マツバギクの花言葉は怖い?上手な育て方もわかりやすく解説

マツバギクは、カラフルな花色と可愛いフォルムや育てやすさから、数多くのガーデニング愛好者から人気があります。花言葉には「心広い愛情」や「勲功」など、素敵なものが多いので、ちょっとしたギフトにも最適ですよ。

この記事ではマツバギクの花言葉をはじめ、主な品種や育成のコツ、また寄せ植えに相性がいい植物などを紹介します。

マツバギクに興味を持っている方の参考にして頂けると幸いです。

 

マツバギクの6つの花言葉

マツバギクは晴れた日の明るい日差しの下では花を開きますが、暗い場所だと咲くことはありません。そんな花の性質に因んだ花言葉も秘められています。

ここではマツバギクの花言葉を詳しく解説しますので、参考にしてみてください。ここからはマツバギクの花言葉に秘められた意味を6つ紹介します。

この花にはポジティブな花言葉とネガティブな花言葉があることから、贈り物などに活用する際には誤解を招かないよう、一言メッセージを添えると安心です。

 

①心広い愛情

「心広い愛情」の花言葉は、この花が匍匐性で横に広がりながら生長することに意味を持たせています。スクスクと育ち次々と花を咲かせる花姿を、人に寄り添う温かな愛情に例えた素敵な花言葉です。

②怠惰

「怠惰」の意味は、すべきことを避けていることや怠けている様子を表しています。この花言葉は、マツバギクが晴れた日や日中にしか咲かない特性から生まれました。このような特徴を持つ花は他にもあり、代表的なのは高山植物の「タテヤマリンドウ」です。

③忍耐

マツバギクはどんな環境にも耐えパワフルに咲く植物です。「忍耐」の花言葉は、多肉質で寒さや乾燥にも強いこの植物の性質から誕生しました。

困難な状況にも耐え抜く姿は、私たちに希望を与えてくれますね。

④無邪気

「無邪気」とは、ピュアで素直なことを表しています。これはマツバギクのマイペースで可愛らしい様子が、子供のように純粋に見えることからつけられました。ひたむきに咲く姿は、見ていて気持ちが良く魅力的です。

⑤勲功

マツバギクの花びらにはツヤがあり、花形も勲章に似ていることから生まれた花言葉です。これは今までの努力や貢献が認められることであり、とても名誉な花言葉です。仕事で頑張っている人に贈る花言葉に最適ではないでしょうか。

マツバギクには、ここから派生した「愛国心」という花言葉もあります。

⑥可憐

これはマツバギクが繊細で可愛らしい外見であることからつけられた花言葉です。過酷な環境の中でも咲く姿を見ると守ってあげたくなりますね。

この花のたおやかさを表現するのにはピッタリな花言葉です。

マツバギクに怖い花言葉はあるの?

マツバギクに怖い花言葉はありません。「怠惰」を悪い意味だと感じる方がいるかもしれませんが、これはマツバギクが晴れた日にしか咲かないという特徴に由来しています。

つまり天気の悪い日に花びらを頑なに閉じてしまう様子が、けだるいイメージに映ってしまったのでしょう。しかし、これは逆に言うとマイペースであることの大切さを意味しているとも捉えることができるのではないでしょうか。

マツバギクはどんな花?

マツバギクは、肉厚な葉っぱと鮮やかな花色が魅力的な植物です。また、この花は庭のグランドカバーにも向いています。丈夫なので、植えておくと雑草が繁殖するのを抑えてくれるのです。では、マツバギクとはどんな植物なのでしょうか。ここでは基本情報や特徴などを詳しく解説します。

基本データ

学名 Lampranthus spectabilis(ランプランサス スペクタビリス)
科/属 ハマミズナ(ツルナ)科/ランプランサス属
タイプ 常緑多年草
用途 グランドカバー/ロックガーデン
英名 Fig marigold(フィグ マリゴールド)
和名 松葉菊(マツバギク)
別名 仙人掌菊(サボテンギク)
原産地 南アフリカ
草丈 10~100cm
花の色 ピンク/紫/赤/白/黄/オレンジなど
花言葉 心広い愛情/怠惰/忍耐/無邪気/可憐/愛国心/勲功
誕生花 7月1日/7月3日/11月5日

 

マツバギクは、南アフリカ原産の多肉植物です。名前にキクと入っていますが菊の仲間ではありません。ランプランサス属の植物の多くは乾燥地帯を好み生息し、カラフルで美しい色彩を持っています。その種類は180種類にも及ぶと言われていますが、一般的に「マツバギク」として流通しているのは、これらの中から数種類を掛け合わせた交配種です。

