スタンド花はどうやって作られる?フラワーデザイナーの仕事を徹底調査!
華やかで豪華なスタンド花。どんなふうに作られていて、どんな時に贈られるのかご存知ですか?
そして、それを作っているフラワーデザイナーはどんな風に働いているのでしょうか。
この記事では、スタンド花の作り方から、フラワーデザイナーのお仕事風景をご紹介し、
フラワーデザイナーを目指すにはどんなことをしたら良いのかをお伝えします。
未経験者も大歓迎のお花屋さんも紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
スタンド花はデザインセンスが問われるギフト
花束やバスケットアレンジ、花輪など、フラワーギフトには用途やシーンによってさまざまな形があります。その中でも大きくて華やかさを演出するのに適しているのがスタンド花。お店のオープンのお祝いやコンサート・講演会に飾られている、あの大きなお花です。個人的なギフトというよりは、公のイベントごとに使われることが多いフラワーギフトの形です。
とても大きく人目を引くので、飾られていると遠くからでもイベントがあることがわかりますよね。
小さなアレンジメントと違い、立った人の目線の高さにお花が来るように「スタンド」と呼ばれる台の上に作られているので、お花の組み合わせや全体のフォルムの作り方など、センスが問われます。また、見た目だけでなく、小さいスポンジの土台の上に大きく作らなければならないので、スポンジの中で枝や茎がぶつかり合ってしまわないように作るという技術も必要となってきます。スタンド花の制作はフラワーデザイナーの腕の見せ所です。
スタンド花ってどうやって作るの?
スタンド花は通常、「スタンド」と呼ばれるアイアンの台を使います。最近は無機質なアイアンだけでなく、スタンド自体が見栄えのするバスケット風のものなども出回っており、お花以外のところも綺麗に見えるような仕組みもあります。
その「スタンド」にバケツをセットし、中に給水スポンジを入れてお花や葉物、枝などを挿して作っていきます。
まずは、スタンド花の作り方についてご紹介しましょう。
注文に沿った花材選び
まずは大体のイメージを作って、お花を選びましょう。もちろん、ご注文主の意向に沿ったものからです。
色の指定やお花の指定があれば、指定に沿ったお花選びをしなければなりません。
細かい指定がなかったとしても、どんなところに飾られるのか、どんなシチュエーションなのかも考慮しましょう。
可愛らしいアイドルグループのコンサートと、渋い男性演歌歌手のコンサートではイメージが違ってきます。
また、1日だけのコンサートか、お店のオープンで数日飾られるのか。
あまり水を溜めておくことのできない小さいバケツにたくさんのお花を挿すので、お花自体のもちも考慮しなければなりませんね。
ご予算やデザインはもちろんのこと、お店にあるお花の回転率も考慮してお花選びができると上級者の域に達してきます。
木札の用意
お花選びと同じくらい大切なのが、木札です。
贈られた人やそれを見る人に、こんな人が応援してくれているんだ、お花を贈るような関係があるんだと伝える手段であるため、名前を送りたくてお花を出しているという人もいるくらいです。
目立つ贈り物ですから、名前の漢字やスペル、役職名など絶対に間違いがあってはいけません。ここは、何度も確認しましょう。
まts、その大切な木札がお花で隠れてしまわないよう、折角のお花が木札の後ろに来ることがないように、最初に木札を挿します。
お花を挿してからで挿しにくくなってしまいますから、忘れずに最初に場所を確保しておきましょう。
葉物でアウトラインを取る
次に、大体の仕上がりの1番外側をイメージして葉物でアウトラインを取ります。
モンステラやアレカヤシなど大ぶりの葉があると、後ろが透けてしまうのも防ぐことができます。渋くいきたいのなら枝物でアウトラインを取るのも素敵です。
サイズ感の調整
葉物でとったアウトラインを元に、茎の長いお花を使って全体のサイズ感を調節していきます。背中側にくるお花、立体感を出すために前にくるお花、正面からだけでなく、横から見たりと体を使って作っていきましょう。
ここで、大体の隙間を葉物のドラセナやボリュームのあるお花を使って埋めておくと仕上げが楽になります。後になって透けているのを埋めるのは大変です。
空間を埋めていく
最後に、メインになるお花を目立つところに入れていきます。見栄えのするお花がいいでしょう。その後に添えのお花も挿して空間を埋めます。これで大体スタンド花が出来上がってきました。
正面、左右から見てまんべんなく花が入っているかの仕上がりチェック、最後にもう一度注文内容に沿っているか、木札の表記に間違いがないかを確認し、完成です。
フラワーデザイナーってどんな仕事?
