珍しい品種の胡蝶蘭を贈ろう。希少な種類や色の胡蝶蘭
新しいお店のオープン日などに、多く見かける胡蝶蘭。お祝い事や贈り物としては、すっかりお馴染みの存在となっているお花です。
高級感のある胡蝶蘭は、一般的にはまず白色を思い浮かべると思いますが、近年では品種改良によってさまざまな色の胡蝶蘭が生まれています。
今回は、そんな胡蝶蘭の珍しい品種や色についてご紹介していきます。
胡蝶蘭の基本情報を知ろう
和名 | 胡蝶蘭 |
科目 | ラン科 |
属性 | ファレノプシス属 |
英名 | Phalaenopsis, Moth Orchid |
学名 | Phalaenopsis aphrodite |
原産地 | 東南アジア |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
花色 | 白、ピンク、黄、紫、青、複色 |
胡蝶蘭はどんなお花?
ラン科の胡蝶蘭は、熱帯地方原産の植物です。
当初は茶色い花びらでしたが、品種改良により現在の純白の胡蝶蘭が一般的になりました。
本来の開花期は春ですが、温室栽培が主流となっているので、どの季節でも開花した状態での入手が可能です。
胡蝶蘭は肉厚のしっかりとした花びらの他にも、根の形が特徴的です。
自生する胡蝶蘭は、土に根付かず、他の木や岩などに根を張って、空気中の水分などを取り込んで生育しています。
この根は、着生植物である胡蝶蘭が、過酷な環境下を生き抜くために発達させてきました。
名前の由来は?
花の姿が蝶に似ている蘭であることから、蝶を意味する「胡蝶」と名付けられました。
学名では「ファレノプシスアフロディーテ」と呼ばれ、「ファレノプシス」とはギリシャ語で「蛾のような」という意味を持っており、西洋でも蝶や蛾の姿に見立てているのが分かります。
「アフロディーテ」は、ギリシャ神話の女神・アフロディーテ(別名ヴィーナス)から由来しています。
丸みを帯びたやわらかなフォルムの清楚な花びらから、アフロディーテの姿が連想されたのかもしれませんね。
品種はどれくらいある?
胡蝶蘭の品種としては、約50種類だと言われていますが、実際にはもっと多くの品種が世の中にはあるでしょう。
世界中で愛される胡蝶蘭は、その魅力から愛好家も多く、さまざまな品種改良が進められています。そのため、今後も新しい品種がどんどん増えていくことが予想されます。
胡蝶蘭の花言葉は?
胡蝶蘭がお祝い品として選ばれる理由には、お祝いを彩る豪華な見た目と、フォーマルシーンにふさわしい花姿が挙げられますが、花言葉も関係しています。
胡蝶蘭は「幸福が飛んでくる」という縁起の良い花言葉を持っているからです。
もうひとつに「純粋な愛」という言葉もあり、色別に見てもネガティブな花言葉がないので、贈答品として贈りやすいお花だと言えます。
代表的な胡蝶蘭の種類
胡蝶蘭は、主に贈答品としての需要が高いので、実はあまり品種名が気にされていないということもあります。
そこで、珍しい品種の胡蝶蘭をご紹介する前に、まずは一般的な代表品種からご紹介したいと思います。
下記にご紹介するものは流通数が多い品種なので、比較的入手しやすいものとなります。
アマビリス
お祝いシーンでよく見かけるのは、「アマビリス」という品種です。
フィリピンを原産とするアマビリスは、サイズが大きすぎず飾りやすいため、開店祝いなどの贈り物にも適しています。
アマビリスは白系の胡蝶蘭の交配親として使われる原種です。
もともと生命力が強い胡蝶蘭ではありますが、アマビリスにはさらに丈夫さがあります。
胡蝶蘭を長く育てていきたい方などにも、おすすめの品種になります。
ビオラセア
ビオラの花姿に似ている「ビオラセア」は、ビビッドカラーの紫色が人気の品種です。
香りの少ない胡蝶蘭の中でも、ビオラセアにはややスパイシーな香りがあり、パルファムの香料としても使われました。
胡蝶蘭は基本的に香りのない種類ばかりなので、香りのあるビオラセアは珍しい品種だと言えるでしょう。
原産地のボルネオではとても希少な品種ですが、日本国内で栽培されているため、ビオラセアは入手しやすくなっています。
ユメザクラ
ユメザクラは、その雅な名前のとおりに淡い桜色をした愛らしい花びらが特徴です。
中輪サイズが主流ですがミディサイズもあるので、プライベートシーンではミディサイズに人気があります。
中心部が白いため、桜色と白のコントラストが美しく、繊細で可憐な花姿を持つ品種です。
女性へのプレゼントや、母の日の贈り物としても好まれています。
ファレノプシス・サクラコ・ファレノ
「さくらこ」の愛称で親しまれるファレノプシス・サクラコ・ファレノは、白い花びらが中心へ近付くにつれ、ほんのりと薄紅に染まるやさしい雰囲気のある品種です。
毎年開催される「世界らん展」で、ブルーリボン賞を受賞した品種になります。
ファレノプシス・サクラコ・ファレノは、ブルーやパープルなどに染色したものも流通していますが、他にもピンクや黄色などの色も開発されています。
ゴールデンマンボ
ゴールデンマンボは、やわらかい色合いのイエローが美しい、中型サイズの胡蝶蘭です。
