ガーデニング初心者の方にピッタリ!カラフルなデイジーの失敗しない育て方
可愛らしいフォルムとカラフルな色合いで冬から春の庭を彩るデイジーは、寄せ植えにも人気のあるお花です。
デイジーはよく花壇などにも植えられているので、誰でも一度は見たことがあるのではないでしょうか。
そんなデイジーは寒さに強く、12月〜5月頃まで愛らしい姿で咲き続けてくれます。
今回は、愛らしいデイジーの基本的な育て方や増やし方、その魅力、また寄せ植えにおすすめの植物などを紹介します。最後までチェックしてみてくださいね。
デイジーってどんな花?
デイジーは地中海沿岸部が原産地のキク科・ヒナギク属の植物です。
日本には明治時代の初めに入ってきたと言われており、寒さに強いことから涼しい地域(北海道など)で栽培されて来ました。
一般的には草丈が15cmくらい、花のサイズも5cm程度の可愛いイメージですが、実際には8cmくらいの花を咲かせる品種も存在します。
原産国のヨーロッパ周辺では野草としても多く見ることができ、イタリアの国花としても有名です。
名前のルーツ
デイジーは、日本では「雛菊(ヒナギク)」や「延命菊(エンメイギク)」とも呼ばれて古くから親しまれてきました。
「デイジー(daisy)」と言う名前は、英語名で、太陽の光を受けて花を咲かせ曇った日や雨の日は閉じる性質から「Day‘s eye(太陽の目)」が語源になったと言われています。
イタリア語では「マルゲリータ(Margherita)」と呼ばれており、これには諸説ありますが、19世紀のイタリアの王妃を尊ぶ心が由来になったと言う説もあるようです。
花の特徴
春先のお花の中で、世代を問わず人気があるデイジー。
この植物は特徴的な花びらの形から、2種類に分けられています。
それぞれの特徴をチェックしてみましょう。
・リグローサ種
リグローサ種の花びらの形は、先端が平べったい舌状になっています。
品種によって花弁の大きさや花期に違いがあり、これはキク科の植物に多い特徴です。
舌状花を持つ他の植物は、ヒマワリ・タンポポ・ハルジオン・ダリア・など。
また、たくさんの舌状花のみで成り立っているお花(西洋タンポポ)や、いくつもの筒状花と舌状花で構成されたお花(ヒマワリ・ジャーマンカモミールなど)があります。
主な品種は「シベリウス」「エノルマ」などです。
・フィストゥローサ種
フィストゥローサ種の花びらの形は、くるりと筒状になっているのが特徴です。
筒状花を持つ他の植物には、エキナセア・ハハコグサ・アシズリノジギクなどがあります。
主な品種は、「ポンポネット」「チロリアン」「イングリッシュ」などです。
デイジーの花言葉
デイジーの花言葉ですが総体的な花言葉は「平和」「希望」です。
これは、朝日を浴びて花を咲かせる様子からつけられたと言われています。
また学名の「Bellis perennis(ベリス・ペレンニス)」は、ラテン語で美しいと言う意味です。このことから「美人」という花言葉もつけられています。
デイジーには、それぞれカラーごとに違う花言葉もあります。
下記に紹介しますので、プレゼントにするときなどの参考にしてみてくださいね。
白色 | 無邪気 |
ピンク色 | 希望 |
赤色 | 無意識 |
紫色 | 健やか |
黄色 | ありのまま |
青色 | 幸福・恵まれている |
開花の時期は?