フラワーデザイナーと言っても、いろんな働き方があります。
街角のお花屋さんで個人的なギフトや家に飾るようなお花を作る方、ホテルでブライダルブーケやパーティーのお花、ホテルのエントランスを装飾する方、ご葬儀をメインにする方、店舗は持たずにアトリエでイベントの装飾や作品作りをメインにする方、テレビのお花、雑誌やブランドの撮影のお花、銀座や六本木など夜のお店を華やかに彩るお花……。
お花が使われるそれぞれの場所で専門的な知識を持ち、場所やシーンに合わせてお花をデザインしていくのがフラワーデザイナーのお仕事です。
【フラワーデザイナー】1日の仕事の流れ
先ほど述べたように、フラワーデザイナーにはいろいろな働き方がありますが、お花を取り扱うという根本は同じです。そしてそのお花は、大体が市場から仕入れてきたものです。そういう意味で1日の流れには共通したものがありますので、一般的なお仕事の流れを紹介しましょう。
花屋の朝は早い
花屋は早起きです。その理由は2つあります。
お花の仕入れは市場に行って行います。市場は大体早朝4時くらいから開いており、いいお花は早い者勝ちですので、良いものを揃えるためには早く行くことが重要となります。
仕入れの仕方は、仲卸で買う方法と競りで落とす方法があります。
仲卸は10本や5本など少ないロットで買うことができますし、誰でも購入することができます。反対に、競りは1ケースで購入しなければなりませんが、仲卸で買うよりは安く済むことが多いです。競りに参加する権利を取るには色々と条件があり、あまり簡単なことではないようです。個人でやっているフラワーデザイナーは仲卸で買うことがほとんどで、大量に必要な時も、仲卸に注文して手に入れています。
朝が早いもう1つの理由は、仕入れた花を「水揚げ」する作業があるからです。
市場で流通しているお花は、農家で切られてからお店に到着するまでお水に浸かっていないことがほとんどです。その後のお花のもちを左右する「水揚げ」は、とても大切な仕事の1つで、技術と経験を必要とします。
どんなにデザインが素敵でも、次の日枯れてしまうようなお花屋さんでは、信用を失ってしまいますからね。
この、「水揚げ」作業をしなければならないので、市場に仕入れに行くことがないスタッフも朝早くに出勤して、この作業を行います。
水揚げがない場合でも、お花の手入れをしたり、花瓶やバケツの水を交換したりと開店前にもやらなければならないことがたくさんあるので、どうしても朝早くなってしまうのです。
開店後、接客しながら販売
さあ、お店が開店しました。お客様がやってきます。
お客様によってご用途はさまざまです。
出産のお祝い、合格祝い、母の日、誕生日、など嬉しいことに添えるお花もあれば、ワンちゃんが亡くなってしまった、ご主人を亡くされた友人を元気づけたい、自宅療養で季節を感じられないから、お花を贈りたい……など、悲しみや頑張りに添えるお花もあります。
それぞれの用途やお気持ち、趣味に沿ったお花を作るためにはコミュニケーション能力が必要です。
どうやって選べばいいかわからない方や、誰かのお使いで来たために全く要領を得ない方からも、なんとか聞き出してなるべく意に沿ったものを作らなければならないのです。
フラワーデザイナーにとって、せっかく作ったお花が誰からも喜ばれないものになってしまうことほど悲しいことはありませんから、コミュニケーション能力は大切です。
できたお花を配達しに行ったり、発送用のお花を梱包したり、営業中もやることはたくさんあります。
フラワーギフトの制作
用途などを聞き出して、イメージが湧いたらギフトを作ります。
「ギフト」ですから、お花を束ねたりアレンジメントを作るだけでなく、ラッピングまで丁寧に、そしてそれが贈る人の手を渡って受け取る方まで無事に届くことをイメージして作ります。
80歳のおばあちゃんのお祝いに、大きくて豪華な重い.束はありがた迷惑になってしまいますし、それを電車で運ぶとなったら、お花を買ったことを後悔してしまいそうです。
もらった人がが嬉しくて、飾る場所に帰るまで嬉しいままでいられるお花をイメージして作れるようになったら、最高ですよね。
