お花を咲かせる観葉植物「シルクジャスミン(月橘/ゲッキツ)」の育て方。
「ガーデニング初心者だけど、お花を咲かせる観葉植物を育ててみたい…!」
そんな方に向いているのが、「シルクジャスミン」です。別名では「ゲッキツ(月橘)」とも呼ばれているシルクジャスミンは、濃緑の葉が茂る観葉植物ですが、暖かい時期には白い花を咲かせ、その後には赤い実を結びます。
シルクジャスミンは生命力が強く、成長スピードが早いため、ガーデニング初心者の方でも育てやすい観葉植物です。
そこで、この記事ではシルクジャスミンの育て方からポイント・注意点まで、詳しくご紹介していきます。
シルクジャスミンの基本データ・特徴
まずはシルクジャスミンがどのような植物なのか、基本データや特徴をご紹介します。
植物名 | シルクジャスミン |
和名 | ゲッキツ(月橘) |
学名 | Murraya paniculta |
原産地 | 東南アジア
(インド・マレーシア・フィリピンなど) |
科名・属名 | ミカン科・ゲッキツ属 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
園芸分類 | 観葉植物 |
特徴 | 白い花を咲かせる・常緑性・柑橘系の香り |
シルクジャスミンは、柑橘系の香りがすることから、「ゲッキツ(月橘)」とも呼ばれています。
明るい濃緑の葉色の観葉植物ですが、6月〜9月頃には白い花を咲かせるので、見た目の変化が楽しみながら育てられます。
東南アジアが原産なので寒さには弱いですが、比較的丈夫なので初心者の方でも育てやすく、人気のある観葉植物です。
咲かせる白いお花からは、甘い香が強く漂うので、室内で育てればお部屋の香づけにもなるでしょう。
庭にたくさん育てれば、家の周りを素敵な香りで囲むことができるでしょう。
シルクジャスミンを育てる環境
シルクジャスミンの育てる前に、まずはシルクジャスミンを育てるのに適した環境を準備することが大切です。
置き場所や用土などを整えて、シルクジャスミンが元気に育つ環境をつくっていきましょう。
日当たり・置き場所
シルクジャスミンは耐陰性もありますが、日光を浴びることで元気に育ちます。
また原産地が東南アジアなので、冬や乾燥が苦手なので、シルクジャスミンの置き場所は「日当たりが良く、暖かい場所」が適しています。
室内・屋外どちらでも育てられる植物ですが、冬は0℃以下を避け、できるだけ暖かい室内に置いてあげることが望ましいです。
用土
シルクジャスミンの用土は、水はけの良いものを使用しましょう。
ただし、鉢植えで育てる場合と屋外に地植えで育てる場合で、用土が異なるので注意が必要です。
鉢植えで育てる場合は、市販の観葉植物用の培養土で充分ですが、自作する場合は「赤玉土小粒7:腐葉土3」で混ぜて用土を作ります。
一方、屋外に地植えで育てる場合は、冬に根が凍るのを防ぐため、腐葉土で根を保護する必要があります。
地植えで育てる場合の用土は、掘り上げた土に腐葉土・堆肥を2〜3割混ぜ、約2週間寝かせて作ります。
シルクジャスミンの育て方
ここからは、シルクジャスミンの詳しい育て方についてご紹介していきます。
シルクジャスミンは東南アジアが原産の植物なので、春から秋頃が生育期間です。
そのため、4月〜10月頃までの間に、植え付け・肥料・剪定などを済ませ、冬は暖かい室内で育てていきましょう。
シルクジャスミンを上手に育てるコツはこちら。
- 植え替え・植え付け
- 肥料
- 水やり
- 剪定
- 冬越し
それぞれを詳しく見ていきましょう。
植え付け・植え替え
シルクジャスミンの植え付け・植え替えは4月〜10月に行いましょう。
暖かい時期であれば、いつでも大丈夫です。
鉢に植え付ける場合は、苗よりも一回り大きな鉢を準備し、根についた土を1/3ほど落として植え付け、たっぷりと水をあげましょう。
また根詰まりを防ぐため、約2年に1度、ワンサイズ大きい鉢に植え替えをします。
植え替えの手順は、植え付けと同様です。
地植えする場合は、苗よりも一回り大きな穴を掘って植え付けしたら、たっぷりと水をあげることが大切になります。
肥料
シルクジャスミンは、生育期間に肥料を与えることで、花や実が付きやすくなり、根や枝もぐんぐんと伸びるようになります。
そのため、シルクジャスミンの肥料は、春〜秋の生育期間に、ゆっくりと効く緩効性肥料をあげましょう。
緩効性肥料は、約2ヶ月に1回、株元に与えます。ただし、生育スピードが遅い冬に肥料を与えてしまうと、栄養が多すぎるため根に悪影響を及ぼし、枯れてしまう場合があります。
シルクジャスミンの肥料は「生育期間以外の時期は不要」と覚えておきましょう。
水やり
シルクジャスミンは乾燥が苦手です。
そのため、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