ガーデニング好きの方に人気があるデイジー。
寒さにも強く生命力あふれるお花なので、花のない時季のお庭を彩ってくれる貴重な植物です。
和名になっている「延命菊」も、お花の寿命が長いことに由来しています。
デイジーの開花時期は、植える時期によっても多少異なりますが、2月前後です。春の花々が咲くより一足早く咲き、夏が来るまで咲き続けてくれるでしょう。
おすすめ/デイジーの種類
デイジーの原種は一重咲きでした。
現在私たちが目にすることが多い八重咲きのデイジーが生まれたのは、16世紀ごろだと言われています。
ここでは、おすすめのデイジーの種類を紹介していきましょう。
(属性は異なる植物もあるので、咲く時期などの違いがあります。)
①ブルーデイジー
ブルーデイジーは、和名が「瑠璃雛菊(ルリヒナギク)」と言うキク科フェリシア属の植物。
真ん中にある黄色の雄花とブルーの花びらのコントラストが、さわやかなイメージの草花です。
カラーは、ブルーだけではなく白やピンクもあります。
このお花は、雨に弱く濡れると花びらが反り返ってしまうので、雨に当たらないように育てるのがポイントです。
花言葉は「純粋」「幸運」。
花言葉はどれも素敵なので、贈り物にするにはピッタリですね。
②シャスターデイジー
シャスターデイジーはキク科の多年草です。
こちらの植物は、フランスギクと日本のハマギクを配合させて作られた品種となっています。
夏の暑さにも強く育て方も易しいため、園芸が初めての方にもおすすめです。
花姿がマーガレットに似ているため間違われる方も多いですが、マーガレットは12月〜5月が見ごろでシャスターデイジーは初夏に咲きます。
花言葉は「忍耐」です。
耐寒性に優れている植物であることから、この花言葉になったと言われています。
③チロリアンデイジー
デイジーと言えば、こちらを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
コロンとしたフォルムが可愛いチロリアンデイジーは、根強い人気の品種です。
カラーは白・ピンク・濃いピンクなどがあります。
寒さにはやや弱いので、最盛期には肥料を多く必要とするでしょう。
デイジーによく似ていますが、花びらが幾重にも折り重なって咲きます。チロリアンデイジーは、普通のデイジーよりこんもり盛り上がって咲き、花経は大きいもので5cmくらいです。
チロリアンデイジーの花言葉は「無邪気」「純粋」などと付けられています。
デイジーの育て方のコツ
早春の庭を華やかにしてくれるデイジーは、地植えにも適しています。
またコンテナ栽培や鉢植えにもピッタリなので、初めて植物を育てたいと思っている方にもおすすめですよ。
草丈や草姿も変わらないので、寄せ植えにも向いています。
ここでは、デイジーの基本的な育て方をチェックしてみましょう。
デイジーの選び方
デイジーは種からも育てることができますが、とても細かいためにコツが必要です。
したがって初めて植物を育てる方は、園芸ショップなどで苗を購入するのをおすすめします。
デイジーの植え付けに適した時期は9月〜10月なので、その頃に流通している苗を選びましょう。
・苗を購入する場合
苗を購入するときは、葉がしっかりしているものを選んでください。
一部が変色していたり、黄色くなっているものは避けるようにしましょう。
根がグラグラしている苗も弱っている可能性があります。
また、葉と葉の間に虫がいないか、カビが生えていないかをチェックすると良いでしょう。
・種から植える場合
種から植える場合、種が小さいので育苗ポットなどを使用しましょう。
ピートバンなどを利用すれば細かい種もまけますし、発芽率も高くおすすめとなっています。
種をまくのに適している時期は、8月〜9月です。
土の選び方
デイジーは水はけと水持ち、どちらにも適している土を選んで植えるとたくましく育ちます。
水はけが良いとは、水を溜め込まない土で排水性が高い土のこと。水持ちが良い土は、植物に必要な水分を保てる土のことです。
