波打つレースのような葉が魅力のアラレア|特徴や育て方は?

「ディジゴセカ」や「グリーンアラレア」の名前でも流通しているアラレア。

細長い葉は手のひらのように広がり、そのひとつひとつはギザギザと波打っているので、全体的に見るとふんわりとしたシルエットをしています。

定番の観葉植物と比べると個性的な姿をしているので、近年の観葉植物ブームで人気が高まっている品種です。

今回は、そんな人気のあるアラレアについて、植物の特徴や魅力、育て方などについてご紹介していきます。

アラレアの基本情報

まずは基本情報から見ていきましょう。

科・属 ウコギ科・プレランドラ属
和名 ディジゴセカ、ノコギリヤツデ、孔雀木
英名 False aralia, Spider aralia, Threadleaf aralia, Finger aralia
学名 Dizygotheca elegantissima 
原産地 ニューカレドニア

原産地はニューカレドニアで、ウコギ科の植物になります。

亜熱帯気候に属するニューカレドニアは平均気温が24℃ほどと暖かい国なので、アラレアも暑さには強く、寒さには弱い植物です。

 

アラレアの特徴

アラレアは、学名でもある「ディジゴセカ」や「グリーンアラレア」の名前でも呼ばれています。

ニューカレドニアに自生しているアラレアは、大きいものだと15mにもなる樹木です。

モスグリーンで深みがある色の葉は細長くギザギザと波打っていて、ノコギリの刃にも似ています。その細長い葉は手のひらを広げたような形になって、放射状に伸びています。

カエデの葉が細くなって波打ちながら広がっている様子をイメージすると、葉の形状を思い浮かべやすいかもしれません。

 

アラレアの最大の魅力でもある、細長くギザギザとした葉は、幼木のときだけの特徴です。

株が生長して大きくなるにつれ、細い葉の幅は太くなっていき、葉のギザギザがなくなってウコギ科の植物らしい見た目へと変化します。

そのため、流通しているアラレアは、大半が1m前後の幼木のサイズで維持されているのです。

アラレアの名前の由来

流通している「アラレア」と呼ばれている品種のほとんどは、「プレランドラ・エレガンティシマ」という種類です。

和名では「モミジバアラレア」とも呼ばれています。

プレランドラ・エレガンティシマという呼び名よりも、アラレアの呼び方が定着しているため、この記事ではアラレアの名称でご説明していきます。

プレランドラ・エレガンティシマは、そもそもはアラレア属に分類されていたのですが、ディジゴセカ属へと変わり、シェフレラ属になり、現在はプレランドラ属に分類されているという複雑な経緯があります。

そのため、日本へ入ってきた頃のアラレア属が定着して、アラレアがポピュラーな呼び名となり、次に分類されたディジゴセカ属としての呼び方もあるのですね。

アラレアの花言葉

アラレアは、ウコギ科の特徴でもある散形花序の花を咲かせます。

カエデやレースフラワーの花などの、傘やパラソルの形に似ている花姿です。

5~6月頃に開花して、白やクリーム色のような薄い花色をしています。

 

そんなアラレアには、「繊細」「優雅」の花言葉があります。

ほっそりとした葉の繊細さや、風にそよいで優雅に葉が揺れる様子から付けられた花言葉でしょうか。

のんびりとした雰囲気を持つアラレアには、ぴったりな花言葉ですね。

アラレアはグリーンインテリアとしておすすめ

幼木の頃のアラレアは、特徴的なギザギザとした葉にデザイン性があり、個性的なグリーンインテリアにおすすめの観葉植物です。

モダンでシンプルな部屋、アジアンテイストでエスニックな雰囲気のある部屋、明るい色合いが基調のナチュラルテイストな部屋でも、しっくりと馴染んでくれます。

アラレアの細い葉は、わずかな風でもさやさやと揺れるので、とても涼しげで爽やかな印象です。

ほっそりとしたシルエットは品があるため、畳やい草との相性もばっちりで、和室にもぴったりな観葉植物ですよ。

 

