胡蝶蘭を贈る際に知っておきたい!立札の書き方とマナーをご紹介
胡蝶蘭の立て札を見たことはありませんか?立て札とは、胡蝶蘭を贈るときに必ず付ける飾りのひとつです。この立て札には、どんな役割があるのかご存じでしょうか?
役割を知っておくことで、胡蝶蘭にふさわしい立て札を付けることがあります。この記事では、胡蝶蘭を贈るために使う「立て札」について解説をします。
立て札ってなに?つけるメリットは?
お祝いやお悔やみのシーンに胡蝶蘭を贈る際には、必ず立て札をつけるのがマナーです。そもそも立て札とには、どんな役割があるか知っていますか?立て札は知ってはいるけど、具体的なところまではよくわからない方も多いはず。
しかし、実際に胡蝶蘭を贈る場面で、立て札は最低限のマナーとなるので、「知らなかった…」は残念ながら通用しません。
相手方にも不快な思いをさせてしまう恐れがあるので、必ず立て札はつけるようにしましょう。ここでは、立て札の役割と立て札をつけるメリットを紹介します。
立て札の役割
立て札には、贈り物の胡蝶蘭が一体どのような目的で贈られてきて、誰から誰宛に贈られたものなのかを明確にする役割があります。
例えば、法人ギフトであっても個人ギフトであっても、直接渡さない限り誰からのギフトなのかわからないですよね。
差出人がわからないギフトが届いたら、受け取った方はどのような気持ちになるでしょうか?
「せっかく素敵な花が届いたけど誰だかわからない…」
「お礼が言いたいけど、誰だろう…?」
なんて気持ちになるのは当然ですし、場合によっては差出人不明の贈り物なんて、なんだか怖い…と恐怖を感じることも考えられるでしょう。
また開店祝いや開業祝いなどのビジネスシーンでは、複数のお祝いが贈られてきていることも多いです。
誰からかわからない贈り物は、たとえ素敵な胡蝶蘭だとしても、相手にもとても失礼な振る舞いになってしまうのです。
立て札のメリット①関係性をアピールできる
立て札をつけることで、目的や差出人がわかるということの他にも。「関係性をアピールできる」というメリットがあります。
贈り物のお花は、その企業やお店と関係がある人からの贈り物であることが基本です。
取引相手や協力会社、子会社や親会社など、親密な関係を保っている人からでしょう。
そのため、自分の会社はこのような会社と関わりがあるということを、周囲にアピールすることができます。
立て札のメリット②お祝い事を周知できる
立て札をつけることで「お祝い事を周知できる」というメリットがあります。
例えば、立て札には「祝・開店」や「祝・移転」など、胡蝶蘭を贈る目的がわかるようになっています。
「祝・開店」と書いてあれば、「オープンしたばかり」とわかりますよね。
また、「祝・◯周年」と記載があれば、この地域で根強く生き残ってきたことをアピールすることができます。
こうした立て札の情報から、信頼を得られることもあることから、立て札によって、思わぬ集客が見込めてしまう可能性も大いにあるのです。
どのようなイベントでお祝いしているのか?を盛大に知らせることはとても大切です。
立て札のメリット③自社の宣伝になる
立て札をつけることで、「自社の宣伝になる」というメリットがあります。
「人のお祝いで自社の宣伝なんて失礼だ!」なんて感じる方も当然いることでしょう。
しかし、特にチラシを配るわけでもなく、行き交う人々に声をかけるわけでもありません。
そのようなつもりはなく、ただただ立て札に記載のある会社の宣伝になっていることも。
例えば、「この会社と繋がっている会社なら安心かも?」とか、こんなお店あったんだ…と興味をそそられるパターンもあるでしょう。
立て札の書き方マナー
立て札の役割や、立て札をつけるメリットがわかったところで、いざ立て札をつけるといってもどんなふうに書けばいいのか?また縦書きなのか?横書きなのか?という悩みも出てくるでしょう。多くの人はなかなか遭遇しない機会ですから、いざ立て札を書こうと思っても、不安で仕方ないはずです。日頃から書いている人であれば慣れていて簡単かもしれませんが、多くの人はそうではないことが多いので、ここでは立て札の書き方をご紹介します。
立て札の書き方①頭書き
立て札をつけるときには、必ず頭書きを忘れないようにしましょう。
頭書きとは、「祝・開店」などの言葉で、お花を贈る目的がなんなのかを明確にします。
この書き方には厳密なルールはありませんが、お相手の方との関係性によっても、頭書きが変わるので注意が必要です。
例えば、
- 法人ギフトなど…:しっかりとした言葉遣いにしましょう。