春〜秋の気温が20度以上の時期は、根や枝がぐんぐん伸びるため、たくさん吸水します。
暖かい時期は、毎日土の状態をチェックして水やりをしましょう。
一方、冬は生育スピードが遅くなるため、土の表面ではなく、土が乾いたら水やりをします。また、エアコンの効いた室内でシルクジャスミンを育てる時は、葉の乾燥を防ぐことも大切です。1週間に1〜2回ほど、霧吹きを使用して葉の表裏に水を吹きかけてあげましょう。
剪定
シルクジャスミンの剪定は、毎日の水やりと同じくらい大切な作業です。
特に、春〜秋はシルクジャスミンの生育期間なので、放置してしまうと、枝や葉や混み合って風通しが悪くなり、病気にかかりやすくなっていまいます。
そのため、混み合っている枝・細かい枝・伸びすぎた枝・下向きの枝などがあったら、根元から切り落としましょう。
春〜秋の生育期間は本当によく枝を伸ばすので、大胆に剪定をしてみましょう。
また、生育期間ではない冬でも、枝が伸びすぎていると感じたら剪定してもかまいません。
冬越し
シルクジャスミンは、0℃以上の気温があれば枯れることはありませんが、寒さが苦手なので弱ってしまいます。
そのためシルクジャスミンの冬越しは、「10℃〜20℃の気温が保てる、日当たりの良い室内」に置いてあげましょう。
屋外で育てていた場合も、冬の間は室内で管理することをおすすめします。
また、冬の室内は乾燥するため、シルクジャスミンの葉が乾燥しないよう、葉に霧吹きをしてあげることも大切です。
気をつけたい害虫・病気と対処法
シルクジャスミンも生きているので、しっかりお手入れしてあげないと害虫がついたり、病気にかかって枯れてしまったりします。
ここからは、シルクジャスミンを育てる際に、気をつけたい害虫や病気と、その対処法をご紹介していきます。
アブラムシ
アブラムシは新芽や葉裏に発生する害虫です。
葉が密集している時に発生しやすいです。
アブラムシは繁殖力の高い害虫なので、数が増えてしまうとシルクジャスミンが発育不良になったり、他の病気を引き起こす原因になったりします。
アブラムシを見つけた際は、すぐに殺虫剤を散布して駆除しましょう。
また、アブラムシの発生を予防するために、葉が密集している際は剪定して風通しをよくしてあげましょう。
ハダニ
ハダニは葉裏に発生する害虫です。
数が増えると、葉が光合成をできなくなり、発育不良になるので、ハダニを見つけたら殺ダニ剤を散布して駆除しましょう。
また、ハダニは空気が乾燥している時に発生しやすいので、室内で育てている場合や冬の時期は特に注意が必要です。
空気が乾燥していると感じたら、葉に霧吹きをかけるとハダニの予防になります。
うどんこ病
うどんこ病は、葉や茎に白い粉のようなカビが発生する病気です。
うどんこ病が進行すると、光合成が行えずに発育不良になったり、重症の場合には進行を止められない場合もあります。
そのため、うどんこ病を発見した際にはすぐに対処することが大切です。
被害が少ない場合には、重曹や酢を溶かした水を散布して駆除できます。
(重曹:水=1g:500ml または 酢:水=1ml:350ml)
被害の範囲が広い場合には、殺菌剤や薬剤を散布しましょう。また、うどんこ病の原因は、日光不足・水はけの悪さ・風通しの悪さなど、様々考えられるので、正しくお手入れして日々観察することが、うどんこ病の予防になります。
シルクジャスミンの育て方のポイント・注意点
シルクジャスミンは成長スピードが早いので、ガーデニング初心者の方でも比較的育てやすい観葉植物です。
また、暖かい時期には白い花や赤い実を付けて楽しめるのも、シルクジャスミンの魅力ですよね。
そのため、最後にシルクジャスミンの育て方について、おさえておいていただきたいポイントや注意点を5つご紹介します。
花を咲かせるには日光がポイント!
前述しているように、シルクジャスミンは6月〜9月頃に白い花を咲かせます。
お花を咲かせるためには、日光をたくさん当ててあげることがポイントです。
1日中直射日光でもかまいません。
そして、開花時期の6月〜9月はシルクジャスミンの生育期間でもあるため、水やりや剪定も忘れずに行い、ぐんぐん成長させてください。
そのような正しい環境で、葉や枝が健康に育ったとき、自然と白い花が咲き、その後に赤い実を結びます。
また、室内・屋外どちらでもお花を咲かせることはできます。
開花させるためには、とにかく日光を浴びせましょう!
室内で育てるなら、日当たりと乾燥に注意!
シルクジャスミンを室内で育てる場合は、日当たりと乾燥に注意することがポイントです。
シルクジャスミンは日陰でも育ちますが、日光に当てることで病気を予防したり、お花を咲かせることができます。
そのため、室内で育てる場合は窓際に置き、たくさん日光が当たるようにしましょう!