また、アラレアを飾る際には、照明の当たり具合も意識して配置してみましょう。アラレアの特徴的な葉の影を、照明によって美しく魅せる演出もできますよ。

 

お部屋のシンボルツリーとしても相性が良く、特に幹が曲がったタイプのアラレアをお部屋に置くことで、室内の雰囲気を和らげるインテリア効果も期待できます。

よくある定番の観葉植物では物足りない……という方は、ちょっぴり個性的で珍しさもあるアラレアを、インテリアグリーンとして取り入れてみるのはいかがでしょうか。

アラレアの種類

先述したように、市場で流通している「アラレア」と呼ばれる品種は、ほとんどが「プレランドラ・エレガンティシマ」という種類のことを指しています。

アラレアの品種には、他にも人気の種類がありますので、まとめてみました。

アラレア・エレガンティッシマ・カスター

「アラレア・エレガンティッシマ・カスター」は、アラレアの代表品種でもある「アラレア・エレガンティッシマ」の矮性品種です。

矮性品種であるエレガンティッシマ・カスターは、自生地では8m以上もの樹高になるエレガンティッシマの成長を止めて、栽培しやすいサイズに留めている品種です。

エレガンティッシマのミニサイズバージョンの品種だと考えると分かりやすいでしょうか。

葉の形状はやや異なり、エレガンティッシマよりも小さい葉には、浅く切り込みが入っているのが特徴です。

アラレア・エレガンティッシマ・バリエガータ

「アラレア・エレガンティッシマ・バリエガータ」は、高さが最大で15mほどにまで育つ品種です。

葉の大きさは10〜20cmほどと長く、7〜11枚の小葉が掌状に広がります。

葉色は深みのある落ち着いた緑色で、葉の縁がクリーム色に縁どられたおしゃれな葉です。

株が生長していくにつれて葉の幅は広がっていくので、また違った印象になっていきますよ。

アラレアの基本的な育て方

やや個性的な姿で、インテリアアイテムとして人気のアラレア。

続いては、アラレアの基本的な育て方についてご紹介していきましょう。

アラレアは、やや寒さが苦手だという性質がありますが、コツさえ分かってしまえば育てやすい観葉植物です。

基本の育て方を抑えて、アラレアの栽培に挑戦してみましょう。

置き場所

強い日光や直射日光は苦手な植物なので、窓際に置く場合はレースカーテンやブラインド越しになるように遮光してください。

耐陰性があるので、明るい半日陰の室内でも充分元気に育ちます。

ただし日照不足になると、枝などがひょろひょろと伸びて徒長してしまうため、適度に日光浴をさせてくださいね。

こまめに日に当てることで、葉につやが出て健康な株に育ってくれます。

 

アラレアは寒さには弱い植物なので、鉢植えを外に出して管理している場合は、気温が15℃を下回ったら必ず室内に入れてください。

暖かい温度の環境を好みますが、エアコンを使用する部屋では、暖房の風が直接アラレアに当たらないよう、置き場所に注意しましょう。

水やり

アラレアの水やりは、土が乾いてからたっぷりと水を与えるのが基本です。鉢底から水が流れ出てくるまで、充分な量の水を与えましょう。

水やりのあとは、受け皿に水を溜めたまま放置しないよう気を付けてください。

鉢内の湿度が上がって、根腐れを引き起こす原因になりますので、水やりと受け皿の水捨ては必ずセットで行ない、鉢を清潔に保ちます。

乾燥する時期は、霧吹きなどで葉に水をかける、葉水をこまめに行なってください。

葉水で保湿することにより、病気や害虫の発生を防ぐ効果もあります。

 

