子株が出ない場合は胡蝶蘭を胴切りしてみよう!正しい胴切りのやり方は?

開店祝いや結婚式など、さまざまな祝い事での贈り物に選ばれる胡蝶蘭。

人からもらうことの多い胡蝶蘭ですが、もらった胡蝶蘭をどのように育てれば良いのか迷っている人は多いのではないでしょうか。また、「胴切り」という言葉を聞いたことのない方や、胴切りは知っているけどやり方はいまいちわからないという方もいると思います。

そこで今回は、胡蝶蘭の「胴切りとは?」から、「胴切りの方法」、「育て方の注意点」などをご紹介します。

 

胡蝶蘭ってどんな植物?

胡蝶蘭とは、ラン科の常緑多年草です。属名は「ファレノプシス」と言い、ギリシャ語の「ファライノ(蛾)」と「オプシス(似る)」という2つの言葉から成り立ちます。

名前の由来は見た目が蛾と似ていることだと言われています。日本では、蝶が舞っているように見えたことから、胡蝶蘭という字が当てられたと言われています。

このことから、胡蝶蘭の花言葉には「幸福が飛んでくる」や「純粋な愛」という意味がつけられています。

また、胡蝶蘭には3種類の大きさがあり、花の大きさが13〜15cm以上の「大輪」、6〜12cm程度の「中輪」、3〜6cm程度のミディ(ミニ)に分類されます。

さらに、色も大きく分けて4種類あり、「白」「ピンク(赤・紫)」「白赤」「黄色(その他色物)」に分類されます。

 

胡蝶蘭の胴切りとは

皆さんは胴切りという言葉を知っているでしょうか。

普段から園芸を趣味で行っている人でなければ聞き馴染みのない言葉かもしれません。胴切りとは、植物の茎をナイフやカッターで横に切り、上下で株分けする方法のことです。

胡蝶蘭が根腐れしてしまった際や、徒長した際に行うものです。

ちなみに徒長とは、植物の茎や枝が伸びた状態のことを言います。

胡蝶蘭を長く育てていると、胴切りをする機会があると思いますので、胴切りの方法を知っておくことは大切です。

 

胡蝶蘭を増やす方法は「株分け」がある

胡蝶蘭を増やす方法として、「株分け」というものがあります。株分けとは、言葉の通り、大きく成長した株をいくつかに分ける作業のことです。子株を親株から切り離すことで行います。ここでは、実際に株分けのやり方を見ていきましょう。

まず注意してほしい点は、株分けができる状態かどうかという点です。株分けは、子株の葉が2〜3枚になった時に行います。そのため、子株ができてすぐに切り離さないように注意しましょう。

また、基本的に株分けは植え替えの際に行います。お花が咲き終わった寒くない4〜6月ごろが良いと言われています。

 

株分けの方法

1. 鉢から親株ごと抜き取り、親株についている水苔を取り除きます。黒くなっている根はハサミで切ってしまいましょう。

2. 根を傷つけないよう注意しながら、子株を切り離します。

3. 水を含ませた水苔で、親株と子株をそれぞれ鉢に移し、隙間を水苔で埋めます。

以上で株分けは終了です。

株分け後2週間程度は、日当たりが良く風通しの良い場所に置き、水やりはしないようにしましょう。

 

こんな時は胴切りしてみよう

株分けの方法は理解していただけたでしょうか。

株分けは胴切りを行う際にも知っておくべきことなので、きちんと理解しておきましょう。

それでは、次に胴切りについて見ていきましょう。

みなさんは、胴切りを行うタイミングを知っているでしょうか。胡蝶蘭を育てている方の中でも、「いつ胴切りをしたらいいかわからない」という方も多いかもしれません。

そこで、胴切りのタイミングについて失敗しないように、どんな時に胴切りを行うべきなのかを見ていきましょう。

 

子株が出てこない

まず1つ目に、「子株が出てこない」という時には胴切りをしてみると良いかもしれません。実は、株分けに必要な子株がなぜできるのかは解明されていないのです。そのため、子孫が出てこない、さらに「枯れそうな状態である」という場合は、胴切りをしてみることで健康に成長してくれる可能性があります。

なぜ子株ができるのかという謎が気になるところだとは思いますが、一度胴切りという手段を考えてみるのも良いかもしれません。

 

根腐れしてしまった

次に、「根腐れしてしまった」という時に胴切りをしてみましょう。

根腐れしてしまい、落ち込んでいる方もいらっしゃると思います。しかし、胴切りをすることで、上の部分が生き返る可能性がありますよ。

胴切りは根腐れしてしまった部分が下の方だけの場合に有効な方法と言えます。100%生き返るというわけではありませんが、可能性があるのは確かです。

根腐れしてしまった、という場合にはぜひ胴切りを試してみましょう。そうすれば、あなたの胡蝶蘭は元気を取り戻すかもしれません。

 

