ずんぐりした幹が魅力!ボーカルネア・グラキリスの特徴や育て方のコツ

ボーカルネア・グラキリスという珍しい観葉植物の名前をご存知でしょうか。

丸い幹はどっしりと太いのが特徴的で、幹の表面がコルクのような質感の塊根植物です。

観葉植物としてもお馴染みのトックリラン(ボーカルネア・レクルバータ)の仲間で見た目もよく似ていますが、トックリランよりも塊根部の割れ目が深く、ワイルドな見た目が特徴です。

大きく育つと高さ6〜8mにもなる植物ですが、これくらいの大きさになるには数百年の年月がかかり、生長はとても遅いです。ある程度の大きさになるまで時間がかかるので、市場にもあまり出回らない希少種となっています。

しかし、株によりさまざまな個体差を楽しめるため、とても人気が高い品種でもあります。

今回は、そんなボーカルネア・グラキリスの特徴や、枯らさずに育てていくコツなどについてご紹介していきたいと思います。

ボーカルネア・グラキリスの基本情報

まずはボーカルネア・グラキリスの基本情報を見ていきましょう。

科・属 リュウゼツラン科ボーカルネア属
英名 beaucarnea gracilis
原産地 メキシコ

メキシコ原産なので、暑さに強い植物となっています。観葉植物は葉焼け防止のため直射日光には当てないよう育てるものが多いですが、ボーカルネア・グラキリスは野外でしっかりと日の光に当ててあげましょう。

ボーカルネア・グラキリスの特徴

ボーカルネア・グラキリスの1番の特徴は、やはり株元の大きな幹でしょう。

ボーカルネア・グラキリスのどっしりと太った幹の表面は、松の皮のような、粗いコルク状の表皮で覆われています。表皮にはたくさんの亀裂が走り、ゴツゴツと割れた表皮は野生的な魅力がありますね。この亀裂は株が成長するほど多く、深くなり、ワイルドさが際立ちます。

見た目がよく似たトックリランの葉は青々としたグリーンですが、ボーカルネア・グラキリスは幹の先端付近からは細長い葉を束状に伸ばしていき、生長するにつれ葉は青みがかってシルバーブルーに見えてきます。

名前の由来

属名の「Beaucarnea(ボーカルネア)」は、ベルギーのプラントハンターであるジャン・バティスト・ボーカルヌ(Mr. Jean Baptiste Beaucarne)から名付けられました。

「gracilis(グラキリス)」 はラテン語で「細長い」という意味で、ボーカルネア・グラキリスのほっそりとした葉から付けられたのでしょう。

ボーカルネア・グラキリスの花

ボーカルネア・グラキリスは、大きく生長して春先になると、元気な株には可愛らしい花が咲きます。

特徴的なボールのような株から、花芽が長く伸びて、クリーム色やレモンイエローの円錐花序の花を咲かせてくれますよ。

株がかなり生長しないと開花しないうえに、結実もなかなかしないのですが、この開花を楽しみにボーカルネア・グラキリスを根気強く育ててみるのも良いですね。

高値で販売されるボーカルネア・グラキリス

ボーカルネア・グラキリスは、市場では非常に高値で販売されています。

直径10cmサイズの株だと、30,000円以上の価格になることもしばしばです。小さな株でも数千円はしますし、立派な株では100,000円を超す場合も。樹形に丸みがあり、どっしりとしているほど高い根で取り引きされます。

