ペットのお供え花はどのようなもの?ペットへのお悔やみにお花を贈ろう。
ペットはかけがえのない家族の一員。
大切なペットを亡くされたご家族は、深い悲しみで包まれています。
その辛さを少しでも和らげるため、ペットのご冥福を祈り、ご家族の気持ちに寄り添うお悔やみのお花を贈ってみてはいかがでしょうか。
今回は、亡くなったペットのお悔やみとして贈る花について、良い花言葉を持つお花や、お悔やみに適したお花をご紹介していきます。
ペットのお悔やみにはお花を贈ろう
仲の良いご友人がペットを亡くされた、親しいご近所さんのペットが亡くなった…
残されたご家族は、悲しみに包まれ辛い思いをされているでしょう。
そんなとき、お悔やみの贈り物としては、やはりお花が選ばれています。
人が亡くなったときにお花を贈るように、家族同様だったペットにもお花を贈ることで、お悔やみの気持ちを贈ることができるでしょう。
ペットのお悔やみの花を選ぶポイント
それでは、実際にお悔やみの花を選ぶポイントについてご紹介していきます。
大切なポイントは、以下の3つです。
- ペットのイメージで選ぶ
- ペットのゆかりのある花を選ぶ
- 季節のはなを選ぶ
それぞれのポイントを、詳しく解説していきます。
ペットのイメージで選ぶ
生前のペットのかわいい姿や性格を思い浮かべ、その子をイメージしてお花を選んでみましょう。
元気いっぱいで天真爛漫なペットであれば、オレンジやイエローなどの明るい色、小型でかわいらしいペットにはピンクなど、雰囲気に合わせて選べば、きっと飼い主さんも喜んでくれるでしょう。
ペットとゆかりのある花を選ぶ
もし、飼い主さんとペットに、一緒に行った出かけ先や散歩先などの思い出深い花があれば、そのお花を贈ると喜ばれるでしょう。
いつも散歩に行く公園で眺めていたお花や、出かけ先、旅行先などで記念写真を撮った思い出のお花など、エピソードにちなんだお花は、辛い心を和らげてくれます。
季節の旬の花を選ぶ
お供えする季節にちなんだ、旬のお花を選ぶのもおすすめです。
季節のお花は活き活きとしていて新鮮ですし、眺めていると気持ちも和らぐはずです。
春にはチューリップやスイートピー、夏にはヒマワリ、秋にはダリアやコスモスなど、お供えするお花に迷ったら、季節感のあるお花を選んでみましょう。
贈りたい花言葉から選ぶ
それぞれのお花の種類や、色別にも添えられている花言葉。
花言葉を添えて、お悔やみの気持ちを込めたお花を贈るのもおすすめです。
飼い主さんの悲しみに寄り添う優しい花言葉、生前のペットを思い浮かべた花言葉など、添えたい気持ちに合わせた言葉を持つお花を選んでみましょう。
お渡しするときに、その花言葉をメッセージカードや一言として添えれば、もっとお悔やみの心が伝わるでしょう。
ペットにお供えしたい花言葉を持つお花
続いては、ペットへのお悔やみ用のお花としておすすめの、素敵な花言葉を持つお花をご紹介していきます。
飼い主さんの悲しみに寄り添うもの、気持ちを和らげるもの、ペットの冥福を祈る花言葉…
ご紹介する中で伝えたい気持ちに合う花言葉があれば、ぜひ選んでみてくださいね。
カーネーション「無垢で深い愛」
カーネーションも、先ほどご紹介したガーベラ同様に、カーネーション全体としての花言葉と、色別の花言葉が付いています。
まず全体の花言葉には、「無垢で深い愛」があります。
飼い主さんの深い深い愛情を表すのには、このうえない花言葉ではないでしょうか。
また、色別の花言葉としておすすめしたいものが、白の「純粋な愛」とピンクの「感謝」です。裏表のない深い愛情を示す「純粋な愛」と、一緒に楽しい時間を過ごしたペットへの今までの「感謝」の気持ちを込めて、カーネーションをお供えしましょう。
そしてこのカーネーション、西洋の花言葉も美しい言葉があります。
