スズランの花言葉とは|プレゼントにおすすめのシーンや育て方まで
春を知らせてくれる花として人気のあるスズランは、可憐で小さなベルのような形の花とスッと伸びる葉とのバランスがキレイな植物です。
代表的な白色をはじめ、ピンク色のスズランがあり、清潔感と可愛らしい雰囲気があるため、気持ちを伝えられる花として選ばれています。
そんなスズランは「純粋」や「純潔」といった花言葉を持っており、誕生日や記念日、結婚祝いの贈り物としてぴったりです。
この記事では、スズランの花言葉をはじめ、基本情報や育て方などを具体的にご紹介します。
スズランの国別の花言葉
スズラン全般の主な花言葉は、「純粋」「純潔」「謙虚」です。
そのなかの「純粋」という花言葉は、スズランの混じり気のない真っ白な花色に由来しているといわれてます。
スズランは白色のキレイな花色が多いため、白色のスズランの花言葉が全般の花言葉とされていることが多いです。
スズランの花言葉は国や地域によっても異なり、英語では「return of happiness(再び幸せが訪れる)」「motherhood(母性)」、フランス語では「bonheur retrouvé(幸せな再会)」「joie(喜び)」「e la joie d’aime(愛する喜び)」という花言葉があります。
特に「return of happiness(再び幸せが訪れる)」は、ヨーロッパの寒い地域に住む人にとって春の訪れの喜びの印になっていることに由来しています。
また、聖母マリアのベールに類似していることや聖母マリアが流した涙がスズランの花になったという伝説もあり、「聖母マリアの花」とも呼ばれることもある花です。
スズランの色別花言葉
スズランには代表的な白色のほかにも、ピンク色の可愛らしいスズランもあります。
ここでは、白色のスズランの花言葉と併せてピンク色のスズランの花言葉についてご紹介します。
白色のスズランの花言葉
上述したように、白色のスズランはスズラン全般の花言葉とされています。
それ以外にも、「仲直り」や「約束」、「希望」などもあり、非常に幅広い花言葉を持っています。
また、「結婚」という結婚式などに合う花言葉も持っており、白色のスズランと純白のウエディングのイメージは重なるでしょう。
どの花言葉も可憐で清潔感と可愛らしい見た目をしているスズランにぴったりといえます。
ピンク色のスズランの花言葉
ピンク色のスズランの花言葉は、「可愛らしい」「愛らしい」です。
ピンク色のスズランは後述するドイツスズランのなかの1種であり、淡く可愛らしい印象があります。
そのため、スズランのなかでもピンク色が好きという人は比較的多いのではないでしょうか。
また、ピンク色は恋愛を連想する色でもあるため、想いを寄せる相手やお世話になっている女性などへのプレゼントにぴったりといえるでしょう。
花言葉に怖い意味があるって本当?
結論からいうと、スズランには怖い意味を持つ花言葉はありません。
しかし、スズランには「コンバラトキシン」や「コンバロシド」といった有毒成分があるため、そこから怖いというイメージがついたという可能性があります。
スズランに含まれている有毒成分は根の部分や花に多く、万が一摂取してしまうと嘔吐や頭痛、めまいなどの症状が引き起こされるため、素手で触ることがないように注意が必要です。
スズランの基本情報
スズランの基本情報は以下の通りです。
科・属 | キジカクシ科・スズラン属 |
和名 | スズラン、鈴蘭、君影草 |
英名 | Lily of the valley |
学名 | Convallaria majalis |
形態 | 多年草 |
開花時期 | 4月~5月 |
原産地 | 東アジア、北アジア、ヨーロッパなど |
下記にて、スズランの名前の由来や主な特徴などについて解説します。
スズランの名前の由来
スズランの名前の由来には諸説ありますが、花の形がお祭りなどで用いられる鈴のように見えることからつけられたとされています。
また、葉の部分が蘭の葉に似ているということも名前の由来として有名です。
そのほかにも、花が長い葉の下に隠れて咲く姿を女性にたとえ、慎ましく男性に寄り添うようにイメージできることから「君影草」とも呼ばれています。
ただし、スズランには「ラン(蘭)」という文字が使われているものの、ラン科ではありません。
これは、蘭に似た香りを放つことから由来しているといわれていますが、スズランと蘭は別の植物なので注意しましょう。
スズランの特徴
スズランは春の訪れを知らせてくれる代表的な花の1つであり、4月~5月に開花する球根植物です。
草丈は15~20cm程度と比較的小さいですが、環境によっては50cmほどになることもあります。
花茎を伸ばした先に直径1cmないほどの小さく可憐なベルや鈴に似た花を10個ほど連なって咲かせます。
その姿は、清楚で可愛らしいことから多くの人に知られていて愛されている花です。
また、スズランは香水の原料になるほど良い香りがしており、バラやジャスミンと並んで3大フローラルの1つともいわれています。
スズランはいつの誕生花?
