胡蝶蘭をドライフラワーで楽しむ。作り方やアレンジ方法
お祝い事には欠かせない胡蝶蘭。
自分で自宅用として買い求めるよりも、贈り物としていただく機会が多いかもしれません。
ギフトとしてもらった胡蝶蘭は長く飾りたいものですが、植物である限りいずれ寿命を迎えてしまいます。
そんなときにおすすめしたいのが、胡蝶蘭をドライフラワーにする方法です。
今回は、胡蝶蘭を使ったドライフラワーの作り方や、アレンジでの楽しみ方をご紹介します。
胡蝶蘭はドライフラワーにできる?
ドライフラワーの胡蝶蘭と言われると、他のお花に比べてあまり馴染みがありませんよね。
見かける機会も少なく、胡蝶蘭ってドライフラワーにできるの?と疑問に思われる方もいるでしょう。
そんな疑問のとおり、胡蝶蘭はドライフラワーとして作るには、やや難しいお花です。
ですが、お花に合った方法やドライフラワー向きの種類を選んで工夫すれば、胡蝶蘭でも立派なドライフラワーが作れます。
胡蝶蘭のドライフラワーが難しい理由
胡蝶蘭でドライフラワーを作るのが難しい理由として、花びらが厚いために乾燥に時間がかかる点が挙げられます。
作る方法によっては、美しい白色の花びらがだんだんと黒ずみ、散ってしまいます。
また、一般的にドライフラワーとして向いている花のように花びらの枚数が多くなく、枚数も少ないのも胡蝶蘭がドライフラワー向きではない理由です。
ドライフラワー向きの胡蝶蘭の種類
胡蝶蘭のドライフラワーを作るのは難しいとお話ししましたが、作りやすい種類を選ぶことで、きれいなドライフラワーを作ることができます。
次は、胡蝶蘭の中でもドライフラワー向きの種類をお伝えしていきます。
花色が濃い胡蝶蘭を選ぼう
花びらの色が濃い胡蝶蘭を選ぶと、生きたお花に近い、きれいな色が残ります。
・ココ
・ローレンス
・スイートダイヤモンド
中でもこの3種類の胡蝶蘭は、ドライフラワー向きの濃い花色の胡蝶蘭です。
ドライフラワーに不向きな種類
胡蝶蘭をドライフラワーにするには、濃い花色の種類が向いているので、反対に淡い色合いの種類は向いていません。
・ゴールデンストライプ
・ブルートゥインクル
・タイダスマイル
これらの胡蝶蘭は淡い色合いの種類で、ドライフラワーにするとせっかくのきれいな白色がくすんだり黒ずんだりしてしまいます。
タイダスマイルは、比較的きれいな状態でドライフラワーにできますが、タイダスマイル特有の美しいライムイエロー色は、くすんで生成り色になってしまいます。
この色褪せた変化がドライフラワーの味わい方や楽しみ方ではあるのですが、美しくきれいな色合いで残しておきたい場合には不向きとなります。
手頃なサイズ感を選ぶ
胡蝶蘭には、一輪の花の大きさで見て、サイズを3種類に分けられます。
大輪 約11〜15cm以上
中輪 約3〜6cm
小輪 約2〜4cm
大輪の胡蝶蘭をドライフラワーにするにはちょっと大変…というときは、手頃なサイズ感である中輪サイズの胡蝶蘭を選んでみてはいかがでしょうか。
ご自宅に飾るにも大きすぎませんし、テーブルや棚の上にも気軽に置けるサイズです。
胡蝶蘭の豪華さや華やかさも失わず、ちょうどよくインテリアとして楽しめますよ。
ドライフラワーとして作るにも、扱いやすい花の大きさの中輪サイズがおすすめです。
胡蝶蘭のドライフラワーの作り方
それでは、実際に胡蝶蘭をドライフラワーにするには、どのように作れば良いでしょうか。
まず、ドライフラワーを作る基本的な方法は、大きく分けて3種類あります。
①ハンギング法
②シリカゲル法
③ドライ・イン・ウォーター法
胡蝶蘭のように花びらに厚みがあり、水分を乾燥させるまでに時間がかかるお花は、シリカゲル法が最も適した作り方となります。
