紫色の夏の花20選!長持ちさせる方法と飾り方
年々暑さが厳しくなる夏の時期には、見た目で涼しさを感じさせてくれる、紫色の花を飾ってみませんか。
気温が高く、花の日持ちが悪くなる夏は、長持ちする枝ものや葉物に合わせて、花を生けるのがおすすめです。
トロピカルな雰囲気の花が多いイメージのある夏の時期ですが、日持ちの良い寒色系の花も実は豊富に揃います。
今回の記事では、夏を彩る紫色の花20選を紹介します。
おすすめの飾り方や、長持ちのコツも合わせて紹介するので自宅で花を生ける際の参考にしてみてください。
本文
夏に咲く紫色の花20選
■今回紹介する花一覧と開花時期
花の名前 | 開花時期 |
アジサイ | 6月~7月 |
リシアンサス(トルコキキョウ) | 5月~9月 |
アンスリウム | 5月~10月 |
宿根スイトピー | 4月~7月 |
ジャーマンアイリス | 5月~7月 |
キキョウ | 5月~10月 |
トケイソウ | 5月~10月 |
グラジオラス | 6月~10月 |
バンダ | 8月~10月 |
カラー | 6月~7月 |
アガパンサス | 5月~7月 |
アスター | 7月~9月 |
オダマキ | 4月~7月 |
ラベンダー | 5月~7月 |
リューココリネ | 5月~7月 |
セージ | 5月~7月 |
ライラック | 4月~7月 |
ルリタマアザミ | 6月~8月 |
ベロニカ | 5月~7月 |
アリウム | 4月~7月 |
アジサイ
アジサイは、梅雨から初夏にかけて見ごろを迎える花です。
庭園を彩るだけではなく、切り花として花束やアレンジメントでも美しい姿を楽しむことができます。
またアジサイは土壌の酸性度によって咲く花の色が変わるという不思議な性質を持っています。
現在市場にでまわっているアジサイは、日本由来の手まり咲きのホンアジサイが品種改良されたもので、古くから雨とセットで描写され日本人に親しまれてきた花です。
アジサイを切り花で楽しむ場合は、水が下がりやすいので、斜めにナイフを入れ、中にある綿を取り除くと水揚げが良くなります。
水が下がってしまった場合は新聞紙に巻き、深水に半日〜一晩ほど浸けておくと良いでしょう。
■紫のアジサイの品種
ティンカーベル(淡いピンク~紫)、紫式部(紫に白い覆輪)、ダンスパーティ(ピンク~紫)
リシアンサス(トルコキキョウ)
リシアンサスは花持ちが良いので暑い夏にもおすすめしたい花です。
花屋さんでは、トルコキキョウやユーストマという名前で呼ばれることもあります。
1本の茎から枝分かれして、複数の花を付けるのでボリュームたっぷりでギフトにもふさわしい花と言えるでしょう。
一重咲きの以外に、フリル咲きや八重咲きの品種もありバラに負けないほど華やかな見た目が特徴的です。
茎のラインを生かしたり、切り分けてコンパクトに飾ったり、自由なアレンジを楽しむことができます。
和と洋、どちらのスタイルにも合わせることができるのも魅力的です。
■紫のリシアンサスの品種
アンバーダブルパープル(紫)、ミッドナイトパープル(濃紫)、セレブオーキッド(淡い紫)
アンスリウム
アンスリウムは、光沢が美しいハート型の花を咲かせます。
個性的な花の姿は存在感があり、花束やアレンジメントのアクセントになる花です。
実は花びらのように見えているハート型の部分は、仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる葉の一種です。
本来の花は、中央の長く伸びた鼻のような部分にあり、良く見ると小さな花が集まっている様子を観察できるでしょう。
トロピカルな雰囲気を感じさせるアンスリウムは、暑い夏でも日持ちが良く、色鮮やかな花はギフトにも最適です。
