春の枝ものを使ってお部屋を明るく彩るコツ/おすすめ春の枝もの10選
春になると植物たちが一斉に目覚め始めます。
私たちが普段使っている「春」という季語は諸説あるものの、草の芽が出てくることをその昔は「張る」と言い、これが由来とも言われているのです。
温かな日差しを感じられるようになったら、お部屋に春の植物を飾ってみませんか。
本記事では、春になるとまっ先に芽吹く、春におすすめの枝もの10種類と、その魅力や飾り方を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
枝ものとは?
花屋の世界には、花にまつわる業界用語があります。今回ご紹介する「枝もの」というワードもその一つです。
では枝ものとはどういう意味なのでしょうか。
枝ものとは、木の性質を持つ植物の総称です。大きく分けると、花が咲くもの、葉と枝だけのもの、実が付いているものに分類されます。
特に春は梅や桃、桜など、美しい花を咲かせる枝ものが多いですね。
枝ものはどこで購入すればいい?
一本飾るだけでも部屋をスタイリッシュに演出してくれる枝ものは、どこで購入することができるのでしょうか。
枝ものは園芸ショップの他、通販サイトでも購入することが可能です。
通販のメリットは品揃えが豊富なことと、自分で持ち運ぶ手間が省けることでしょう。
特に大きなサイズの枝ものを購入する際には、通販が便利です。
枝ものの魅力
枝ものを取り入れると、季節感あふれるインテリアが楽しめます。
その魅力は、生花や観葉植物とはまた違ったものです。特に部屋が無機質で何となく味気ないと感じている方にはおすすめです。
ここでは枝ものの魅力を3つ紹介していきます。
・季節感がある
春には花が付いている枝ものが多いことが特徴です。
またグリーンの色合いも、早春には明るいライトグリーンが多くなります。
季節が流れるごとに葉の色は鮮やかになり、秋を迎える頃になると落ち着いたトーンになるのです。
したがって枝ものを飾ることで、季節感を味わえ、同時に部屋をおしゃれに演出できます。
・長く楽しめる
枝ものの植物は、生花などと比較すると比較的長く楽しむことができます。
その上、手入れも簡単なことがメリットです。
種類によっては1ヶ月以上鑑賞できる枝ものもあります。このことから、枝ものはコスパがいい植物と言えるでしょう。
・存在感が抜群
部屋にグリーンインテリアを導入しようと考えているのなら、枝ものがおすすめです。
例えば横に広がるタイプのボリューム満点の枝ものをチョイスすれば、一本飾るだけでも存在感が出ます。
また大きな花器に数本の繊細な枝ものを飾れば、それだけでシックな雰囲気になりますよ。
春におすすめの枝もの10選
春には個性的な枝ものが数多く出回るようになるでしょう。
例えば紋章に使用されることが多い梅は、12月下旬ごろから花屋さんの店頭に並べられます。
また百年(ももとせ)まで長生きできますようにと願いを込めて飾られる桃は、ひな祭りに定番の植物です。
春にはこの他にもたくさんの枝もの出回ります。ここでは春におすすめの旬の枝ものを紹介していきます。
①ミモザ
科/属 | マメ科/アカシア属 |
英名 | Mimosa(ミモザ) |
和名 | 銀葉アカシア(ギンヨウアカシア) |
原産地 | オーストラリア |
樹高 | 3~10m |
花言葉 | 優雅/感謝/友情/豊かな感受性/秘密の恋 |
誕生花 | 2月14日/4月9日 |
枝の先にフワフワした丸い小花をつけるミモザは、女性に人気の植物です。
シルバーがかった葉と鮮やかな黄色の花弁のコントラストが美しく、アレンジメントやブーケにもよく活用されています。
イタリアでは3月8日をミモザの日としており、男性から女性にこの花を贈る習慣があるそうです。また、黄色の花はドライフラワーにして楽しむこともできます。
②サクラ
科/属 | バラ科/サクラ属 |