茎が伸びすぎてしまった

最後に、胴切りのタイミングとして、「茎が伸びすぎてしまった」という時が胴切りを行うタイミングです。

胡蝶蘭を長く育てていると、茎が伸びすぎてしまうこともあると思います。この現象を徒長といい、無駄に伸びてしまっている状態です。そんな時には、新根や新芽が出ていることが多いので、胴切りしてみましょう。そうすると、見た目も綺麗になりますし、新芽も見つかるかもしれません。茎が伸びたと感じた時には、胴切りを試してみましょう。

 

胴切りをするなら春がおすすめ

胴切りをするタイミングを3つご紹介しました。これで安心、と思った方もいると思いますが、胴切りのタイミングとして大切なのはこれだけではありません。実は、胴切りをする季節も大切となります。

胡蝶蘭の胴切りは、植え替えと同じ時期である4〜6月に行うのがおすすめです。できれば、お花が咲き終わったこの時期に行うようにしましょう。ただ、根腐れしている場合はその時期まで待つ必要はありません。根腐れに気づいたその時に胴切りを行うようにしましょう。

 

胴切りのやり方

ここまでで胴切りのタイミングは理解していただけたと思います。

タイミングについてわかったところで、次は実際に胴切りをやっていきましょう。

胴切りを行う際には、いくつか注意するポイントがあります。ここでは、大切な胡蝶蘭を傷つけてしまわないように、注意するべきポイントをご紹介していきます。胡蝶蘭を長く育てるためにも、ここでのポイントは押さえておきましょう。

それでは、実際に胡蝶蘭の胴切りのやり方を見ていきましょう。

 

鉢植えの中身を取り除こう

胴切りを行う際、はじめに取りかかることは、鉢植えの中身を取り除くことです。

鉢植えに入れている古くなった水苔や根は取り除いてしまいましょう。

古くなった水苔や根は胡蝶蘭の成長を妨げる可能性があります。そのため、ここで古くなったものは全て取り除くようにしましょう。

また、余計なものが鉢植えの中にあると、次からの作業に支障がでることや邪魔になってしまうことがあります。そのため、ここで中身をしっかりと取り除きましょう。

 

花芽、新芽が出ていることを確認

続いて、花芽や新芽が出ていることを確認します。

花芽や新芽が出ているところや出そうなところを見つけましょう。この確認を行うことで、どの位置で花茎を切るかを決めます。

この時、切る場所は、来年また花を咲かせたい場合と、すぐに次の花を咲かせたい場合の2つのパターンに分けられます。

 

  1. 来年また花を咲かせたい場合

この場合は、花茎は根元に近い場合で切るようにしましょう。目安は根元から3〜5cm程度です。

 

  1. すぐに次の花を咲かせたい場合

この場合、根本から数えて2〜3節残し、その上部を切るようにしましょう。

切った場所からすぐ下の節から新たに花芽が伸びてきます。

 

消毒したハサミで切ろう

切る位置を決めたら、次は切る作業に入ります。

胡蝶蘭を切る前に、まずはハサミの消毒を行いましょう。消毒をしないと、切り口から菌が入り、胡蝶蘭がダメになってしまう可能性があります。

消毒方法は、「火であぶる」「アルコールで拭く」など自分のやりやすい方法で構いません。胡蝶蘭を守るためにもしっかりと消毒作業を行うようにしましょう。

消毒が終われば、決めた位置で切ってください。

 

切り口は乾かして殺菌剤を塗る

花茎を切った後は、切り口の処置を行います。切った花茎の部分に剪定や整枝などで切り口に使用されている殺菌剤を塗ります(トップジンなど)。

殺菌剤を用いる際には、薄めてから使用するようにしましょう。

薄めずに使用すると刺激が強く、切り口を傷めてしまう恐れがあるので注意が必要です。殺菌剤は切った上の部分と下の部分両方の切り口に塗るようにしてください。また、切り口には何も触れないように気をつけましょう。

 

新しい水苔で植え替える

切り口の処理を行った後は、新しく植え替える作業を行います。

ここでの作業は、普段行なっている植え替えと同じように行います。

鉢に根を入れ、植え込み資材を入れましょう。古いものは使わず、新しい水苔やバークを使用するようにしましょう。

水苔やバークは根の間にもしっかり入るように埋めていきましょう。このとき、前の作業で切った切り口が乾くまでは、切り口に水苔やバークがつかないように注意しましょう。もし当たってしまうと傷がついてしまう恐れがあります。