いちばんおすすめ!シリカゲル法
まずは、いちばんおすすめしたいシリカゲル法での作り方をご紹介します。
シリカゲルは、お菓子などの袋の中によく入っていてお馴染みですよね。乾燥剤にも使われるシリカゲルを使ってドライフラワーを作る方法です。
シリカゲルの優れた吸湿性を利用して、花に含まれている水分を吸わせます。
シリカゲル法がおすすめな理由
おすすめする理由としては、お花のきれいな色を残して保存できる点です。
他の2つの方法では、花びらの色が黒ずんだり、花びらがぼろぼろと落ちてしまったりしますが、シリカゲル法を使えば、胡蝶蘭を良い状態でドライフラワーにできます。
特別、揃えるのが難しい器具などを使わなくても作業に取り掛かれるのもおすすめです。
また、使用したシリカゲルは、フライパンで炒めて水分を飛ばせば、もう一度利用することができるので経済的でもあります。
準備するもの
・ドライフラワーにする胡蝶蘭
・シリカゲル(ドライフラワー専用)
・タッパー(胡蝶蘭が収まるサイズ)
・スプーン
・ハサミ
シリカゲルは、ドライフラワー専用のものを使用してください。
食品などの乾燥に使われるシリカゲルだと、粒が大きいためドライフラワー作りに向いていません。
せっかく作っても、シリカゲルの粒の跡が花びらに残ってしまう恐れがあります。
ドライフラワー専用のシリカゲルは粉末状になっており、花びらの間に入りやすい形状で、隅々まで入り込んでくれるので、水分が抜けても花の形を美しく保てますよ。
①シリカゲルを敷く
まずは、タッパーなどの蓋が付いている入れ物に、容器3分の1ぐらいまでシリカゲルを入れます。
胡蝶蘭を置く位置に浅く穴を作り、その穴に胡蝶蘭を入れましょう。
②胡蝶蘭を置いてシリカゲルをかける
胡蝶蘭の上に、少しずつシリカゲルを足していきます。
このとき、花びらの隙間をくまなく埋めるようにシリカゲルをかけるのが、美しい形を保てるポイントです。
シリカゲルがかかっていない部分や、花びらが飛び出していると、花びらがうまく乾燥してくれませんので、まんべんなく埋めるよう注意してください。
③しばらく放置
胡蝶蘭が隠れるまでたっぷりシリカゲルで覆ったら、蓋をしっかり閉めます。
そのまま1週間ほど置いておきましょう。
④胡蝶蘭を取り出す
1週間ほど経ったら、完成した胡蝶蘭を慎重に取り出します。
ドライフラワーになった胡蝶蘭は、花びらがぱりぱりとしていて、とても壊れやすくなっています。
取り出すときに花びらが折れないよう、丁寧に扱ってくださいね。
シリカゲルを再利用しよう
使用前のシリカゲルは、だいたい青色をしています。
水分を吸収させると、色が青からピンクっぽい色に変化します。
シリカゲルをもう一度使うには、フライパンや鍋などで炒めるように混ぜましょう。
青色に戻ってくると、再利用できるサインです。
およそ5~10分ほどで青色に戻ります。
ただし、何度も繰り返し使用していると、水分の吸収力が落ちてしまいます。
きれいな色の美しいドライフラワーを作るコツは、水分を早く乾燥させること。
吸水力が高いシリカゲルを使うことで、きれいなドライフラワーを作れますので、再利用の回数もほどほどが良さそうです。
ドライ・イン・ウォーター法
続いて、2つ目の方法である「ドライ・イン・ウォーター法」です。
これは、ドライフラワーにしたいお花を、花器などに少しだけ水を入れて挿して、徐々に水分を飛ばしていく方法になります。
シリカゲル法と違い、乾燥剤を用意せず、いつでも手軽に試せる方法です。
難点としては、シリカゲル法に比べてかなりの時間が必要な点です。
