心を癒す花のある暮らしをしませんか?おすすめの花の色や花選びのコツ

毎日慌ただしく過ぎる日々の中で、ほっと一息付けるのが自宅で過ごす時間ではないでしょうか。コロナ禍を経て今までよりおうち時間が増えたという人も多いかもしれません。

自宅を更にリラックスできる空間にするためにおすすめしたいのが、「お部屋に花を飾る」ことです。花には、ストレスを緩和し人の心を癒すリラックス効果や、不安をやわらげる効果があることがわかっています。その効果の高さから、フラワーセラピーという心理療法があるほどです。

今回の記事では、花のある生活を始めた人、これから始めたい人のために、花のある暮らしに役立つヒントを紹介します。

花のある暮らしがもたらす効果

最新の研究データでは、花のある部屋と花のない部屋にいる人の神経活動を比較すると、花のある部屋で過ごす人は、ストレス時に高まる交感神経の活動が25%抑えられる一方、リラックス時に高まる副交感神経の活動が29%高まることがわかっており、花の癒し効果が医学的にも証明されています。

花はその美しい見た目や香りで人間の五感を刺激し、ドーパミン、オキシトシン、セロトニンという「しあわせホルモン」の分泌を促す効果があることがわかっており、しあわせホルモンは花を愛でる以外にも、食事や運動、スキンシップによっても分泌が増えます。このホルモンが人間の脳内に分泌されることでストレスが緩和され、リラックス効果も期待できることが証明されているのです。

花を飾ることで得られる嬉しい効果は、それだけではありません。さっそく、花のある暮らしがもたらすメリットをみていきましょう。

リラックス効果がある

部屋やオフィスに飾られた花を見て、ふと心が癒されたり、緊張がほぐれたり、リラックスした気分になった人は多いのではないでしょうか。これは、しあわせホルモンの中に、イライラを抑えてくれるセロトニン、心を落ち着かせてくれるオキシトシンという成分が含まれているためです。

また花の見た目だけではなく、その花びらや茎に触れることでも心理的な安定感が増すこともわかっています。部屋に花を飾って鑑賞するだけではなく、お世話をする時間そのものが私たちの心に安らぎを与え、気持ちをリフレッシュさせてくれるのです。

やる気が出る

オフィスや学校に花が飾られていると、いつもより気持ちが晴れてなんだかやる気が出ますよね。千葉大学環境健康フィールド科学センターが行った実験では、花のある部屋は花のない部屋に比べて「活気」が上昇し、ストレスや緊張状態を緩和するという実験結果が出ています。コロナ禍でリモートワークが増え、自宅で仕事をする時間が増えたという人も多いはず。在宅ワークは自分のペースで仕事ができる半面、やる気が出なかったり、人と話せずフラストレーションが溜まってしまったり。そんな時にデスクに飾られた花を眺めると、気持ちがリセットされ、頑張るための活力が湧いてくるかもしれません。

選ぶ色によっても、人の心に働きかける効果が変わるので、やる気を出したいときにはイエローやオレンジ系のエネルギッシュな色の花がおすすめです。

自然と部屋が片付く

せっかく美しい花を飾るなら、綺麗でおしゃれな部屋に飾りたいですね。花を飾ることで、自然と部屋を綺麗に保ちたい、片付けたいという欲求が湧いてくる人が多いようです。

物が溢れかえった部屋に花を飾ると、水の入った花瓶を倒してしまったり、繊細な花は先端が折れてしまったりといったアクシデントも起こりえます。花を美しく飾るために、テーブルやチェストの上もすっきりとさせて、拭き掃除までしてみると、同じ花でもより美しく感じられるはずです。お部屋が片付くと、空間が広く感じられ、心までリフレッシュするような嬉しい効果が期待できそうですね。

花の生命力を感じられる

生き物と暮らしたいけれど、犬や猫を飼う時間の余裕がないという人にもぜひ、花を飾ってみることをおすすめします。花は一番小さな生命です。花と暮らすことは、ペットを飼うことにも似ています。

