花が咲く多肉植物10選|咲かせるコツと開花後のケアポイント
多肉植物を育てていると、花が咲くことがあるのをご存じでしょうか?ぷっくりとした葉やユニークな形を楽しむイメージが強い多肉植物ですが、うまく育てると色とりどりの美しい花を咲かせ、意外な一面を見せてくれます。多肉植物を花が咲くように育て、そのギャップが生み出す神秘的な世界観を楽しんでみませんか?
今回は、多肉植物の花に焦点をあて、開花の時期や花が咲く条件をご紹介します。また、花芽が出たときのケア方法や、花が咲く人気品種10選も取り上げますので、ぜひ参考にしてください。
初心者にもおすすめ!花が咲く多肉植物の人気品種10選
ここでは、花を楽しませてくれる10種類の人気多肉植物を紹介します。
- エケベリア
- セダム
- クラッスラ
- ハオルチア
- アエオニウム
- センペルビウム
- リトープス
- コノフィツム
- ユーフォルビア
- ミルクブッシュ
それぞれの多肉植物の魅力と咲かせる花の特徴を解説しますので、選ぶ際の参考にしてください。
エケベリア
花が開いたような形の葉姿が特徴のエケベリア。肉厚な葉をロゼット型に広げる姿は力強さを感じさせ、シックな葉色と相まって、スタイリッシュな雰囲気を醸し出します。
エケベリア属は種類が豊富で、丸みを帯びた葉を持つ優しい印象のものや、白い粉をまとったような清楚で美しいものなど、見た目、葉色、サイズもさまざまです。
そんなエケベリアが咲かせる花は、スズランをイメージさせるようなベル型をしています。ロゼッタ型の葉の間から茎を長く伸ばし、その先に黄色、赤色、オレンジ色などの鮮やかなベル型の花を咲かせ、華やかな色彩を楽しませてくれるでしょう。
セダム
果実を思わせるような、ぷっくりとした小さな葉を密集して茂らせるセダムは、多肉植物の代表的な人気品種です。セダムと言ってもその種類は非常に多く、葉色や葉姿が異なり、さまざまな雰囲気を楽しませてくれます。
その可愛らしいフォルムは、癒しの空間づくりにぴったりです。乾燥に強く、繁殖力が旺盛な特性を持つため、多肉植物初心者にも非常に育てやすい品種です。
そんなセダムが咲かせる花は、星形をしているのが特徴です。葉をグングン伸ばし、先端部分に蕾を付け、黄色や白色の可愛らしい星形の花を咲かせます。
クラッスラ
クラッスラは種類が豊富で、三角形のぷっくりした葉を交互に重ねてタワーのように伸びるものや、葉先にくぼみのある筒状の葉を持つもの、炎のような姿をしたものなど、さまざまなバリエーションを楽しむことができます。実は、観葉植物としてよく知られるカネノナルキも、このクラッスラに属する多肉植物の一つです。
そんなクラッスラは小花をまとまって咲かせるのが特徴です。葉の先端部分が伸び、その先にドーム型のように蕾を並べます。そして、白やピンクの可愛らしい小花が咲き、華やかな雰囲気を演出してくれますよ。
ハオルチア
ぷっくりと膨らんだ柔らかい葉の先端に透明な「窓」を持つハオルチアは、その美しい透明感が魅力的です。他の植物にはない独自の特徴を持ち、神秘的な雰囲気を楽しませてくれます。実は、ハオルチア属には硬い葉を持つ品種もあり、その姿はまったく異なりますが、どれもインテリア性の高いフォルムを持ちます。
そんなハオルチアは、細い花びらを持つ繊細で可憐な花を咲かせます。葉の間から茎を伸ばし、花が咲くのはその先端だけでなく、茎の節々にも花をつけるのが特徴的です。
アエオニウム
茎を伸ばし、その先に花のように葉をロゼッタ型に広げるアエオニウム。他の多肉植物とは異なるフォルムで、空間をおしゃれに演出します。背が高い品種が多いため、縦のラインを意識した空間づくりにおすすめです。
さらに、アエオニウムは生育期が他の多肉植物とは異なり、冬に育成期を迎えるのが特徴です。他の植物が休眠期に入る中で、その生き生きとした姿を楽しませてくれるでしょう。
そんなアエオニウムの花はとっても華やか。中心部から茎を伸ばし、その先に円錐形の配列で蕾を並べます。その蕾が開花すると、小花が咲きほこる華やかな姿を楽しませてくれます。
センペルビウム
センペルビウムは、花のように葉をロゼッタ型に広げる美しい多肉植物です。よく似た姿のエケベリアやアエオニウムもありますが、それぞれには異なる特徴があります。エケベリアは葉がぷっくりしているのに対し、センペルビウムは葉が薄くすっきりとした印象です。アエオニウムは冬型で丸みのある葉をつけるものが多いのに対し、センペルビウムは春秋型で先が尖った葉をつけるものが多いです。
そんなセンペルビウムは、伸ばした茎の先に野菊のようなかわいい花をいくつも咲かせます。その花に似つかわしくないおどろおどろしい茎とのギャップが魅力でもあるのです。
リトープス