英名 | Cherry blossom(チェリー ブロッサム) |
和名 | 夢見草(ゆめみぐさ/曙草(あけぼのそう) |
原産地 | 中国 |
樹高 | 15m |
花言葉 | 精神の美/純潔/優れた美人(ソメイヨシノ)おしとやか/豊かな教養(八重桜) |
誕生花 | 4月1日/4月9日/4月21日(ソメイヨシノ) |
桜は、お花見だけではなく、切り花としても楽しめます。
花屋さんでは一足早く販売されているため、春を先取りしたい方にはおすすめです。
最初に出回るのは「啓翁(ケイオウ)桜」という種類です。そのあと、ソメイヨシノ~ヤマザクラと4月まで販売されています。
桜は繊細そうに見えますが意外に丈夫で、活ける際に茎を斜めにカットすると花持ちが良くなりますよ。
③キイチゴ
科/属 | バラ科/キイチゴ属 |
英名 | Bramble(ブランブル) |
和名 | 木苺(キイチゴ) |
別名 | 紅葉苺(モミジイチゴ) |
原産地 | 日本~北アメリカ~ヨーロッパ |
樹高 | 1m〜1.5m |
花言葉 | 愛情/謙遜 |
誕生花 | 2月27日/3月4日 |
キイチゴの中で花屋さんに並ぶことが多いのは、棘のない「梶苺(カジイチゴ)」という品種です。
こちらは関東や九州などの山間部に見られ、春に花をつけ5〜6月に実をつけます。
この実は食べることもできて、プチプチとした触感と甘酸っぱさが特徴です。
花屋さんでは、葉のついた状態のものが2月頃から並び始めるでしょう。
④アオモジ
科/属 | クスノキ科クスノキ属 |
英名 | May Chang(メイ チャン) |
和名 | 青文字(アオモジ) |
別名 | 生姜木(ショウガノキ) |
原産地 | 日本~台湾~インドネシア |
樹高 | 3m~ |
花言葉 | 友人が多い |
アオモジは年末から2月頃にかけて、花屋さんで見かけることが多い枝ものです。
緑色の実は花の蕾で、実がはじけるように花が開花します。
アオモジの花や実にはレモンのような芳香があり、スパイスやアロマオイルとしても活用されています。花言葉の「友人が多い」は、一つの枝先に花が鈴なりに咲くことから付けられました。
⑤ユキヤナギ
科/属 | バラ科/シモツケ属 |
英名 | Thunberg spirea(ツンベルグ スパイリア) |
別名 | 小米花(コゴメバナ) |
和名 | 雪柳(ユキヤナギ) |
原産地 | 日本/中国 |
樹高 | 1~2m |
花言葉 | 愛らしさ/愛嬌/殊勝/静かな思い |
誕生花 | 1月19日/1月21日/3月11日 |
ユキヤナギは、春の訪れを告げる枝ものになります。
柳のように繊細でしなやかな枝が印象的で、白く小さな花は可憐なイメージです。
アレンジメントや花束には、フィラーフラワーとして活用されます。
ドライフラワーにしても、葉のグリーンや白い花の美しさがくっきり残るのでおすすめです。
また、ユキヤナギは夏は葉だけになり、秋は紅葉した姿で私たちの目を楽しませてくれます。
⑥ヒュウガミズキ(姫水木)
科/属 | マンサク科/トサミズキ属 |
英名 | buttercup winter-hazel(バターカップ ウインター ヘーゼ(ザ)ル) |
和名 | 日向水木(ヒュウガミズキ) |
別名 | 姫水木(ヒメミズキ) |
原産地 | 日本~台湾 |
樹高 | 1~3m |
花言葉 | 思いやり |
誕生花 | 3月17日/4月14日 |
ヒュウガミズキは、近畿地方をはじめとした日本海沿いが原産地です。(名前にヒュウガとありますが、地名に由来しているわけではありません。)
控えめではありますが、3〜4月にかけて淡いクリーム色の優しげな花を咲かせます。
花だけではなく葉もハートの形に似ており、夏は青葉、秋になると黄色に紅葉するのも魅力です。耐寒性・耐暑性にも優れているため、庭木としても人気があります。
⑦ヒメコブシ
科/属 | モクレン科/モクレン(マグノリア)属 |
