ハナカイドウはどんな植物?花言葉の意味や育て方などをくわしく紹介

ハナカイドウは、春に美しい花を咲かせる人気の庭木です。ピンクや白、赤などさまざまな色合いの花を咲かせ、春の訪れを感じさせてくれます。丈夫で育てやすいことから、初心者の方にもおすすめの植物です。 庭に植えて楽しむこともできますし、鉢植えでも楽しむことができます。今回は、ハナカイドウの花言葉や育て方をご紹介します。ぜひ一緒にハナカイドウの魅力を探っていきましょう。

ハナカイドウとは

ハナカイドウ(花海棠)とは 春の訪れを感じさせる美しい花を咲かせる人気の庭木です。その愛らしい姿は、多くの人々の心を和ませてくれます。ピンク、白、赤など、さまざまな色合いの花を咲かせるハナカイドウは、初心者の方でも気軽に楽しめる植物としても知られています。丈夫で育てやすく、鉢植えでも楽しめるというメリットも魅力的です。ハナカイドウの花を眺めながら、春の訪れを感じとることができるでしょう。

ハナカイドウの主な特徴

ハナカイドウ(花海棠)の特徴は以下の通りです。

 

項目 内容
植物名 ハナカイドウ(花海棠)
学名 Malus halliana
和名 ハナカイドウ、カイドウ、スイシカイドウ
分類 バラ科リンゴ属の落葉果樹
原産地 中国

ハナカイドウの原産地は中国で、古くから栽培されてきました。その美しい花の姿は、中国の歴史上でも有名な逸話が残されているほど、古くから愛されてきた植物です。ハナカイドウは、4月中旬から5月上旬にかけて鮮やかなピンクの花を咲かせるため、新緑の中に春の訪れを感じさせる美しい景色を演出します。樹高は1.5〜5mと低木に分類され、庭木や花木としても人気があります。耐寒性、耐暑性があるため、初心者の方でも気軽に育てられる植物です。

ハナカイドウとカイドウの違い

ハナカイドウに似た花木に「カイドウ」があります。カイドウはズミ、ミカイドウとも呼ばれ、ともにバラ科リンゴ属の落葉果樹です。見分けるのが非常に難しいと言われていますが、いくつかの特徴の違いがあります。

ハナカイドウの花は、下向きに咲くのが特徴です。一方、カイドウの花は上向きに咲きます。この花の向きの違いは、両者の見た目の印象を大きく変えます。ハナカイドウの花は、優雅に垂れ下がるように咲き誇るのに対し、カイドウの花は上を向いて咲くため、より活気のある印象を与えます。

また、ハナカイドウの花色はピンクが主体ですが、カイドウの花色は白が多いのも特徴の一つです。このように、花の向きや色の違いから、ハナカイドウとカイドウは見た目の印象が異なる植物だと言えるでしょう。

ハナカイドウの花言葉

ハナカイドウの花言葉は「温和」「艶麗」「美人の眠り」です。

ハナカイドウの花が優雅に垂れ下がるように咲き誇る様子から「温和」な花言葉がつけられました。その優しげな印象から、相手の心を和ませる花として親しまれています。また、ハナカイドウの花は、ピンクや白などの艶やかな色合いが特徴的です。その美しさから「艶麗」な花言葉が与えられたと考えられます。

また、ハナカイドウは朝に咲き夕方には散ってしまうという特徴があります。その儚げな生命力から「美人の眠り」という花言葉がつけられたようです。

ハナカイドウの花言葉には怖い意味がある?

結論から言うと、ハナカイドウの花言葉には、直接的な怖い意味合いは含まれていません。先述した「美人の眠り」という花言葉は、ハナカイドウの花が朝に咲いて夕方に散ってしまうという特性が由来です。この花言葉には、儚く散っていく美しさへの憧れや儚さへの感慨が込められていますが、人によっては儚さや悲しみを感じてしまうのかもしれません。

ハナカイドウの主な品種

ハナカイドウには、さまざまな魅力的な品種が存在します。その中でも特に人気の高い品種をご紹介しましょう。ハナカイドウの魅力を存分に味わっていただけるはずです。

ヤエカイドウ

ヤエカイドウは、ハナカイドウの八重咲きの品種です。ヤエカイドウは、ハナカイドウの中でも特に花の見栄えが良い品種と言われています。八重咲きの花が大きく咲き誇る姿は、春の訪れを感じさせてくれ、多くの人々を魅了してきました。庭木や鉢植えでも育てやすく、初心者の方にも取り組みやすい品種です。ピンクや白の鮮やかな花色が、春の庭に彩りを添えてくれます。

シダレカイドウ

シダレカイドウは、ハナカイドウの中でも特に優雅な樹形が魅力的な品種です。枝が垂れ下がるように伸びるシダレ型の樹形は、まさに「優美」そのものと言えるでしょう。シダレカイドウは、春の訪れを感じさせる鮮やかな花とのコントラストが美しく、庭木や公園の植栽など、さまざまな場所で楽しめる品種です。