リトープスは、まるで石が2つ並んでいるようなユニークな見た目が特徴の多肉植物で、オブジェのようなインテリア性の高いフォルムが魅力です。その中央にある割れ目から新芽を出して成長し、外側へ押し出された葉と合わさることで、4枚葉の独特なフォルムも楽しめます。
そんなリトープスは、うまく育てると葉の割れ目に蕾を付け、タンポポのような花を咲かせます。白のほか、ビビッドな黄色やピンク色などの花を咲かせ、トロピカルな雰囲気を演出してくれるのが特徴です。
コノフィツム
コノフィツムは、1本幹である点が大きな特徴で、ぷっくりと厚みのある葉を持ち、その中央が割れて新芽を出し、まるで脱皮するかのように成長する多肉植物です。そのフォルムは非常に多彩で、豆のように見える丸形や、ハートのようにも見える足袋型など、ユニークな形状のものばかりです。リトープスと同じメセン科の仲間で、個性的な多肉植物を育てたい時に、ぜひ注目してほしい品種です。
そんなコノフィツムは、葉の中央にできてくる割れ目に蕾をつけ、花を咲かせます。リトープスに比べると短い茎を持つものが多く、その先には細長い花びらを無数に広げる花を咲かせるのが特徴です。
ユーフォルビア
「大雲閣」と呼ばれる品種は、サボテンのような見た目をしていますが、刺座(しざ)はなく、ユーフォルビア属に属する多肉植物です。その堂々としたカッコよさと、枝分かれした葉がまるで腕をあげているかのようなチャーミングな印象が特徴。大きなものは、存在感のあるシンボルツリーとして活躍し、空間をおしゃれに彩ってくれます。
そんなユーフォルビア「大雲閣」も、花を咲かせる多肉植物です。葉のところどころにある凹凸に蕾をつけ、大輪の花を咲かせます。まるで花のコサージュをつけているかのような、可愛らしい雰囲気を楽しませてくれますよ。
ミルクブッシュ
細い枝をカクカクと広げるミルクブッシュは、視線を引き付けるインパクト抜群の多肉植物です。壁を背景に飾ると、まるで絵画を飾っているかのような雰囲気を演出し、空間全体をおしゃれに彩ってくれます。
そんなミルクブッシュは、茎の先端に黄色の小さな花を咲かせます。四方八方に伸びる茎の先に小花をつける姿は、とても可愛らしいものです。ほかの多肉植物に比べると、花をつける株に育てるのが難しいとされる品種ですが、開花を夢見て育ててみてはいかがでしょうか。
多肉植物の花が咲く時期とその特徴
多肉植物が花を咲かせるのは「開花期」です。この開花期は品種ごとに異なり、多肉植物全体に共通しているわけではありません。以下に育成タイプ別の開花期の目安を紹介しますので、参考にしてください。
生育タイプ | 生育期 | 開花期の目安 |
春秋型 | 春と秋によく育つ | 3月頃、11月頃 |
夏型 | 夏によく育つ | 5~6月頃 |
冬型 | 冬によく育つ | 11月頃 |
多肉植物が花を咲かせるのは、休眠期を終えて生育期に入る頃です。過酷な環境下を乗り越えた多肉植物は、休眠期明けを好機ととらえ、子孫を残すためにこの時期に花を咲かせると考えられています。
花を咲かせるための多肉植物育成条件
多肉植物が花を咲かせるためには、主に2つの条件があります。
- 元気な株に育てること
- 休眠期に厳しい環境を経験させること
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきましょう。
元気な株に育てること
多肉植物が花を咲かせるための条件の一つは、元気な株に育てることです。開花には多くのエネルギーが必要であり、株自体に十分なエネルギーが備わっていなければ、花芽を伸ばすことができません。さらに、たとえ花芽を伸ばしても、開花することなく終わってしまうこともあります。
元気な株に育てるためには、その品種に適した環境を整え、適切な方法で育ててあげることが重要です。以下に育て方についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
休眠期に厳しい環境を経験させること
もう一つの条件は、休眠期に厳しい環境を経験させることです。厳しい環境に置かれることで、多肉植物の子孫を残そうとするエネルギーが強まり、開花の準備を始めると考えられています。
休眠期の育て方で重要なのは、水やりです。ほぼ断水するか、1カ月に1~2回程度の水やりに抑えます。この方法はほとんどの品種に共通しますので、覚えておくとよいでしょう。また、休眠期の過剰な水やりは、根腐れや、冬の寒さでは凍結のリスクが高まる点でも注意が必要です。
多肉植物の花が咲く|元気な株に育てる育て方
多肉植物を元気に育て、花を咲かせるための基本的なポイントを紹介します。
- 日当たりのよい場所に置く
- 風通しのよい場所に置く
- 水やりは適切なタイミング・頻度・量を守る
- 肥料を与える
