お祝いに胡蝶蘭を贈るときのマナーは?立札や本数などをシーン別に紹介

大切な取引先やお世話になっている方へのお祝いには、豪華で格式ある胡蝶蘭がよく選ばれます。しかし、贈る場面によっては気をつけたいマナーがあり、せっかくのお祝いが誤解を招かないように本数や花色といった基本のルールを知っておくことが大切です。

本記事では、胡蝶蘭の基本情報をはじめ、選ばれる理由や贈る際に押さえておきたいマナーなどを紹介します。

胡蝶蘭の特徴

胡蝶蘭は、熱帯が主な原産地のラン科の花です。花が咲いている様子が蝶が舞っているように見えることから、その名がつけられたといわれています。

胡蝶蘭の花言葉は「幸せが飛んでくる」といった意味合いがあり、縁起が良い花としてお祝いのシーンで活躍しています。

胡蝶蘭の色は、定番の白の他にもピンクや黄色、珍しいものだと青の胡蝶蘭も存在しており、シチュエーションに応じて選ぶことが可能です。

また、花の大きさで呼び方が異なり、花びらの大きさが10~15cmほどある大ぶりの胡蝶蘭は「大輪」、花びらの大きさが6~9cmほどの小ぶりの胡蝶蘭は「ミディ」と呼ばれています。熱帯地方で育った胡蝶蘭は暑さには強いですが、寒さには弱い性質があるので、気温が下がる冬場の管理には注意が必要です。

胡蝶蘭がお祝いに選ばれる理由

年齢や男女を問わず、さまざまなお祝いのシーンで目にすることが多い胡蝶蘭ですが、なぜこれほどお祝いの場で選ばれるのかと気になる方は多いのではないでしょうか。

ここでは、お祝いのシーンで胡蝶蘭が多く用いられている理由について詳しく見ていきましょう。

花持ちが良い

胡蝶蘭が贈り物として選ばれる大きな理由の一つに、花持ちの良さがあります。胡蝶蘭は生命力が高く、一度咲き始めると約1~3ヶ月はそのままの状態を保ちます。

また、花そのものがしっかりとしているため、すぐに花が落ちてしまう心配も少ない特徴があります。贈られたときの華やかな印象を長く維持できるため、贈る側にとっても安心して選べる花といえるでしょう。

縁起が良い

胡蝶蘭はその優雅で気品ある佇まいから特別感が際立つ花ですが、「幸福が飛んでくる」という花言葉を持つことでも知られています。蝶が舞うような花姿に由来するこの言葉は、新たな門出や大切な節目を迎える相手への贈り物として縁起が良く、どのようなシーンにもふさわしい意味合いを添えてくれます。

贈る側の「幸せが訪れますように」という気持ちが伝わり、受け取る側もそのあたたかな願いを感じ取れる点が胡蝶蘭ならではの魅力といえるでしょう。

時期を選ばない

胡蝶蘭は東南アジアなどの亜熱帯地域を原産とする花で、かつては限られた地域で温室栽培される貴重な存在でした。

しかし、バイオ技術の進歩により国内でも安定した生産が可能になり、現在では日本各地の農家が一年を通して高品質な胡蝶蘭を育てています。そのため、季節に左右されることなく、フラワーショップやオンラインショップでいつでも入手できる点も大きな魅力です。

開店祝いや移転祝い、就任祝いなど、お祝いのタイミングは人それぞれですが、必要なときに確実に用意できる安心感が、胡蝶蘭が贈り物として選ばれ続ける理由の一つといえます。

お世話の手間がかからない

胡蝶蘭は手入れにそれほど手間がかからず、花の扱いになれていない人でも管理しやすいといわれています。過ごしやすい温度の室内に置き、週に1~2回水やりをするだけでも花が長持ちします。

水やりをするタイミングは、土やミズゴケが乾いているときが最適です。寒さには弱い傾向がありますが、室内であればそれほど気にする必要はありません。お世話が簡単な胡蝶蘭は、贈り先の負担にもならないといった点でも喜ばれています。