スズランは、「すずらんの日」といわれている5月1日が誕生花とされています。
そのほかにも、「3月17日」「5月2日」「5月3日」「5月5日」「5月28日」なども誕生花となっています。
4月から5月にかけて開花を迎えるスズランは、春の誕生日を祝うプレゼントとして最適な花として有名です。
そのため、スズランをメインとした花束やフラワーアレンジメントなどを、春の贈り物として人にあげれば喜んでもらえるでしょう。
スズランは大きく分けて2種類ある
スズランの種類には大きく分けて、ヨーロッパ原産の「ドイツスズラン」と日本原産の「ニホンスズラン」の2つが挙げられます。
ここでは、それぞれの特徴について具体的にご紹介します。
ヨーロッパ原産のドイツスズラン
ヨーロッパ原産である「ドイツスズラン」は日本で多く育てられており、花屋でよく見かけるスズランはほとんどがこの種類です。
草丈が20cm程度、長さ15~20cmほどの幅広い葉を持ち、釣り鐘形の花が葉と同じくらいの高さで咲きます。
日本産のスズランと比べると大きく、暑さにも強くて育てやすいため、鑑賞用として高い人気がある品種です。
また、芳香が強いため、香水の原料にも使用されることもあります。
日本原産のニホンスズラン
日本原産である「ニホンスズラン」は、本州中部よりも北の地域や北海道の山地といった涼しいところで自生している品種です。
葉が細く、花が葉よりも低い位置で隠れたように咲くのが特徴的であり、その姿から「君影草」とも呼ばれています。
ドイツスズランと比べると小型で香りも少し弱いです。
夏は葉が日焼けしやすくなるため、家で育てる場合は半日陰となるところでお世話すると良いでしょう。
スズランを贈るのにおすすめのシーン
スズランの花言葉や特徴などを解説してきましたが、それらを踏まえてどういったシーンに贈れば喜んでもらえるのでしょうか。
ここでは、スズランを贈るのにおすすめなシーンを3つご紹介します。
5月1日のメーデー
5月1日はフランスを中心に「すずらんの日」と呼ばれており、メーデーは愛する人に幸運が訪れるようにスズランを贈る日となっています。
その習慣にちなんで、日本でも毎年5月1日が「すずらんの日」となっており、大切な人や日頃からお世話になっている人へスズランを贈るという習慣が生まれました。
そのため、5月1日は感謝の気持ちを込めて恋人やパートナー、お世話になっている方などへ贈ると良いでしょう。
母の日
5月は上述した「すずらんの日」以外にも、日本では第2日曜日に「母の日」があります。
母の日は一般的に母に対して感謝するという日であるため、日頃の感謝を込めてスズランを贈るのもおすすめです。
その際、気持ちを伝えられるメッセージカードも一緒に添えれば、普段恥ずかしくて感謝の言葉が口にできないという人でも素直に気持ちを伝えられるでしょう。
誕生日
スズランの花言葉には、「純粋」や「純潔」のほか、「再び幸せが訪れる」や「希望」といった輝ける未来や幸せを願う意味も持っています。
そのため、上記で触れた誕生花の人が誕生日の人や、春に誕生日の人へのプレゼントとして贈るのがおすすめです。
自分の誕生日に関係するエピソードが好きな人はもちろんのこと、そういったことにそれほど関心がないという人でもスズランの花言葉を知れば喜んでもらえるでしょう。
スズランによく似てる?スノードロップ、スノーフレークとの見分け方
スズランとよく似ている花で、「スノードロップ」と「スノーフレーク」の2つが挙げられます。
見た目は似ていますが特徴などは全く異なるため、間違えないように注意する必要があります。
ここでは、それぞれの特徴や違いについて解説します。
スズランの特徴
スズランは、4月~5月に開花する花であり、春を知らせてくれる花として有名です。
スズランの花は小さく可愛いベルや鈴に似た花を咲かせるため、その姿がスズランの名前の由来となっています。
日本で自生するスズランは本州よりも北の地域でよく見られ、暑さには比較的弱いという特徴があります。
そのため、日本産のスズランは広くは出回っておらず、花屋などで見かけるスズランはヨーロッパ原産のスズランがほとんどです。
スノードロップの特徴
スノードロップもスズランと同様に、春の訪れを知らせてくれるといわれている花の1つです。
名前に「スノー」とついている通り、雪が降る寒い冬のなかでも成長できるという特徴があります。
見た目はスズランとよく似ていますが、スノードロップは下向きで可愛らしい白い花を1つだけ咲かせます。
また、スズランはキジカクシ科スズラン属であることに対し、スノードロップはヒガンバナ科ガランサス属であり、全く異なる花です。
スノーフレークの特徴
スノーフレークも春を告げる花として有名です。
スノーフレークは、水仙に似たスラっとした葉を持ち、スズランと似ているベルの形をした花を下向きで咲かせるため、「鈴蘭水仙(スズランスイセン)」とも呼ばれています。
しかし、スノーフレークの花びらには緑色のドット模様があり、花の先端は小さく裂けているという特徴があります。
