暑中見舞いに爽やかな花を届けよう。夏らしい花やお見舞いのマナー

日頃からお世話になっている方や取引先への暑中見舞いには、お菓子やフルーツ、飲料などがギフトとして多く選ばれています。

そんな中であえておすすめしたいのが、お花のギフトです。

季節を感じられるお花のギフトは、眺めることで癒され、茹だるような夏の暑さをひととき忘れさせてくれます。

オフィスなどへ贈る場合には、オフィス内に飾ってもらうことで皆さんの気分転換にもなるでしょう。

相手の方の食べ物の好みなどが分からない場合でも、気軽に贈れるお花のギフト。

今回は、暑中見舞いにぴったりなお花や、贈るうえでのマナーについても詳しくご紹介していきます。

 

そもそも暑中見舞いとは

まず「暑中見舞い」の基本的な意味合いからお話しすると、「夏の季節に行う挨拶」を指します。

一年の中でも毎日暑さが続く猛暑期に、友人や知人、日頃お世話になっている方々へ、暑さによって体調を崩されていないか健康を気遣うために送る手紙やハガキなどの贈り物のことです。暑中見舞いは江戸時代から伝わる文化であり、歴史ある風習です。

 

暑中見舞いを贈るタイミング

日本には、夏の間にギフトやメッセージを贈る機会がいくつかあります。

「お中元」「暑中見舞い」「残暑見舞い」がすぐに思い浮かぶと思います。しかし、具体的にどの期間がお中元にあたり、どこからが暑中見舞いになるのかと聞かれると、なかなかすぐに答えられませんよね。

地域によって若干異なりますが、一般的には夏のお見舞いは7月からお届けするのが最適です。暦の順で見ると、お中元→暑中見舞い→残暑見舞いの順番になります。

 

お中元を贈る時期

お中元を贈る時期は、地域によって異なります。

ここでは関東を前提にお話ししていきますが、関東・東北・甲信越地方では、7月1日から7月15日の間に贈るのが一般的だとされています。

関西地方では7月15日から8月15日までの間に贈るものとされ、沖縄では旧暦のお盆にあたる8月の下旬頃までに贈るのが一般的です。

同じ地域に住む方へ贈る場合には、自分の地域の風習に則って送れば問題ありませんが、遠方の方へ贈る場合には、その方の地域に合った期間に届くよう配慮できるとベストでしょう。

 

暑中見舞いと残暑見舞いの違い

忙しさなどからお中元を贈るのが遅くなってしまうこともあるでしょう。関東では、7月16日頃から後に送るものに関しては「暑中見舞い」といいます。

 

暑中見舞いとは、二十四節気を基準にされています。

1年を四等分した四季を、さらにそれぞれ6つに分け、こまやかな季節を表すものです。

この二十四節気でいう、7月7日頃の小暑以降から本格的な暑さが訪れるため、小暑から8月7日頃の立秋前日までが暑中見舞いにあたる期間です。

立秋以降に贈るときには、暦の上ではすでに秋を迎えているので、「暑中」ではなく「残暑見舞い」として贈りましょう。

残暑見舞いは立秋後から9月初旬の処暑の頃までに贈るのが一般的です。

 

贈る時期には諸説ある

暑中見舞いには、暦の上で新しい四季を迎える「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の間である「土用」の期間に贈るのが適しているという説もあります。

全国各地でうなぎが食べられている、夏の土用の期間ですね。

また、梅雨が明けて夏が本番を迎えてから贈るのが良いとされる説もあり、適期には諸説あります。梅雨明けの発表は住む地域によって変わりますから、少し注意が必要ですね。

ただし、相手の健康や体調を気遣う心を込めたご挨拶ですから、7月の終わり頃に贈ったからといって大きな失礼にあたることはありません。

 

暑中見舞いで注意したいマナー

基本的には相手の方を気遣う心をお届けする贈り物ですので、そこまで神経質になる必要はありませんが、ビジネスシーンでの取引先などでは相場にも注意して贈りたいですよね。

続いては、暑中・残暑見舞いを贈るうえで、気を付けておきたい点をいくつかご紹介していきます。

 