これには、ボーカルネア・グラキリスの希少性が関係しています。

ボーカルネア・グラキリスの生長スピードはとても遅くのんびりとしていて、自生している大きなもので5mの樹高になるまでには、数百年かかるとも言われています。

ごくわずかな地域のみ自生する植物で、もともと希少価値も高いので、乱獲されることもあり野生個体は数が減る一方なのです。

日本の環境に慣れず、枯れてしまう危険も高い品種なので、観葉植物初心者の方にはなかなかおすすめしづらい品種になります。

もともと丈夫な性質で、枯らす心配が少ない品種であれば良いのですが、高値で入手した株を早々に枯らしてしまうのはショックですよね。

ボーカルネア・グラキリスの栽培は観葉植物の扱いに慣れて、自信がついてきた頃にチャレンジしてみましょう。

幹の個体差を楽しめる

水分を貯めておくための実用性が高い幹ですが、この幹の太り方やフォルムには株によって異なる個体差があります。

幹に焼けが入っていたり、丸い幹や縦長気味の幹など、フォルムの違いも楽しいですよ。

株を購入する際には、気に入った自分好みの形のボーカルネア・グラキリスをじっくりと探してみましょう。

また、輸入された株は発根していないものが多いので、購入時には発根状態も確認しておきます。

新芽がしっかりと芽吹いていて、根が力強く張っている株を選ぶのもポイントです。

日本で種から育てられた実生株だと、日本の環境下でも立派な大株まで育てやすくおすすめですよ。

ボーカルネア・グラキリスの種を入手して、種まきから育てる増やし方の「実生」もおすすめですので、後ほど詳しくご紹介していきます。

ボーカルネア・グラキリスの育て方

日本の気候に適応しきれず、枯らしてしまう可能性の高いボーカルネア・グラキリスですが、特性を理解した育て方をすれば枯れるリスクは減ります。

誰にでも育てやすい品種ではありませんが、いくつか注意するポイントを抑えれば、株を健康に育てていくことができますよ。

それでは、ボーカルネア・グラキリスの育て方のポイントやコツ、注意点などについて詳しくご説明していきます。

置き場所

ボーカルネア・グラキリスの原産地はメキシコです。原産地の環境を考えると、日本の冬を地植えで越すのはかなり厳しいでしょう。鉢植えとして育てて、温度に応じて置き場所を移動できるようにするのがおすすめです。

ボーカルネア・グラキリスは直射日光を好む観葉植物。枯れる原因の1番の理由は「日照不足」なので、風通しの良い明るい野外で、充分に日光浴をさせましょう。室内よりも野外で育てるのがおすすめです。

冬は10度以下に気温が下がらないような場所で管理しましょう。

頻繁に置き場所を変えたり植え替えたり、暗い室内に置いたりして育てると、株の負担になるので注意してくださいね。

室内での管理では、サーキュレーターなどで風通しを作るのも効果的です。

水やり

ボーカルネア・グラキリスは、長期の干ばつにも耐えられるほど乾燥を好む観葉植物です。

水を与え過ぎて枯らさないよう、頻度には気を付けましょう。

一般的に乾燥を好む観葉植物よりも、さらに乾燥気味になるよう意識して育てるのがコツです。

春から秋の生育期には、土の表面が乾いてから2〜3日経ってから、たっぷりと水を与えます。

冬は株が休眠期に入るため、水やりはあまり必要としません。

土の表面が乾いてから1週間〜10日経った頃に水を与えるくらいでちょうど良いでしょう。

冬場の水やりは、水道水などを与える際にはなるべく常温に戻しておき、気温が高い日中に行なうよう心がけます。

暖かい春を迎えたら、水やりの頻度を徐々に生育期のペースへと戻していきましょう。

肥料

ボーカルネア・グラキリスには、生育期である夏の間だけ肥料を与えましょう。

そこまで多く肥料を必要とはしないので、少ない量でも充分です。

肥料を与えすぎると徒長を起こしてしまい、ボーカルネア・グラキリス特有のずんぐりとしたチャーミングな樹形が崩れてしまいます。

肥料焼けの危険もありますので、適量を与えるよう注意してくださいね。

与える肥料は、緩効性肥料、液体肥料のどちらでも構いません。

剪定

ボーカルネア・グラキリスは、生長速度がかなりスローペースなので、頻繁に剪定を必要とするほどに枝が伸びません。

どうしても剪定が必要なのであれば春先が適期ですが、特に問題がなさそうであれば剪定せずに放置して育てていきましょう。

植え付け・植え替え

生長速度がゆっくりな品種なので、毎年植え替えが必要な品種ではありませんが、土の通気性や排水性を上げるためにも、2年に1回は植え替えを行なうのがおすすめです。

鉢から株を優しく取り出したら、根をほぐして古い土を3分の1ほど落としましょう。

ボーカルネア・グラキリスの根は切れやすく繊細ですので、固く絡まった根は無理やりほぐさず、そのままにしておきます。

根の状態をチェックして、変色している根や黒ずんでいる部分を切り落として整理したら、一回り大きな鉢と、水はけの良い新しい土に植え替えましょう。

乾燥状態を好むボーカルネア・グラキリスには、サボテンなどの多肉植物用の水はけの良い培養土を使うと良いでしょう。腐植質の用土を混ぜるのもおすすめです。

ホームセンターなどで市販されていますので、簡単に準備できますよ。

注意すべき病気や害虫

上述したように、ボーカルネア・グラキリスは日光が大好きです。室内で管理していると葉が徒長して株自体の元気がなくなってきて、幹が腐ったり害虫が発生する恐れがあります。

また、水の与えすぎによる「根腐れ」にも注意してください。

日の光がよく当たる通気性の良い場所で管理して、幹などを傷つけないように育てましょう。

ボーカルネア・グラキリスの増やし方

ボーカルネア・グラキリスは種まきで増やすことができます。

大きな株になると値段が高くなってくるので、種から育ててみるのも良いでしょう。

日本の環境下で育てていくことを考えると、実生(みしょう)の方がおすすめです。実生とは、種から育てた植物の株のことを言います。種まきをした環境下で発芽すると、その環境や気候に順応しながら育っていきますよ。出回っている株とは少々違う実生株の姿になりますが、種から生長していく様子をじっくり楽しめるでしょう。