赤には「My heart aches for you(あなたに会いたくてたまらない)」、ピンクには「I’ll never forget you(あなたを決して忘れません)」という花言葉が込められています。
ピンク色のカーネーションはとても可愛らしい雰囲気がありますから、小型犬などの小さなペットをイメージしたお悔やみの花としてもおすすめです。
スイートピー「別離」「優しい思い出」
春先に花開くスイートピーには、「別離」や「門出」といった、お別れや出発を表す花言葉があります。
大切なペットとのお別れはとても辛く悲しいですが、別れを受け入れなければならない飼い主さんに寄り添うお悔やみの花としては適しているでしょう。
「優しい思い出」の花言葉も、ペットと過ごしてきた愛しくて優しい思い出を惜しむのには、ふさわしい花言葉ですね。
スイートピーはふんわりとしていて優しい雰囲気のあるお花ですから、仏壇や写真の前に飾ることで、飼い主さんの悲しみを少しでも和らげられるかもしれません。
キンセンカ「別れの悲しみ」
キンセンカには「別れの悲しみ」「寂しさ」の花言葉があります。
ペットを亡くされたばかりのご家族は、やはりすぐには前向きな気持ちになれるものではありません。ペットと過ごした日々を思い出して、まだ心の整理が必要な時期です。
そんなときには、無理やり元気を出させようとする花言葉を選ぶよりも、お別れの悲しみに共感して、そっと寄り添えるようなキンセンカの花言葉を添えてみてはいかがでしょうか。
ポットマリーゴールドとも呼ばれるキンセンカは、キク科のお花なので、長持ちしやすいですし、オレンジやイエローといった明るい色合いが多いので、寂しい雰囲気になり過ぎることなく、ペットの仏前などを彩ってくれるでしょう。
ネリネ「また会う日を楽しみに」
ヒガンバナ科のネリネには、再会を願う「また会う日を楽しみに」という花言葉があります。
ひとつひとつの花の形をよく見ると、ヒガンバナの形に似ているネリネですが、花色には優し気なピンクが多く、眺めていると心が優しくなるお花です。
別名である「ダイヤモンドリリー」は、ネリネの花びらが日の光に当たると角度によってきらきらと輝くことから由来して名付けられました。
ヒガンバナとは異なり毒性はありませんので、お悔やみの花として贈っても失礼のないお花です。
ガーベラ「希望」「常に前進」
ガーベラには、ガーベラ全体の花言葉と、色別の花言葉が存在します。
まず、全体としての花言葉は「希望」「常に前進」です。
愛するペットを亡くされている飼い主さんに、少しでも希望を取り戻して前向きな気持ちになっていただけるように、という気持ちを込めてみてはいかがでしょうか。
また、色別の花言葉としておすすめなものに、ピンク色の「崇高な愛」と黄色の「究極の愛」があります。
ピンクも黄色もどちら花言葉も、飼い主さんが大切な家族であるペットに注いできた愛情を表すような花言葉です。
ヒマワリ「あなただけを見つめる」「愛慕」
夏真っ盛りの炎天下でも、太陽へ向かってしゃきっと茎を伸ばし、健気に咲いているヒマワリ。そのひたむきさから、「あなただけを見つめる」という花言葉があります。
旅立ったペットに向けて、いつまでも大切に想っているという愛情を込めて、ヒマワリをお供えしてみてはいかがでしょうか。
バラ「愛情」
愛の告白を代表する花であるバラには、「愛情」の花言葉があります。
チューリップ同様に、色別にも花言葉のあるバラは、赤が「あなたを愛しています」、白が「純愛」、ピンクが「感謝」といった、相手への気持ちを伝えやすい花言葉ばかりです。
ちなみに、オレンジ色のバラには「絆」の花言葉があります。
赤よりもマイルドな色合いで、黄色よりも派手過ぎないオレンジ色は使いやすいでしょう。
亡くなったペットとの「絆」を思い、オレンジのバラをメインに使ったアレンジメントでお悔やみの気持ちを表すのも良いですね。