暑中・残暑見舞いの一般相場

暑中・残暑見舞いのギフトでは、基本的には10,000円以内に収めるのがマナーです。

これ以上高価な品を贈ると、受け取った方の負担になってしまいます。

一般相場としては3,000円〜5,000円くらいがメジャーではありますが、相手との関係性によっては5,000円以上のギフトを贈っても問題ありません。

 

ビジネスシーンでは必ずお返事を

個人間であれば、暑中見舞いのお返事は出しても出さなくても自由です。

ただし、ビジネスシーンにおいてはそうもいきません。

お世話になっている会社や得意先などには、必ず返事は出すようにしましょう。お返事が遅れてしまった場合には、「残暑見舞い」として送るようにします。

 

喪中の方へ贈ってもマナー違反ではない

お中元や暑中・残暑見舞いは日頃の感謝や相手の健康を気遣う気持ちで贈るものですので、喪中の方へ贈っても問題はありません。

「お中元」として贈るのが気になる場合には、「暑中見舞い」「残暑見舞い」として贈るほうがやや贈りやすいかもしれませんね。

 

暑中見舞いにはお花のギフトがおすすめ!

暑中見舞いなどの夏の贈り物としては、お菓子やお酒、飲料や洗剤など日常的に使えるものが多く選ばれていますが、近年ではお花のギフトも多く選ばれるようになってきています。

年配の方などはギフトをもらっても食べきれない、使いきれないことも多く、お酒に関してだと体質的に苦手な方や、健康のために控えていらっしゃる方も多くいます。

それではいったい何を贈ればいいのか……とお悩みの際におすすめしたいのが、フラワーギフトです。

お花のギフトは食べ物よりも好き嫌いが少なく、受け取った相手もお花の美しさに思わず笑顔になってくれるでしょう。

 

夏の贈り物にぴったりなビタミンカラーのお花について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

気軽に贈れる!ビタミンカラーのお花でまとめたフラワーギフト

 

暑中見舞いに贈りたいおすすめのお花

暑中見舞いのフラワーギフトには、涼しげな色合いのお花を選べば、暑さをひとときでも忘れられますし、夏らしくエネルギッシュな雰囲気のお花を選べば、猛暑の中でも元気を分けてもらえそうです。

続いては、暑中見舞いにお届けするフラワーギフトにおすすめしたい、夏にぴったりなお花をご紹介していきましょう。

お花のプレゼントを贈るうえで気になる、花言葉についてもあわせてご紹介しますので、ギフト選びの参考になさってみてくださいね。

 

ヒマワリ 

科・属 キク科・ヒマワリ属
和名 向日葵(ひまわり)
英名 Sunflower
学名 Helianthus
原産地 北アメリカ
花言葉 「あなただけを見つめている」「愛慕」「崇拝」「熱愛」

夏の代表花としてどの世代にも親しまれているのが「ヒマワリ」です。

強い太陽光が降り注ぐ夏の炎天下でも、暑さに負けずに茎をまっすぐに伸ばしている姿は、エネルギッシュで元気をもらえますよね。

夏を迎える前から、道端などに植えられているヒマワリを見かけると、明るい大輪の花が咲く様子が待ち遠しく感じられるものです。

 

ヒマワリの花といえばやはり黄色が主流ですが、品種改良によって淡い色合いのクリームに近いものや、赤みの強い品種なども登場しています。

花びらの枚数が多く、エレガントな印象のある八重咲きの品種では、ビンセント・ヴァン・ゴッホにちなんだ「ビンセントシリーズ」。

みずみずしいレモン色が眩しい「スターバースト・レモンオーラ」、日本の品種では黄金色が美しい「東北八重」などがあり、一重咲きとは違った華やかな姿を楽しめますよ。

夏の風物詩ともいえるヒマワリを暑中見舞いにいただいたら、ヒマワリからもらえる元気で残りの夏を乗り切れそうです。

 

ひまわりをプレゼントしたいと思った方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

元気なひまわりをプレゼントしてみよう!色・本数の花言葉や通販サイトなどを紹介!

