丸くふくらんだ幹が個性的!トックリランの育て方や楽しみ方のポイントをご紹介

 

トックリランという植物をご存知ですか?トックリランは丸く膨らんだ幹が特徴的で、インテリアとしても人気の高い観葉植物です。

今回は、そんなトックリランについて、魅力や育てる上でのコツをあますことなくご紹介します。あなたもぜひ育ててみてはいかがでしょうか。

 

どんなインテリアにも合うトックリラン

トックリランの魅力は、あらゆる場所にマッチし、自分好みのスタイルで育成を楽しむことができる点です。

たくさんの葉が細長く伸びる姿は明るく清楚で、さまざまなインテリアに合わせることができるでしょう。

また、手のひらサイズの小型株から大きな木に成長したものまで、さまざまなサイズのものが流通していますので、置き場所や好みに合わせて最適なものを探すことができるでしょう。

丈夫で育てやすいため、初めての観葉植物としてもおすすめです。

 

トックリランはどんな植物?

トックリランの魅力を簡単にお伝えしたところで、トックリランがどんな植物なのか、もう少し詳しく見てみましょう。

名前の由来や、育てる際に覚えておきたい原産地についての情報をご紹介していきます。

 

トックリランの名前の由来

トックリランはスズラン亜科に分類される植物で、正式​​名称(学名)をBeaucarnea recurvataといいます。

トックリランという和名は、幹の根本がまるでとっくりのように丸く太ることにちなんで付けられたものです。

ただし、トックリランという名前ですが、正確にはランの仲間ではありません。

また、かつてはノリナ属(Nolina)とされていた名残からノニナと呼ばれることや、英名のPonytail palm(ポニーテール椰子)にちなんでポニーテールと呼ばれることがあります。

なお、英名としては他にもElephant’s food(象の足)と呼ばれる場合がありますが、独特な形状の幹をとっくりと表現するか象と表現するかに言語ごとの違いが出ていて面白いですね。

 

トックリランの原産地

トックリランは、メキシコ南部の乾燥した地域に生息する植物です。

この地域は非常に乾燥しているために砂漠のような環境であり、トックリランはそのような過酷な環境に適応した強靭な植物といえます。

サボテンや多肉植物などと同様に乾燥気味の環境と強めの光を好みますので、栽培の上では日当たりと少なめの水やりを心がけると上手に育てることができますよ。

こうした過酷な環境に耐え抜くトックリランは、耐暑性に優れるとともにある程度の耐寒性もあり、霜が降りない程度の寒さであれば問題なく越冬が可能です。

 

トックリランを買うときのポイント

トックリランに興味が出てきた方は、ぜひ通販サイトや生花店などで探してみましょう。

トックリランは株ごとに表情が異なり、特に幹のふくらみの有無やその大きさなどの違いは、選ぶときに楽しめる点のひとつです。

気に入った形の株を見つけたら、購入する前に以下の点を忘れずにチェックして、よい株かどうか確かめてみてください。健康な株を手に入れることが、上手に育てるための第一歩です。

 

葉の状態

健康なトックリランの葉は、がっしりとしていて、強い日光にあたって育った株は葉がカールします。

しかし、葉が弱々しく萎れていたり黄色く変色していたりする場合は調子を崩している株である場合があります。また、葉の一部が不自然に枯れていたりする場合は炭そ病という病気である恐れも。

これらのような場合は購入を避けておくのが無難です。

 

幹の状態

トックリランの特徴である幹の膨らみは、種から育った株(実生株)が長い時間をかけて形成していくものです。

注意すべきは実生株でない場合、つまり挿し木などの方法で増やされた株で、これは長年育てていても幹は丸く発達しません。

そのため、丸く膨らんだ幹を楽しみたい場合、購入時に幹に膨らみがあるかどうかを必ず確かめましょう。

売られている時点で幹の根元に膨らみが見られない場合、その株の幹は今後も丸くならない可能性が高いです。まっすぐに伸びた幹の方が好みであるという方は、幹の根元が丸くなっていない株を購入すると、その後もシンプルなフォルムを楽しむことができますよ。

 

植物自体の健康度を確認するのに併せて、鉢が自分の生活スタイルに合っているかどうかもチェックすると、失敗はより少なくなります。

小さい鉢は省スペースで置き場所を選びませんが、鉢内が乾くのが早いので頻繁に水やりをすることが難しい生活スタイルの人には向きません。

反対に、大きな鉢は置き場所が限られる一方で、鉢内が乾きにくく、水やりの頻度は少なく済みます。

また、鉢に受け皿が付属しているかどうかも確認しておくとよいでしょう。

もちろん、植物と鉢を別々に購入して、後から自分の生活スタイルに合わせた鉢に植え替えるという方法もあります。

 