また、バラは本数によっても意味を込めることができるお花です。
愛の告白には、よく本数でのバラの花言葉が使われるイメージがありますが、ペットのお悔やみのシーンにもぴったりな本数があります。
- 5本:あなたに出会えて心から嬉しいです
- 8本:あなたに感謝しています
今まで側にいてくれたペットとの出会いに、感謝している飼い主さんの気持ちに寄り添うには、最適なお花といえるでしょう。
カスミソウ「幸福」
ブライダルフラワーとしても用いられるカスミソウには、「幸福」「清らかな心」という花言葉があります。
アレンジメントでは、他の花材と併せて使われることが多く、カスミソウメインでの花束はあまり見かけないと思いますが、単体でまとめても大変可愛らしいお花です。
「幸福」の花言葉を持つカスミソウで、ペットの冥福をお祈りしましょう。
白い毛色の小型のペットなどを思い浮かべて、カスミソウを贈るのも良いかもしれません。
ペットのお悔やみに避けるべきお花
人間のお悔やみのシーンにおいては、何を贈っても良いとされていますが、避けるべきお花やマナーなどがあります。
ペットのお悔やみでも、避けたほうが良いお花の種類はあるのでしょうか?
マナーを知らずに飼い主さんの悲しみをより深めてはいけないので、どんなお花を避けたほうがベターなのか、事前に知っておきましょう。
花色が濃いもの
これは、お花を副葬品として用いる際に限った場合ですが、濃い花色のお花は、火葬の際に一緒に入れると、遺骨に色が付いてしまいます。
数本であれば一緒に火葬できるケースもありますが、副葬品として選ぶ際には避けるのがベターです。
ペットの周りを彩るお悔やみのお花には、濃い色ではなく淡い色の花を添えましょう。
樹脂の造花
こちらも先ほどと同様に、副葬品として選ぶ場合の話になります。
プラスチック製や樹脂製の造花をペットと一緒に入れると、燃焼時間が延びてしまったり、異臭や黒い煙が発生してしまったりと、火葬向きではありません。
折り紙で折ったお花や、紙製のお花、生花に特殊加工を施されたプリザーブドフラワーなどは、一緒に燃やしても問題ないので、そういったお花を贈るとよいでしょう。
ただし、プリザーブドフラワーは長期の鑑賞用として加工されているので、そちらは飼い主さんに贈るものとして用意し、火葬の際にには生花を用いるのがおすすめです。
棘を持つ花
バラなどの棘を持つお花は、人間のお悔やみのシーンでは棘が殺生などを連想させることから、避ける必要のあるお花です。
ペットのお悔やみに関しても、同じく避けるのが無難と言えるでしょう。
ただし、棘を取ってしまえばマナーとしては問題ありません。
最近では、店頭で販売されているバラなどの棘は、処理されてから売られています。
もし棘のある花をお悔やみに贈りたい場合には、購入時に棘の処理を確認するか、未処理であれば取ってもらうよう伝えておくと安心です。
香りが強い花
こちらも、刺を持つお花と同様に、人間のお悔やみのシーンでは避けたほうが良いとされています。香りが強いお花は、仏間などに香りが残ってしまうためです。
濃く香るお花にユリが挙げられますが、もし飼い主さんがユリの花を好んでおり、香りの強さなどに関してあまり気にされないようであれば、贈ってもマナー違反にはなりません。
ただし、ユリの花粉は服などに付着すると落とすのが大変ですし、お部屋を汚してしまう恐れがあるので、贈る際には花粉を取っておくことをおすすめします。
ドライフラワー
近年、インテリアアイテムとしても人気の高いドライフラワーに関しては、考え方が分かれるでしょう。
ただし、人間の供養として考えると、ドライフラワーはすでに死んでいるお花だと捉えられるため、縁起が悪いとされています。
