亡くなったペットのお供え花はどれが良い?選び方なども併せて紹介

ペットはかけがえのない家族の一員です。大切なペットを亡くした家族は、深い悲しみで包まれています。
そのつらさを少しでも和らげるため、ペットの冥福を祈って家族の気持ちに寄り添うお悔やみの花をお供えしてみてはいかがでしょうか。
今回は、亡くなったペットのお悔やみとして供える花について、良い花言葉を持つ花やお悔やみに適した花などを解説します。
ペットのお悔やみにはお供え花が最適
「家で大切に育てていたペットが亡くなった」「仲の良い友人のペットが亡くなった」「親しい近所のペットが亡くなった」など、残された家族は悲しみに包まれつらい思いをしているのではないでしょうか。
そんなとき、お悔やみの品としてお供え花がよく選ばれています。人が亡くなったときに花を供えるように、家族同様だったペットにも花をお供えすることでお悔やみの気持ちに寄り添うことができます。
ここでは、ペットのお悔やみのお供えに花が最適な理由について3つ紹介します。
言葉にしづらい思いをやさしく伝えられる
ペットとの別れに直面したとき、かける言葉が見つからないということは少なくありません。悲しみや喪失感の中では、どんな言葉も軽く感じてしまうこともあるでしょう。
そんなとき、花は語らずとも思いを届けてくれる存在です。「ありがとう」「お疲れ様」「安らかに」など、感謝や労り、祈りの気持ちをやさしく包み込むように伝えてくれます。
特に淡い色合いややわらかな印象を与える花は言葉以上に心に響き、相手の気持ちに寄り添う力があります。ペットを大切に思っている気持ちを花に託すことで、自然な形で思いを届けることができます。
心を落ち着かせる癒しの効果がある
花には人の心を穏やかにし、悲しみの感情をやさしく包み込む力があります。視覚的な美しさだけでなく、香りや雰囲気も含めて花は心にそっと寄り添い、気持ちを整えてくれる存在です。
特にペットロスによる深い寂しさを抱える飼い主にとって、静かに咲く花を見ることで自然と気持ちがほぐれ、少しずつ前を向くきっかけになります。
また、白やグリーン、パステルカラーなど穏やかな色味の花は空間に安らぎをもたらし、癒しの効果を高めてくれます。
大切な命を丁寧に見送るための形になる
ペットはただの動物ではなく、日々をともに過ごしてきた大切な家族です。その命を見送るとき、何かしらの形で感謝とお別れの気持ちを示したいと思う方も多いでしょう。
お供え花は、そうした思いを具体的な形にしてくれます。祭壇や部屋に花を飾ることで静かに手を合わせる時間が生まれ、気持ちに区切りをつけるきっかけにもなります。
また、命への敬意を込めて花を手向けることでペットへの愛情がしっかりと伝わり、自分自身の心も整えられていきます。花は、心に残るお別れの時間を穏やかに支えてくれるやさしい供養の方法です。
ペットのお供え花を選ぶ際のポイント
ペットのお供え花を選ぶ際、最も大切なのは以下の4つです。
- ペットのイメージで選ぶ
- ペットのゆかりのある花を選ぶ
- 季節の花を選ぶ
- 贈りたい花言葉から選ぶ
ここでは、それぞれのポイントを詳しく紹介します。
ペットのイメージで選ぶ
ペットへのお供え花を選ぶときは、その子の性格や見た目、思い出に重ねて選ぶとより気持ちのこもった供養になります。たとえば、明るく元気いっぱいだった子にはビタミンカラーの活発な印象のある花がぴったりです。
一方で、おとなしく穏やかな性格の子には白や淡いピンクの花など、やさしげな色合いを選ぶと落ち着いた雰囲気になります。品種だけでなく色味にもこだわることでその子らしさが花に宿り、飼い主や家族の心にもあたたかな記憶が蘇るでしょう。
ペットの姿や性格を思い出しながら花を選ぶ時間そのものが、丁寧な弔いの一つになります。
ペットとゆかりのある花を選ぶ
ペットとの思い出の中にある花に着目するのも、特別な供養につながります。たとえば、散歩中によく見かけた花やペットの名前にちなんだ花があれば、それを選んでみると良いでしょう。
また、ペットを迎え入れた季節に咲く花や旅立ちのころに見た花などを取り入れることで、その子と過ごした時間が一層感じられるようになります。
ゆかりのある花を選ぶということは単なる見た目の美しさだけでなく、記憶と感情を重ね合わせる行為でもあります。花を見るたびに思い出が蘇り、自然と「ありがとう」の気持ちが湧いてくるような心に寄り添うお供えになります。
季節の花を選ぶ
季節ごとに咲く花を選ぶことは、自然の移ろいとともにペットの存在を静かに偲ぶ穏やかな供養につながります。季節の花はその時期に最も瑞々しく見た目にも清らかで、命の美しさを感じさせてくれます。
また、見る人の心にもその季節の思い出が蘇りやすく、ペットとの時間を自然に振り返るきっかけにもなります。花とともに季節を感じながら手を合わせる時間は、心の癒しにもつながるでしょう。
贈りたい花言葉から選ぶ
