胡蝶の空中栽培のはじめ方・管理方法をご紹介

生花や贈り物、さらに園芸品種としても高い人気を誇る胡蝶蘭。

その花の高貴な姿や、開花してから非常に長持ちするという特性から、大変重宝され愛されてきた花の一つです。

そんな胡蝶蘭には、空中栽培と呼ばれる育て方ができることをご存知でしょうか。

胡蝶蘭の特性を活かした、ユニークでおしゃれな栽培方法です。

今回は、胡蝶蘭と空中栽培の基本的な情報や、胡蝶蘭の空中栽培のはじめ方、管理方法まで紹介します。はじめての方でも、基本を押さえておけば空中栽培は難しくありません。

胡蝶蘭について

まずは胡蝶蘭について基本的な情報をお伝えしていきます。

生花や贈り物では、定番の種類として広く親しまれている胡蝶蘭ですが、実際はどんな植物なのでしょうか。

まずは、胡蝶蘭という植物について、名前や生息する地域などを切り口にして詳しく解説します。

胡蝶蘭はどんな植物？

胡蝶蘭はファレノプシス属（Phalaenopsis）に属する蘭を指す名前です。ファレノプシス属の中でも、ファレノプシス・アフロディテ（Phalaenopsis ahprodite）やファレノプシス・アマビリス（Phalaenopsis amabilis）は代表的な種類で、これらの種の蝶々のような形状の大きな花にちなんで、胡蝶蘭という和名がつけられたようです。

ファレノプシス属は、インドネシアやフィリピンを中心に多様な種類が生息しており、それらを交配した品種も栽培用として出回っています。

胡蝶蘭はどこから来た植物？

上述の通り、インドネシアやフィリピンで多様化しているファレノプシス属ですが、中国南部・ニューギニア・オーストラリアのクイーンズランド州など、極めて広域に分布しています。ファレノプシス属は多くの種類が着生蘭といわれており、土壌に根を張るのではなく、樹木や岩肌などの表面に根を伸ばし張りつくようにして生育しています。

こうした生態は、ファレノプシス属が比較的乾燥に強く、運搬が容易であることを示しており、エキゾチックな熱帯園芸植物として世界中に広まるのを後押ししました。

現在私たちの身の回りに胡蝶蘭がたくさん出回っているのも、花の美しさという理由のみでなく、胡蝶蘭の生態が栽培や運搬に適していたからであるともいえるのです。

また、胡蝶蘭が着生蘭であることは、空中栽培を容易にしていることでもわかります。

空中栽培について

胡蝶蘭についての基本的な情報について紹介してきました。ここでは、空中栽培とはどんなものかについて、簡単にお伝えしていきます。胡蝶蘭が空中栽培に向いている理由と、胡蝶蘭を空中栽培するメリットについても触れていきます。

空中栽培とは？

空中栽培というと、はじめて耳にする方には不思議な言葉に聞こえるかもしれません。

空中栽培にもいくつかの方法がありますが、最もよく知られているものは、鉢を空中に吊り下げ、つる植物などを垂れ下がるように栽培する方法です。

トマトなどの野菜に用いるのも人気があり、吊り下げた鉢の下方から芽が出るように苗を植えて育てる独特な姿が目を引きます。

これらの方法は、主に土に根を張る植物を空中栽培する方法ですが、着生植物（樹皮や岩肌などに張りつくように生育する植物）を空中栽培する方法も、愛好家を中心に親しまれています。

胡蝶蘭をはじめとする着生蘭はもちろん、観葉植物として人気のビカクシダやチランジア（エアプランツとも呼ばれる）などの着生植物は、空中栽培に適した性質を持っているといえます。