- 個人ギフトなど…:上司やお世話になった方であれば敬語。家族や友人など心を許している相手で有れば、堅苦しく表現しなくても大丈夫です。
立て札の書き方②贈り主の明記
立て札には、必ず送り主の明記を忘れないようにしましょう。
例えば贈り主は、個人だけでなく会社として贈る場合もありますよね。
そんな時は、自分の会社名の明記で構いません。
また、会社全体ではなく部署ごとの贈り物で有れば、「会社名と部署名、そして名前」このように明記すれば相手にもきちんと伝わり喜ばれるでしょう。
贈り主名の書き方の参考は以下の通りです。
もちろん厳密に決まっているわけではありませんので、絶対にこうでなければダメということはありません。しかし、一般的な書き方を紹介しますので、この通りに書くと無難でしょう。
会社名のみ記載 | 株式会社〇〇 |
社会社名+個人の名前 | 株式会社〇〇 〇〇〇〇 |
会社名+役職の名前+個人の名前 | 株式会社〇〇 代表取締役 〇〇〇〇 |
会社名+部署 | 株式会社〇〇〇 製造部 |
会社名+連名の場合 | 株式会社〇〇〇 代表取締役 〇〇〇〇 社員一同 |
※連名の場合には、役職が上の立場の方から書くようにしましょう。
立て札の書き方③贈り先の名前
立て札には、贈り先の会社名や個人名も記載するとよいです。
厳密には、贈り先の名前は書かなくてもマナー的には違反ではありません。
しかし、贈り先がお店や企業である場合には、会社名や店名を入れることで、相手の会社の宣伝になるメリットがあるので、できる限り記載はしてあげましょう。
贈り先名の一般的な書き方は以下の通りです。
会社名のみ記載 | 株式会社〇〇〇 様 |
社会社名+個人の名前 | 株式会社〇〇〇 〇〇〇〇 様 |
会社名+役職の名前+個人の名前 | 株式会社〇〇〇 代表取締役 〇〇〇〇 様 |
会社名+部署 | 株式会社〇〇〇 製造部御一同 様 |
会社名+連名の場合 | 株式会社〇〇〇 代表取締役 〇〇〇〇 様 取締役 〇〇〇〇 様 |
もちろん、厳密な書き方があるわけではありませんが、一般的には上記のような書き方をすると良いでしょう。
立て札の頭書きの参考例
立て札には頭書きを必ず書きますが、どのようなシーンでどのような書き方があるのでしょうか?
書く機会の少ない場合には、「これでいいのかな?」なんて不安になってしまいますよね。
ここでは、立て札の書き方をシーンごとにご紹介していきます。
開店祝いや開業祝いの頭書きの参考例
開業祝い
- 「祝 開業」「祝 ご開業」「御祝 開業」「御祝 ご開業」「開業祝」
開業祝いは、上記のように立て札に入れましょう。贈る相手との関係性が非常に親しい場合は、「開業おめでとう」など柔らかい表現で書くのもおすすめです。
開店祝い
- 「祝 開店」「祝 御開店」「祝 ご開店」「祝 オープン」「開店祝 」「開店御祝い」「祝 リニューアルオープン」「開店おめでとう」
開業祝いや開店祝いには、以上のような頭書きを参考にしてください。
また、関係性によっては堅苦しくないような頭書きをしても良いかもしれません。
周年祝い就任や昇進祝いの頭書きの参考例
周年祝い・就任や昇進祝い
- 「祝 〇周年」「祝 設立〇周年」「御祝 〇周年」「お祝 創立〇周年」
- 「祝 就任」「祝 御就任」「祝 〇〇御就任」「御祝 就任」「御祝 ご就任」「就任祝」「就任御祝」「ご就任おめでとうございます」etc
周年祝いや就任祝いなどの場合は、会社絡みで胡蝶蘭を贈ることが多いです。そもため、砕けた表現は避けて、上記でご紹介した内容を立て札に書くようにしましょう。
誕生日のお祝いの頭書きの参考例
「祝 お誕生日」「祝 誕生日」「御祝 お誕生日」「お誕生日御祝」「お誕生日おめでとうございます」「お誕生日おめでとう」
誕生日のお祝いで胡蝶蘭を贈る場合は、相手との関係性が立て札の頭書きに影響します。
お友達や親しい相手の場合は、砕いた表現で頭書きを書いてください。逆に、目上の人に送る場合は、なるべく丁寧な言葉を選ぶようにしましょう。
結婚のお祝いの頭書きの参考例
「結婚祝い」「祝 ご結婚」「御祝 結婚」「結婚おめでとう」「結婚おめでとうございます」「結婚御祝」
結婚式も誕生日の頭書き同様で、相手との関係性でおめでとうの表現を変えると良いです。
友達の結婚式の場合は、お互いの名前を書いてあげるのもよいでしょう。
状況によって頭書きを変えることで、相手との関係性を周りにアピールすることができるでしょう。
絶対にしてはいけない!立て札のNGとは?