 

新しい植物活力素を吸わせるとよい

ここで、植え替えを行う際のおすすめポイントをご紹介します。

それは、胡蝶蘭に植物活力素を吸わせることです。新しい芽や根を出させるために、根っこ1本でよいので、植物活力素につけるのがおすすめです。

具体例としては、メネデールなどがあります。植物活力素を吸わせることで、新しい芽や根が発育し、胡蝶蘭が元気に育ってくれるようになります。ホームセンターやドラッグストアなどに売っているので、ぜひ試してみてくださいね。

 

2週間前ほどは水をやらず明るい場所に置こう

植え替え作業が終わってほっと一息つきたいところですが、植え替え後の管理も大切です。植え替え後の管理方法について見ていきましょう。

 

・置き場

植え替えから20日程度、風通しの良い明るい日陰に置くようにしましょう。

おすすめは室内の明るい場所です。

 

・水やり

植え替え直後の水やりは、根や茎の切り口から菌が入るのを防ぐため、行わないようにしましょう。20日前後は水やりをしなくて大丈夫です。しかし、その間には歯の裏表に霧吹きを行い、水分を与えてあげましょう。

 

・肥料

肥料は40日後に規定量の4倍を水やり代わりに毎回あげるようにしましょう。

以上が植え替え後の管理方法です。20日を過ぎたあたりから、少しずつ普段の管理にならしていきましょう。

 

捨てる前に胴切りしてみよう

胡蝶蘭を長く育てていると、「根腐れしてしまった」なんてこともあると思います。

根腐れしているのを見て、もう捨てるしかないと思ってしまう方もいるのではないでしょうか。こんなときにおすすめなのが胴切りです。

根腐れしている状態でも、もしかすると下の株から新芽が出てくる可能性があります。

根腐れでもう捨てるしかないと思った方は、最後に一度胴切りを試してみてはいかがでしょうか。あなたの胡蝶蘭がまた新たに元気を取り戻すかもしれません。

 

胡蝶蘭を育てる際の注意点

ここまで、胡蝶蘭の胴切りについて見てきました。胴切りについて理解していただけたのではないかと思います。

しかし、胡蝶蘭を育てる際には、胴切りだけでなく、普段の育て方が最も大切です。そこで、胡蝶蘭を育てる際の注意点、ポイントについてご紹介したいと思います。

育て方をあまり知らないという人だけでなく、よく知っているという人も忘れているポイントがあるかもしれないので、ぜひご覧くださいね。では、実際に見ていきましょう。

 

水のやり過ぎに注意

まず、注意すべき点は水やりです。

水が少ないと思って、水をやり過ぎてしまわないようにしましょう。成長してほしいという思いから、ついつい水をあげすぎてしまう方もいるかもしれません。しかし、水のあげすぎは根腐れを起こす原因になるので、きちんと管理しましょう。

水の状態を確認するには、植え込み材を手で触って確認するのがおすすめです。また、鉢皿に溜まった水は捨てるなど、水が溜まらないように注意しましょう。しかし、水のやりすぎを防ごうと、水を与えなさすぎるのも良くありません。そのため、乾燥に注意し、霧吹きで花や葉に水を与える方法もおすすめです。水やりは時期によっても最適な頻度や量が違うため、注意して水やりを行いましょう。

 

胡蝶蘭は高めの温度が好き。室内で育てよう

胡蝶蘭を育てるのに、「どこで育てよう」と考える方も多いのではないでしょうか。あまり家にスペースがない方は、ベランダや庭などで育てようとする方もいると思います。しかし、外での管理はおすすめしません。

胡蝶蘭には、「寒さに弱い」という特徴があります。そのため、寒いところでの管理はおすすめしません。冬は外が寒くなり、胡蝶蘭を育てるのに悪い環境になってしまいます。そのため、室内で育てることをおすすめします。ただし、クーラーの風が直接当たる場所はやめておきましょう。また、直射日光が当たらないように、日陰に置くようにしましょう。

以上のように、風通しの良い明るい室内に胡蝶蘭を置くようにするのが最適です。ぜひ、最適な場所を見つけるようにしましょう。

 

花が咲き終わったら花茎を切ろう

胡蝶蘭の花が綺麗に咲いたあと、花が咲き終わった頃に胡蝶蘭をどうすれば良いのかわからないという方もいるのではないでしょうか。

そのまま同じように育てている方もいると思います。しかし、花が咲き終わったあとは、是非していただきたいことがあります。それは、「花茎を切ること」です。花が咲き終わった後は、また次の咲く時期のために株をしっかりと休ませると良いでしょう。花茎を切ることで、二度咲のために株を休ませることができます。