胡蝶蘭は空中栽培に向いている？

胡蝶蘭をはじめとする着生植物は空中栽培に向いているのでしょうか。

すでに紹介した通り、着生植物は木や岩などの表面に張りつくように根を伸ばして生育します。

そうした環境に適応した着生植物は、根回りの乾燥に強く、通気の良い場所を好む傾向があります。

空中栽培では、植物を吊り下げて栽培するため、大量の土を使うことはできず、さらに鉢の中は乾燥しやすくなります。

このような空中栽培の特徴は、一般的な植物にはデメリットになる場合がありますが、胡蝶蘭などの着生植物にはむしろ良い環境を提供できる要素になります。

胡蝶蘭を空中栽培するメリットは？

胡蝶蘭を空中栽培するメリットについて、少し具体的に見ていきましょう。胡蝶蘭栽培の失敗で最も多い原因は、根回りの水分過多による根腐れです。

そのため、胡蝶蘭を育てるうえでは、鉢の内部の通気性を確保することが重要です。このような通気性の確保のために、空中栽培は最も適した方法の一つです。

鉢を吊り下げるため、鉢を置く場合と比較して鉢内の通気性を大幅に向上させることが可能なのです。

なお、空中栽培の方法によっては、根を目視で観察できるようになるため、根腐れがないか視覚的にチェックすることもできます。また、鑑賞の面でもいくつかの良い効果が期待できます。

空中栽培をすることで、着生植物としての本来の姿に近い様子を観察できることや、空中栽培特有の独特なフォルムを楽しむことができます。

胡蝶蘭の新しい魅力的な側面を鑑賞できるということから、胡蝶蘭栽培に慣れた方にも、ぜひ一度試してもらいたい方法です。

胡蝶蘭を空中栽培する方法

 

ここでは、胡蝶蘭の空中栽培の方法について解説していきます。空中栽培をするにあたって用意するものと、はじめ方に焦点を合わせてお話していきます。

用意するもの

胡蝶蘭の空中栽培では、個々人の工夫によってさまざまな方法が可能になりますが、ここでは最も手軽な方法の一つとして、ハンギング用のバスケット（植物を空中に吊り下げて育てるためのカゴ状の道具）を使用する方法を紹介します。

ここから紹介する方法は、胡蝶蘭の植え替えを伴いますので、植え替えに適した時期（春頃、花の終わった時期）に行うことをおすすめします。

用意するものは、ハンギング用のバスケット、水苔、そして胡蝶蘭の苗です。ハンギング用のバスケットは、お好みの形状のものを選んで構いませんが、洋蘭用もの、小さな木材の棒を格子状に組んだチークバスケットと呼ばれるもの、そしてビカクシダ用のものなどが適しています。

水苔は、あらかじめ水に浸けて水分を吸わせておきます。また、バスケットを吊り下げるための紐や針金なども必要に応じて準備しましょう。

空中栽培のはじめ方

必要なものが揃ったら、空中栽培をはじめてみましょう。まずは、胡蝶蘭を植えてある鉢から抜き出し、古い植え込み材をできるだけ取り除きます。

このとき、枯れていたり腐っている根は取り除きますが、生きている根を傷つけないように注意しましょう。

古い植え込み材が水苔である場合は、なるべく取り除くのが望ましいですが、バークである場合は無理に取り除かなくても構いません。

次に、株だけにした胡蝶蘭の根の間に、水を絞った水苔を少量詰め込みます。それから、バスケットに入れ込み、株がぐらつかない位置で固定します。

このとき、水を絞った水苔を株の周りに少量追加して、株を安定させても良いでしょう。

長い根は、無理にバスケット内に収めようとしなくてもよく、バスケットからはみ出ていても構いません。

そして、暖かくて通気の良い、直射日光の当たらない場所に吊り下げれば、胡蝶蘭の空中栽培のはじまりです。

一工夫でよりユニークな空中栽培に

今回は、ハンギング用のバスケットを用いた方法を紹介しましたが、別の素材を使って一風変わった空中栽培を楽しむことも可能です。

たとえば、バスケットの代わりにヘゴ・コルク・流木などの自然素材を用いて自然あふれる姿にすることも可能ですし、マメな管理ができる人ならば、こうした素材や水苔を用いずに、胡蝶蘭の株のみを吊り下げて栽培することもできます。

