【プルメリアの育て方】鉢植えや室内管理できる?冬越しは難しい?

 

ハワイでは首飾りのレイとして愛されているプルメリア。白や黄色、ピンク、赤などカラーバリエーションが豊富で甘い香りも魅力です。基本的には寒さに弱いのですが、鉢植えであれば南国地域以外でも育てることができます。

この記事では、プルメリアの基本的な育て方やお世話のポイントをまとめてみました。プルメリアを贈るときのおすすめのシーンも解説しているので、ガーデニングはもちろんフラワーギフトの参考にもしてみてください。

 

プルメリアの基本情報

まずは、プルメリアがどんな花なのかについて解説します。

 

植物名:プルメリア

学名:Plumeria sp.またはPlumeria cv.

英名:Plumeria

和名:プルメリア

科名:キョウチクトウ科

属名:インドソケイ属(プルメリア属)

原産地:熱帯アメリカ

特徴

プルメリアは、キョウチクトウ科インドソケイ属の花木です。原産は熱帯アメリカで開花期は6〜10月、花の色は白をはじめ黄色やピンク、赤などがあります。甘いフローラルの香りも魅力の1つです。プルメリアの香りは化粧品や香水の原料としても使用されています。

また、ハワイでは首飾りのレイとして用いられており、人々から愛されています。南国育ちで暑さや乾燥には強いのですが、多湿と寒さには弱いので、日本のような四季がある気候の元では管理に工夫が必要です。

名前の由来

プルメリアの名前は、17世紀後半に活躍した植物学者、シャルル・プリュミエの名に由来しているようです。シャルル・プリュミエは何度も中南米を訪れ、多くの植物を発見したと言われています。

また、プルメリアは別名「テンプルツリー」とも呼ばれていますが、これはプルメリアの原産地である熱帯地域において、寺院に多く植えられていたことが由来になっているようです。

花言葉

プルメリアの優美な姿と芳醇な香りから、「情熱」や「気品」といった花言葉が付けられています。また、プルメリアに南国のイメージがあることから「陽だまり」という花言葉もあるようです。

大切な人に花をプレゼントするときは、伝えたい気持ちや相手のイメージに合わせた花言葉をもつ花を贈るのがおすすめですが、プルメリアは情熱的な想いを伝えたい恋人や、気品あふれる年上の女性などに贈ると良いでしょう。

 

プルメリアの品種

プルメリアは花の色や香りの違いなどでさまざまな品種が存在しており、その数は100種を超えるともされています。その中でも代表的な人気の種類をご紹介します。

ガーデニングやフラワーギフトでのプルメリア選びの参考にしてみてください。

プルメリア・オブツサ

プルメリア・オブツサはキューバやメキシコが原産の品種で、東南アジアやハワイなどで多く植栽されています。花の色は白で中央が淡い黄色になっており、葉の先端は丸みを帯びているのが特徴です。

プルメリアといえば、この品種を指すことがほとんどです。

セラダイン

セラダインは葉の先が尖っているのが特徴のプルメリアです。白い花の中央に濃い黄色が入り、その鮮やかさからハワイではレイ(首飾り)として多く用いられています。

丈夫で育てやすく、ガーデニングにもおすすめです。

ディヴァイン

ディヴァインは、ピンク、白、黄色のグラデーションが美しい花びらをつける品種です。丈夫で花付きが良いのでプルメリアを初めて育てる方でも挑戦しやすいでしょう。

トロピカルムード漂う花なので、南国らしい花を育てたい方におすすめです。

ミニホワイト

ミニホワイトは他の品種に比べてコンパクトに育つので、軒先やベランダなどでも育てやすい品種です。花は清純なイメージの白で、中央が薄く黄色がかっています。

花付きが良いので、コンパクトながら開花期にはみごとな見栄えになる品種です。

シンガポールホワイト

シンガポールホワイトはハワイで有名なプルメリアの品種です。花びらは白く、中央の黄色とのグラデーションが美しく、葉のグリーンとのコントラストを楽しめます。コンパクトに育つので、鉢植えでの管理に向いている品種です。

プルメリアの育て方

南国で育てられているプルメリアですが、冬のある日本でも育てることはできます。基本的な育て方はほかの植物とあまり変わらないので、ガーデニング初心者の方も気軽にチャレンジしてみてください。

まずは、プルメリアの基本的な育て方の流れについて解説します。

用土・植え付け

プルメリアの植え付けに適している時期は4~6月です。7月に入って暑さが厳しくなってくると株に負担を与えてしまうので、できるだけ涼しいうちに植え付けます。

温暖な地域では地植えも可能ですが、冬がある日本では基本的に鉢植えで育てましょう。

プルメリアは多湿を嫌うので、水はけの良い土を使います。自分で土を配合する場合は、培養土にパーライトやピートモスを2割程度混ぜて水はけを良くしておきましょう。

市販の観葉植物用培養土を用いると手軽に準備できるのでおすすめです。鉢底には軽石などを敷き、通気性を良くして置いてください。

春から初夏になるとプルメリアのポットが出回り始めるので園芸店やネットショップなどで購入してみましょう。

置き場所

プルメリアは日当たりの良い場所で育てましょう。日照不足になると間延びして見栄えが悪くなり、花も咲かなくなってしまいます。プルメリアは基本的に寒さに弱いので鉢植えでの管理がおすすめですが、温かい地域であれば地植えも可能です。