立て札を用意するにあたって、絶対にやってはいけない注意点が3つあります。
- 贈り主記名漏れ
- 社名間違い
- 漢字の間違い
それぞれのNG事項を、それぞれ細かく解説していきます。
立て札のNG①贈り主記載漏れ
立て札をつけるときに絶対にしてはいけないことは、贈り主記載漏れです。
贈り主がわからないと、贈り物をもらった相手はとても困ってしまいます。
ついうっかり忘れてしまった…なんてこともあるかもしれませんが、気をつけるようにしましょう。もし万が一記載するのを忘れてしまった場合には、そのままにしておくよりかはご一報を電話にて報告しておきましょう。
日時指定時間指定で有れば、〇〇日の〇時にくる、〇〇のような花は自分からの贈り物であることを知らせておくことが大切です。
立て札のNG②社名間違い
立て札をつけるときに絶対にしてはいけないことは、社名間違いです。
社名や店名は、会社にとって1番の顔なので、間違えるのは非常に失礼に当たります。
また、贈り物のお花で立て札を立てていると、その立て札を見るかたもいますよね。
興味を持ってもらったとしても、社名間違いがあると正確な店名や会社名を覚えてもらえず相手方にもとても迷惑がかかります。そのため、必ず社名間違いがないかは確認しましょう。また、近年では英語表記のお洒落な会社名や店名が多いですよね。
英語表記の場合には、スペルが間違いやすいので気を付けるようしてください。
立て札のNG③漢字の間違い
立て札をつけるときに絶対にしてはいけないことは、漢字の間違いです。
例えば、人名には、旧漢字や似ている漢字があり間違いやすいといえます。渡辺なのに渡邊と書いてしまったり、菊池なのに菊地と書いてしまったり、うっかり間違えてしまうこと珍しくありません。上記の漢字の他にも以下のようなものがあります。
- 浜→濱
- 廣→広
- 沢→澤
上記のような漢字は、よく間違えられる漢字です。
間違えてしまう気持ちも分からなくはないですが、やはり間違いは相手にとって不快な気持ちにさせる可能性があるので注意しなければなりません。
名刺などをお持ちで有れば、名刺に記入してある名前をしっかり確認してから記載するようにしましょう。
社名同様、名前の漢字の間違い最大の失礼にあたります。漢字の違いが原因で、会社同士の関係が悪くなる可能性もあるため、必ず間違いがないように複数回名前を確認するようにしましょう。
番外編!立て札をオリジナルで作る(お祝い)
法人ギフトや個人ギフトで花を贈る際に、必ず必要になる立て札。
この立て札ですが、相手との関係性によっては、堅苦しくならないように手作りで作るのもおすすめです。
立て札が胡蝶蘭に対して小さすぎる場合には、読みづらいというデメリットがあります。また立て札が植物に対して大きいのであれば、胡蝶蘭よりも存在感が増してしまい、メインの花のインパクトがなくなってしまうこともあるでしょう。
そういった点を踏まえながら、立て札をオリジナルで作るコツをご紹介します。
立て札を手作りするメリット①相手との親密さをアピール
立て札を手作りするメリットは、相手との親密さをアピールすることができることです。
親密な関係だからこそできる手作り立て札は、手作りでも許容できる信頼感があるということになるでしょう。
相手との親密さを周囲に知らせるほが、お互いに嬉しい気持ちになりそうですね。
立て札を手作りするメリット②ほかのギフトと差をつけられる
立て札を手作りするメリットは、ほかのギフトと差をつけられることです。
法人ギフトなどで、自分の会社以外にも多くの方や会社から贈り物が届いている場合、立て札をオリジナルで作っていたら、人の目を惹くのではないでしょうか?
自分自身のアピールにも繋がるので、オリジナルの立て札は非常におすすめです。
立て札を手作りするメリット③気持ちがこもりやすい
立て札を手作りするメリットは、贈り主の気持ちを込めやすいところにあります。
手作りはある程度時間がかかるものですが、本当にお祝いの気持ちを込めて作るでしょうから、それはそれはもう絶品でしょう。
ちょっとした個性を散りばめることで、とても素敵な立て札ができるはずです。
友人や知人、家族などの場合には敢えて手作りで立て札もプレゼントとして、贈ってみてはいかがでしょうか?
きっと喜んでくれるはずですよ。
立て札書き方マナーまとめ
今回は、立て札の書き方マナーについて徹底的に解説しました。
贈り花の立て札は、なかなか普段書く機会はありませんよね。
多くの方が立て札を立てるような贈り物をしたことは少ないのではないでしょうか?
しかし、特にビジネスシーンでは「あまり機会がないから…」「知らなかった」「忘れてた」
そのような形でのマナー違反は、正直がっかりされてしまうでしょう。
そうならないためにも、立て札とはなんなのか?立て札つける理由についてしっかり覚えておきましょう。
ビジネスシーンでは一度失礼な人だと認識されてしまうと、その後の仕事がやりづらくなったり影響が出てくる可能性も…。
また、個人ギフトであっても相手に失礼のないように準備するのがマナーです。
そんなリスクを最小限に抑えるため、ぜひ参考にしてくださいね。