仏炎苞を花として楽しむ品種以外に、ユニークな葉を楽しむ品種があり、お部屋をお洒落に彩ってくれる観葉植物としても人気があります。
■紫のアンスリウムの品種
プレビア(薄紫×濃紫のノーズ部分)、ジゾウ(薄紫~紫)、マラビリア(紫)
宿根(しゅっこん)スイートピー
宿根スイートピーは、別名サマースイートピーと呼ばれ、スイートピーよりも小ぶりで肉厚な花を咲かせます。
花茎だけで出回るものもありますが、葉やツルもついて出回るものは特にナチュラルな雰囲気で、この時期にしか出会えない特別なスイートピーです。
宿根スイートピーの中でも特に人気があるのが、青紫色のブルーフレグランスという品種。
淡い紫色で透明感があり、ジメジメとした夏の暑さを吹き飛ばしてくれるような涼しげな花です。
宿根スイートピーの中ではめずらしく、芳香も楽しめる品種なので、お花屋さんで出会ったらぜひ爽やかで甘い香りも楽しんでみてください。
■紫の宿根スイートピーの品種
ブルーフレグランス(青紫)、ラシラス・パープル(薄紫)
ジャーマンアイリス
ジャーマンアイリスは、複数のアイリスを交配させて作られた花です。
多種多様な花の色が特徴的で、花には珍しい黄土色や黒に近い紫色、上下の花弁が異なる色をしたものなど、まるでアートのようなカラーリングが見る人を楽しませてくれます。
色の豊富さから「レインボーフラワー(虹の花)」とも呼ばれていて、毎年花屋さんに並ぶのを心待ちにしているというファンも多い花です。
あまり日持ちの良い花ではありませんが、長持ちさせるコツは、花瓶の水を浅めにしておくこと。
ジャーマンアイリスは水を良く吸う花なので、花瓶にたっぷり水を入れておくと、あっという間に開花して枯れてしまいます。
ふっくらした蕾から開花するまでの間の繊細な表情も楽しむために、花瓶の底から5cm程度の浅水に生けるのが良いでしょう。
■紫のジャーマンアイリスの品種
ペイガンダンス(紫)、クラレンス(白×紫)、バティック(紫の絞り模様)
キキョウ
キキョウは、俯き加減に咲く星形の花がどこか切なさを感じさせる花です。
控えめでありながらも凛とした咲き姿にふさわしく、「気品」や「誠実」という花言葉が付けられています。
日本では秋の七草のひとつですが、花が星型に見えるのでお花屋さんでは七夕の時期のブーケにも人気があります。
また、ふっくらとした風船のような蕾が弾けて花開く様子から、海外ではバルーンフラワーというかわいらしい名前も付けられている花です。
トケイソウ
花の咲く姿が時計に似ていることから、名前が付けられたトケイソウ。
唯一無二のユニークな花と、動きのあるツルや葉がおしゃれな植物です。
良く観察すると、雌しべが「長針」「短針」「秒針」のようにきちんと3本あることを確認できるでしょう。
繊細でとても美しい花が咲きますが、トケイソウは一日草なので咲いた蕾は一日経つと枯れてしまいます。
だからこそ自宅で育てているトケイソウに花が開いているのを見つけたときの喜びは素晴らしいものです。
暑い夏が大好きな花なので、夏の期間中は、ひとつの花が終わってしまってもまた新しい蕾が開く様子を楽しむことができます。
■紫のトケイソウの品種
イノセンス(濃紫)、アメシスト(紫)、ベロッティ(紫)
グラジオラス
グラジオラスは大ぶりで鮮やかな見た目の夏にぴったりの花です。
連なった花は、切り花でも下から順に花が咲き進んでいくので、美しい咲き姿を長く楽しむことができます。
枯れた花はこまめに摘み取っていくと、その先の蕾が開花しやすくなるはずです。
長さを生かして大ぶりな花瓶にダイナミックに生けたり、ラインを活かしたスタイリッシュな花合わせがおすすめです。
咲く前の蕾の部分は緑色をしているので、花束やアレンジメントに合わせるときには、蕾も生かして束ねると、長いラインの美しさが際立つことでしょう。