花粉や香りが少ない

胡蝶蘭がさまざまなお祝いに選ばれる理由の一つに、花粉や香りが控えめである点が挙げられます。胡蝶蘭の花粉は粉状ではなく「花粉塊(かふんかい)」という固まりになっているので周囲に散りにくく、床や商品を汚す心配がほとんどありません。

また、香りがほとんどないことから飲食店や医療機関など、強い香りが敬遠される場所へのお祝いにも適しています。開店祝いや開業祝いでは多くの花が一度に届くため、香りが混ざってしまうと負担になる場合もありますが、胡蝶蘭ならそうした心配もありません。

胡蝶蘭の周囲に気を配りながら華やかさを添えられる点が、贈り物として高く評価されている理由といえるでしょう。

胡蝶蘭が贈られるシーンとマナー

胡蝶蘭はさまざまなお祝いのシーンで多く選ばれていますが、それぞれの場面で胡蝶蘭を贈るときのマナーや注意点が異なります。贈り方を間違えると贈り先に失礼になってしまうこともあるため、事前によく確認しておくと安心です。

ここでは、胡蝶蘭が贈られることの多いシーン別に、マナーや注意点について解説します。

開店・開業祝い

開店祝いや開業祝いでは、店舗の門出を華やかに彩る胡蝶蘭が定番の贈り物として選ばれています。

開店当日はお祝い花が店頭に並ぶため、胡蝶蘭は装飾としてだけでなく「お店がオープンした」ということを周囲に知らせ、来店を促す効果も期待できます。そのため、贈るタイミングは前日もしくは当日の午前中が一般的です。

ただし、胡蝶蘭を贈る際は本数にも配慮が必要です。お祝いの場では割り切れる数字は縁起が悪いとされるため、3本立てや5本立てといった奇数の本数を選ぶのがマナーとされています。さらに、赤い色味を含む胡蝶蘭は「火事」や「赤字」を連想させるため、開業祝いでは避けるのが無難です。

昇進・就任祝い

胡蝶蘭は上品で格式があり、ビジネスシーンでの贈り物としてもふさわしい花です。お世話になった方の昇進や大切な取引先の社長・役員就任といった出来事は、その方のキャリアにとって大きな節目となるため、心を込めた祝意を伝える贈り物が求められます。そうした場面で、胡蝶蘭の持つ品格や存在感は、相手への敬意をしっかりと表現してくれます。

お祝い花は基本的に遅れないように贈るのがマナーですが、就任祝いの場合は特に注意が必要です。就任日より前に届けてしまうとまだ前任者が在籍している場合があり、失礼にあたる可能性があります。そのため、就任祝いの胡蝶蘭は就任日当日に届くよう手配するのが最も適切です。

上場祝い

大切な取引先や関係企業が上場を果たした際に贈られる上場祝いにも、その場にふさわしい華やかさと品格を兼ね備えた胡蝶蘭がよく選ばれます。企業にとって上場は大きな飛躍の節目であり、その成功を称える象徴として胡蝶蘭の存在感は非常にふさわしいものです。

上場祝いを贈るタイミングは、原則として上場当日が望ましいとされています。ただし、ホテルや式典会場で記念セレモニーが行われる場合は、当日の受け取りが難しいこともあるため、前日までに会場へ届くよう調整する必要があります。

また、上場という大きな節目にふさわしくなるよう、サイズや本数にも気を配ると良いでしょう。存在感のある3本立て以上の胡蝶蘭を選ぶことで祝意がより丁寧に伝わり、会場全体の雰囲気も一層引き立ちます。

新築・引っ越し祝い

胡蝶蘭はビジネスシーンで贈られるイメージが強い花ですが、プライベートのお祝いでも喜ばれる贈り物です。特に新築祝いや引っ越し祝いでは、華やかで存在感のある胡蝶蘭が空間を上品に彩り、新生活のスタートを明るく祝ってくれます。

また、鉢植えには「根を張る」という意味合いがあり、家庭運や安定を象徴する縁起物として親しまれています。そのため、家族の門出を祝いたい場面に胡蝶蘭は非常に相性が良い贈り物です。