トックリランの育て方

トックリランを手に入れたら、飾る場所を決めて、いよいよ栽培のスタートです。

ここからは、トックリランを育てる上で押さえておきたい基本的なポイントについてお話していきます。

トックリランは大変強健で初心者の方でも簡単に管理することができますが、きれいな姿をいつまでも楽しみ続けるためには、最低限のコツを知っておく必要があるでしょう。

ここでは、栽培の基本となる置き場所、水やり、肥料についてご紹介します。

 

置き場所

トックリランの置き場所を決める上で最も重要なのは、日当たりの良さです。

強めの光を好むトックリランを上手に育てるためには、よく日の当たる場所を用意してあげる必要があります。

また、たっぷりと光に当てて育てたほうが幹がよく発達し、がっしりとした健康な株になりますよ。

乾燥気味の環境を好むトックリランにとっては、風通しの良さも重要な要素です。

極端に通気性の悪い場所で育てていると、鉢内がよく乾かずに根腐れを引き起こしてしまう場合があるので注意してください。

春から秋の暖かい時期は野外のよく日の当たる場所で育て、冬場は屋内の窓辺に取り込んで育てるなどの方法もよいでしょう。

 

水やり

トックリランの水やりのポイントは、用土が乾いてからたっぷりと与えることです。

用土が湿った状態が続きすぎると根腐れを起こしてしまう場合があるため、たっぷりと水をやった後に乾くまでしっかり待ち、それからまた水をやるというメリハリを効かせた管理が重要になります。

トックリランは耐寒性に優れた植物ですが、冬場に気温が0℃を下回る場所で栽培している場合、真冬は断水して管理する方が無難です。

冬場に5℃以上の気温が保てる環境では断水の必要はなく、水やりの頻度をやや少なめにして管理しましょう。

 

肥料

トックリランはそれほど肥料をあまり必要としないため、管理のしやすい観葉植物です。

基本的には肥料を与えずとも育てることができますので、はじめのうちは施肥を行わずに管理するのがおすすめ。

調子よく育ち続けている場合、遅効性の肥料をほんの少し与えて、株の充実を図るのもよいでしょう。

ただし、施肥は成長期である春から夏に行い、それ以外の時期では与えないようにします。

トックリランは過剰な肥料分を与えると肥料焼けを起こす場合があるので、肥料のあげすぎに注意し、寒い時期の施肥は控えるようにしましょう。

 

トックリランによくあるトラブル

ここまでご紹介してきたポイントを押さえておけば、大変丈夫で扱いやすいトックリランは誰でも手軽に育てることができます。

しかし、そんな強健なトックリランとはいえ、まれにトラブルに見舞われることはあります。

トックリランによく見られるトラブルについては事前に知っておき、万が一発生してしまったときには手早く対処できるよう準備しておくことが大切です。

ここでは、トックリランに起こりやすいトラブルとして「徒長」と「根腐れ」についてご紹介します。

症状の特徴と対処法について、ぜひ覚えておいてください。

 

徒長

日がよく当たり乾燥気味の環境を好むトックリランは、光量が不足していたり水やりの頻度が多すぎたりすると、徒長してしまうことがあります。

徒長とは、株が本来よりも細く弱々しく育ってしまう現象で、光量不足や水の与えすぎによって発生するトラブルです。

徒長が発生すると株の見た目が悪くなり、トックリランの健康にもよくありません。

そのため、徒長が確認されたらトックリランをよりよく日の当たる場所に移動させ、水やりの頻度を控えめにして管理してみてください。

また、長い期間トックリランを育て続けている場合、どうしても徐々に徒長してしまい、次第に細く弱々しい姿になってしまうことがあります。

そのような場合は、夏前によく発達した幹のみを残して細く伸びてしまった枝を切り落とし、仕立て直す方法が有効です。

少々思い切りが必要な方法ではありますが、ふたたびよく締まった株に仕立て直すことができるので、株の見栄えを重視する方にはおすすめですよ。

 

根腐れ

本来乾燥した地域に生息しているトックリランは、水の与えすぎや置き場所の通気性の悪さなどの要員で根腐れを起こしやすい植物です。

根詰まりとは、鉢内が湿りすぎていることが原因で、根が腐るように枯れてしまう現象。

根腐れを放置していると株全体がダメージを受けて弱ってしまうので、根腐れの兆候を見つけたらすぐに対処するようにしましょう。

根詰まりが発生した場合、まずは水やりの頻度を見直します。

トックリランへの水やりの基本は先述の通り、よく乾くのを待ってからたっぷりと与えることと、寒い時期は水やりの頻度を少なめに抑えることです。また、通気性に関しても併せて改善するようにしましょう。