ペットのお悔やみの場合には、人間のしきたりほど細かいマナーなどがないことから、くまで飼い主さんの喜ぶものや、お気持ちに寄り添うものを贈れば問題ないでしょう。
お手入れの負担がない加工花もおすすめ
お忙しい飼い主さんなどに生花を贈ると、日々のお手入れが負担になってしまうのでは…と配慮される方も多いでしょう。
特に夏季は切り花が傷みやすいため、贈るお花選びにも迷われると思います。
そこでおすすめしたいのが、プリザーブドフラワーやハーバリウムなどの加工されているフラワーアイテムです。
それぞれの特徴やおすすめポイントをご紹介していきましょう。
プリザーブドフラワー
プリザーブドフラワーは、生花に特殊な加工を施して作られているアレンジフラワーです。
お花を特殊な液に浸けて水分を抜くことで、数年単位で美しい状態のお花を楽しむことができます。
飾るうえで注意する点は、たまにお花に付着した埃を取ってあげればいい程度で、水やりは不要です。
お手入れの手間もなく、美しい色合いのお花を長く楽しめるプリザーブドフラワーは3,000円台から販売されているため、贈られる側も受け取りが負担にならない金額です。
ハーバリウム
近年人気の高いハーバリウムとは、いわゆる「植物標本」です。
先述したプリザーブドフラワーやドライフラワーを、ハーバリウム用のオイルに入れたものになります。
雑貨店などでよく販売されている、おしゃれなインテリアアイテムです。
瓶などが使われるハーバリウムは飾る場所を選ばず、仏前やリビング、テーブルなど、いろいろな場所に飾って楽しんでいただけます。
こちらも水やりが要りませんから、飼い主さんにご負担がありません。
オイルに揺れるお花たちは幻想的で美しく、ゆらゆらと揺れる姿に心も和むのではないでしょうか。
ペットの遺影と一緒に飾るのもおすすめです。
お悔やみのお花とあわせて贈るもの
飼い主さんの悲しみを少しでも和らげるために、お花とあわせて何か一緒に贈りたい……
ペットのお悔やみのシーンで、お花と一緒に贈るのには、どんな品が良いのでしょうか。
あくまで一例ではありますが、飼い主さんに喜ばれそうなものを挙げてみました。
フォトフレーム
フォトフレームは、生前のペットの写真を飾ることができるため、飼い主さんに喜ばれやすいです。
仏壇や仏具は用意しなくても、お部屋にペットの写真を飾って、お供えの花などを手向ける飼い主さんも多いでしょう。
フォトフレームは、遺影用の写真を飾るものにもなりますし、飼い主さんがペットの思い出を辿るための写真を飾る助けになります。
デザインを選ぶ際には、シンプルな額縁のようなフォトフレームよりも、眺めていて気持ちが和むような可愛らしいデザインや、明るいフォトフレームのほうが喜ばれるでしょう。
フルーツやお菓子
人間の供養においては、故人が生前好物だった食べ物などをお供えします。
ただペットの場合には、ペットが生前好きだったペットフードやペット用のお菓子を用意しても、人間の供養と違い、家族みんなで食べることができません。
食べられず、かと言って捨てることもできずにいつまでも残るペットフードは、かえって飼い主さんに辛い思いをさせてしまう可能性があります。
もしお悔やみのお花に食べ物を添えるのならば、亡きペットも飼い主も食べられるようなフルーツやお菓子などをあわせて贈りましょう。
まとめ
今回は、ペットのお悔やみのシーンで贈りたい花言葉を持つお花についてご紹介しました。
毎日共に過ごされてきた飼い主さんには、ペットを亡くすのは大変辛い経験です。
ペットロスから立ち直れず、心を病んでしまわれる方もいらっしゃいます。
そんな深い悲しみの中にいる飼い主さんの気持ちに、少しでも寄り添えるものとして、お花を贈ってみましょう。
花言葉で選んで贈るのも素敵ですが、あなたが飼い主さんの悲しみを思う気持ちさえあれば、どんなお花でもきっと心の支えとなってくれますよ。