具体的に言うと、赤玉土は排水性と保水性どちらにも優れていておすすめですよ。
市販の花用の培養土でも良いですが、もしご自分で配合する場合は、赤玉土5:腐葉土4:堆肥1だとバランスが良くなります。
また、プランターなどに植える場合は、市販の「ハイポネックス培養土/鉢用」が元肥入りで扱いやすいでしょう。
植え付けの方法/冬越しについて
本葉が3枚ほどになったら、植え付けのタイミングです。
時期的には、少し涼しくなってきた頃(9月〜11月)が適しています。
目安としては4号の鉢の場合は1株〜2株です。
地植えで数本の株を植える場合は、株と株の間を20㎝間隔で空けて植え付けていきましょう。
・地植えの場合
地植えの場合は、適度に日が当たり通気性に優れている場所に植えるとスクスク育ちます。
またデイジーは冬の寒さには強いですが、霜に当たると弱ってしまう可能性があるため水苔やワラなどで覆い防寒対策をしておきましょう。
・プランターの場合
プランターや鉢植えの場合は、霜がおりる時期はなるべく暖かい場所や室内に移動させてあげてください。
難しければ、ビニール袋で覆うだけでも寒さ除けになります。
ただし、蒸れを防ぐために、必ず隙間を作っておきましょう。また、昼間はビニールを外してあげてくださいね。発泡スチロールを使用する方法もおすすめです。
水やり・肥料/増やし方のコツ
デイジーはヨーロッパなど涼しい地域では多年草の植物です。
しかし夏の暑さには弱いため、日本では一年草として扱われています。
育て方もシンプルなので、コツさえ掴めば簡単ですよ。
ここでは、水やりや肥料のタイミング・増やし方のコツなどをまとめていきましょう。
水やり
デイジーは水が切れてしまうと、たちまち弱ってしまう植物です。
ですからプランターや鉢植えの場合は特に、水やりのタイミングに気をつけてください。
基本的には土が乾いたら、充分に与えるようにしましょう。
目安としては春と秋は1日1回程度・冬場は4日に1回くらいです。ある程度株が大きくなるまでは、水切れには要注意。
また地植えの場合は、よほど乾燥していない限り水やりは必要ありません。
肥料の選び方
たくさんのお花を次々と咲かせるデイジーは肥料を与えると、さらに豪華な花を咲かせることができます。
元肥には、緩効性肥料がおすすめです。
緩効性肥料は効き目がゆっくりで、効果が長持ちする肥料のことを言います。窒素・リン酸・カリウムがバランスよく配合されているタイプの肥料が好ましいでしょう。
最盛期には、ハイポネックス原液などの液体肥料がおすすめです。
目安としては、1週間または10日に1回くらいの割合で与えるようにしてください。
肥料を忘れがちな方には、バラまくだけで効果が長続きする粒状の肥料がおすすめです。
中でも「ネクスコートいろいろな植物用」は、必要な栄養分が豊富に含まれていて1シーズンに1回バラまくだけなので人気があります。
花がら摘み
デイジーは次々と新しい花をつけていく植物です。
そのため咲き終った花をそのままにしておくと、その分の栄養を奪われてしまって花の数が少なくなってしまいます。
ですから花に元気がなくなりうなだれてしまったら、茎のつけ根から切り取るようにしましょう。
放置すると虫が湧く原因にもなるので、早めに対処するのがポイントです。
増やし方のコツ
デイジーは暑さに弱いので、ほとんどが夏場には枯れてしまいます。したがって、増やすためには種を採取するしかありません。
花が枯れるのを待ち、種がとても細かいため茎ごと切り取ると失敗が少ないでしょう。
放置しておくと、種が飛び散ってしまう可能性もあるので注意してください。
デイジーの種は、砂の粒のように細かいのでいったん紙の上などに落として容器などに移すと良いでしょう。
また、摂取した種はカビが生えないように乾燥させてから冷蔵庫や冷暗所などに保管してください。
デイジーにつきやすい害虫とかかりやすい病気