10月頃から気温が下がってくると、株は徐々に休眠期へと入っていきます。

この時期から水やりの頻度を徐々に減らしていき、アラレアを乾燥気味に育てていきましょう。

株を乾燥気味にしておくと、樹液の濃度が高まって、寒さに強くなります。

また、冬場には水を与え過ぎると株が枯れてしまいますので、鉢土が乾燥したのを確認して2〜3日経ってから水を与えてください。

肥料

アラレアは、肥料を与えなくても育ちますが、元気がないなと感じたときや、生長を早めたいときには、液体肥料や緩効性の置き肥を与えてください。

休眠期を迎える冬場に肥料を与えると、根に養分が詰まって肥料焼けを起こします。

冬越しをさせる前に、置きタイプの肥料は必ず取り除いておきましょう。室内で育てている方は、化成肥料を使用すればコバエの発生を防止できますよ。

植え替え

アラレアの植え替え作業は、真夏の炎天下や猛暑日などを避けて、5〜9月の間に行ないましょう。春先に行なうのが、株の回復が早いので最もベストなタイミングです。

植え替えのタイミングは、1〜2年に1回程度が目安です。

土は、赤玉土、腐葉土、パーミキュライトなどを混ぜた、水はけの良いものを使いましょう。

 

前回の植え替えから1~2年が経過していなくても、鉢底から根が飛び出ていたり、水を与えても鉢底から水が流れ出にくくなってきたり、鉢土の表面から根が見えているような状態であれば、植え替えのサインです。

【植え替えの手順】

植え替えはこのような手順で行いましょう。

 

①鉢から株をそっと取り出して、根をほぐしながら古い土を優しく落としていきます。

②根をよく観察し、傷んでいる部分や黒ずんでいる部分は、清潔なハサミや刃物で切り落としていきます。

③根が整理できたら、用意した一回り大きな鉢に植え替え、たっぷりと水を与えましょう。

④植え替え後は、涼しい日陰で土が乾燥しないよう気を付けて管理します。

病気や害虫

葉の形が細長いため形状的に害虫は付きにくくはありますが、カイガラムシが寄生する恐れがあるので注意しましょう。

体長1〜2mmととても小さなカイガラムシは、植物の幹や茎、葉などに好んで寄生します。

寄生した植物から樹液を吸って食事をするので、放置しておくと植物はどんどん弱っていってしまうのです。

また、カイガラムシの排泄物はベタベタとしており、葉や茎に付いたままだと「すす病」など二次被害を引き起こします。

 

病気になる前に、カイガラムシを発見したら早々に駆除しましょう。

カイガラムシは幼虫のうちだと殺虫剤などの薬剤が効きますが、成虫にまで育ってしまうと、体の表面を固い貝殻のような殻で覆っていくため、薬剤が浸透しにくくなります。

対処法としては、数が少ないうちに、歯ブラシなどの柔らかい毛質のものや爪楊枝で、葉を傷つけないようにカイガラムシを擦り落としていきましょう。

排泄物でベタベタとしている葉は濡れた布で拭き取り、清潔にしておきます。

 

また、葉の裏にはハダニも付きやすいです。

ハダニに吸汁された葉の部分は白い斑点状になっているので、よく確認しましょう。

ハダニは、0.5mmほどのかなり小さな虫で、体の色は黄緑色や赤色をしています。乾燥した場所を好み湿気を嫌う性質があるので、管理場所の湿度を適度な状態に保つのは、株の健康を促進させるだけではなく、ハダニ対策にも繋がりますよ。

また、こまめに葉水を行ない、葉の表面を濡れた布などで拭き取るのも効果的です。

 

他にも、アブラムシも注意しておきたい害虫です。

アブラムシは2〜4mmほどの虫ですが、みっしりと集まって寄生していることが多く、早くに対処が必要です。

アブラムシは、「すす病」などの菌を持ち込む媒介者でもあります。

アブラムシが吸汁した箇所からは、すす病のウイルスが侵入して、アラレアが病気を発症してしまいます。

株がまだ幼く小さいうちは、すす病の発症までに至らなくても、養分を吸汁されることによって株の体力が足りなくなり、最悪の場合はそのまま枯れてしまう危険があるのです。

アラレアを増やしてみよう

アラレアは、「挿し木」の方法を使うと、手軽に増やしていくことができます。

挿し木で使う挿し穂には、剪定や仕立て直した際に切り落とした枝を使っていきましょう。

観葉植物を育てる楽しみのひとつに、株を増やしていく楽しみがあります。アラレアのお世話に慣れてきたら、次のステップとして挿し木に挑戦してみましょう。

 