これらのポイントについて、詳しく解説していきます。
日当たりのよい場所に置く
多肉植物は多くは日光を好むため、日差しがしっかりと差し込む場所に置き、十分な日光浴をさせてあげましょう。ただし、夏場の強い直射日光は葉焼けの原因になり、強い西日もストレスを与える可能性があるため、レースのカーテンなどで日差しを調節してください。
一方、ハオルチア属やサンセベリア属など、強い日差しを得意としない品種もあります。多肉植物の多くは日当たりを好みますが、品種ごとの特性を理解し、適切な置き場所を選ぶことが大切です。
風通しのよい場所に置く
多肉植物にとって、風通しのよさは品種に関わらず欠かせない条件です。多肉植物は乾燥を好むタイプの植物で、ぷっくりと膨らんだ葉が密着したり重なりあったりするため、蒸れやすいという特徴があります。そのため、風通しのよい場所が必要です。
理想的なのは、窓辺に置き、外の風が流れ込む環境をつくることですが、窓を開けられない場合は、サーキュレーターなどで部屋の空気を循環させるのでもよいでしょう。
水やりは適切なタイミング・頻度・量を守る
水やりは、適切なタイミング、頻度、量を守ることが大切です。
まず、適切なタイミングと頻度については、生育期と休眠期で大きく異なります。品種ごとの育成期をよく確認し、以下の目安を参考にして水やりを行いましょう。
- 育成期:葉がシワシワになったら水を与える
- 休眠期:ほぼ断水、あるいは月に1~2回程度水を与える
水の量は、鉢底から流れ出るほどたっぷりと与えます。これは、生育期も休眠期も変わりません。ただし、夏は水がお湯にならないよう涼しい時間帯に、冬は水が凍結しないよう気温が高くなる時間帯に行うなど、水やりの時間帯には注意してください。
肥料を与える
多肉植物は肥料を与えなくても育ちますが、花を咲かせるためには肥料を与えるのがおすすめです。肥料には固形肥料と液体肥料の2種類があり、どちらを使用しても問題ありません。
- 固形肥料は年に1回与え、ゆっくりと長く効果が持続する
- 液体肥料は水やりのタイミングで与え、効果の即効性が期待できる
与えるタイミングや量については、基本的に使用する肥料の指示に従いましょう。また、植物の様子をよく観察し、必要に応じて調節することも大切です。
多肉植物の育て方に関して、詳しくは以下のページをご覧ください。
花が咲くと多肉植物は枯れる?花芽が出たときのケア方法
多肉植物は、花を咲かせる際に多くのエネルギーを消耗します。そのため、花を楽しむためには、株を弱らせないよう注意しながら育てることが大切です。以下に、花芽が出たときのケア方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- 茎を長く伸ばすタイプ:花が咲く前に摘みとり、花瓶に生けて楽しむ
- 茎がないタイプ:2日ほど美しい姿を楽しんだ後、摘みとる
- 複数の花芽や花がある場合:一部を摘みとって、数を減らす
花や茎を摘みとる際は、根元をしっかり持ち、優しく揺らすと簡単に取れることが多いです。取りづらい場合は、根元に少し茎を残し、枯れてきたタイミングで引き抜くか、カットしても問題ありません。
もし花の茎に葉がついている場合は、その葉を使って葉挿しに挑戦するのがおすすめです。うまく芽が出れば、かわいいサイズから新たに育てることができ、楽しみが広がります。
また、花芽や花を摘みとった後、株が弱っている場合は、肥料や活力剤を与えて元気を取り戻させてあげましょう。
花が咲く多肉植物の魅力
多肉植物には、開花期に花を咲かせる品種が多く存在します。花の形や色は品種によってさまざまで、ユニークな形状のものや、小さな花が密集して咲くもの、タンポポやスズラン、ガーベラのように見ごたえのある花を咲かせるものもあります。色合いも淡いパステルカラーから鮮やかなビビッドカラーまで幅広く、多肉植物は実に多彩な花を楽しめる魅力的な植物です。
あの独特なフォルムから花芽が伸び、どんな花を咲かせるのかを想像しながら育てるのも楽しいものです。多肉植物の神秘的な開花を、ぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。
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多肉植物の多くは花を咲かせます。そのユニークな姿に似つかわしくない美しい花を華やかに咲かせる様子を、ぜひ一度楽しんでみてはいかがでしょうか。また、不可思議な形で花芽を伸ばす成長過程も必見です。ここで紹介した人気品種から選び、花が咲く多肉植物の育成に挑戦してみてください。
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