閉店作業
お店が終わったら、閉店作業があります。
1日頑張ったお花をお手入れしてあげたり、必要なものは包んでキーパーと呼ばれるお花の冷蔵庫に入れてあげます。水が汚れていたら交換もしてあげましょう。
レジを閉めたり、シフトを考えたり、注文を確認したり……営業時間中にできなかった事務作業もこの時間に済ませます。
必要なお花の発注もしなければなりません。
フラワーデザイナーのやりがいとは
お花は贅沢品です。お花を飾らなくても、人間は生きていけるでしょう。しかし、日常だけでなく喜びにも悲しみにも人はお花を飾ります。
嬉しいことをさらに嬉しく、悲しみにはそっと寄り添う、お花にはそんな力があると思います。
喜びや悲しみに自分の手で作ったものが寄り添えた時、フラワーデザイナーのやりがいを感じられる瞬間です。
お客様の喜ぶ顔や感謝の言葉
母の日にお小遣いを握ってお母さんにお花を買いに来る小さな子供、お花なんて買ったことがないけれどこれからプロポーズするという緊張した男性、そんなお客様がお花を抱えてワクワクしながらお店を出て行く姿を見るのは本当に嬉しい瞬間です。
お花を受け取った人や、差し上げた方から感謝の言葉をいただくのも、苦労がどこかへ行ってしまうほど元気をもらえるというフラワーデザイナーの方は多いです。
経験を積んでスキルアップしていく充実感
お花を作る技術は机上では得られません。自分の手で作り、感じる経験の中で培われていきます。
作品や商品を作るだけでなく、仕入れや水揚げをしながらお花と向き合って行くことで、段々と身についています。忙しい毎日の中で、ふと振り返った時にこんなことまでできるようになったんだと気付き、自分のやってきたことへの充実感が感じられます。
花を通して色々な経験ができる
お花の仕事は、本当にさまざまです。作品作りのために試行錯誤したり、お客様とのコミュニケーションで悩んだり、商品を売るためにディスプレイの工夫をしてみたり、イベントの裏方として走り回ったり……。そんなさまざまな経験ができるのも、フラワーデザイナーのメリットでしょう。経験を積んで自信を持てたら、自分でお店を持ったり、アトリエを開いたりと独立することもできる仕事です。
フラワーデザイナーに向いている人とは
そんないろいろな経験ができるフラワーデザイナーには、どんな人が向いているのでしょうか。
看護師や美容師のように資格が必要とされる仕事ではありません。やろうと思えば誰でもできる仕事だけに、かえってどんな人が向いているのか分かりづらいかもしれません。
ご自身がフラワーデザイナーに向いているかどうか考えるにあたって、どんな人が向いているのか、見ていきましょう。
お花が好き
まず、これは第一条件ですね。お花が嫌いという人は、フラワーデザイナーは向いていないです。好きだからこそ、綺麗に作ってあげたい、大切に扱いたいという気持ちが芽生えてくるでしょう。
可愛いお花を見つけたらキュンとなる気持ちや、初めて見るお花があれば、どんなお花なのか興味を持つことから知識が広がり、技術が磨かれていきます。
コミュニケーションに自信がある
フラワーデザイナーは接客業でもあります。
自分の好きなものを作って発表するような芸術家になる以外は、お客様の意向や趣味などを聞き出して、それに沿うようなものを作らなければなりません。どんなに素敵でも、欲しいものでなければお金をいただけないので、お客様とのコミュニケーションがとても大切です。
また、市場の人とも仲良くなれるといいお花の情報をもらえたり、困った時に助けてもらえたりと、よりいいものを仕入れられる機会が増えるのでコミュニケーション力があるのは、大きな武器になります。
体力がある
先ほど1日の流れでもご説明したように、フラワーデザイナーの仕事はハードです。朝早いし、イベントなどがあれば夜遅くなることもあります。
1日立ち仕事で、重い花瓶なども運ばなければならず、体力がなければ務まりません。やって行くうちに段々とついてくるかもしれませんが、腰痛があったり極端に体力がないようだと、初めの頃は少しきついと思います。
フラワーデザイナーになるにはどうすれば良い?