遠目で見ると黄色いのですが、中心部からよく見てみると、白、ピンク、黄色とグラデーションが重なって黄色い花姿になっています。
黄色といっても鮮やかなビビッド色ではないので、派手すぎずに贈りやすい色合いです。
珍しい胡蝶蘭の種類
胡蝶蘭と言えば白が一般的ですから、珍しい色の胡蝶蘭を選べば、周りに差をつけたり目立たせたり、サプライズ演出もできます。
珍しい胡蝶蘭を贈れば、受け取る側に印象を強く残し、取引先などへのアピールにも繋がりますね。
「贈る相手にインパクトやサプライズ感を与えたい!」そんなときには、珍しい品種の胡蝶蘭を選んでみてはいかがでしょうか。
ゴールドトリス
ゴールドトリスは、先ほどご紹介したゴールデンマンボのように、黄色い花びらにピンクが混ざっています。
サイズはミニが主流ですが、生産者が少ないため、なかなか入手が困難な品種です。
ミニですとテーブルや棚上にも飾れるサイズですから、インテリアアイテムとしても便利なのが嬉しいですね。
見る人を明るい気持ちにさせる黄色は、贈り物としてもインテリアとしてもおすすめのカラーです。
ピュアムーン
ピュアムーンは、柔らかい色合いのイエローが基調となっている、胡蝶蘭の中でも特に可愛らしい品種です。
レモンイエローの花色はふんわりとしていて、春らしい雰囲気を感じさせる温かみがあります。ピュアムーンは、その花色から老若男女問わずに贈りやすいため、フラワーギフトとして幅広い方に喜ばれる品種です。
タイダパール
タイダパールは赤黒く濃いワインレッドのような花色を持っており、重厚な存在感のある品種です。
光の当たり具合や見る角度の色合いによっては黒くも見えるので、黒胡蝶蘭とも呼ばれています。
白ばかりの胡蝶蘭の中で、濃い色合いのタイダパールがあれば存在感も抜群です。
花びらの質感にはベルベットのような豪華さがあります。白色とはまた異なった、雰囲気の高級感がある珍しい品種です。
タイダサルーアリサン
タイダサルーアリサンは、黒系の赤であるタイダパールと比べると、鮮やかな濃い赤色が特徴的です。
明るい場所ではその赤色がより鮮やかに発色するので、一層華やかな派な姿になります。
タイダサルーアリサンはそこまで大きくないサイズ感なのですが、美しい花色が目を惹くために、白色にはないカリスマのような存在感が魅力的です。
ブルーエレガンス
青い胡蝶蘭は、遺伝子組み換えなどの技術によって、10年もの歳月をかけて誕生した、新しい品種です。
この遺伝子組み換えにより2013年に誕生した青い胡蝶蘭は、一般では流通していません。
品種改良で生まれた青い胡蝶蘭は、まだまだ入手が難しいと思いますが、らん展などで見ることができますよ。
市場で買い求められる青系の胡蝶蘭は、特許技術を用いて染色された「ブルーエレガンス」という品種です。
青色には、爽やかな印象や、誠実、堅実といったクリーンなイメージがあります。
企業のイメージカラーとして導入している会社も多いですよね。
もし取引先の会社が青をイメージカラーにしていたら、青い胡蝶蘭を贈ることで、おしゃれな計らいだと喜ばれるでしょう。
また、青色は男性にも好まれる色ですから、父の日の贈り物や誕生日プレゼントなどにもおすすめです。
比較的入手しやすい珍しい胡蝶蘭
ここまでは、胡蝶蘭の代表的な品種と、入手がやや難しい珍しい品種についてご紹介してきました。
入手困難な品種まではいかずとも、少し珍しい品種を購入してみたい…
そんな方には、ちょっぴり珍しいけれど希少価値が高すぎず、比較的入手しやすい品種の胡蝶蘭がおすすめです。
その中から3品種をご紹介しますので、購入の参考にしてみてくださいね。
満天紅
満天紅(まんてんこう)は濃いピンク色が鮮やかに映える、ミディサイズの胡蝶蘭になります。満天紅とは、中国語で「最上の幸せ」を意味します。
中国で赤色は幸せのシンボルカラーであり、結婚式で花嫁は赤い衣装を身に着けます。
幸せを運ぶ胡蝶蘭に、さらに良い名前の由来がある満天紅は、縁起物の品種ではないでしょうか。
小さく飾りやすいサイズですが、その色合いから存在感は薄れません。
アジアンな雰囲気も漂っているので、お部屋のインテリア作りにもおすすめの品種です。
サンライズスター
サンライズスターは、花びらの中心部分が紫色で、大部分は黄色の複色の花びらを持っています。
花のサイズは中輪なので、お祝いのシーンに向いている華やかさです。
どことなくトロピカルな雰囲気があり、紅白のリップカラー胡蝶蘭よりもやわらかな印象になります。
お家に飾っても、店先にに飾っても、かしこまりすぎないカジュアルさがおすすめポイントです。
フォーチュンザルツマン
フォーチュンザルツマンは黄色系の品種ですが、花びらのイエローはやや緑がかっていて、ライムイエローと表現すると分かりやすいかもしれません。
ライムイエローの花びらに赤リップのコントラストがかわいらしい品種です。
フォーチュンザルツマンはミディサイズが主流で、イエローに少しグリーンが含まれているので、派手過ぎない明るさと爽やかさも感じられる色合いです。
「幸運」を意味するフォーチュンは、胡蝶蘭の縁起の良さがさらに強まりますね。
珍しい品種の胡蝶蘭はどのように作る?