届けるタイミングに厳密な決まりはありませんが、引っ越し直後は慌ただしいことも多いため、生活が落ち着き始める1~2週間後に贈ると受け取る側の負担になりにくいでしょう。

色に関しては、どの住まいやインテリアにも調和しやすい白を選ぶのがおすすめです。清潔感があり、空間の雰囲気を損なうことなく飾れるため、多くの家庭で好まれる定番の色です。

還暦祝い・古希祝い

大切な家族が還暦や古希といった節目を迎える際には、「これからも元気に過ごしてほしい」という気持ちを込めて胡蝶蘭を贈る方も多くいます。気品がありながら華やぎを添えてくれる胡蝶蘭は、長寿のお祝いにふさわしい贈り物です。

ただし、年齢にまつわるお祝いは受け取る方の性格によっては「年寄り扱いされた」と感じさせてしまう可能性もあります。心配な場合は、事前に軽く意向を伺っておくとより気持ち良く受け取ってもらえるでしょう。

贈るタイミングは誕生日当日、または親族や友人が集まりお祝いをする日の前後が一般的です。色合いは、お祝いの場に飾りやすい白の胡蝶蘭が幅広い年代に好まれます。一方、女性には明るい印象を添えるピンク系の胡蝶蘭も人気があり、節目の記念日をよりあたたかく彩ってくれるはずです。

母の日・父の日

母の日や父の日には、日ごろの感謝を込めて花を贈る方が多く見られます。母の日といえばカーネーションの印象が強いものの、毎年同じ贈り物になりやすいという声もあります。そんなときは、趣向を変えて胡蝶蘭を選んでみるのも素敵な方法です。

胡蝶蘭は手入れの負担が少なく、比較的長く花を楽しめるため、両親にも喜ばれやすい贈り物です。華やかでありながら落ち着きのある佇まいは感謝の気持ちを丁寧に伝え、特別感を添えたいときにもぴったりです。

サイズに関しては、家庭に飾りやすいミディサイズの胡蝶蘭がおすすめです。リビングや玄関など日常の空間にも自然になじみ、毎日の暮らしの中でさりげなく彩りを添えてくれるでしょう。

お悔やみ・お供え

胡蝶蘭はお祝いだけでなく、お悔やみやお供えの場面でも選ばれる花です。清らかで凛とした佇まいは、故人を偲ぶ気持ちを静かに表現してくれます。

お悔やみとして贈る場合は白い胡蝶蘭が基本とされ、初七日から四十九日までの間に届けるのが一般的なマナーです。四十九日を過ぎると忌明けとなるため、遺族の意向によっては落ち着いたピンクの胡蝶蘭を選ぶこともあります。

また、胡蝶蘭は一回忌や二回忌などの法要で仏花として用いられることもあり、弔事の場でも失礼にあたらない花として広く受け入れられています。品格ある佇まいが、故人への敬意や遺族への思いやりを丁寧に伝えてくれるでしょう。

胡蝶蘭をお祝いで贈るときのポイント

胡蝶蘭をお祝いに贈る際、押さえておくべきポイントがあります。親しい方へのお祝いであればそれほど気にする必要はありませんが、ビジネスシーンでは贈り先への迷惑や失礼にならないように注意してください。

ここでは、贈る際に知っておきたいポイントについて紹介します。

立札をつける

胡蝶蘭を贈る際は、立札をつけて誰からのどんな贈り物なのかを分かりやすくします。内容は「御祝」「会社名」「肩書」「名前」などを記載するのが基本ですが、スペースに余裕があれば贈り主の社名や店舗名なども書き加えることが可能です。

ただし、立札に記載する内容が多すぎると誰からの贈り物なのかが見づらくなってしまうため、シンプルにしておくのがポイントです。なお、「御祝」の部分は「祝 ご開業」や「就任御祝」など、お祝いの内容を分かりやすく明記するように心がけましょう。

色合いで個性を出す

胡蝶蘭にはさまざまな色合いがあり、贈る相手やお祝いの内容に合わせて色を選ぶことでより気持ちのこもった贈り物になります。定番の白はどんなシーンにも調和しやすい万能な色であり、格式や清潔感が求められるシーンでよく選ばれます。