ウケザキカイドウ

ウケザキカイドウは、ベニリンゴやリンキとも呼ばれる品種です。この品種の特徴は花梗が太く、花が下垂せずに上を向いて咲くことです。

この上向きの花姿は、ハナカイドウの典型的な印象とは異なり、より活気のある印象を与えます。また、花梗が太いため、花が下垂せずにしっかりと咲き誇る様子も特徴的です。ウケザキカイドウはハナカイドウの中でも、ユニークな特徴を持つ品種になります。

ハナカイドウの育て方

ハナカイドウは、春に鮮やかな花を咲かせ、庭を華やかに彩る人気の植物です。初心者の方でも気軽に楽しめる魅力的な庭木ですが、適切な育て方を知っておくことで、より健康な植物を育てることができるでしょう。以下でハナカイドウの育て方をくわしく解説します。

用土・肥料

ハナカイドウは水はけの良い土を好む植物です。重い粘土質の土や、水はけの悪い土では根腐れを起こしやすくなるため注意が必要です。

適した用土の配合比率は以下の通りです。

  • 赤玉土(小粒):60%
  • 腐葉土:40%
  • 堆肥:適量

赤玉土は水はけを良くする効果があり、腐葉土は保水性と通気性を高める効果があります。これらを適切な比率で配合することで、ハナカイドウが健全に育つ環境を整えることができるでしょう。また、堆肥を加えることで、植物の生育に必要な養分を補うことができます。ただし、入れすぎるとかえって生育不良の原因になるため、適量を混ぜ込むようにしましょう。

置き場所

ハナカイドウは日当たりの良い場所を好む植物ですが、真夏の直射日光が一日中当たるような場所や強い西日が直接当たる場所は避けましょう。真夏の直射日光や西日の強い日差しは、葉焼けや花つきの悪化の原因になります。ハナカイドウは半日陰でも育てられますが、花芽の数が大幅に減ってしまうため、できるだけ日当たりの良い場所を選びましょう。また、風通しの良い場所に置くことで、病害虫の発生を抑えることができます。ハナカイドウは耐寒性のある植物です。冬場の寒さにも比較的強いため、わざわざ鉢上げをしたり、マルチングをしたりする必要はありません。冬も日当たりの良い場所で管理しましょう。

水やり

ハナカイドウを庭に植えている場合、基本的に水やりは不要です。ハナカイドウは比較的乾燥に強い植物で、庭植えであれば自然の雨水で十分育つことができます。

一方、鉢植えの場合は、夏場の水切れに注意が必要です。鉢植えでは土の量が限られているため、水切れを起こしやすくなります。鉢植えのハナカイドウに水をやる際は、朝と夕方の1日2回、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えるようにしましょう。朝と夕方の涼しい時間帯に水やりをすることで、水の蒸発を防ぎ、根腐れも防ぐことができます。

植え付け・植え替え

鉢植えのハナカイドウは、2~3年に1回の割合で植え替えを行います。植え替えの適期は1月から2月ごろで、休眠期に行うのが最適です。植え替え後は、たっぷりと水やりをして植物に活力を与えましょう。一方、庭植えにする際は、12月から3月ごろが最適な時期です。庭植えの場合も、植え付け後はしっかりと水やりをすることが大切です。

夏の管理方法

先述したように、ハナカイドウは夏の直射日光や強い西日に弱いため、一日中強い日差しが当たるような場所は避けましょう。ハナカイドウは日当たりがほどよい場所で育てるのが理想的です。また、風通しが悪く、湿気がこもりやすい場所では、病害虫が発生しやすくなります。夏場は特に、風通しの良い場所で管理するようにしましょう。

冬の管理方法

ハナカイドウは耐寒性のある植物であるため、冬場の寒さにも耐えることができます。しかし、極端に寒い地域や冬の気温が生育限界温度を下回るような場合は、防寒対策を行うことをおすすめします。防寒対策としては、ハナカイドウの幹や枝を不織布や布などで包むことが有効です。不織布や布を巻くことで、冷気から植物を守ることができるでしょう。

増やし方

ハナカイドウを増やすには、挿し木が最も手軽で簡単です。挿し木の適期は、9月下旬から10月下旬にかけてです。この時期は気温が下がり始め、植物の生育が落ち着いてくるため、挿し木を行うのに最適な時期と言えます。小玉の赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜ合わせるのがおすすめです。挿し木後は、日当たりの良い場所で管理します。乾燥には注意が必要なので、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。

剪定

ハナカイドウの剪定は、大きく分けて冬季剪定と夏季剪定の2回行います。冬季剪定では、植物の休眠期に不要な枝を取り除き、夏季剪定では花後の枝の切り詰めを行います。それぞれの時期に適した剪定方法を行うことで、ハナカイドウを健全に育てることができるでしょう。冬季剪定は12月から3月上旬のハナカイドウの休眠期に行います。休眠期は、植物の生育が停止しているため、剪定による樹勢への影響が少ないためです。冬季剪定では以下の不要な枝を取り除いてください。

 