より風通しのよい場所に移動させるか、小型のファンなどを設置して空気が流れるようにすると効果的ですよ。

ただし、エアコンの風が直接当たると植物は弱ってしまいますので、エアコンの風は避けるようにします。

なお、用土が古くなっているなどの原因で根腐れを起こす場合もありますので、次の植え替えの項目も併せて参考にしてみてください。

 

トックリランの植え替え

ここでは、トックリランの植え替えについてポイントを解説していきます。

どれくらいの頻度で植え替えすべきか、用土はどうするか、時期はいつがよいかなどを、詳しく見ていきましょう。

 

頻度

トックリランは頻繁な植え替えを必要とする植物ではないので、数年間植え替えなしで育てられる場合もありますが、鉢底の穴から根が飛び出すようになってきたら植替えを検討しましょう。

植え替えをすることで、根が育つための新しいスペースを与えることができ、株がさらに大きく成長することが期待できます。

また、下の方の葉が落ち、葉が付いているのが頂点の方だけになってきた場合は根詰まりを起こしている恐れがあるので、これも植え替えの時期を示すサインです。

 

時期

植物は、成長期以外の時期に植え替えると、なかなか根付かずに調子を崩してしまうことがあります。トックリランの成長期は春から秋ですので、植え替えはこの時期に行いましょう。

 

用土

トックリランは乾燥気味で肥料分の少ない用土を好みます。

市販の多肉植物用の用土が扱いやすいためおすすめですが、赤玉土や軽石などを主体としてブレンドした用土でもよいでしょう。

また、鉢底石を多めに入れて排水性と通気性を高めたり、粒が潰れて水の通りが悪くなるのを防ぐために硬質赤玉土を用いることも有効です。

 

株分けや仕立て直しを同時に行ってもよい

トックリランを植え替える際、同時に株分けや仕立直しを行うのもよいでしょう。

トックリランの根本から新しい株が出てきていたり、幹が枝分かれして伸びている場合、株分けや挿し木で増やすことが可能です。

株分けのやり方は、消毒したハサミやカッターで子株や枝分かれした幹を切り取り、親株とは別々に植えます。

その場合、切断した部分を日陰で数日乾かしてから植えるようにし、子株を植える用土は赤玉土などの清潔なものを選びましょう。

また、同じ要領で幹の長さや枝ぶりを自分好みに整える仕立直しも行うことができますよ。

 

トックリランのおすすめの飾り方・楽しみ方

トックリランは株の大きさや鉢の形状などによって、さまざまな飾り方が可能です。

ここでは、トックリランのおすすめの飾り方をご紹介します。

もちろんこれら以外にも魅力的な飾り方はたくさんありますので、皆さんのアイディアで自分だけのトックリランを楽しんでみてください。

 

小さな株は卓上で楽しむ

トックリランは小さな株から大きな株まで流通していますので、好みに合ったサイズを選べる観葉植物です。

小さな株は安価で入手しやすいので、予算を抑えたい方や、成長を楽しみたいという方におすすめですよ。大きな鉢植えは飾る場所がないという方でも気軽に購入できますし、おしゃれな鉢に植えて卓上に飾れば、日々の生活が少し楽しくなるのではないでしょうか。

まだ小さい株でも幹が丸くなっているものも多く、非常に可愛らしい姿が楽しめます。

 

大きな株はリビングのインテリアの中心に

トックリランの大型の株は、樹高が十分にあり、そこから長い葉が垂れ下がるような姿になります。

シンプルですがしっかりと個性があり、味わい深く飽きの来ない見た目ですので、リビングなど来客の多い場所のインテリアとして飾ってみるとよいでしょう。さまざまなインテリアと合わせやすいのも嬉しいところです。

 

地植えで成長を楽しむ!

トックリランは丈夫で育てやすく、外でも越冬できる植物です。お庭のある方はトックリランを地植えして、大きく育ててみませんか?

鉢植えで育てていたけど植え替えが大変……という方や、育ちすぎて部屋に置いておくには大きすぎる、なんてときにもおすすめです。

日光が大好きな植物なので、地植えで育てる場合にも日当たりのいい場所を選んであげましょう。

のびのびと育つトックリランは、お庭も元気な雰囲気にしてくれるはずです。

 

まとめ

今回は観葉植物トックリランについて、基本的な情報の紹介に始まり、買う時のポイント、育て方、トラブルの対処法、おすすめの飾り方をお伝えしました。

最近は花屋さんだけでなくホームセンターやインテリアショップなどでも見かけることが多くなっており、個性的で南国風な見た目はお部屋の雰囲気もガラッと変えてくれるはずです。

そんなトックリランは贈り物としても最適。シンプルながらも個性的な見た目は性別問わず愛されることでしょう。開店祝いや開業祝いにも気の利いた贈り物になるはずです。

この記事を参考に、お気に入りのトックリランを見つけて育ててみてくださいね。

 

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