お供え花に花言葉を重ねて選ぶことで、「感謝」や「愛情」、「祈り」といった思いをより深く伝えることができます。言葉では伝えきれない思いを、花の意味にのせて届けることができるのが花言葉の魅力です。
また、贈る側にとってもその花に込めた意味を知ることで気持ちに整理がつき、別れを前向きに受け止める助けになることもあります。思いを花で表現するといったひと手間が心を癒す大切な時間となるでしょう。
ペットのお供え花に向いている花言葉を持つ花材
ここでは、ペットのお供え花としておすすめの花言葉を持つ花を紹介します。飼い主の悲しみに寄り添うもの、気持ちを和らげるもの、ペットの冥福を祈るものなどを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
カーネーション「無垢で深い愛」
カーネーションの花言葉は「無垢で深い愛」です。
色別にも花言葉を持っており、白の「純粋な愛」やピンクの「感謝」はお供え花に向いています。
また、カーネーションには英語圏での花言葉もあり、赤には「My heart aches for you(あなたに会いたくてたまらない)」、ピンクには「I’ll never forget you(あなたを決して忘れません)」という花言葉が込められています。
裏表のない深い愛情を示す「純粋な愛」と、一緒に楽しい時間を過ごしたペットへの今までの「感謝」の気持ちを込めて、カーネーションをお供えしてみてはいかがでしょうか。
スイートピー「別離」「優しい思い出」
春先に花開くスイートピーには、「別離」や「門出」といったお別れや出発を表す花言葉があります。
その他にも、「優しい思い出」という花言葉があり、ペットと過ごしてきた愛しくてやさしい思い出を惜しむのにふさわしい意味合いを持っています。
スイートピーはふんわりとしていてやさしい雰囲気のある花であるため、仏壇や写真の前に飾ることで家族の悲しみを少しでも和らげられるかもしれません。
キンセンカ「別れの悲しみ」
キンセンカには、「別れの悲しみ」「寂しさ」といった花言葉があります。ペットを亡くしたばかりの家族は、すぐに前向きな気持ちになれるものではありません。ペットと過ごした日々を思い出して、まだ心の整理が必要な時期です。
そんなときには、無理やり元気を出させようとする花言葉を選ぶよりも、お別れの悲しみに共感してそっと寄り添うようなキンセンカの花言葉が向いています。
また、ポットマリーゴールドと呼ばれるキンセンカは、キク科の花なので長持ちしやすく、オレンジやイエローといった明るい色合いが多いため、寂しい雰囲気になりすぎることなくペットの仏前などを彩ってくれるでしょう。
ネリネ「また会う日を楽しみに」
ヒガンバナ科のネリネには、再会を願う「また会う日を楽しみに」という花言葉があります。一つひとつの花をよく見るとヒガンバナに似ているネリネですが、花色にはやさしげなピンクが多く、眺めていると心がやさしくなる花です。
別名である「ダイヤモンドリリー」は、ネリネの花びらが日の光に当たると角度によってきらきらと輝くことから由来して名つけられました。ヒガンバナとは異なり、毒性はないのでお悔やみの花としてお供えしても問題ありません。
ガーベラ「希望」「常に前進」
ガーベラには、ガーベラ全体の花言葉と色別の花言葉が存在します。全体としての花言葉は、「希望」「常に前進」などです。
愛するペットを亡くした知人や友人に、「少しでも希望を取り戻して前向きな気持ちになってもらえるように」という気持ちを込めて渡せば悲しみが軽減するかもしれません。
また、色別の花言葉としては、ピンク色の「崇高な愛」や黄色の「究極の愛」などが挙げられます。ピンクと黄色のどちらの花言葉も、家族が大切なペットに注いできた愛情を表すような花言葉です。
ヒマワリ「あなただけを見つめる」「愛慕」
夏真っ盛りの炎天下でも太陽へ向かってしゃきっと茎を伸ばし、健気に咲いているヒマワリ。そのひたむきさから、「あなただけを見つめる」という花言葉があります。
旅立ったペットに向けて、いつまでも大切に思っているという愛情を込めて、ヒマワリをお供えしてみてはいかがでしょうか。
バラ「愛情」
愛の告白を代表する花であるバラには、「愛情」の花言葉があります。
他の花同様、バラにも色別で花言葉があり、赤は「あなたを愛しています」、白は「純愛」、ピンクは「感謝」といった意味合いがあります。
その中でも、オレンジ色のバラには「絆」という花言葉があります。赤よりもマイルドな色合いで黄色よりも派手すぎないため、比較的使いやすい色としておすすめです。亡くなったペットとの「絆」を思い、オレンジのバラをメインに使ったアレンジメントでお悔やみの気持ちを表すのも良いかもしれません。
カスミソウ「幸福」
ブライダルフラワーとしても用いられるカスミソウには、「幸福」「清らかな心」という花言葉があります。アレンジメントでは他の花材と合わせて使われることが多いですが、カスミソウ単体でまとめたアレンジメントはかわいらしさを演出できます。