強い風に当たりすぎると株が傷んでしまうので、通気性を良くしながらも程よく風を遮ることができる場所が良いでしょう。

水やり

プルメリアはどちらかというと乾燥を好む花なので、水やりのタイミングに注意しましょう。多湿になると根腐れなどのトラブルにつながることがあります。

プルメリアを鉢植えで育てる場合、土の表面がしっかりと乾いていることを確認してから水を与えましょう。12月になると休眠するので水やりは控えて休ませます。

春になって葉がのびてきたら、土の表面が濡れる程度の軽い水やりからスタートさせ、5月まではやや乾燥気味に管理しましょう。

プルメリアを地植えしているなら、植え付け後に根付いたら特に水やりは必要ありません。基本的には降雨に任せ、乾燥が気になるときのみ水をやりましょう。

肥料

プルメリアに適度に肥料を与えることで丈夫な株に育ち、花付きも良くなります。プルメリアの生育期にあたる春から秋にかけて、リン酸を多く含んだ液体肥料を1か月に1回程度与えましょう。

さらにプルメリアを大きく育てたい場合は、6~10月にかけてゆっくりと効いていく緩効性化成肥料を与えます。肥料の量はパッケージの規定量を守り、与えすぎによる肥料焼けに注意してください。

 

プルメリアを育てるときのポイント

プルメリアを適切に管理するためには、生育の状況や季節などに合わせたお世話も大切です。プルメリアを丈夫に、少しでも長く育てたいという方は、細かいお世話にもこだわってみましょう。ここからは、プルメリアを育てるときのポイントについて解説します。

植え替え

プルメリアを鉢植えで育てている場合、何年もそのままにしていると鉢の中で根が回りきってしまいます。根がぱんぱんになると根詰まりや根腐れの原因になるので、2~3年に1度はそれまでより一回り大きな鉢に植え替えましょう。

プルメリアへの負担を減らすために、植え替えは本格的に暑くなる5月までのうちに済ませるのがおすすめです。

切り戻し・剪定

プルメリアの株が乱れてきたり大きくなりすぎている場合は、9~10月の室内に取り込む前に剪定しましょう。また、冬越し後に枯れた枝や間延びしている箇所があれば春を迎えたときにカットしておきます。

切り戻しをすることでそこから新芽が伸びてきますが、プルメリアは剪定後すぐには花を咲かせないことが多いので、剪定は毎年ではなく、どうしても気になるときのみにとどめておきましょう。

冬越し

南国育ちのプルメリアは寒さに弱い性質があります。温暖な地域では地植えで育ててそのまま冬を過ごすことも可能ですが、外気温が5度を下回るような地域では鉢植えで管理し、冬には室内に移動させましょう。日光がよく差し込む窓際などがおすすめです。

しかし、夜間の窓際は逆に冷え込んでしまうので、窓から最低30cmは離して部屋の中央に寄せてください。また、乾燥を防ぐためにエアコンの風が直接当たらない場所に置きましょう。

冬になるとプルメリアは休眠期に入りますが、できるだけ明るい室内で育てることで翌シーズンにたくさんの花を付けるようになります。

強風対策

プルメリアが強風に当たると株が傷んでしまったり折れてしまったりする可能性があります。温暖な地域では地植えで育てられるのですが、台風の多い沖縄ではそのような被害にあいやすく、地植えで育てられていることはあまりありません。

プルメリアを地植えする場合は、風が吹き込みやすい場所を避け、必要に応じて風よけなどを施しましょう。鉢植えで育てている場合、風の強い日や台風が近づいているときには、玄関の中など風をしのげる場所に移動させましょう。

増やし方

プルメリアのお世話に慣れてきたら、株を増やしてお世話をさらに楽しみましょう。新たな苗を購入するより経済的なうえに、挿し木だと親株と同じ花の色の株を増やすことができます。

プルメリアの挿し木に適している時期は4~6月です。枝のついた葉を15~20cmほどでカットし、上半分だけ葉を残して後は取り除きましょう。

切り口を一晩水につけたら土に挿し、明るい日陰で管理します。水が切れないようにこまめに与え続けると、1ヶ月ほどして発根するので鉢や庭に植え付けましょう。

しかし、挿し木で増やしたプルメリアは、花が咲くまでに5年ほどかかることがあります。目安として、樹高が1mほどになって枝の数が6~7本までに生長していれば、その年に開花する可能性があると判断して良いでしょう。

 