次にデイジーに発生しやすい害虫やかかりやすい病気について解説します。
落ち着いて早めに対処すれば、防ぐことも可能なので参考にしてください。
①菌核病
菌核病はカビの一種。
この病気にかかると、まず茎などに褐色の斑点が出るのが特徴です。
ひどくなると茎がやわらかくなり、株に元気がなくなって枯れてしまうこともあります。
原因は糸状菌というカビで、20℃以下の低温時に発生することが多いでしょう。
また、このカビは土の中に残るので注意してください。
対処法・発生に気づいたら早めに薬剤を撒くようにしましょう。
トップジンMゾルは、植物への負担も少なくておすすめです。
②アブラムシ
春先になり暖かくなるとアブラムシが発生しやすくなるので注意してください。
アブラムシは、若い葉っぱや新芽・葉の裏側に付着します。
アブラムシの排出物による被害で植物がベタベタになり、蟻が寄ってきやすくなり益虫を遠ざけてしまうでしょう。
この害虫は繁殖力が高いので、見つけたらすぐに対処するようにしてください。
予防としては、なるべく通気性のいい場所に置くこと。また、風通しを良くするために、枯れた花をこまめに取り除くようにしてください。
対処法・アブラムシには木酢液が有効です。
しかし、あまりにも数が多い時はスプレー式の殺虫剤を使用しましょう。
「ベニカマイルドスプレー」は食品成分由来なので、植物にも優しくておすすめです。
デイジーにおすすめの寄せ植え
色々なカラーで、庭先を彩る可愛いお花のデイジー。
もし寄せ植えにしようと考えているのならば、同じ時期に咲く植物と組み合わせたり、草丈が違う他の品種のデイジーと組み合わせても素敵ですよ。
ここではデイジーと相性が良い植物を紹介していきましょう。
①デイジー×パンジー×セージ
比較的草丈が低く、葉がすっきりとした印象のデイジーは、冬〜春先まで長く楽しめるパンジーと相性が良いです。
同じスミレ科のビオレとも相性抜群でおすすめ。
また、葉や茎が白っぽくなるカラーリーフのようなロシアンセージと組み合わせるとシックな印象になりますよ。
草丈が低いサクラソウ科のリシマキアも、グラウンドカバーとして最適です。
②ブルーデイジー×スイートアリッサム×アメリカンブルー
スイートアリッサムは、絨毯のように細かいお花がたくさん咲く植物。
名脇役なので、デイジーとの相性も抜群です。緑色が濃いハーブと組み合わせると、ブルーデイジーの色の美しさが際立つでしょう。
横へ這うようにして咲くアメリカンブルーと一緒に植えても素敵ですね。
観賞用のクローバーとして人気の「ティントロゼ」などを加えると、色鮮やかになりますよ。
③花かんざし×チロリアンデイジー
花かんざしとチロリアンデイジーは、どちらもこんもりと咲くお花なのでお庭が賑やかな印象になります。
明るい雰囲気のお庭作りをしたい方には、おすすめの組み合わせです。
花かんざしは乾燥させても美しいことから、よくドライフラワーとして使用されているお花。冬の寒さにも負けずに咲く様子から「冬の妖精」とも言われるほど可憐なイメージです。
真っ白の花かんざしと白やピンクのチロリアンデイジーを、大きなコンテナに植えればパッと華やかになるでしょう。
また、ラナンキュラスなどを加えれば、さらに豪華な印象になるはずです。
まとめ
今回は、デイジーの育て方から害虫について、おすすめの寄植え方法まで、徹底的に解説しました。
まだ寒い冬の時期から初夏にかけて、長い間楽しむことができるデイジーは寄せ植えにも重宝する可愛らしい花です。
育て方も易しいので、初心者の方でも安心して育てることができるでしょう。
ただしデイジーは水切れに弱いので、成長するまでの間は水やりを忘れないようにしてください。特にプランターや鉢植えの場合は注意が必要です。
寒さには強いですが、地植えの場合は霜対策も必須になります。また、最盛期には即効性のある液体肥料を欠かさないようにしましょう。
以上の点さえ気を付けていれば、長い期間きれいなお花を咲かせてくれますよ。