また、スノーフレークも有毒成分を含んでおり、食べてしまうと頭痛や嘔吐などの症状が現れるほか、触ると炎症が起こってしまう可能性があるため、触る際は注意する必要がある花です。
スズランの育て方
スズランは比較的育てやすく、初心者の人でもお世話がしやすい花といえるでしょう。
ただし、スズランを育てるうえで気をつけるべきポイントや注意点なども存在します。
ここでは、スズランの育て方について具体的にご紹介します。
用土・肥料
スズランは保水性や水はけ、通気性が良い土壌を好む植物です。
具体例としては、「赤玉小粒6」「腐葉土3」「軽石1」などで配合すると、スズランに適した用土が作れます。
肥料はそれほど必要ではありませんが、牛糞堆肥などの有機質肥料を巻き、軽く耕して土に混ぜ込みます。
その際は臭いがしない緩効性化成肥料を使用すると良いでしょう。
肥料をまくタイミングは、3月~4月の上旬と6月ごろに行うことをおすすめします。
置き場所
スズランは、木漏れ日が当たるような半日陰を好むため、直射日光が当たるような場所は避けてください。
また、風通しの良さもスズランを育てるうえでは欠かせない要素であり、これらの条件がマッチしている場所を選ぶことが大切です。
スズランは寒さには強みがある一方で、暑さにはめっぽう弱いため、夏場では意識的に涼しいところに移動させるようにしましょう。
水やり
地植えの場合は根付いていて湿り気がある場所なら水やりを行う必要はありませんが、土壌が乾きやすい場所の場合は、表面が乾いたら水をあげましょう。
また、茎葉が成長している段階では、乾いたら水をあげるということを繰り返します。
夏場では日中に水をあげてもお湯のようになってしまい、スズランが弱ってしまうため、朝や夕方といった涼しい時間に水をあげるようにしてください。
一方、鉢植えの場合は土の表面が乾いて白っぽくなったら、鉢植えの底から流れるくらいたっぷりと水やりしてください。
植え付け・植え替え
スズランの植え付けや植え替えは10月~12月、または3月~5月ごろが適しています。
植え付けを地植えで行う場合、植え付けを行う場所の土づくりを行い、植える苗よりも一回り大きい穴を用意し、植え付け後はしっかりと水をあげましょう。
一度植え付けたら5年程度は植えっぱなしでも特に問題ありませんが、徐々に成長が衰えてくるので、その際は掘り上げて株分けして植え替えるのをおすすめします。
植え付けを鉢植えの場合は5~6号程度の鉢を用意し、1株1つの鉢というのを目安に入れると良いでしょう。
その際、スズランの植える高さを決めますが、水やりを行ってもすぐに溢れ出ないような位置である必要があります。
また、植え替えは1~2年程度に1回行うのが目安であり、根が鉢底からはみ出したり、成長が鈍くなってきたときが植え替えのタイミングです。
剪定
スズランの花が終わってしまったら茎を付け根からカットし、花がら摘みを行います。
花が咲き終わっているのに放置してしまうと、実を作ることに養分が利用されてスズランの生育が悪くなってしまう可能性があります。
葉の部分に関してはそのまま残して置き、自然に枯れるまでしっかりと管理しましょう。
夏の管理方法
上述したようにスズランは暑さに弱いため、夏場の管理が非常に重要です。
夏場は、風通しが良く直射日光が当たらない明るい日陰や少しだけ日が当たるような場所に移動させます。
地植えなどで移動させることが難しい場合は、光を和らげるようなグッズを使用すると良いでしょう。
また、夏は暑くて水分が蒸発しやすいため、水切れにも注意してください。
土の表面が乾きはじめたら水をあげるようにし、夏場における水やりのタイミングは朝や夕方の涼しい時間に行うように意識しましょう。
増やし方
スズランは地下株という根っこのような茎を地面のなかで伸ばし、その伸ばした咲から新芽を出して広がっていく植物です。
そのため、スズランは株分けを行うことで増やすことができます。
株分けを行うタイミングは開花時期である4月ごろや暑さが落ち着ている10月~11月ごろを選び、できるだけ清潔なハサミを用意し、4~5芽あたりで切り分けて植え替えを行います。
なお、春に株分けを行う場合は、花芽を切り取らないように十分に気をつけてください。
注意すべき病害虫
スズランは害虫や病気に対して非常に強い花であり、これといった病害虫はありません。
その理由としては、スズランが持っている有毒成分が強く、害虫や病気を寄せ付けないといわれています。
そのため、虫が苦手という人やそういったことを心配しないで育てたいという人には、非常に嬉しい花といえるでしょう。
まとめ
スズランの花言葉をはじめ、基本情報や種類、育て方について解説してきました。
スズランは、春の訪れを教えてくれる花であり、そのベルのような可愛らしい見た目から非常に高い人気を誇っています。
花言葉も「純粋」や「純潔」、「再び幸せが訪れる」など、前向きで明るい未来を感じられる素晴らしい言葉が多く、さまざまなシーンの贈り物としてぴったりといえるでしょう。
切り花やフラワーアレンジメントなどによるプレゼントとしてスズランを大切な人に贈ってみてはいかがでしょうか。