花茎を切るときは、根元に近い場所で切るようにしましょう。目安は根本から3〜5cm程度の位置です。その後は植え替えを行い、次の花芽が出るまで株を十分に育てましょう。そうすることで、綺麗な胡蝶蘭の二度咲きが見られるでしょう。

 

3年程度を目安に植え替えを

胡蝶蘭を育てる最後のポイントは植え替えです。

胡蝶蘭を長く育てていると、植え替えをいつすればいいのかと悩む方も多いと思います。そんな方には目安として、3年程度ごとの植え替えをおすすめします。3年と聞くと、意外と長いと思う方が多いのではないでしょうか。そんなに長く植え替えしなくて大丈夫なのかと思う方もいるかもしれません。しかし、植え替えは株の大量を使う作業なので、あまり頻繁にやらない方がいいのです。そのため、3年程度が目安だと考えるようにしましょう。ぜひ、この目安を参考に植え替えを行ってみてください。

 

おすすめの胡蝶蘭をご紹介

これまで、胡蝶蘭の胴切りや育て方についてポイントや注意点を見てきました。

次は胡蝶蘭を新しく購入しようと思っている方に、おすすめの胡蝶蘭をご紹介しようと思います。胡蝶蘭を新しく購入しようと思っている方や購入を迷っている方は是非参考にしてみてくださいね。

 

大輪の白い胡蝶蘭3本立て

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まず、1つ目におすすめするのは、定番の白い胡蝶蘭です。

こちらの商品は大輪で美しい白い胡蝶蘭で、3本立ての鉢植えになっています。白い胡蝶蘭には、「清純」という意味が込められていて、冠婚葬祭などどんな場面にも合う花です。

そのため、贈り物として非常におすすめです。また、大輪で大きく見栄えも良いので、自分用に購入される方にもおすすめですよ。

明るく綺麗な胡蝶蘭なので、部屋全体を明るく清楚な雰囲気にしてくれること間違いなしです。

 

紅白の胡蝶蘭大輪3本立て

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次にご紹介するのは、「紅白の胡蝶蘭」。

先程の商品とは違い、中央部分がピンクの色をした紅白の胡蝶蘭です。白色の胡蝶蘭は清楚な雰囲気を出しますが、紅白の胡蝶蘭はその場を華やかにしてくれますよ。部屋の雰囲気を明るく華やかにしたい方には、紅白の胡蝶蘭がおすすめです。

また、紅白色なので、おめでたい場の贈り物としてよく利用されています。是非一度贈り物として、紅白の胡蝶蘭を検討してみてはいかがでしょうか。

 

上品なピンク色の胡蝶蘭3本立て

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白や紅白よりももっと可愛らしい胡蝶蘭がほしいという方におすすめしたいのが、「ピンク色の胡蝶蘭」です。

ピンク色は、優しさや幸せを表す色として利用されています。そのため、ピンク色の胡蝶蘭は幸せな雰囲気を印象付けるため、特に親しい友人や家族への贈り物として利用されることが多いと言われています。

ピンクは女性からとても人気な色なので、可愛らしいものを好む方にはピンクの胡蝶蘭をおすすめします。ピンクの胡蝶蘭は、あなたの部屋をより可愛らしく変えてくれるでしょう。

 

パープルエレガンスの胡蝶蘭2本立て

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最後にご紹介するのは、「パープルエレガンスの胡蝶蘭」です。

こちらの商品は、紫のグラデーションが美しい胡蝶蘭です。紫のお花は高貴な色の花として知られています。また、胡蝶蘭の花言葉である「幸福が飛んでくる」という言葉も合わさり、とても気品がある胡蝶蘭です。

パープルエレガンスの胡蝶蘭は部屋をより美しく、上品な雰囲気にしてくれるでしょう。また、気品が感じられるこの胡蝶蘭は、目上の方への贈り物としてもおすすめですよ。

 

まとめ

胡蝶蘭の胴切りや育て方について、理解していただけたでしょうか。胡蝶蘭は非常に寿命が長い植物です。丁寧にお世話すると、胡蝶蘭の寿命は50年以上とも言われています。そのため、長い期間手入れを大切に行う必要があります。普段の水やりや、胴切り・植え替えなどを適切に行い、大切に育てるようにしましょう。

そうすれば、あなたの胡蝶蘭は長期間に渡り、何度も素敵なお花を咲かせてくれるでしょう。今回ご紹介したことを参考にしていただけると幸いです。

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