白い毛色の小型のペットなどへのお供え花として活用してみてはいかがでしょうか。
ペットのお供え花で避けるべき花
上記ではペットのお供え花におすすめの花材を紹介しましたが、その一方で不向きな花材も存在します。ここでは、避けるべき花材の特徴などを解説するので、お供え花を選ぶ際に役立ててください。
花色が濃いもの
これは花を副葬品として用いる際に限った場合ですが、濃い花色の花は火葬の際に一緒に入れると遺骨に色がついてしまうことがあります。数本であれば一緒に火葬できるケースもありますが、副葬品として選ぶ際は避けるのがベターです。
亡くなったペットのお供えとして花を飾る場合は、濃い色ではなく淡い色の花を選ぶようにしましょう。
樹脂の造花
これも上記同様に、副葬品として選ぶ場合の話ですが、プラスチック製や樹脂製の造花をペットと一緒に入れると、燃焼時間が延びてしまったり異臭や黒い煙が発生してしまったりなどの問題が起きてしまい、火葬向きではありません。
折り紙でつくった花や紙製の花、生花に特殊加工を施されたプリザーブドフラワーなどは一緒に燃やしても問題ないので、そういった花を選ぶと良いでしょう。
ただし、プリザーブドフラワーは長期の鑑賞用として加工されているギフトなので、火葬の際には生花を用いるのがおすすめです。
棘を持つ花
棘を持つ花は、人間のお悔やみのシーンにおいて棘が殺生などを連想させることから避けたほうが良いといわれています。ペットのお悔やみに関しても同じく避けるのが無難といえるでしょう。
ただし、棘を取ってしまえばマナーとしては問題ありません。最近では、店頭で販売されているバラなどの棘は処理されてから売られていることもあります。もし、どうしても棘のある花をお供えしたい場合は、購入時に棘の処理を確認するか、未処理であれば取ってもらうよう伝えておくことをおすすめします。
香りが強い花
香りが強い花も、人間のお悔やみのシーンでは避けたほうが良いとされています。香りが強い花は、仏間などに香りが残ってしまう場合があるため、おすすめはできません。
濃く香る花としてユリが挙げられますが、家族がユリの花を好んでおり、香りの強さなどに関して気にしていないようであれば、選んでもマナー違反にはなりません。ただし、ユリの花粉は服などに付着することが多く、部屋を汚してしまう恐れもあるので、選ぶ際は花粉を取っておくことをおすすめします。
ドライフラワー
近年、インテリアアイテムとしても人気の高いドライフラワーは、人間の供養として考えるとドライフラワーはすでに枯れている花だと捉えられるため、縁起が悪いとされています。
ペットのお悔やみの場合は人間のしきたりほど細かいマナーなどはありませんが、気になる場合は生花などの他のギフトを選んだほうが無難です。
ペットのお供え花は手入れの負担がない加工花もおすすめ
知人や友人のペットが亡くなった際、お悔やみの気持ちで花を届けたいと考えるものの、「日々の手入れが負担になってしまわないか心配」と考える方は多いのではないでしょうか。
特に夏は切り花が傷みやすいため、渡す花選びに迷いが生じやすいです。そのような場合におすすめなのが、加工されたフラワーギフトです。
ここでは、おすすめのフラワーギフトを2つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
プリザーブドフラワー
プリザーブドフラワーは、生花に特殊な加工を施してつくられているアレンジフラワーです。花を特殊な液につけて水分を抜くことで、数年単位で美しい状態を楽しめるのが魅力です。
飾る際の注意点としてもこれといったものはなく、時々花に付着したホコリを取る程度で良く、水やりも不要です。
手入れの手間もなく、美しい色合いの花を長く楽しめるプリザーブドフラワーは3,000円台から販売されているため、贈られる側も受け取りが負担にならない金額です。
ハーバリウム
近年人気の高いハーバリウムとは、いわゆる「植物標本」です。先述したプリザーブドフラワーやドライフラワーを、専用のオイルに入れたものがハーバリウムとして出回っています。
瓶などが使われるハーバリウムは飾る場所を選ばず、仏前やリビング、テーブルなど、さまざまな場所に飾って楽しむことが可能です。オイルに揺れる花は幻想的で美しく、ゆらゆらと揺れる姿に心も和むでしょう。なお、ハーバリウムも水やりが不要であり、管理にそれほど手間はかかりません。
まとめ
毎日ともに過ごしてきた家族にとって、ペットが亡くなってしまうのはつらい経験です。ペットロスから立ち直れず、心を病んでしまう方も少なくありません。
そんな深い悲しみの中にいる飼い主の気持ちに少しでも寄り添えるものとして、お供え花を渡すのがおすすめです。お供え花に向いている花材は多数あり、それぞれ特徴的な花言葉を持っています。
ぜひ本記事を参考に、ペットが亡くなってしまったことによる悲しみを癒せるようなお供え花を届けてみてはいかがでしょうか。