さらに、きれいな花の色が黒ずみ、ぼろぼろと散ってしまうこともあるので、胡蝶蘭に適した方法ではありません。
この方法は曲がった茎のお花だと失敗する確率が上がります。
真っすぐした茎のお花でチャレンジしましょう。
ハンギング法
3つ目の作り方は、「ハンギング法」です。
お花を逆さに吊るして放置するだけで、いちばんオーソドックスな方法として知られているのではないでしょうか。
このハンギング法も、ドライ・イン・ウォーター法と同じく、胡蝶蘭向きの方法とは言えません。
胡蝶蘭をハンギング法でドライフラワーにすると、花の色が悪くなって黒ずみ、水分が抜けることで花茎が弱くなり、花びらが散ってしまいます。
ハンギング法は、もともと乾燥気質のお花で作るのに適した方法です。
例を挙げると、スターチス、ユーカリなどは元からカサカサとした手触りですよね。
春を告げてくれるミモザや、ふわふわとした手触りのフランネルフラワ―も、乾きやすいためハンギング法向きのお花です。
胡蝶蘭を美しいドライフラワーにしたい場合は、シリカゲル法を使って作りましょう。
ドライフラワーを長く楽しむコツ
手間をかけてきれいな色のままドライフラワーを作っても、時間の経過によってだんだんと色褪せてしまうものです。
ドライフラワーを長く楽しむには、置き場所や飾り方に気を付けてあげましょう。
湿気が多い場所を避ける
ドライフラワーは、乾燥した状態だと長持ちします。
浴室などの湿気が多い場所や、よく水を使うキッチンや洗面所などは、ドライフラワーが湿気を吸収するので長持ちしません。
風通しが良く、なるべく乾いた場所に飾りましょう。
直射日光を避ける
もともと褪せた色合いであるドライフラワーですが、日光により褪色がさらに進んでしまいます。
飾る際には直射日光を避けた場所を選んで飾り、色を長く保ちましょう。
楽しむのは数ヶ月
シリカゲル法などで鮮やかな色合いのドライフラワーに仕上げても、時間が経つにつれて色褪せてしまいます。
色鮮やかで美しいドライフラワーを楽しめるのは、数ヶ月が限度でしょう。
ただし、ハンギング法などで茶色やクリーム色に褪せさせたドライフラワーでしたら、半永久的に楽しむことができますよ。
ドライフラワーの胡蝶蘭をアレンジしよう
胡蝶蘭はもともと水持ちが良く、お世話の手間もかからないお花ですが、ドライフラワーにすることで水やりを気にせずにお花を楽しめます。
例えばハンドメイドに使ったり、鉢植えのままでは飾れない場所に飾ったり…胡蝶蘭のドライフラワーを、雑貨やインテリア品として、楽しくおしゃれに飾りましょう。
ハーバリウムにしよう
手軽に飾れて幻想的なハーバリウムは、インテリア雑貨として人気の高いアイテムです。
用意するものは、瓶とオイルとドライフラワーだけ。
オイルは、着色料などが溶け出しにくい、シリコン系のハーバリウムオイルを使うのがおすすめです。
瓶の中で揺らめく花は幻想的で、生花とは全く違った楽しみ方ができます。
難しい作業がなく、ささっと短時間で手作りできるのも嬉しいですよね。
コサージュにしよう
生花のコサージュも素敵ですが、ドライフラワーにすることでもっと使い心地が良くなり、自由度が上がりますよ。
胡蝶蘭は、ドライフラワーにすることで茎が脆くなります。
茎は切り落として、茎の代わりに細いワイヤ―でワイヤリングしましょう。
ワイヤーは半分に折り曲げて、折り目を上にします。
一方を茎の軸として沿わせて固定し、もう一方のワイヤーをくるくる巻き付けます。
巻き終えたワイヤーには、テープを巻いておきましょう。
リースにしよう
他の花材やドライフラワーを使って、小さなリースを作ってみるのはいかがでしょうか。
この場合も、胡蝶蘭をワイヤリングしておくと作りやすくなります。