英名 | Star Magnolia(スターマグノリア) |
和名 | 四手辛夷(シデコブシ) |
別名 | 姫辛夷(ヒメコブシ) |
原産地 | 日本 |
樹高 | 3m~ |
花言葉 | 友情/友愛/歓迎 |
誕生花 | 1月29日/3月24日(花)3月23日(木) |
雪が解けてまっ先に咲くのはコブシの花です。中でもヒメコブシは特に開花が早く、3月の初め頃にはピンクや白色の花を咲かせます。
コブシよりも小さいですが、花は木を覆いつくすほどたくさん咲き、その様子は圧巻です。
英名の「Star Magnolia(スターマグノリア)」は、花の形が星に似ていることから付けられました。枝ものとしても人気で、蕾や花付きのものが冬に出回ります。
⑧ トキワガマズミ
科/属 | レンプクソウ(スイカズラ)科/ガマズミ属 |
英名 | Laurustinus(ラウルスティヌス) |
別名 | ビバーナム ティヌス |
原産地 | ヨーロッパ~東アジア |
樹高 | 2~3m |
花言葉 | 恋の焦り/わたしを見て |
誕生花 | 1月23日 |
ガマズミは、世界中で150種類以上存在すると言われています。
日本ではその中で15種類ほどが自生しており、切り花として人気なのは「常葉(トキワ)ガマズミ」です。多くのガマズミは落葉性ですが、こちらは常緑性です。
冬場にもピンク色の蕾を付けていることや秋に熟すメタリックブルーの実が美しいことから、アレンジメントの花材としても人気があります。
⑨レンギョウ
科/属 | モクセイ科/レンギョウ属 |
英名 | Golden bells(ゴールデンベルス)/Forsythia(フォーサイス) |
和名 | 連翹(レンギョウ) |
別名 | 連翹空木(レンギョウウツギ) |
原産地 | 中国 |
樹高 | 1.5~3m |
花言葉 | 希望/期待/遠い記憶/かなえられた希望 |
誕生花 | 2月12日/3月22日 |
レンギョウは、丈夫でお世話が簡単なことから、街路樹の植え込みなどにもよく活用されています。花材としては生け花として使用されることが多いです。
花は鮮やかな黄色で甘い香りを持っています。また花が咲き終わるとイエローグリーンの葉が芽生え、秋には果実を実らせるのも魅力です。
花屋さんに出回るのは2〜3月で、多くは1mほどの長い枝で流通します。
⑩コデマリ
科/属 | バラ科/シモツケ属 |
英名 | Reeves spirea(リーブススピレア) |
和名 | 小手毬(コデマリ) |
別名 | 手毬花(テマリバナ)/鈴懸(スズカケ) |
原産地 | 中国 |
樹高 | 1~1.5m |
花言葉 | 優雅/上品 |
誕生花 | 4月24日 |
小さく丸くまとまって咲く姿が、手毬のように見えたことから「コデマリ」という名前が付けられました。
白い花が鈴のように連なり咲く様子から「鈴懸(スズカケ)」の別名が生まれたとも言われています。春の枝ものとしては人気があり、和風にも洋風にもアレンジできるのがうれしいポイントです。
枝垂れる姿が、花束やブーケをよりエレガントに演出してくれますよ。アレンジなどに使う場合は、小枝がたくさんあるものをチョイスするのがおすすめです。
枝ものを長持ちさせるコツ
花器やおしゃれなガラスの瓶などに飾るだけでスタイリッシュな雰囲気になる枝ものは、気軽にグリーンを取り入れてみたい方におすすめです。
切り花よりも長持ちしますし、季節感を味わえるのもメリットでしょう。
では枝もののお手入れはどうすれば良いのでしょうか。
ここでは、枝ものを育てる際の長持ちさせるコツを紹介します。
切り戻し
カッターなどで木の枝をそぎ、根元に十字(細い枝の場合は一文字)に切り込みを入れると植物は水を吸収しやすくなります。枝が固くて切りにくい場合は、少しだけカットして、少しずつ切れ目を入れていくと良いでしょう。無理をすると枝が折れてしまうので注意してください。