 

アンスリウム

科・属 サトイモ科・アンスリウム属
和名 大紅団扇(おおべにうちわ)
英名 Tailflower, Flamingo flower, Heart of Hawaii
学名 Anthurium
原産地 熱帯アメリカ
花言葉 「情熱」「印象深い」「恋にもだえる心」

トロピカルな雰囲気が満点のアンスリウムは、つやつやとしたハート型の仏炎苞が特徴的な人気のお花です。

この仏炎苞がうちわの形に見えることから、和名では「大紅団扇(おおべにうちわ)」と呼ばれていますが、欧米ではハート型に例えられ、ハワイでは「Heart of Hawaii」の名前で愛されています。

アンスリウムはハワイではとても人気の高い植物で、バレンタインデーに贈る花として有名です。ハート型をしているため、花言葉も恋愛にちなんだものが多く付けられています。

花とよく間違えられるこのハート型の部分は、葉が変化してできた仏炎苞ですので、切り花が早くにぐったりしがちな暑い夏でも、美しい姿を長く観賞できるというメリットがあります。

赤色が代表的なアンスリウムですが、他にもオレンジや黄色、ピンクや白、ボタニカルな雰囲気のある緑色などもありますので、相手の方に合わせてぴったりな色を探してみてくださいね。

 

デンファレ 

科・属 ラン科・デンドロビウム属
和名 長生蘭(チョウセイラン)
英名 cooktown orchid
学名 Dendrobium phalaenopsis
原産地 日本、熱帯アジア、ネパール、ニュージーランド
花言葉 「お似合いのふたり」「有能」

続いてご紹介する「デンファレ」も、トロピカルムードが漂うお花です。

デンファレも大変花持ちが良いため、夏に贈るお花としてふさわしい品種になります。

ハワイの伝統的な首飾りである「レイ」に用いられる花材としてもおなじみです。

デンファレの正式名称は、「デンドロビウム・ファレノプシス」ですが、とても長いのでデンファレの略称で呼ばれることが多いです。属名の「デンドロビウム」は、ギリシャ語の「デンドロン(樹木)」と「ビオン(生命・生活)」が語源となっており、これはデンファレが胡蝶蘭などと同じ、土に根付かず樹木などに根付いて生きる、着生植物であるという性質も表しています。デンファレの花が胡蝶蘭(ファレノプシス)に大変よく似ていたことも、名前の由来です。

色のバリエーションも豊富ですので、贈りたいギフトの雰囲気に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。

 

トルコキキョウ 

科・属 リンドウ科・ユーストマ属
和名 トルコ桔梗(ききょう)
英名 Lisianthus
学名 Eustoma
原産地 アメリカ
花言葉 「優美」「すがすがしい美しさ」「感謝(appreciation)」

ブライダルシーンでも使われる機会の多い「トルコキキョウ」は、八重咲きのものだと大変豪華な花姿で、バラにも負けない華やかさを持っています。しかもバラと比べて一本あたりの単価が安いため、豪華なボリュームを保ちながらも予算を安く設定したい場合にもおすすめしたい花材です。

「トルコキキョウ」の呼ばれ方で多く流通していますが、お店によっては「リシアンサス」「ユーストマ」として店頭に並んでいることもあります。

繊細そうな見た目のトルコキキョウですが、実は日本の夏の暑さにも強い頼もしいお花です。

品種改良が重ねられ、一重咲きや八重咲き、フリル咲きなどの咲き方のバリエーション以外に、花色も豊富にあります。

フラワーギフトの雰囲気に合わせて、素敵な色のトルコキキョウを探してみてくださいね。

 

ユリ

科・属 ユリ科・ユリ属
和名 百合(ゆり)
英名 Lily
学名 Lilium
原産地 北半球に広く分布
花言葉 「純粋」「無垢」「威厳」「洗練された美しさ」

艶やかな佇まいが美しい「ユリ」は、「威厳」「洗練された美しさ」「純粋」といった花言葉にふさわしい花姿です。

ユリの花姿は、ぐったりと項垂れて歩いてしまうような暑さの中でも、しゃんと背筋を伸ばして涼しげに歩く和装の女性を思い浮かべるようです。

古くから美しい女性の代名詞として使われてきたことにも頷けますね。涼しげなユリの花は、暑中見舞いのお花としてぴったりです。

厳かな印象もあるので、目上の方や年配の方へ贈るギフトとしてもおすすめですよ。

 