慣れてきたら、こうしたさまざまな工夫をこらしてみるのも、さらに世界が広がって面白いですね。

胡蝶蘭の空中栽培の管理方法は？

胡蝶蘭の空中栽培のはじめ方を紹介してきました。ここからは、日頃の管理方法についてお伝えしていきましょう。

空中栽培は、鉢を置いて栽培する方法よりも、少々こまめに世話をすることが求められる栽培方法です。しかし、特に難しいテクニックは必要なく、マメに様子を見ていれば大丈夫です。

置き場所

胡蝶蘭が好むのは、暖かくて風通しが良く、空気が乾きすぎない、直射日光の当たらない場所です。

おすすめなのは、レースのカーテン越し程度のやわらかい光の当たる窓辺などでしょう。

ただし、エアコンや暖房器具などの付近は空気が乾燥しすぎてしまう傾向にあるため、避けたほうが無難です。

湿度が足りず、胡蝶蘭の根や葉にシワが寄ってきてしまうようであれば、葉水（霧吹きなどで葉の表面に水を吹きかけること。空気の乾燥に弱い植物を育てる際に有効）をこまめにしてやるようにします。

水やり

基本的に水やりは、こまめに霧吹きなどで水をかけるようにします。野外で栽培している場合は、ホースなどで水をかけてあげても良いでしょう。

すでに述べたように、空中栽培では胡蝶蘭の天敵である根腐れは発生しにくくなりますが、一方で、しばしば乾燥しすぎて葉にシワが寄ってしまうことがあります。毎日注意深く観察し、水やりが十分か常に確認するようにしましょう。

肥料

空中栽培で胡蝶蘭が調子良く生育してくるようになってきたら、肥料を与えてみると良いでしょう。

肥料は胡蝶蘭の成長期（花が終わった後、５月から９月頃）に、少量ずつ様子を見ながら与えていきます。

肥料の与え方は、通常の育て方と同じような要領で問題ありませんが、空中栽培の方法によっては、肥料の種類に注意しなければならないことがあります。たとえば、ヘゴ・コルク・流木などの自然素材を用いた栽培方法では、固形肥料を置く場所がないため、液体肥料のほうが適しているということになります。

胡蝶蘭のおすすめの購入先は？

胡蝶蘭は、栽培するためにも贈り物にするにも、状態の良い株を入手できるかどうかが大切になります。良質な株を手に入れることができれば初心者の方でも容易に栽培をはじめられますし、贈り物にする場合にはやはり高品質な胡蝶蘭の花が求められます。

そのため、こだわりを持って良質な株を仕入れて販売している業者や販売店を見つけることがポイントです。

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注文の仕方もシンプルで、ホームページの商品写真からお好みの商品を探していただき、「オーダー」をクリックし、お届け先等の情報を入力していただくだけでOKです。お支払いはクレジットカードと銀行振込に対応しており、お好みの方法をお選びいただけます。

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なお、さらに個性的で思い出に残る贈り物にしたい場合にも最適な、お客様自作の立て札や装飾物をフラワーギフトに盛り込むオプションも提供しております。

また、前日の15:00までの注文で、翌日配送も可能ですので、お急ぎのフラワーギフトの対応も可能で、お祝い先に直接配送することもできます。

 

胡蝶蘭の購入はプレミアガーデンで

 

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まとめ

今回は、胡蝶蘭の空中栽培という一風変わった楽しみ方を、基本・はじめ方・管理方法を中心に紹介しました。

空中栽培は、マメな管理が求められるということ以外は特に難しい点もなく、工夫次第で胡蝶蘭をお好みの姿で鑑賞できるようになり、初心者の方から栽培に慣れている方まで幅広い層におすすめできる栽培方法です。

この記事をきっかけに、胡蝶蘭の違った楽しみ方と、胡蝶蘭栽培の奥深さを知ってくださいね。