また、白い花びらに赤が入った紅白の胡蝶蘭は可憐さと華やかさを兼ね備え、幅広いお祝いに適した人気の色合いです。

一方、ピンクの胡蝶蘭は優雅さの中にかわいらしさがあるため、女性向けの贈り物として高い支持を集めています。ただし、赤に近い濃いピンクは「赤字」や「火事」を連想させることがあるため、会社やお店への開業祝いなどでは避けたほうが無難です。

黄色の胡蝶蘭は流通量が少なく珍しい存在ですが、「金運」や「商売繁盛」といった前向きなイメージを持つため、開店祝いに適した色として注目されています。ゴールドを思わせる華やかさもあるため、結婚50周年を祝う金婚式など特別なお祝いにもふさわしい色合いといえます。

胡蝶蘭の値段の相場

胡蝶蘭は、本数が多くなるほど値段も高くなる傾向にあります。そのため、お祝いのシーンや贈り先との関係性から予算を決めて、ふさわしいものを選ぶのが肝心です。

最後に、胡蝶蘭の本数別のおおまかな値段の相場を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

3本立ち

3本立ちの胡蝶蘭は飾りやすく贈りやすいタイプです。そんな3本立ちは花の大きさにも異なりますが、10,000~50,000円が一般的な相場です。

コンパクトなので、飾るスペースが限られている場合でも気兼ねなく贈ることができます。そのため、個人のお店などへの開店祝いに多く選ばれています。

5本立ち

3本立ちよりも豪華でボリューミーな見た目になる5本立ちの胡蝶蘭は、開業祝や移転祝いなど、特別なお祝いに多く用いられています。5本立ちの胡蝶蘭の相場は20,000~50,000円であり、胡蝶蘭の種類や花色によっても変わります。

普段は3本立ちでも、周年記念などの節目では5本立ちを贈るという方が多いようです。大切な取引先へのお祝いや、贈り先の方の節目となるような日は5本立ちの胡蝶蘭を選んでみてはいかがでしょうか。

7本立ち

5本立ちよりもさらにボリュームのある豪華な見栄えになる7本立ちの胡蝶蘭は、50,000~100,000円が相場となっています。非常にインパクトのある胡蝶蘭ですが飾るときにスペースをとってしまうため、大規模な公演や舞台などのイベントで贈られることが多いです。

また、比較的重さもあるので配達や受け取りの際の注意事項も少なくありません。そのため、7本立ちの胡蝶蘭を贈る際は、贈り先やイベントの運営元にしっかり確認しておくことをおすすめします。

ミディタイプ

胡蝶蘭といえば豪華で存在感のあるイメージがありますが、贈り先のスペースを考えると大きな鉢は気を遣わせてしまうこともあります。そうした場面で選ばれているのが、より小ぶりで扱いやすいミディタイプの胡蝶蘭です。

価格帯は5,000~30,000円程度と幅がありますが、ミディ胡蝶蘭は大輪よりも一回り小さな中輪・小輪サイズが中心で、見た目に可憐さがありながらも胡蝶蘭ならではの上品さをしっかりと保っています。色のバリエーションも豊富で、白やピンクに加え、オレンジやベージュといったニュアンスカラーの品種も多く、贈る相手の好みや部屋の雰囲気に合わせて選びやすい点が魅力です。

鉢によっては片手に乗るほどの軽やかさがあり、誕生日やちょっとしたお礼などの日常的なお祝いにも取り入れやすくなっています。

まとめ

胡蝶蘭は多くのお祝いのシーンで活躍し、その種類や本数、サイズなどはさまざまです。

小ぶりなものであれば友人や親族に贈ることもできますが、ビジネスシーンにおいては胡蝶蘭の本数や花の色、贈るタイミングなどに注意が必要です。

胡蝶蘭は飾るスペースをとってしまうことが多いので、贈り先に事前に相談しておくと安心です。お祝いの内容や贈り先との関係から適切な予算を決め、マナーを守って贈り先に喜んでもらえるような胡蝶蘭を贈りましょう。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?