例えば春を代表する花、「チューリップ」ですが、切り花にしたチューリップは飾っている間にもぐんぐんと茎が伸び、成長する姿を楽しむことができます。また、チューリップやアネモネは、朝に開き夜に閉じる性質を持っているので、毎日朝を迎えるのが楽しみになるはずです。雲竜柳などの枝ものは、水に生けていると根っこや新芽が顔を出すものもあります。花を飾り、お世話をすることで、生命の尊さを感じることができますね。

出典:農林水産省

選ぶ花の色で変わる、効果の違い

ハッピーで楽しい気分の日には、自然と明るい色の服を選んでいたという経験はありませんか?雨の日でも明るい色の服を着ていたら、楽しい気分で過ごせたなんて経験がある人もいるかもしれません。

カラーセラピーという言葉があるように、選ぶ色は思った以上に人の気持ちにも影響を与えます。花も同じで、やる気を出したいときや、癒されたいとき、その気持ちを引き出すのに適した色の花を選ぶことで、自分にとってより嬉しい効果が期待できます。

やる気を出したいときには赤色の花

勝負の色のイメージがある赤色は、やる気を出したいときやパワーが欲しいときに選びたい色です。赤色は交感神経を刺激するカラーで、体の血流を良くする効果が期待できます。部屋に飾ると活力をアップし、前向きな気持ちを引き出してくれる色です。

赤色のおすすめの花

バラ・チューリップ・アネモネ・ダリア・アンスリウム

気持ちを落ち着かせたいときには青色の花

自律神経を整えて、気持ちを落ち着かせてくれるのは青色の花。気持ちをリラックスさせることから安眠効果も期待できる色なので、寝室に飾る花にもおすすめの色です。

冷静さを表す色で、何か難しい決断に迫られたときや物事を見極めたいときには青色の花を飾って、一度心を静めてみてはいかがでしょうか。

青色のおすすめの花

デルフィニウム・アジサイ・ニゲラ・ブルースター

リセットしたいときには白色の花

気持ちを切り替えたいときや、すっきりさせたいときに選びたいのが、白色の花。白は、空間を浄化する色であり、人間関係を好転させたいときにもおすすめしたい色です。白色の花を選びたくなるのは心がもやもやしているとき。身近に飾れば心機一転、新しい気持ちで物事を始めることができるはずです。

白色のおすすめの花

ユリ・バラ・カラー・カスミソウ・ガーベラ

オフィスにはコミュニケーション能力を高める黄色・オレンジの花

黄色・オレンジ色はコミュニケーション能力を高めてくれる色なので、オフィスに飾るのにぴったりです。気持ちを明るくし、心の迷いや不安を消してくれる色なので、物事をスムーズに運んでくれる効果も期待できます。

また、黄色は新陳代謝の働きを助ける効果のある色なので、食卓のあるリビングなどに飾ると食欲が湧き、いつもよりごはんがおいしく感じられるかもしれません。

黄色・オレンジ色のおすすめの花

ひまわり・バラ・スイセン・ラナンキュラス・モカラ

優しさやぬくもりを感じたいときにはピンク色の花

お部屋に飾ると心にそっと寄り添い、あたためてくれるのがピンク色の花です。優しさや思いやり、しあわせを感じられる色で、見ているだけで安心するという人も多いのではないでしょうか。疲れたときに飾れば、心がほっと温かく感じられるはずです。

若々しさを保ち、恋愛のモチベーションもアップしてくれる色なので、好きな相手がいる人にもおすすめしたい色です。

ピンク色のおすすめの花

バラ・ラナンキュラス・コスモス・スイトピー

癒されたいなら緑色の花

緑色自然の恵みを感じる色です。疲れているときには、不思議と森や海など、自然をめいっぱい感じられる場所を求めていることが多いですよね。

なんだか疲れが溜まっていて、心癒されたいときには、葉物をふんだんに生けてみるのはいかがでしょうか。緑色には、目の疲れを取ってくれる効果もあるので、パソコンやスマートフォンで目に負担がかかっている人にもおすすめしたい色です。