プルメリアで注意すべき病害虫

プルメリアは病気や害虫の被害にあうことがあります。プルメリアを守るために、どのようなトラブルが起きやすいのかを知っておきましょう。

病気も害虫も、早期発見・早期対策を意識することで被害を最小限にくいとめることができます。

病気

プルメリアの葉にぽつぽつと褐色の斑点が入っていたら、「サビ病」にかかっている可能性が考えられます。そのままにしているとだんだんと葉の色が悪くなっていき、最終的には株を枯らしてしまうので、注意が必要です。

また、カビの胞子が飛んで他の植物にも影響を与えてしまうこともあるので、見つけたら速やかに対処しましょう。斑点が出ている葉を取り除くことで病気が広がるのを防げますが、既に拡大している場合は専用の薬剤などを用いましょう。

サビ病は葉の乾燥によって発生しやすくなる病気なので、株元への水やりだけでなく葉にもシャワーをかけてあげることが大切です。

害虫

プルメリアの葉に白い粉や蜘蛛の巣のようなものが付いていたら、葉ダニが付いている可能性があります。プルメリアの養分を吸い取ってしまう厄介者なので、見つけたらすぐに駆除しましょう。

夏の乾燥する時期に発生しやすいため、こまめに葉水を与えたり濡れ布巾で拭いたりなどして予防しましょう。市販の葉ダニ用薬剤を活用するのもおすすめです。ただ、気温が高い時期に薬剤を使用するとプルメリアに負担をかけてしまうので、早朝や夕方など日差しが和らぐ時間帯を選びましょう。

 

プルメリアを育てるときに多い質問・疑問

プルメリアはそれほど育て方が難しくない花ですが、自然を相手にしている以上、予想外の事態に見舞われることもあるでしょう。

プルメリアに多く寄せられる質問や疑問をあらかじめ知っておけば、どんなトラブルが起きうるかを想定できます。

夏に葉っぱが落ちてしまったけど大丈夫?

プルメリアの生育適温は30度ほどとされており、日本の真夏のような猛暑日が続くと葉が落ちてしまうことがあります。これは、暑さから身を守るために休眠に入ったことが原因だとされており、枯れたわけではないので安心してください。

この状態のときに元気を出してもらおうと肥料を与えると、逆に株に負担をかけてしまいます。肥料は与えず、水も控えめにして、強い西日を避けられる涼しい場所に移動させます。

そのうち気温が下がってくると再び新しい葉が出てくるはずなので、様子を見てみましょう。

花が咲かない原因は何?

プルメリアに花が咲かない場合は、日照不足が考えられます。1年中室内で管理していたり、日陰で育てている場合は、十分に日光が当たらず、花が咲かなくなってしまうのです。

プルメリアが生育期を迎える春から秋にかけては、しっかりと日が当たる場所で管理しましょう。ただし、夏の直射日光に当たりすぎると、葉焼けを起こしてしまうこともあるので、日差しが厳しい時期は半日陰に置くなどの工夫が必要です。

白い樹液は触ってもいい?

プルメリアの枝を切ったとき、白い樹液が浸み出すことがあります。この樹液には毒性があり、皮膚に付着するとかゆみやかぶれを引き起こすことがあるので危険です。プルメリアの剪定や植え替えなどを行う際には、必ず園芸用のグローブを装着して作業しましょう。もし誤って肌に触れてしまった場合は、すぐに流水で洗い流してください。

また、この樹液が衣類に付くとシミになる可能性もあるので汚れても良い服装でお世話をしましょう。

 

プルメリアを贈るおすすめのシーン

上品で香り高いプルメリアは、大切な人への贈り物としてもおすすめです。見た目のイメージやプルメリアがもつ花言葉に合うシチュエーションで贈ってみましょう。

ただし、プルメリアは日本では切り花としてあまり流通していないので、店舗に事前に問い合わせてみるのがおすすめです。また、ネット通販であればプルメリアの花束やアレンジメントを気軽に購入することもできます。

母の日

母の日といえば赤いカーネーションを贈るイメージが定着していますが、それは赤いカーネーションに「母への愛」という花言葉があるからです。しかし、次の機会には「陽だまり」という素敵な花言葉をもったプルメリアを贈ってみてはいかがでしょうか。

お母さんの太陽のような笑顔と深い愛情は、プルメリアのイメージにもぴったりです。

恋人・パートナーとの記念日

プルメリアの「情熱」という花言葉は、恋人やパートナーへ熱い気持ちを伝えたいときのプレゼントとして最適です。プルメリアの鮮やかな色と香りで相手の誕生日や2人の大切な記念日をお祝いしてみませんか。

 

プルメリアの育て方を知ろう!

南国のイメージがただよい、豊富なカラーバリエーションと上品な香りが魅力のプルメリア。四季のある日本においても冬の管理に気を付ければ育てるのはそれほど難しくありません。寒さや強風対策に注意しながら育て、プルメリアの美しさを楽しんでみてください。

また、プルメリアは贈り物としてもおすすめなので、店頭やネットショップでフラワーギフトを探してみるのもおすすめです。

 

大切なあの人にお花を送ってみませんか?