ブライダルシーンに人気!福寿草の花言葉・魅力とは
福寿草をギフトにしたいと考えたとき、花言葉が気になる人もいるでしょう。フラワーギフトは花言葉に贈り主のメッセージを込める場合もあります。福寿草の花言葉を知って、どのようなシーンに贈るか検討しませんか。また、福寿草の栽培に関する知識を身に付け、自分で育ててみるのもおすすめです。今回は福寿草の花言葉とともに、福寿草の基本情報や種類、栽培の仕方なども解説します。
福寿草の花言葉とは
まずは、福寿草の主な花言葉とその由来を見ていきましょう。福寿草は縁起のよい植物として知られており、花言葉も基本的にポジティブな意味合いのものが多めです。
具体的な花言葉を見ていきましょう。
幸せを招く・永久の幸福
福寿草の代表的な花言葉に「幸せを招く」「永久の幸福」があります。福寿草は年が明けてから初めに咲く花と言われているため、縁起が良いとされているようです。福寿草という名前自体にも、幸福を意味する文字が使われており、おめでたい雰囲気にあふれた花となります。
回想・思い出
福寿草には「回想」「思い出」という花言葉もあります。幸福を意味する花言葉とはまた少し異なる印象ですが、これもよい意味合いが込められていますね。福寿草の「寿」の字は長生きを表すものです。長生きをすると、その分思い出も多くなりますが、そのような思い出を振り返り、幸福な気持ちになるという意味でつけられた花言葉となります。
sorrowful remembrance(悲しき思い出)
福寿草には「sorrowful remembrance(悲しき思い出)」という英語の花言葉もあります。これは、福寿草にまつわるギリシア神話の内容が大きく関わっているようです。このギリシア神話については、次の項目で詳しく見てみましょう。
福寿草の花言葉に怖い意味はある?
福寿草には前の段落で紹介してきた花言葉のほかに、「豊穣」「死の危険」という花言葉もあります。一部少し恐ろしそうな花言葉もあるため、福寿草の花言葉には怖い意味があるというイメージをもつ人も多いようです。「死の危険」の花言葉の由来は、福寿草に毒性があることが由来となります。アドニン・アドニトキシン・シマリンなどの強力な毒成分が含まれており、場合によっては心臓まひなどを起こし死亡する可能性もあるようです。このような毒性の強さが、福寿草の花言葉の怖いイメージの1つの要因になっていると考えられます。
また、福寿草がもつ悲しいの由来となった悲しいギリシア神話は、アドニスのエピソードです。 アドニスは類まれなる美少年で、愛の女神アフロディーテに溺愛されていました。しかし、ある日狩りが好きだったアドニスはイノシシ狩りをしていた途中、イノシシに襲われて死んでしまいます。そしてそのときアドニスが流した血から花が咲き、これが福寿草の由来になっているのです。
ただし、これらの花言葉は福寿草の成分や福寿草にまつわる言い伝えを表しただけであり、福寿草自体に縁起の悪い意味合いはありません。一般的に、福寿草は幸せを運ぶ植物としてポジティブな印象を抱く人が大多数であるため、ネガティブな言葉に関しては、そこまで過度に意識しなくても大丈夫でしょう。
福寿草の基本情報
科・属 | キンポウゲ科フクジュソウ属 |
和名 | フクジュソウ |
英名 | forked-stem adonis |
学名 | Adonis ramosa |
原産地 | 日本・東南アジア |
福寿草の特徴
福寿草は、2〜4月頃に開花する春の植物で多年草です。数cmほどの小ぶりな黄色い花を咲かせます。日本も原産地のひとつである福寿草は、古くから日本で親しまれてきました。日本全国各地に自生しており、一部地方にのみ生息する種類もあるようです。福寿草が栽培され始めたのは江戸時代と言われていて、春を1番に伝える花として「福告ぐ草」と呼ばれていたものが変化し、現在の福寿草の名前になりました。
なお、根茎を乾燥させたものは生薬として扱われていますが、先述した通り毒性が強い植物であるため、家庭などで独自に作ったり服用したりなどは厳禁です。
福寿草はいつの誕生花?