用意するものは、リース土台、グルーガンやグルースティックと、リース作りの花材です。
リース土台やグルーガンなどは、100円ショップでも購入できます。
デザインを先に作り、最後の仕上げとして主役に胡蝶蘭を飾るのもいいですね。
ボックスに入れて楽しもう
標本のようにボックスに入れて楽しむのもおすすめです。
ボックスなら、壁掛けでも平置きでもお洒落に楽しむことができます。
お好きな箱に、ドライフラワーを入れるだけで完成しますので、手軽です。胡蝶蘭の他にも、バラやカスミソウなどのドライフラワーを入れると、華やかなものになります。
蓋が透明なものを選び、リボンなどでギフトボックス風に飾るのもかわいいですよ。
胡蝶蘭はプリザーブドフラワーでも楽しめる
胡蝶蘭は、プリザーブドフラワーとしても楽しむことができます。
プリザーブドフラワーとは、生花を特殊な薬液で加工し、生花のみずみずしい美しさを閉じ込めたまま楽しめるお花です。
Preserved(プリザーブド)は「保存する」という意味で、プリザーブドフラワーは「長期保存できる花」という意味になります。
その名のとおり、生花やドライフラワーとは一味違った魅力を、年単位で楽しめますよ。
もちろん、水やりなどは不要になります。
思い出のお花は、プリザーブドフラワーにして、当時のまま美しく保存するのもおすすめです。
ドライフラワーにするのが手間なら、押し花にしても◎
ドライフラワーのほかに、胡蝶蘭を長く楽しむためには、押し花にする方法もあります。
傷んでいないきれいな胡蝶蘭を茎から切り離したら、花びらを分解し、パーツごとに分けます。
花びら同士が重ならないようにティッシュの上に並べ、その上から書道で使う半紙を置きます。次に新聞紙で包み、本などを上に置きます。
新聞紙をたまに取り換えて、1週間程度乾燥させます。乾燥が甘いと、花びらが変色してしまいますので、確実に乾燥させたい場合は1ヶ月程度重石や本を置いておきましょう。
完成した胡蝶蘭の押し花は、写真立てなどに入れて飾ったり、ラミネートして栞にして楽しむことができます。
また、押し花にした花を型にいれてレジンを入れて硬化させることで、アクセサリーやキーホルダーにしてみてもかわいいですよ。
押し花にした後の胡蝶蘭は、かなり繊細ですので、ピンセットなどを使って丁寧に外しましょう。
ドライフラワー用の胡蝶蘭はプレミアガーデンがおすすめ
プレミアガーデンでは、花の大きさや株の数など、さまざまな色や種類の胡蝶蘭を、幅広く取り揃えております。
また、仕入れルートなどの工夫により、高品質な胡蝶蘭をリーズナブルにご提供しております。
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胡蝶蘭はもちろんのこと、花束、アレンジメントフラワー、観葉植物なども幅広く取り扱っております。
ドライフラワー商品のラインナップもございますので、お家に飾るインテリアとしてぜひお買い求めくださいませ。
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まとめ
今回は、胡蝶蘭をドライフラワーにする方法や、その楽しみ方についてお伝えしました。
胡蝶蘭は、ドライフラワー作りには難しいお花ですが、適した方法で作れば美しいドライフラワーになります。
作った胡蝶蘭のドライフラワーは、アクセサリーやインテリア雑貨としてハンドメイドに使うのもおすすめです。
色褪せていく様子もドライフラワー鑑賞の醍醐味ですが、美しく作ったドライフラワーでみずみずしい生花の余韻を楽しみつつ、ぜひ最後まで胡蝶蘭を愛でてみてくださいね。