緑色のおすすめの花

セダム・カーネーション・トルコキキョウ・葉物

集中力を高めたいときには紫色の花

紫色集中力を研ぎ澄まし、感性を豊かにする効果があります。青色と赤色が混ざった紫色は、心を静める効果を持ちながらクリエイティブな感性を引き出してくれる色です。

紫色は破損したDNAを修復する色と言われていて、心をケアし、体の回復を助けてくれます。静と動の両方の特徴を併せ持った紫は、不安定になりがちな私たちの心と体のバランスを保ってくれる色なのです。

紫色のおすすめの花

トルコキキョウ・バラ・スカビオサ・カラー・西洋マム

センスよく花を飾りたい!花選びのコツは?

「プレゼント用の花束は買ったことがあるけれど、自宅用の花は選んだことがない」という方、意外と多いかもしれません。花屋さんには、四季折々のたくさんの種類の花が並んでいるので最初のうちはどれを選んだらいいか悩んでしまいます。

自分の好きな花を選んだり、花屋さんに相談したりしながら、まずはお気に入りの1輪を見つけてみましょう。そこから少しずつ花を足していくと、イメージが見えてきます。

ここからは飾る花を選ぶときのおしゃれに見せるヒントを紹介します。

メインにしたい花を選ぼう

花の組み合わせに正解はないので、自分のインスピレーションで自由に選ぶことができます。さまざまな色や形のお花をアーティスティックに生けることもできますし、慣れるまではメインにしたい花を1~2種類にしぼってみるとスタイリッシュに飾ることができるはずです。リラックスしたい寝室には青色の花を、賑やかなリビングには黄色やオレンジの花を、と飾る部屋のイメージに合わせた色味を選ぶのもおすすめです。ぜひ花を選ぶ時間もゆっくりと楽しんでくださいね。

小花を足してボリュームアップ

メインに飾りたい花が決まったら、メインの花より小さめの小花を足してボリュームを見ながら束ねていきます。メインの花よりも茎が細く、動きの出る小花は、花全体にナチュラルな印象を与えてくれるので、単品で飾るよりもおしゃれに見えますよ。

慣れてきたら小花ばかりを集めて、まるでお庭から摘み取ってきたばかりのようなフレッシュな花を合わせるのも素敵です。

葉物を添えてみよう

花屋さんに通っていると、葉物にもさまざまな種類があることが分かります。葉っぱの色が薄かったり濃かったり、葉全体も細長かったり大きかったり、よくみると種類は豊富です。

同じ花でも、葉物を変えるとずいぶんと与える印象が変わります。例えば、タラスピのような鮮やかなグリーンの葉物を合わせるとナチュラルで明るい印象になり、ユーカリなどくすんだシルバーグリーンの葉物を合わせると、おしゃれな印象になります。仕上げたいイメージに合わせて葉物の色味にもこだわってみましょう。

葉物の中には、実がついたものやツルが伸びたものもあるので、それらを組み合わせるとより動きが出て躍動感のある花束に仕上がりますよ。

お手入れをして、花を長持ちさせよう

せっかく選んだお気に入りの花、できるだけ長く楽しみたいですよね。花瓶に生けておくだけではあっという間に枯れてしまう花も、適切なお手入れをすることでより長い期間、綺麗な状態を維持することができます。

お手入れと言っても、花瓶の水を取り替えたり置く場所に気を配ったり、今日からでも簡単に実践できる方法ばかりです。花を飾る際にはぜひ参考にしてください。

水の深さは植物によって変わる

花瓶に入れる水の正しい量はどのくらいなのでしょうか。まず、茎や葉は水に浸かっている部分が多いと、花痛みが進み腐りやすくなります。そのため、基本的に水を入れるのは花瓶の1/3ほどが目安です。花の種類によって、水を良く吸い上げるバラなどは、花瓶の半分くらいの水で生けてあげても良いでしょう。