■紫のグラジオラスの品種
モヒート(紫)、ミルカ(薄紫)、ベルベットアイズ(濃紫)
バンダ
バンダは別名を翡翠蘭(ひすいらん)と言い、高級感の感じられる洋ランです。
花の中でも珍しい紫に近いブルーのバンダ(セルレア)は、モザイク柄の花びらが特徴的で、神秘的な美しさが感じられます。
花屋さんでは1輪1500円前後と、高級なことに驚いてしまう人も多いですが、暑さに強く、切り花にしても日持ちがとても良い花です。
しっかり水替えを行い、上手に管理すれば2週間ほど美しい花を楽しむことができます。
特別な日に自宅に飾って、大切にお世話をし、美しい姿を日々堪能したい花と言えるでしょう。
■紫のバンダの品種
バンダ・セルレア(青紫色)、バンダ・ロバーツ・デライト(紫~赤紫)
カラー
カラーはすらっと伸びた咲き姿が美しい個性的な花です。
実は花びらのように見える部分は、アンスリウムと同じく、仏炎苞と呼ばれる葉が変形した部分にあたります。
本来の花は、中心の細い芯のような部分です。
白いカラーが代表的ですが、紫系の品種も、濃紫や薄紫、パープルと白のツートンカラーなど、バラエティ豊富に揃います。
暑い夏でも日持ちが良い花ですが、茎が柔らかく腐りやすいので、浅水で生けるのがおすすめです。
茎のラインが美しくスタイリッシュなカラーは、ウェディングシーンでも人気があります。
■紫のカラーの品種
カントール(濃紫)、キャプテンプロミス(赤紫)、キャプテンビオレッタ(薄紫)、ピカソ(白×紫)
アガパンサス
まるで花火のような咲き姿をしたアガパンサスは、夏にふさわしい花です。
ユリに似た小さな花が集まるように咲き、生命力が強いので初夏に公園などに咲いている様子を見ることができます。
ヨーロッパでは愛や恋を象徴する花とされていて、「恋の訪れ」や「ラブレター」という花言葉があります。
園芸品種はなんと300種以上もあり、紫系の品種が豊富に生み出されている花です。
アスター
アスターはエゾギクという名前でも親しまれている花で、お盆やお供えなど、日本の夏には欠かせない花です。
アスターという花の名は「星の形」という意味のギリシャ語に由来しています。
品種によって花の咲き方や大きさがさまざまで、一見同じアスターには見えないほどバラエティ豊かな見た目をしています。
1本から枝分かれして花が付いているので切り分けやすく、複数の花瓶に分けて飾ったり、ナチュラルな雰囲気の草花と合わせたり、生ける時間も楽しくなる花です。
紫系の品種も多く、シリーズごとに豊富な花色が揃います。
オダマキ
オダマキは、俯き加減に咲く姿が美しいキンポウゲ科の草花です。
クレマチスにもよく似た花は繊細で小ぶりですが、幾重にも花びらが重なる八重咲きの品種などは、他の花と合わせても存在感があります。
切り花として花屋さんに並ぶことは少ないですが、ベル型の揺れるように咲く姿は花束やアレンジメントのアクセントになり、ふっくらとした蕾の姿もかわいらしい花です。
■紫のオダマキの品種
クレメンタインブルー(青紫)、深山オダマキ(白×紫)
ラベンダー
ラベンダーは、7月に見頃を迎える美しいハーブです。
ハーブの女王とも呼ばれるラベンダーは、美しい紫色の花だけでなく芳香も素晴らしい植物なのでポプリなどで香りを楽しんだことがある人も多いでしょう。
香りにはリラックス効果があるので、切り花をドライフラワーにして寝室などに飾るのもおすすめです。
切り花として出回ることは少ないので、生花で楽しみたい場合は鉢植えで栽培し、フレッシュな状態で摘み取ると良いでしょう。
水は浅めに生けるのが、長持ちさせるポイントです。
リューココリネ
星形で、細い茎の先にゆらゆらと揺れる花の姿がかわいらしいリューココリネ。