ガーベラ

科・属 キク科・ガーベラ属
和名 ガーベラ
英名 Gerbera
学名 Gerbera
原産地 南アフリカ
花言葉 「希望」「常に前進」

ぱっと花開く様子が明るい印象を受ける「ガーベラ」もとても人気が高いお花です。

花びらはヒマワリのように放射状に広がっていて、日本の夏の風物詩である花火にも似ていますね。

すらりと伸びた太めの茎先に大きめのお花を咲かせるガーベラは、ポップな雰囲気を持っているため、ちょっとした贈り物やかしこまりすぎないカジュアルシーンでも贈りやすいお花と言えます。

性別や年代もあまり固定されない花材ですし、通年出回っていて入手しやすいのもおすすめポイントです。

さらにガーベラには、ネガティブな意味合いの花言葉がないというギフト向けの花でもあります。ガーベラ全般には「常に前進」「希望」という明るい未来を連想させる花言葉がありますが、色別に付いている花言葉を見ても、ネガティブな意味のものは見当たりません。

花言葉はだいたいのお花がポジティブな意味とネガティブな意味をどちらも持ち合わせているものなので、花言葉を誤解して受け取られないという安心感もありますね。

 

ダリア

科・属 キク科・テンジクボタン属
和名 天竺牡丹(てんじくぼたん)
英名 Dahlia
学名 Dahlia
原産地 メキシコ
花言葉 「華麗」「優雅」「気品」「威厳」「移り気」「裏切り」「不安定」

大輪の花が豪華な「ダリア」も、暑中見舞いのお花としておすすめです。

一輪だけでも十分な存在感があるので、花束やアレンジメントでは主役の花材として使われることも多くあります。

花姿がボタンに似ているため、和名で「天竺牡丹(てんじくぼたん)」の呼ばれ方もあります。ラッピングや合わせる花材との雰囲気によっては、どことなく和モダンな印象も与えてくれるお花です。

 

ダリアはとにかく品種が豊富にあるお花で、品種によってがらりと印象が変わるお花でもあります。

ダリアの咲き方には大きく分けると10種類あると言われており、一重咲きや八重咲き以外にも、球状にころんと咲くボール咲き、ボール咲きよりもさらに丸みのあるポンポン咲き、スイレンの花のように平たい八重咲きを見せるスイレン咲きなどがあります。

花びらの付き具合によって、同じダリアとは思えないような異なる姿になりますので、お気に入りの咲き方のダリアを探すのもとても楽しいですよ。

 

そして、ダリアには全体の花言葉として「気品」「優雅」という人間性や立ち居振る舞いを褒めるような素敵な花言葉があります。特に女性へ贈ると喜ばれそうな花言葉ですね。

また、ダリアは色別にも花言葉を持っていますが、中でも白色のダリアには「感謝」の花言葉があります。相手の体を気遣いつつも、日頃の感謝を伝える暑中見舞いのフラワーギフトに、白くて涼しげなダリアを取り入れてみてはいかがでしょうか。

黄色いダリアもヒマワリのように明るい雰囲気を持ち、夏の贈り物にはおすすめです。

 

まとめ

今回は、暑中見舞いの贈り物にフラワーギフトがおすすめな理由や、夏のギフトにぴったりなお花の種類をご紹介してきました。

暑中見舞いや残暑見舞いにはそれぞれ適した時期がありますので、贈る相手の地域に合わせてお見舞いを贈ると良いでしょう。

ただし、本来は相手の体を気遣うためのご挨拶ですので、個人間ではそこまで神経質になる必要はありません。ビジネスシーンで贈る場合には、時期に合わせた挨拶文にして、いただいたお見舞いには必ずお返事を書くようにしてくださいね。

暑さでぐったりしてしまう夏には、お花を贈って癒しを届けてみるのはいかがでしょうか。

 

大切なあの人にお花を送ってみませんか?