では、フラワーデザイナーになるにはどうすればいいのでしょうか?
フラワーデザイナーになるには、絶対に必要な資格はありません。学歴などを重視する仕事ではないので、やろうと思えば誰でもなれるお仕事ではあります。
しかし、何もできないのにフラワーデザイナーとは語れないと思いますので、どんなふうに経験や知識を身につければいいのか、見ていきましょう。
専門学校や通信教育で学ぶ
お花の専門学校や通信教育で、広くフラワーデザインの知識を身につけることができます。作品を作ったり市場に見学に行けるなど個人ではできない経験が積めたり、ワイヤリングや水揚げなど基本的なことも教えてもらえますので、お花の知識を一通り学ぶことができます。色々学んでいく中で、自分がどんなスタイルで働きたいのかを選ぶきっかけにもなるでしょう。同じ志の友人ができるのも、今後お花の業界で働いて行く上で心強いと思います。
資格を取る
フラワーデザイナーになるために絶対必要な資格はありませんが、知識を得る事と、どんなことができるのか履歴書に書けるという点で、資格を取るのもいいかもしれません。
国家資格の「フラワー装飾技能士」や民間の「NFDフラワーデザイナー」は有名な資格です。実際のお花屋さんで働く上で、この資格が重視されているかといえば、そうではないと思いますが、別のお仕事をしながら将来花屋で働きたいと考えている方でしたら、こう行った資格を取っておくのはいいと思います。
また、いけばなの流派の免状をとっておくという手もあります。いけばなのお花は西洋のフラワーデザインとはまた違った考え方をしているので、いけばなの知識があるということは、大きな武器になるはずです。
未経験なら花屋で働くのがおすすめ!
未経験でも採用のある花屋はたくさんあります。癖がついていないので、未経験の方がいいというお店もあるくらいです。
資格を取ったり、専門学校に行くにはお金を払わなければなりませんが、お金をもらいながら経験も知識も手に入れられるのです。全くのゼロですから、予備知識のある方に比べたら、少し大変なこともあるかもしれませんが、大好きなお花に囲まれて仕事ができるので、なんとか頑張れるのではないでしょうか。
専門学校に行く2年と実地の2年とでは、得られる経験が大きく違ってきます。結局花屋で働くことになるのだから、これがフラワーデザイナーへの一番の近道だと言えるでしょう。
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まとめ
フラワーデザイナーがどんなお仕事なのか、スタンド花はどうやって作るのか、この記事でなんとなくイメージしていただくことができたでしょうか?
体力のいる仕事ですので、楽な仕事ではありませんが、お客様の喜ぶ顔が間近でみられるという、お金には代えられない経験を得られる素敵なお仕事です。
将来職場を離れることになっても、身についた技術と得た知識はご自身から離れることはありません。お花が好きな方、人の喜ぶ顔を見るのが好きな方、技術を身につけたい方にはとてもおすすめな職業です。興味があったら、ぜひプレミアガーデンに応募してみてください。