では、白やピンクなどの一般的な色以外の胡蝶蘭は、どのように作られるのでしょう。
珍しい品種の色については大きく分けて2種類あり、染色によるものと交配などの品種改良による天然色のものがあります。
それぞれの特徴などについて、さっそくご紹介していきます。
人工的に染色して作られる
一般的に流通している、青系や紫系など、寒色品種の胡蝶蘭は、もともとは白い胡蝶蘭の花びらを、特殊技術によって染色しています。
この技術は、特許を取得しており、世界でも数社でしか取り扱えない貴重な技術です。
青い胡蝶蘭には、先述したように2013年に品種改良によって誕生した天然色の品種も存在します。
ですが、後者の青い胡蝶蘭は、一般的に流通していないので、蘭の展覧会などでしかお目にかかれない品種です。
また、黄色やオレンジなどの暖色品種の胡蝶蘭は、さまざまな交配を重ね、品種改良によって誕生したものがほとんどですので、染色はされていません。
寒色系の胡蝶蘭は染色されているため、二度目に咲く花は白色に戻ってしまいますが、暖色系の胡蝶蘭は本来の天然色ですので、二度目も同じ花色で咲いてくれます。
ミディ系の胡蝶蘭には、天然色の珍しい色合いが多くなっています。
珍しい品種の胡蝶蘭の価格相場は?
胡蝶蘭の価格相場は、花の大きさや寄せ植えの本数も関わってきますが、流通数によっても影響します。珍しい品種ということは、つまり流通数が少ないということです。
購入してみたいと思っても、やはり価格が気になりますよね。
珍しい品種の胡蝶蘭は、いったいどのくらいの価格相場になっているのでしょうか。
珍しい色の胡蝶蘭は高め
定番カラーである白やピンクは、流通数が多く入手しやすいため、価格相場も安価です。
高価なイメージのある胡蝶蘭ですが、お店によっては5,000円からでも販売されており、買い求めやすい価格です。
しかし、白やピンク以外の品種の胡蝶蘭は流通数が少なく、珍しい品種とされるため、価格相場も上がります。
この相場はあくまで目安となりますが、たとえば黄色の中~大輪ですと、10,000円〜50,000円ほど、青や紫などの寒色系の胡蝶蘭は12,000円以上、オレンジ色の品種は20,000円以上がおおよその相場です。
珍しい品種の胡蝶蘭は通販で購入しよう
珍しい品種の胡蝶蘭は、店頭ではなかなか見かけないものです。
いったいどこで購入すればいいのかと迷われている方は、通販サイトでの購入をおすすめします。
在庫を多く持てない店頭販売では商品数が少なく、売れ筋のもの以外は削ってしまいます。
その点ネットショップだと、店頭とは異なり多くの在庫を持てますし、最新の在庫状況もウェブページから確認が可能です。
特に、胡蝶蘭の専門店や特化している店舗であれば、希少な品種の胡蝶蘭も取り扱っています。
希少で相場の高い品種であっても、ネットショップでは直接生産者と契約して仕入れるお店が多いため、購入できる可能性が高いのです。
自宅にいながらでも24時間オンライン注文ができるのも、通販サイトならではの魅力ですね。
まとめ
今回は、胡蝶蘭の珍しい品種についてご紹介してきました。
胡蝶蘭は、その美しさや人気の高さから、白以外にもさまざまなカラーバリエーションが誕生しています。
贈るシーンに合わせて、ぴったりな色を選ぶのも楽しみのひとつでしょう。
胡蝶蘭は贈答品のみならず、ご自宅での観賞用としても大変優れているお花です。
寒色系や暖色系、良い香りを楽しめる品種も出ているので、個性豊かな珍しい品種の胡蝶蘭の中から、お気に入りを見つけてみてくださいね。