不要な枝の種類 特徴
徒長枝(とちょうし) 幹や太い枝から上方に向かい真っ直ぐに長く太く伸びる枝。

樹形を乱す上に花芽がつきにくくなる

込み枝 樹木の中に密集して生えている枝。

樹木を弱体化させる元凶となる

からみ枝 他の枝に絡みつくように伸びている枝。

樹木にとってさまざまな悪影響を及ぼす

 

これらの不要な枝を取り除くことで、ハナカイドウの樹形を整え、翌年の生育に備えることができます。剪定の際は枝の基部を残さないよう、枝の付け根から切り取るようにしましょう。また、切り詰める際は花芽の数を減らさないよう注意が必要です。目安としては、伸びすぎた枝の1/3程度を切り詰めるのが適切です。あまり強く切りすぎると、翌年の花芽の数が減ってしまう恐れがあります。

ハナカイドウで注意すべき病気・害虫

ハナカイドウの美しさを脅かす病気や害虫の存在をご存知でしょうか。せっかく育てたハナカイドウが、病気や害虫に侵されてしまっては悲しいものです。ハナカイドウによくある病気や害虫の特徴と対策を知ることで、健康的に育てることが可能です。

以下で、ハナカイドウで注意すべき病気と害虫をご紹介します。

アブラムシ

アブラムシは、ハナカイドウの主な害虫の一つです。アブラムシは体長2〜4mmほどで、4月〜6月、9月〜10月に主に葉の裏や新梢に発生します。繁殖力が強く、大量発生すると植物の生育を阻害してしまうため、こまめに確認し早期発見することが重要です。

早期発見であれば薬剤散布が有効ですが、大量に発生してしまった場合は、被害部分を切り取って焼却処分することをおすすめします。その際、ハナカイドウ本体には薬剤を予防的に散布しておくことで、アブラムシの被害を最小限に抑えられるでしょう。

カイガラムシ

カイガラムシはこまめな観察が必要で、新梢や枝葉の表裏をこまめに確認し、発生初期に発見することが重要です。発生初期であれば、薬剤散布などの対症療法が有効です。放置すると大量発生し、植物への影響が深刻化するため、早期発見と早期対応が肝心です。

カイガラムシの駆除には、殺虫剤の散布が有効です。新芽や新葉に寄生しているカイガラムシに直接薬剤を当てるように散布しましょう。剤散布は発生初期に行うと、大量発生を防ぐことができます。

また、カイガラムシの発生を抑えるには、ハナカイドウの健全な育成が欠かせません。日当たりの良い場所で適切に水やりや肥料管理を行い、ストレスの少ない環境を整備することで、カイガラムシの発生を未然に防ぐことができます。

テッポウムシ

テッポウムシは、幹の内部に入り込んで食害を引き起こすため、大変やっかいな存在と言えます。テッポウムシの駆除対策としては、以下のような方法が効果的です。

  • 侵入した穴を見つけて針金を突っ込んで幼虫を刺し殺す
  • 穴に殺虫剤を注入し、穴を塞ぐことで幼虫を駆除する

まず、株元のおがくずのようなものの有無を確認してください。おがくずはテッポウムシが幹に食い込んでいる証拠になります。複数の穴がある場合は、すべての穴に対して針金を刺したり、薬剤を注入したりしましょう。

テッポウムシの被害が進行すると、ハナカイドウの生育に深刻な影響を及ぼしかねません。 定期的な観察と早期発見、適切な駆除対策を講じることで、健全なハナカイドウを育成することができるでしょう。

赤星病

赤星病はカビ病とも言われ、バラ科植物に深刻な被害を与えるカビによる病気です。ビャクシン類を中間宿主として複雑な世代交代を行い、美しい葉や果実にさび状の斑点を生じさせ、最悪の場合は枯死に至らしめることもあります。胞子の宿主となるカイヅカイブキなどのビャクシン属の樹木を側に植えないように気をつけましょう。

うどんこ病

うどんこ病は5月〜7月、9月〜10月に注意が必要です。真っ白な粉をふいたような状態がうどんこ病の特徴的な症状です。1回の薬剤散布では治癒しないため、1週間後に別の薬剤を散布する必要があります。株から30cm程度離れた位置から、株全体に薬剤を十分に散布しましょう。また、晴天が続く際は、葉水をかけることで湿度を上げ、うどんこ病の進行を遅らせることができます。

まとめ

今回は、ハナカイドウの花言葉や育て方をご紹介しました。ハナカイドウは寒さに強く、育てやすい植物です。花期も長く、春には美しい花を咲かせてくれるでしょう。しかし、アブラムシやカイガラムシなどの害虫や赤星病、うどんこ病などの病気にも注意が必要です。

適切な水やりや肥料、日当たりの良い場所への植え付けなどの基本的な管理を行えば、ハナカイドウを長年楽しむことができるでしょう。 

ハナカイドウの花言葉は「温和」「艶麗」「美人の眠り」という意味があるので、贈り物としても適しています。ハナカイドウは、ただ美しいだけでなく心を癒し、勇気を与えてくれるような存在です。庭木でも鉢植えでも楽しめるため、ぜひ育ててみてください。

 

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