また、シルクジャスミンは乾燥に弱いです。
室内で育てる場合は、冬は乾燥しやすいのはもちろん、夏でもエアコンの風が直接当たると乾燥してしまいます。
そのため、エアコンの風が直接あたらない場所に置いてください。
室内や葉が乾燥していると感じたら、霧吹きで葉に水をあげましょう!
屋外で育てるなら、蜂に注意!
シルクジャスミンは屋外でも育てやすい観葉植物です。
しかし、白い花を咲かせた時には、蜂がやってくる場合があります。
白い花から漂う、甘い柑橘系の香りが蜂を引き寄せる原因です。
また、白い花が咲くのは6月〜9月頃で、毎日のお手入れが大切な時期に蜂がやってきます。
蜂がシルクジャスミンに危害を加えることはありません。
しかし、お手入れする方は蜂に刺されないよう、白い花が咲いている時のお手入れは注意してくださいね!
春〜秋は水やりと剪定が大切!
前述しているように、シルクジャスミンの生育期間は春〜秋です。
この時期は、根や枝が毎日ぐんぐんと成長するため、水やりと剪定が特に大切です。
まず水やりについては、特に気温が20℃以上の時期は成長スピードが早くなります。
根・枝・葉などが水をたくさん吸収するので、土の表面が乾いていたらたっぷりと水やりをしましょう。
剪定についても同様で、成長スピードが早いと枝や葉が密集し、成長の妨げになったり、病気・害虫の原因になってしまいます。
そのため、枝や葉が密集していたら、思いきって大胆に剪定しましょう。
春〜秋のシルクジャスミンは生命力が強いので、「大胆な剪定」はとても大切ですよ!
冬は温度と乾燥に注意!
シルクジャスミンは東南アジアが原産地なので、寒さ・乾燥に弱いです。
そのため、冬は温度と乾燥に注意してください。
シルクジャスミンの冬の温度管理は、10℃〜20℃が目安です。
屋外で育てている場合、外の気温が10℃以上を保てる地域なら屋外で冬越しが可能です。
しかし、外の気温が10℃未満の場合は冬は室内に避難させましょう!
また、冬の室内は暖房器具を使用するため、部屋が乾燥しやすくなっています。
さらに、暖房器具の温風がシルクジャスミンに直接当たると、葉が乾燥して枯れる原因になってしまいます。
置き場所に注意しながら、室内や葉が乾燥していたら霧吹きで水をあげて、シルクジャスミンを乾燥から防ぎましょう!
シルクジャスミンの花が咲かない!?原因と対処法
比較的育てやすいシルクジャスミンですが、花が咲かなくて困ったことはありませんか?
花が咲かないのは、以下の原因が考えられます。
- 開花時期に大きな開きがある
- 寒い場所で育てている
それぞれの原因を詳しく解説しながら、対処法もご紹介します。
そもそも開花時期に大きな開きがある
シルクジャスミンは、高温多湿の地域を原産としている植物なので、日本の平均的な湿度や気温の環境で育てると、育ちに多少のムラが出ます。
特に、北海道と沖縄では環境も大きく変わるので、開花時期に大きなムラが出る可能性が高いです。
寒さが原因の場合も
暖かい地域に強いシルクジャスミンですが、寒さには弱い傾向にあります。そのため、冬場も外で育てていたり、日光の当たらないような寒い場所で育てている場合は、花が咲かないだけではなく、シルクジャスミンが枯れてしまう可能性が非常に高まります。
葉っぱも幹にも元気がないという場合は、育てている環境が原因の可能性が高いので、なるべく暖かい場所で育てるようにしましょう。
咲かない場合は室内で育てよう!
なかなかお花が咲かないと思ったら、室内で育てるのがおすすめです。
室内なら、比較的暖かい環境が作りやすいので、簡単に早く花が咲く可能性が高くなります。
とはいえ、シルクジャスミンは、普通に育てていればほとんどが花を咲かせます。
屋外でも室内でも、シルクジャスミンが育ちやすい環境にしてあげることが、一番早く花を咲かせる方法と言えるでしょう。
まとめ
この記事では、シルクジャスミン(月橘)の育て方についてご紹介しました。
成長スピードが早く、比較的丈夫な植物なので、ガーデニング初心者の方でも育てやすい観葉植物です。
また、お花を咲かせたり、甘い香りがしたりなど、変化を楽しめるので、育て甲斐のある植物ではないでしょうか。
プレミアガーデンでは、鉢植えのシルクジャスミンを多数販売しています。育てやすいと人気があるシルクジャスミンですが、なかなか観葉植物を管理するのは大変なことです。また、何年もしたら大きくなってしまう・・・と不安に思うこともあるでしょう。
そんなときは、プレミアガーデンが行っている観葉植物のレンタルがおすすめです。
オフィスに置くことはもちろん、自宅にも気軽に置くことができるので、忙しい人でも気軽にシルクジャスミンを置くことができるでしょう。ぜひこの記事をきっかけに、観葉植物を生活に取り入れてみてください。