特徴

マツバギクは乾燥地帯に自生する常緑多年草で、日本には明治時代に渡来しました。

和名の「松葉菊」は、多肉植物のように尖った葉っぱが松に似ていること、また花びらが菊に似ていることがルーツになっています。

茎は匍匐(ほふく)の性質を持ち、這うように広がっていくため庭のグランドカバーにも最適です。この花は生命力が大変強く、放置しておくと庭中に広がってしまうこともあります。大きな株だと幅が100cm以上になるものも存在するのです。

また葉っぱの形状は異なりますが、ハマミズナ科のハナツルソウに花姿が似ています。

肉厚の葉っぱは「松葉牡丹(マツバボタン)」にも似ていますが、科/属共に異なります。

マツバギクの種類

日本で主に出回っているマツバギクは、4〜5月に開花する「ランプランサス属」と、6〜10月にかけて開花する「デロスペルマ属」、小型の「ヒメマツバギク」に分類されます。

本来はランプランサスをマツバギクと呼んでいましたが、今では類似のデロスペルマも同じ名前で流通するようになったのです。ここでは、それぞれの特徴を紹介しましょう。

 

ランプランサス(属)

ランプランサスのマツバギクは、耐寒性がやや弱いため、霜に当たると枯れてしまうことがあります。

そのため真冬は室内で栽培するか、霜対策をしっかりするなどの工夫が必要です。

ただし暑さには強く大変タフなので、どんな場所でもきれいな花を咲かせてくれます。

花色も紫色を主として、さまざまな色があり観賞価値も高いですよ。

花期は4〜5月です。花の時期になると分岐した茎の付け根部分から花柄(かへい)を伸ばして、3~5cmほどの可愛い花を咲かせます。

 

デロスペルマ(属)

デロスペルマ属に分類されるマツバギクは、寒さに強く-15℃までなら耐えられると言われています。そのため「耐寒マツバギク」と呼ばれることもあるほどです。

花期も長いので、今ではこちらの種類の方が主流になりつつあります。

乾燥にも強く育てやすいため、庭のグランドカバーやロックガーデンとしても人気です。

※ロックガーデンとは?

岩石などを活用したガーデニングスタイルのことを「ロックガーデン」と言います。

主に岩石や乾燥に強い植物をメインとして、植栽したものです。

 

ヒメマツバギク

花径が1cmほどの小さなマツバギクです。キュートなピンク色の小花が魅力的で、開花時期は5〜9月になります。寒さにも強いので、関東以南では露地植えも可能です。

暑さや寒さにも強く、コンテナ栽培にも適しています。

 

マツバギクの上手な育て方

マツバギクは日当たりの良い場所でしか咲かないので、明るい場所に植えるのがおすすめです。これは「ランプランサス種」も「デロスペルマ種」も同じになります。

また多肉植物なので、あまりにも湿度が高い環境は苦手ですので注意してください。

ここからは、マツバギクの上手な栽培のコツを説明していきますので参考にしてください。

栽培に適した環境

先ほども書いた通り、この花は日の光によって咲く性質を持っています。したがって、置き場所はよく日が当たる屋外がおすすめです。

また、多湿にも弱いので水はけの良い場所に植えるようにしましょう。

ランプランサス属のマツバギクは-5℃までしか耐えられないので、寒い地域では屋外での越冬は難しいです。そのような場合は鉢植えで栽培して、冬場は室内の日当たりの良い場所に置いて育てるようにしてください。

適した用土

マツバギクを丈夫に育てたいなら、排水性と通気性の高い土をチョイスしましょう。

湿気を嫌うため土選びに失敗してしまうと、一気に元気を失くすことがあるので気をつけてください。

市販の土を活用する場合は、サボテン(多肉植物)用の培養土がおすすめです。

自分で配合する場合は、以下を参考に作ってみてください。

【赤玉土(小)4/鹿沼土2/腐葉土2/軽石2、または赤玉土(小)6/腐葉土2/川砂2】

※ポイント※川砂とは?

河川やダムの底に積もった砂のことを「川砂」と言います。粘土質が落ちて小さくなったもので、角が取れ丸みがあるのが特徴です。

1〜3mmほどの細かい粒は「小粒」として、4mmほどの粒は「中粒」として販売されています。水はけが良い土を好む多肉植物には、粒が大きめのものがおすすめです。

肥料

どんな土壌でも良く育つ植物です。したがって、地植えでは肥料を与える必要はありません。鉢植えの場合には、花付きを良くするために、春と秋の2回緩効性化成肥料を与えてください。