気を付けたいのは、茎にふわふわと毛が生えたガーベラやひまわり。茎が腐りやすいので花瓶の水は少なめにします。ただしひまわりはとてもよく水を吸うので、夏場はあっという間に花瓶の水が空になってしまうことも。ガーベラやひまわりは頭も大きいので、水があまり少なくても花瓶が倒れる原因になります。水を腐らせないようにこまめに水替えをしながら、水の量を調整してあげましょう。

水替えを行う

花瓶の水は日にちが経つにつれて、水中にバクテリアが増えて導管が詰まり、吸水できなくなる原因になります。春・秋の過ごしやすい時期であれば、2〜3日に1回、寒さで水が腐りにくい冬場は3〜4日に1回、夏場はできれば毎日水替えを行うと良いでしょう。

気温が高くなると水温が上がり、バクテリアの増殖するスピードが一気に上がるので、花持ちが悪くなる夏場は特に、こまめに水替えを行うことで花の持ち具合がずいぶんと変わってきます。

茎の先端を切って、給水を助けてあげる

水替えを行うときには、茎の先端をはさみで少し切ってあげると新しい導管が出て、給水しやすくなります。花の元気がなくなったときにもこの方法を試してみると、再び水を吸い上げて元気になることもあります。

先端を切るはさみは、清潔で必ず切れ味の良いものを用意しましょう。切るときに茎の断面をつぶしてしまうと、導管も一緒につぶれてしまうので給水することができなくなってしまいます。

部屋の温度に気を配る

夏場はエアコンの風が直接当たるところに花瓶を置くのは避けましょう。花びらや葉から水分が蒸発して、あっという間に乾燥して枯れてしまいます。冬場の暖房の効いた室内も、花にとっては温かすぎて花痛みが進む原因に。

四季を通して、涼しく風通しの良い場所に飾るのが長持ちのコツです。夏場は冷房の効いた室内に、冬場は暖房の届きづらい玄関などに飾るのがおすすめです。

こんなアイデアも!おすすめの飾り方

この記事を読んで花のある暮らしを始めたいと思ったものの、自宅に花瓶がなかったり、なかなか花瓶を飾るスペースが確保できなかったりなんてケースもあるかもしれませんね。

最後の項目では、自宅にあるものを活用して花を生ける方法や、花のある暮らしをより楽しむためのヒントを紹介します。

花瓶の代わりに活躍するキッチングッズ

花を飾りたいけれど花瓶を持っていない、大きな花瓶は保管場所も必要だし買うのを躊躇してしまう。そんな時に活躍するのがキッチン周りの、コップやお皿です。

マグカップやコップは間口が広いので、1輪だと倒れてしまうというときは、葉物を添えて花の頭を支えるように生けるとバランスよく飾ることができます。

省スペースでも花を楽しめる一輪挿し

デスクの上など限られたスペースに花を飾りたいときには、一輪挿しが活躍します。花1輪や葉物を飾るだけなので、管理がしやすくストレスなく続けられるのも一輪挿しの魅力。生ける花が少ない分、茎のフォルムや花が枯れるまでの様子をじっくりと観察することができます。

一輪挿しには、花を生けていないときにもアートとして飾っておける素敵なものがたくさんあるので、お気に入りの花瓶を探すのも楽しい時間です。

まとめ

花を飾ることは、心にも体にも嬉しい効果があることを紹介しました。花は生きているので、お手入れしてあげることで長持ちし、生き物の生命力やお世話する喜びを感じられます。花のある暮らしを身近なものとして取り入れて、生活をより実りあるものにしていきましょう。花を飾るときのゆったりと流れる時間は、疲れた心をリフレッシュさせ新しい1日の活力へとつながります。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?