【挿し木の手順】

①挿し木に使う挿し穂は約10cmにカットしておき、なるべく株元に近い枝を使いましょう。

②挿し穂は、数枚だけ葉を残して、下の葉はすべて取り除いておきます。

③水分の蒸発を防ぐために、残した葉は半分にカットしておきます。

④水はけの良い土を用意して、ポットや新しい鉢に入れておき、充分に湿らせます。

⑤アラレアの挿し穂を土に挿したら、風通しの良い明るい日陰に置いて、土が乾燥しないよう注意深く管理して、発根を待ちましょう。

 

このように、挿し木は簡単な手順で行うことができます。発根したら、根を傷めないように丁寧に掘り上げて、鉢や花壇に植え替えてあげましょう。 

 

アラレアを仕立て直す

アラレアの人気の理由でもあるギザギザとした細長い葉は、幼木特有のものであり、株が大きく生長していくにつれて、徐々にギザギザは失われていき幅の広い「成葉」になります。

ギザギザした特徴的な葉のアラレアが好みの人は、枝を切り落として幼葉が出てくるように仕立て直しを行うと良いでしょう。

 

仕立て直しは新芽が出やすい5〜7月の間に行なってください。

 

【仕立て直しの手順】

①株元から3分の1ほど、もしくは鉢土から15cmほどの位置で、枝をすっぱりと切り落とします。

②しばらくは、日当たりの良い場所で管理して、株が乾燥しないよう水やりに注意してください。

 

葉がまったくない、丸裸のような姿になってしまっても、仕立て直しによってアラレアの株が枯れることはありませんので、安心して作業に臨んでくださいね。

また、アラレアの葉は1年ほど経つと、葉が寿命を迎えて徐々に枯れていきますが、寿命以外にも、乾燥のし過ぎや管理温度が低すぎる場合にも落葉してしまいます。

下葉がぽろぽろと落ちて、樹形が崩れてしまった場合にも、仕立て直しは有効です。

 

アラレアの購入は通販サイトがおすすめ

引用:プレミアガーデン

 

アラレアは珍しい品種なので、取り扱っているお店は限られます。アラレアを買い求めてあちこちのお店をハシゴするのも大変ですよね。

インターネットショップでは、お店に直接向かわなくても、商品在庫を確認できます。

また、数あるショップを比較して、納得のいく価格やオプションのある商品を購入できますよ。

また、大きな観葉植物の購入は、持ち帰りも一苦労ですが、ネットショップで購入すれば、配送業者が自宅まで重い鉢植えを届けてくれます。

車をお持ちでない方や、女性一人で観葉植物を買いに行くのは、持ち帰りに苦労しますが、通販での購入なら安心です。

24時間いつでも好きな時間に探すことができますし、隙間時間を利用できるのも嬉しいですね。

アラレアのような少し珍しい観葉植物をお求めでしたら、ぜひ通販サイトでの購入を検討してみてください。

まとめ

今回は、近年インテリアとして人気が高まっている観葉植物、アラレアについてご紹介してきました。

アラレアのほっそりと長いギザギザとした葉は、波打つレースのような柔らかい雰囲気もあります。

この葉の形は幼葉特有のものなので、葉が生長してくると幅広くなりギザギザもなくなっていきます。しかし、株を切り戻して仕立て直せば、また特徴的な葉を楽しめますよ。

お部屋のインテリアに観葉植物をお探しの方は、少し個性的なアラレアを育ててみませんか?

照明を工夫して葉のシルエットを楽しんだり、暑い夏に室内へ飾って涼しげな演出をしたり、個性的なフォルムを存分に楽しんでくださいね。

大切なあの人にお花を送ってみませんか?