福寿草が誕生花になっている日にちは以下の通りです。
- 1月1日
- 1月3日
- 1月4日
- 1月12日
- 2月26日
- 4月6日
福寿草がちょうど花開く、お正月から春にかけての日にちに設定されています。これらの日にちょうど誕生日を迎える人に、プレゼントで福寿草を贈ると喜ばれそうですね。
福寿草の種類
福寿草は一種類だけでなく、さまざまな種類があります。色や咲き方も一重、八重、万八重と、種類によって異なるため、種類を覚えておくと自分の好きなデザインの福寿草を育てることができるでしょう。ここでは、福寿草の代表的な種類をご紹介します。
福寿海
福寿草の中でも最も一般的な種類です。福寿草と聞いて多くの人がイメージするのは、この見た目が多い傾向にあります。福寿海の特徴は、明るく鮮やかな黄色と丸い花びらです。また、花のサイズが大きめで多弁咲きなので、豪華な印象を持つ人も多いでしょう。1つの茎に複数の花がつくため、とても華やかです。福寿草の中でも丈夫な種類なので、園芸初心者でも簡単に栽培できます。
日の出
こちらも福寿草の中では一般的な種類です。明るくやわらかいオレンジ色の花が咲きます。色や見た目は福寿海と似ていますが、日の出の花びらは形が少し楕円形になっているのが特徴です。春先からきれいな花を見ることができるでしょう。
ミチノクフクジュソウ
福寿海のような、鮮やかな黄色い花を咲かせる種類です。ただし、ミチノフクジュソウの花は、花びらの先端が少しオレンジ色になっています。また、1つの茎に複数のお花が咲く福寿海とは花の付き方も異なり、ミチノフクジュソウは1つの茎に花が1つ咲くようです。なお、ミチノフクジュソウは本州・四国・九州などで見られる種類ですが、生息域が少なくなってきているため、国や自治体に絶滅が危惧される植物と指定されています。
秩父紅(チチブベニ)
埼玉県の秩父地方にのみ咲くことから、このような名前が付けられた固有種です。夕焼けのように少し赤みがかったオレンジ色の花が特徴的で「紅花」とも呼ばれます。秩父にある「ムクゲ自然公園」では、約1万株もの秩父紅の群落を見ることができ、非常に人気のスポットになっています。
白寿(ハクジュ)
福寿草の中でも珍しい種類です。福寿草と言えば黄色い花をイメージする人が多いかもしれませんが、こちらの白寿はクリーム色の花が咲きます。また、時間が経つにつれ、花の色がクリームから白に変化することも特徴です。愛好家の間で高い人気を集めています。
緑峰(リョクホウ)
佐渡に生息する福寿草で、こちらもレア度の高い種類です。細い葉のような緑色の花びらが何枚何十枚と重なった、大輪の花が咲きます。
近年発見された希少品種で、非常に個性的な美しさが特徴です。開花時期は1〜2月ですが、寒い地域では4月に花を咲かせます。
福寿草の育て方
福寿草は自宅での栽培が可能です。栽培のコツを押さえながら育てれば、毎年きれいな花を咲かせてくれます。室内・屋外どちらでも栽培できるので、自宅の環境なども加味しながらお世話してみてください。
用土・肥料
福寿草は水はけのよい土を好みます。赤玉土や軽石を組み合わせた用土で育てるのがよいでしょう。また、有機質を多く含む土と相性がよいため、腐葉土を混ぜるのもおすすめです。
春の植物は施肥の仕方によって生育が大きく変わります。元気な福寿草を育てるためには、植え込みの際に化成肥料を1株につき数粒与え、芽出しの際に置き肥し、その後定期的に液体肥料を与えるのがポイントです。
置き場所
福寿草は基本的に日当たりを好む植物です。ただし、夏の暑さは苦手なので、季節に応じて置き場所を考える必要があります。日が当たれば花が開き、日が少ない日や夜間は花は咲かないため、開花の時期は日当たりのよい場所に置きましょう。ただし、直射日光が当たる場所ではなく、やわらかな日差しが注ぐ場所を選んでください。庭であれば落葉樹の下などが最適です。屋内で栽培する場合は窓辺に置き、レースカーテンなどをかけて日差しの強さをやわらげるのがよいでしょう。なお、多湿を嫌うため、風通しのよさも意識しながら置き場所を考えます。
水やり
福寿草は乾燥させずに育てるのがコツです。小さなサイズながら根は太めですが、水を吸い上げる力はあまり強くありません。そのため、水が少なくなるとすぐに乾燥してしまうのです。土の表面が乾き気味になったらすみやかに水をたっぷり与えます。また、休眠期でも水やりは必要です。ただし、花に水がかかってしまうと凍結する場合があるため気を付けましょう。なお、水やりは重要ですが、水が土の中に残り過ぎてしまうと根腐れが発生しやすくなるため、注意が必要です。
植え付け・植え替え
植え付け・植え替えは、9〜10月頃が最も適しています。しっかり成長している福寿草は多数の根を持っているため、根の扱い方が植え替えを成功させる大きなポイントです。福寿草は根から水を吸う力が弱いため、それを補うためには根を多く張る必要があります。根を減らしてしまうと、植え替え後に水が上手く吸えず、成長に悪影響を及ぼす可能性もあるため、根はなるべく取らないように管理をしましょう。