紫色だけではなく、白系や青系など、涼しげな色合いの品種が豊富なので夏の暑さを吹き飛ばすのにぴったりの花です。
リューココリネは、ほのかに甘い香りがするのも特徴的で、花の香りは桜餅やバニラに例えられることが多いです。
花屋さんで出会った際にはぜひ、花の香りもチェックしてみてください。
■紫色のリューココリネの品種
コキンベンシス(白×紫)、プルプレア(赤紫~紫)、カラベル(紫)
セージ
料理のスパイスとして使われるセージは、シソ科のハーブです。
香りが素晴らしいだけではなく、色鮮やかなかわいらしい小花を咲かせるので観賞用の品種も多く栽培されています。
花はベルベットのような質感をしていて、香りを残してドライフラワーとしても楽しめる花です。
ラベンダー同様、花屋さんで切り花として出回る機会は少ないので、鉢植えから育てて楽しんでみてはいかがでしょうか。
■紫色のセージの品種
アメジストセージ(紫)、コモンセージ(紫)、ペインテッドセージ(濃紫)
ライラック
夏を代表する枝ものライラックは、小花が房状集まって咲く植物で、ほんのり甘く爽やかな香りも魅力的な花です。
香りのよい枝ものと知られるキンモクセイやジャスミンも、ライラックと同じモクセイ科で、香水の原料になっているので香りを知っている人も多いでしょう。
ボリュームたっぷりなのでライラックだけで生けても美しく、大ぶりな枝ものとも相性抜群です。
自宅で水揚げする際は、枝の先に斜めにナイフを入れ、中の綿を取ってあげると吸水しやすくなります。
■紫のライラックの品種
ペルシャライラック(紫)、シリンガ(紫)
ルリタマアザミ
真ん丸でトゲトゲの見た目が個性的なルリタマアザミは、暑さに強く花持ちが良い植物です。
全体でひとつの花のように見えますが、良く見るとトゲトゲのそれぞれに小さな花が咲く様子を観察することができるでしょう。
茎や葉の裏側が美しい銀色をしているので、見た目にも涼しげな印象を与えます。
そのまま美しい形でドライフラワーになるので、ネイティブフラワーなどと合わせてスワッグとして楽しむのもおすすめです。
水に生けて飾る際は、花首が下がりやすいので、元気がない時には新聞紙に巻き、深水に浸けてあげると良いでしょう。
■紫色のルリタマアザミの品種
ベッチーズブルー(青紫)
ベロニカ
ベロニカは細長い穂先がかわいらしい、ナチュラルな雰囲気が魅力の草花です。
濃淡のピンクや紫、青など、豊富なカラーバリエーションを楽しむことができます。
切り花としてだけでなく、花壇などにも良く使われる花です。
花は穂の下から上に向かって少しずつ咲き進み、枯れた花からぽろぽろと散ってしまうので、日持ちはあまり長くはありません。
なるべく長く楽しむためには、余分な葉は外して、浅水に生け、水の中で茎を斜めに水切りして水揚げを行うと良いでしょう。
アリウム
見た目がとても個性的で、花壇や公園などで見かけることが多いアリウムは、花葱(はなねぎ)という和名を持つ花です。
和名からも分かるように、ネギの仲間で、切った茎からもネギやニラのような匂いがします。
大きくボール状で真っすぐに咲く品種や、くねくねと曲がった茎の先に花が付く品種など、どれもユニークな裂き姿が魅力的です。
自宅で生ける際はぜひ、シンプルな枝や葉ものと合わせて、個性的な茎の動きも楽しんでみてください。
涼しげな紫色の花で夏の暑さを乗り切ろう
年々気温が上がる暑い夏には、お部屋に涼しげな紫の花を飾って、蒸し暑さを乗り切りましょう。
紫の花は夏のイベントである七夕のイメージにもぴったりな色合いです。
気温が高い夏は、花の日持ちが悪くなる時期ですが、水の量に気を付けたり、水切りを行うと花を長く楽しむことができるでしょう。
今年の夏はぜひ、お部屋に紫色の花を飾って、花から涼を取り入れてみてはいかがでしょうか。