ボーカルネア・グラキリスは雌雄同体の植物なので、花が咲いてくれれば自家受粉をさせることにより、種を採集することも可能です。ただし、結実する可能性が低いので、オンラインショップなどで種を購入するのもおすすめです。

種を手に入れたら湿らせた土に種子を蒔き、20〜25℃を保って管理しましょう。土が乾いたら水を与えるというサイクルを芽が出るまで繰り返します。

観葉植物を購入するならプレミアガーデン

ボーカルネア・グラキリスはとても魅力的な植物ですが、観葉植物を育てるのが初めての方は、少々難易度が高いかもしれません。値段も高いので、最初に育てやすい観葉植物でお世話に慣れていくのもおすすめです。

最後に、プレミアガーデンで購入できる観葉植物をいくつかご紹介します。

ポトス ヘゴ7号 (ラスターポット付)

ポトス ヘゴ7号 (ラスターポット付)

 

ポトスは初心者でも育てやすい観葉植物の代表的な種類です。

お世話も簡単で、室内で育てることができます。直射日光に当たる場所は避け、カーテンごしの窓辺など、日光のよく当たる場所がおすすめです。

ポトスは青々としたグリーンの葉が美しく、薄い黄色の斑点模様が入っているのが特徴です。柔らかな雰囲気で、お部屋を明るくしてくれるでしょう。

パキラ10号 (鉢カバー付)

パキラ10号 (鉢カバー付)

 

パキラも育てやすい観葉植物のひとつです。購入しやすく、小さな株なら100円均一などで購入することもできますよ。

ポトスと同様に、直射日光に当たる場所を避けた日光のよく当たる場所におきましょう。

土の表面全体を見て乾いていたら水を与え、冬場は水やりを控えめにするのがおすすめです。

こちらの商品は茎が編み込まれており、リブバスケットの鉢カバーに入っています。インテリア性も高く、お部屋をおしゃれに彩ってくれるでしょう。

プレミアガーデンは通販専門のショップなので、遠方に住んでいる方にも送りやすいです。豪華なラッピングをすることも可能なので、ぜひご利用ください。

トックリラン6号 (ラスターポット付)

トックリラン6号 (ラスターポット付)

 

ボーカルネア・グラキリスにもよく似たトックリラン。学名は「ボーカルネア・レクルバータ」といい、ボーカルネア・グラキリスと同じリュウゼツラン科のボーカルネア属です。

ボーカルネア・グラキリス同様に日当たりの良い環境を好み、冬など寒くなる季節は最低10℃以上をキープするよう意識して育てましょう。

ボーカルネア・グラキリスボーカルネア・グラキリスよりも過湿などに強く、安価で手に入りやすいので、まずはトックリランから育ててみるのもおすすめです。

細長い葉がふさふさと垂れ下がる姿は馬の尻尾のようで、別名「ポニーテール」とも呼ばれ親しまれています。

クワズイモ6号(ラスターポット付)

クワズイモ6号(ラスターポット付)

クワズイモは地上部で膨らんだ根茎とハート型の葉が魅力の観葉植物です。

ボーカルネア・グラキリスやトックリランのような塊根植物を育ててみたいと思っている方は、クワズイモの根茎も魅力的に思えるのではないでしょうか。

日当たりの良い場所で育て、水やりは土の表面が乾燥したらたっぷりと与え、冬など寒い時期は控えめにします。

別名を「出世芋」とも言い、開店祝い・開業祝い、昇進祝いなどのビジネスシーンにもおすすめです。出世運や恋愛運がアップするとも言われており、風水的にも人気が高いですよ。

なお、クワズイモの樹液にはシュウ酸カルシウムが含まれており、触れるとかぶれてしまうことがあります。植え替えの際や手袋を着用する、小さいお子さんやペットがいる家庭には贈らないなど対処が必要です。

まとめ

今回は、個性的でユニークな樹形が魅力的な、ボーカルネア・グラキリスについてご紹介してきました。

ボーカルネア・グラキリスは初心者向けの植物ではありませんが、日の光が大好きなので、直射日光に長時間当てるよう意識しながら育てていけば枯らさずに生長させられるでしょう。

冬の寒さにも注意していれば、3年目以降も栽培を楽しめるはずです。立派に生長させた株から、可愛らしい花が咲くのを楽しみに育ててみてくださいね。

ぽってりとしたワイルドな幹とシルバーブルーの美しい葉が魅力的なボーカルネア・グラキリスの栽培に、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

希少性が高く高値で取り引きされているため入手が難しい品種ですが、種を蒔いて一から育てていくこともできます。種は400円ほどで購入することができるので、気になる方は挑戦してみるのもおすすめです。

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