夏の管理方法
先に少し述べましたが、福寿草は夏に弱い植物です。そのため、夏越しができるよう管理方法を少し変えることがポイントです。夏は土の温度も上がりやすいため、福寿草を植えている土の上に、ワラや腐葉土などで層を作り土を保護するのもよいでしょう。なお、夏は福寿草の葉が落ち始めますが、この時期も水やりは行います。ただし、葉が全て落ちたら水やりの回数は減らしてください。落葉後の福寿草は、移動可能であれば棚下などに置くのがベターです。
増やし方
福寿草を増やす場合、種をまくか、株分けするかの2種類の方法があります。種をまく場合は、種を採取したらすぐまきます(福寿草の種は乾燥すると発芽率が下がるためです)。株分けの場合は、植え替えのタイミングで行いましょう。あまり細かく株分けするとそれぞれの株が弱ってしまうので、芽の付き方などを確認しながら適度に分けます。なお、根を傷めないようやさしく扱ってください。
注意すべき病害虫
病害虫が発生したらすぐに対処しないと、最悪の場合福寿草自体がダメになってしまう可能性もあります。そのため、福寿草に害虫や病気を発見したら、すぐに対処するようにしましょう。ここでは、福寿草に付きやすい害虫や罹りやすい病気をご紹介します。
害虫
福寿草に発生しやすい害虫は、ナメクジ・ヨトウムシ・ハダニ・アブラムシなどです。ナメクジやヨトウムシは、夜間に活発に動き、芽・葉・つぼみなどを食害します。ハダニは葉の裏にくっついて、葉の葉緑素を吸い取ってしまうため注意が必要です。ハダニの被害を受けた葉は葉緑素不足で白く変色し、光合成ができなくなるため、成長が阻害されてしまいます。アブラムシは植物の天敵として定番です。植物の汁を吸って成長を妨げるほか、分泌液によってさらにほかの害虫を引き寄せたり、ウイルスの媒介となって病気の原因をつくったり、さまざまな悪影響を発生させるため注意しましょう。
害虫を発見した場合は速やかに除去をすることが大切です。市販の殺虫剤でも大丈夫なので、早めに処置をしておきましょう。
病気
福寿草の栽培で注意したい病気は、白絹病・灰色かび病・炭そ病・ウイルス病などです。白絹病は土壌中の病原菌によって引き起こされる病気で、株元が白い絹糸のようなものでおおわれ、生育が悪くなり枯れてしまいます。白絹病にかかった福寿草の株は諦めるしかありません。対処法としては、植え替えの際などに土を清潔に保つことが大切です。また、白絹病は夏場に発生しやすいので、福寿草の夏越しに影響が出ないよう、しっかり気を配りましょう。
ウイルス病は別名をモザイク病と言い、葉にモザイクのような変色が現れることが特徴です。株が縮んだり茎葉がしおれたり、生育が悪くなり最終的に枯れてしまいます。
福寿草をずっと元気な状態で栽培するには、病気も早期に発見し、適切に対応することが大切です。なお、このような病気は通気性が悪い多湿な環境で発生しやすいことも覚えておきたいところ。植物に病害虫がつきにくい環境を意識しましょう。
縁起のいい福寿草を贈ろう!
福寿草を贈るのにおすすめなシーンは以下の通りです。
- 結婚式
- 正月
- 個人的なお祝いのギフト
それぞれを詳しく見ていきましょう。
結婚式
幸せや長寿の意味が込められた福寿草は、新しい門出の日を迎える夫婦にぴったりですね。結婚式会場の装花やブーケに福寿草をあしらう人も少なくありません。結婚祝いを贈るなら、福寿草に2人を祝福する気持ちを込めてプレゼントすると素敵です。
正月
お正月の定番の花なので、お年賀としてプレゼントするのもよいでしょう。また、栽培も難しくないため、園芸が好きな人や園芸に興味のある人に贈るのもおすすめです。自分でお世話した福寿草が可愛らしい花を咲かせるのも、楽しみの一つになるでしょう。
個人的なお祝いギフト
福寿草をギフトとして贈る場合、鉢植えやアレンジメントなどの形が考えられます。贈った相手に栽培も楽しんで欲しいなら、鉢植えで贈るのがおすすめです。ただし、贈るシーンによっては、鉢植えはあまり歓迎されない可能性があるため注意しましょう。具体的には、病気・ケガで入院している人などへのお見舞い。鉢植えは植物が鉢の中に根を張っていることから、「寝付く」という意味につながり、病気・ケガをしている人の回復を願う贈り物としては縁起が悪いとも考えられています。ただし、開店・開業・移転祝いなど、新しいことを始めるタイミングにおいては、鉢植えは「根を張る」という意味から非常に縁起がよいとされています。贈るシーンや相手に合わせて、最適な形のギフトを贈りたいですね。
まとめ
福寿草にはギリシア神話にまつわる少しせつない花言葉などもありますが、基本的には幸福や長寿などハッピーな意味をもつ花言葉が多く、幸せを表す植物として親しまれています。縁起がよいため、お正月・慶事などの贈り物にもぴったりです。夏の暑さや乾燥、病害虫などに気を付けつつ大切に育てれば、毎年きれいな花を咲かせ楽しませてくれるでしょう。ぜひこの記事で福寿草についてより深く知り、大切な人への贈り物に、大切なシーンでのギフトに選んでみてはいかがでしょうか。