの場合はしっかり土が乾いてから水やりをしましょう。鉢底からしっかり流れるまで与えるのがポイントです。
夏場は水切れを起こさないように注意し、水を与えるときは朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをしましょう。
秋〜冬は水やりの頻度が少なくなりますが、土が乾いたら忘れずに与えるのが枯らさないために重要です。
庭植えの場合は、根がしっかり付いたあとは水やりは基本的に不要です。ただし、植えてから1年目は水が切れないように注意しましょう。
剪定
ゴールドクレストなどのコニファー類の剪定時期は3〜6月が適期です。新芽が動く前の3〜4頃に済ませておくと良いでしょう。
ゴールドクレストは剪定を毎年行うことで理想の大きさに整えることができます。また、中が葉で込み合ってしまうと蒸れやすくなるため注意が必要。大きくなったゴールドクレストを小さく仕立てるのは難しいです。
もっと大きく育てたいという場合でも数年と長く放置せず、透かし剪定で風通しを良くして形を整えることでより元気に生育してくれますよ。
夏の管理方法
ゴールドクレストは夏の高温多湿に弱く、直射日光で葉焼けが起きる可能性があります。特に昼間~西日がよく当たる場合は半日陰に移動させると良いでしょう。
夏の管理がしやすくなるコツは、暑さが厳しくなる前までに元気な株に育てておくこと。特に庭植えの場合は移植ができないため、春になったらなるべく早く植えてしっかりと根を付けてあげると管理がラクになりますよ。
冬の管理方法
ゴールドクレストは植えっぱなしでも育ちますが、耐寒性が0度とあまり高くありません。鉢植えの場合は、霜の当たらない軒下などへ移動させると安心です。
冬場は水やりの頻度が少なくなりますが、水やりを忘れてしまいがちです。冬でもあたたかい日光に当てて、土が乾いたらしっかり水やりをしましょう。
庭植えの場合は、植えっぱなしになるため基本的には管理は不要です。寒さが過ぎた3月頃に肥料を与えてください。
ゴールドクレストの楽しみ方
ゴールドクレストは、美しい葉や鮮やかな色合いが特徴で様々な楽しみ方があります。
「クリスマスツリー」として本物の木で飾り付けをするのも素敵な演出となるでしょう。
また、シンプルなグリーンとスッキリとした見た目は、どんな花にも合わせやすいのも魅力的です。
寄せ植えや庭植えなど、どんな場所にも合わせやすいゴールドクレストの楽しみ方を紹介します。
デコレーションしてクリスマスツリーにする
明るくきれいな緑色と円錐型の見た目から、ゴールドクレストをデコレーションして「クリスマスツリー」として楽しむ方法があります。
自然な木には自然の飾り付けもよく似合います。松ぼっくりやドライフラワーでアレンジすると、とてもナチュラルなクリスマスツリーに仕上がりますよ。
クリスマスツリーとして部屋に飾る場合は細かい葉が落ちやすいため、床におしゃれな布を敷いたり、掃除しやすい玄関先などに飾ったりするのがおすすめです。
寄せ植えする
ゴールドクレストは寄せ植えにも欠かせない樹木のひとつ。寄せ植えをする時にはゴールドクレストなどの背が高めのものがあると全体のバランスを整えやすいです。
12月の寄せ植えにすると、クリスマスツリーの雰囲気も演出できるでしょう。
また、円錐形のゴールドクレストの特徴を生かして「シンメトリー」に仕上げるのもおすすめです。
庭木として植える
庭木としてもゴールドクレストは人気が高いです。シンボルツリーとして1本植えるのも良いですし、複数本を列植しても見栄えが良くなりおすすめですよ。
ただし、ゴールドクレストは生長がとても早く、最終的には20mにもなる性質を持っています。高くなりすぎないよう生長を止める方法はありますが、4m以上にはなることを想定して植える場所を決めるようにしましょう。
ゴールドクレストを育てる際によくある質問
楽しみ方もさまざまで、育て方のコツをつかめば元気に育てることができるゴールドクレスト。
最後にゴールドクレストを育てる際によくある質問にお答えしていきたいと思います。
植える前によくある疑問や質問について知っておくことで、より育てやすくなるでしょう。
ゴールドクレストの寿命はどれくらい?
ゴールドクレストは、自生しているもので50年以上ととても長いです。これは樹木としては一般的ですが、軽い気持ちで庭に植えないようによく計画することが大切です。
また、ゴールドクレストの根は浅く、移植に弱い性質を持っています。一度植えたゴールドクレストは簡単に撤去や移植ができないため、まずは鉢植えとして楽しむのも良いかもしれませんね。
ゴールドクレストは室内でも育てられる?
ゴールドクレストは、基本的には外で育てるのがおすすめです。ただし、地域によっては、真冬や真夏は室内に入れても良いでしょう。
春先の成長期には外に出して十分な日光を当ててあげると良いです。室内に置く場合も明るい窓辺などに置いて株を元気に育てていきましょう。
ゴールドクレストを大きくしたくない時はどうすればいい?
ゴールドクレストは、剪定などの手入れをしないとあっという間に生長していきます。大きくしたくない場合には「芯止め」をして高さを調整する方法があります。
芯止めとは、ゴールドクレストの中心の幹を切り、高さを制限すること。この芯止めをしないと上に向かってどんどん背が高くなっていきます。
デメリットは、芯止めをすることできれいな円錐形ではなく円柱形になってしまうこと。また、頂点である芯を止めてしまうことで横に向かって枝が出てきやすくなります。
また、6mを3mにしたいなど極端に低くするとバランスが悪くなる可能性が高いです。植える時には何mで止めるかを決めておき、こまめな剪定を行うことで美しい見た目を保っていきましょう。
植え替えや地植えする季節はいつがいい?
ゴールドクレストの植え替えや地植えは、春の3〜4月、もしくは秋の9〜10月頃が適期です。最もおすすめなのは成長期に入る3月頃。
寒い地域では、霜が降りなくなったらなるべく早く植え付けるようにしましょう。
梅雨が明けるとゴールドクレストが最も枯れやすい厳しい暑さの夏に入るため、遅くとも梅雨入り前までには植え付けを完了させるのがポイントです。
秋に植える場合は寒い季節に入る前のため、土が乾きづらくつい水やりを忘れてしまいがちです。特に12月は乾燥しやすい時期になるため水切れに注意しましょう。
まとめ
この記事では、ゴールドクレストが茶色くなる原因や復活させる方法、健康に育てるためのポイント、そして楽しみ方について紹介しました。
日本の気候にあまり合っていないという性質を持つゴールドクレストですが、その魅力は高く、とても多くのガーデナーに愛されています。
また、クリスマスツリーなど楽しみ方の幅が広いゴールドクレストは、色々な場面で活躍します。ゴールドクレストを元気に育ててガーデニングを楽しみましょう。