水やり

地植えの場合は、水やりの心配はありません。鉢植えの場合は土の表面が乾燥したら、水をたっぷりと注いであげてください。

春〜秋は2日に1度、冬は4〜5日に1度程度を目安にすると良いでしょう。

マツバギクは多湿に弱い性質があるので、水を与え過ぎると根腐れを起こす危険があります。ですから必ず土の状態を確認してから、水やりを行ってください。

剪定

ランプランサス種とデロスペルマ種に分け、選定方法を解説していきます。

ランプランサス種

花の時期が終わる6月頃が剪定の適期です。草丈と株の大きさを整えるために刈り込みを行ってください。

このとき、葉っぱを全部刈ってしまうと枯れることがあるので注意しましょう。

デロスペルマ種

こちらは地面を這うように広がる性質を持っています。そのため、開花時期が終わったら、広がり過ぎた部分だけカットしましょう。

増やし方

マツバギクは、4〜6月、9〜10月を目安にして「挿し木」で増やすことが可能です。

なるべく気候が安定している時期だと成功しやすくなります。

挿し木の手順は以下の通りです。

  1. 若い茎を選び4cmくらいにカットします。
  2. ポット鉢に土(パーライトかパーミキュライト)を入れて、挿し芽をします。
  3. 過湿になると枯れてしまうので、半日陰のエリアで乾燥気味に育てるようにしましょう。

約1ヶ月で発根しますので、そのタイミングで鉢などに植え替えるようにします。

あまりにも密に植えると、過湿になり根腐れの原因になるので注意してください。

植え替え

長い間同じ鉢でマツバギクを栽培していると、根詰まりを起こして花付きが悪くなります。したがって数年に1度は植え替えをしてあげてください。

適期は気候が安定している春か秋がおすすめです。

マツバギクの下の葉っぱが茶色くなり枯れているようなら挿し芽をしてください。

マツバギクが枯れる原因と対処法

マツバギクは丈夫で、病害虫も発生しにくい植物です。しかし、多湿に弱い傾向があります。

枯れる原因の多くは、水の与え過ぎによって起こる根腐れなのです。

そのため花が終わったら、伸びすぎた枝をカットして風通しを良くしてあげてください。

万が一根腐れをして枯れてしまっても、丈夫な枝が残っていれば「挿し芽」で復活させることができます。

マツバギクの花が咲かない場合の対処法

マツバギクは、毎日たっぷりの日差しを浴びることで花が咲きます。

日陰では花が咲かないことがあるため注意しましょう。花付きが悪い場合は、日光の当たる場所に置きましょう。

葉っぱや茎に元気がない場合は、株が古くなっている可能性もあります。新しい茎を伸ばせるように剪定をしてみましょう。また挿し芽をして新しい株を作るのもおすすめです。

注意したい病害虫

マツバギクはタフで、病害虫も発生しにくいですが「アブラムシ」と「カイガラムシ」には注意が必要です。どちらも株の栄養を吸い取ってしまうため、見つけたらすぐに対処してください。アブラムシはガムテープなどを活用して取り除くことができます。

カイガラムシが幼虫なら、古い歯ブラシなどを使ってこすり落とすか、葉っぱごとカットしてください。成虫になると薬剤が効きにくくなるので、早めに薬剤を使って駆除するのがおすすめです。化学成分が、気になる場合は、木酢液を水で薄めて活用してみましょう。

マツバギクと寄せ植えをすると相性がいい植物

マツバギクを寄せ植えに使う場合は、性質が似ている植物を選ぶのがポイントになります。

したがってマツバギクと同じように、多湿を嫌い日当たりの良い場所を好む植物と相性が良いです。では具体的にどんな植物をチョイスすれば良いのでしょうか。

デロスペルマ属

匍匐性のデロスペルマ属は、草丈が低く地面を這うように生長します。

ですから少し背が高く、上に伸びるタイプの植物と組み合わせるのがおすすめです。

例えば「サルビア」や「ジニア」だと開花時期も同じなので、植え替えの心配もありません。その他、背の低いベゴニアやヒメマツバギクを取り入れても素敵です。

ランプランサス属

このタイプのマツバギクは4~5月が最盛期なので、春の花と組み合わせると良いでしょう。例えば「ルピナス」や「コニファー」など草丈の高い植物を後部にして、「パンジー」や「スイートアリッサム」を前方に植えるとまとまりやすくなります。

また「アイビー」や「シロタエギク」などのリーフプランツは、お花を引き立ててくれるアイテムです。テーマカラーを決めて、トーンを統一するとオシャレな寄せ植えになりますよ。

可憐な花言葉を持つマツバギクを育ててみよう

マツバギクは乾燥や寒さにも強く、這うように生長する特徴を持っています。このような理由から庭のグランドカバーにも人気です。

花言葉に秘められる意味は「心広い愛情」や「無邪気」「可憐」です。

また一見ネガティブな「怠惰」の花言葉は、この花が暗くなると花を閉じてしまう性質に由来しています。しかしこれは厳しい自然の中で、この花が生きていくための戦術だと思えば、見方も変わるのではないでしょうか。

あなたもぜひこの機会に、明るい花色と可愛らしい魅力を持つマツバギクを育ててみませんか。

 

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