また、この作業は危険なので、必ず軍手を着用して行うようにしましょう。
切り口が空気に触れると水分を吸収しにくくなります。したがって、時々切り戻しを行うと長持ちします。
水をきれいに保つ
花器の水は、濁る前に取り替えることがポイントです。
もし枝にぬめりがある際は、水を替えるときに洗い流してあげてください。雑菌を増やさないためには、塩素系の洗剤などを数滴入れることも効果的です。
ただし、入れ過ぎると逆効果になるので気をつけてください。また、市販の切り花用の延命剤を使用しても良いでしょう。
葉のお手入れ
適度な湿度も、枝ものが心地よい環境を作るために必要です。
霧吹きで葉水をしてあげることで、植物は葉から水分を吸収することができます。
この際、葉の表面だけではなく、裏側にも葉水を施してあげるとより効果的です。
こうすることで、長い期間みずみずしい葉を保つことができます。
枯れてしまった葉や、チリチリに乾燥してしまった葉はこまめに取り除くようにしましょう。
湯揚げ(水揚げしにくい場合の対処法)
「湯上げ」を実行することで切り口の殺菌を行い、植物がスムーズに水揚げを行うことができるようになります。
また、湯揚げをすると茎の中に入ってしまった空気を排除することも可能です。速効性があるため、水揚げしにくい場合に行ってみてください。
- まず下葉を取り除いて新聞紙で包みます。これは蒸気から植物を守るために必要です。
- 茎の切り口を切り戻して、20〜30秒くらい沸騰したお湯で煮る
- そのあと、すばやく水(常温)に浸ける
- バケツなどの大きな器に2〜3時間つける
以上の流れで湯揚げを行ってみてください。
枝ものをおしゃれに飾るポイント
昨今人気を集めている枝ものを使ったインテリアですが、おしゃれに飾るにはどうすれば良いのでしょうか。枝ものはこじんまりとした生花よりもボリュームがあるので、お部屋のイメージが大きく変わります。
ここでは枝ものをインテリアに取り入れるアイデアを紹介します。
アンティーク雑貨と一緒に飾る
グリーンを美しく見せるためには、雑貨とのバランスも重要です。
アンティークな小物といっしょに並べると派手になり過ぎず、枝ものが持つナチュラルな魅力が引き立ちます。
底面が広めで個性的なフォルムの花瓶にドウダンツツジを入れると、グッと大人っぽい印象になるのでおすすめです。またアシンメトリーなデザインの花器なら、オブジェのような雰囲気も演出できますよ。
枝ものを小分けにして楽しむ
枝ものは、日が経つほど水揚げの状態は悪くなります。そんな時は思い切って、小分けにして楽しむのも一つのアイデアです。
カットすることで水揚げがしやすくなり、また新鮮な印象になるでしょう。
木製の花器にシルバーグリーンが美しいユーカリの葉を飾れば、北欧風のキッチンにピッタリです。いくつか並べて飾れば料理するのが楽しくなりますね。また、ユーカリはドライとしても楽しめます。
枝ものはホームパーティーでも大活躍
枝ものは、お家でパーティーを開く際にも活躍します。
バケツタイプのワインクーラーに、梅やロウバイなどの枝ものを添えれば華やかさが増しますよ。高級感がある陶器素材のワインクーラーに、キンバコデマリや白木蓮などをさりげなく飾ると素敵です。
生花といっしょにディスプレイする
高さのある枝ものは、他の植物や生花と並べると存在感がアップします。
例えばレンギョウとブルースターをアレンジすると、鮮やかなイエローとブルーのコントラストが映え、エレガントな印象になるでしょう。
春の枝ものを取り入れてみよう
枝ものは生花よりも長持ちする点やエネルギッシュな枝ぶりが魅力です。
玄関やお部屋に一枝飾るだけでも、季節感たっぷりのインテリアになるでしょう。
また、花器を変えることで異なる雰囲気が味わえるため、さまざまなシーンで扱えることも嬉しいポイントです。
あなたの気に入った枝ものは見つかりましたか?枝ものを使って一足早く、春を感じてみてくださいね。