クロトンの特徴や育て方|個性的なトロピカルプランツを楽しもう
さまざまな葉の模様を楽しめるクロトンは、観賞価値が高く人気のある観葉植物です。
お部屋のインテリアプランツとして飾れば、トロピカルな雰囲気を演出できます。
インテリアのイメージチェンジをしたい、明るい印象にしたい、ゆったりした南国ムードを演出したい…そんなときには、クロトンを飾るのがぴったりです。
今回は、クロトンの特徴や人気の品種、育て方などについてご紹介していきます。
クロトンの基本情報
科・属 | トウダイグサ科・コディアエウム属 |
和名 | クロトンノキ、変葉木(へんようぼく) |
英名 | garden croton |
学名 | Codiaeum |
原産地 | マレー半島、太平洋諸島 |
クロトンの特徴
クロトンは熱帯地域に広く分布している植物で、日本に伝わったのは江戸時代末期頃でした。明治時代の終わり頃から栽培が盛んになりました。
突然変異しやすいという性質があるため、現在では園芸品種が100種位以上にも及んでいます。樹高は、品種によって10〜150cmとばらつきがあります。
別名では「変葉木(へんようぼく)」と呼ばれており、同じ植物とは思えないほどに葉の色や形のバリエーションが豊富に存在する、個性豊かな観葉植物です。
鮮やかな緑色を基調にして、赤や紫、黄、オレンジ色などが混じっています。
形もさまざまで、広葉系・長葉系・細葉系・らせん系・有角系・鉾葉系・飛び葉系など、観賞用としての価値がとても高い観葉植物になります。
暖かい地域なら屋外でも冬を越せるので、沖縄では生垣や路肩にクロトンが植えられています。
クロトンの樹液
クロトンは、幹や茎を切ると、白い樹液が出てきます。
樹液が肌に触れると、痒みやかぶれなどの炎症を引き起こすことがあるので、作業時には必ずゴム手袋などを着けて行ないましょう。
この樹液ですが、人間には炎症程度で済みますが、犬や猫などの動物には有毒になります。
お家でペットを飼っている方は、届かない置き場所にクロトンを置くなど、充分注意して管理してくださいね。
クロトンの名前の由来
トウダイグサ科のクロトンは、以前は「クロトン属」に属する植物でしたが、現在では「コディアエウム属」に分けられています。コディアエウムの「コディナ」は、 ギリシャ語で「頭」を意味しています。そのため、以前クロトン属だった名残から「クロトン」という名称で呼ばれています。
クロトンの花言葉
クロトンは、葉と比べると花の観賞価値は低いのですが、夏になると黄色がかった花を咲かせます。とても小さなお花なので、見逃さないようじっくり観察してみてくださいね。
クロトンの花は雌雄同株で、花びらは細く長く、中心から放射状に出ており、たんぽぽの綿毛にも似ている姿です。
クロトンの花言葉には「妖艶」「艶っぽい」「嬌艶」があります。これは、さまざまなバリエーションの葉を持つクロトンの美しい姿に由来しています。
クロトンの風水効果
観葉植物は、部屋に飾ると風水的なパワーを強く発揮すると言われています。
風水的な観点から見ると、上へと葉を伸ばしていく植物には「陽の気」があり、成長や発展のシンボルだとされているので、勉強運や仕事運のアップに最適です。仕事部屋や書斎、子ども部屋や玄関などに飾ることで、風水的な効果を発揮してくれるでしょう。
また、電化製品は気の流れを乱すと考えられているので、リビングなどに飾るのもおすすめですよ。黄色や黄金色の斑模様の入っている葉には、金運アップの効果もあります。
クロトンはサイズ展開が豊富で、テーブルに置ける小さなサイズのものもありますので、飾りやすいのも嬉しいですね。
クロトンの選び方
とても豊富な種類が展開されているクロトンは、その中から自分のお気に入りの品種を見つけるのも楽しみのひとつです。インテリアやお部屋の雰囲気に合わせて、好きなものを選んでみましょう。
置き場所に応じて選ぼう
クロトンの人気品種に悩んでいるのでしたら、置き場所に応じて選んでみましょう。
もし日当たりの良い場所に置く予定なら、広葉系・鉾葉系などの強めの日光を好む品種を選ぶと上手に育てやすいです。
北向きのお部屋や、窓から離れた位置で育てる予定なら、葉の色が薄めの品種を選びましょう。 葉色が薄いものはナチュラルでやわらかな雰囲気があり、やさしいニュアンスです。
広葉系の代表品種でもある「アケボノ」は、1930年頃に日本で生み出された品種で、黄色やピンク色の斑がグラデーション状に入っており、光の当たり具合で色が変化するのが魅力です。
クロトンの育て方:基本編
クロトンは熱帯地域の観葉植物ですので、インテリアグリーンとして取り入れると、お部屋に南国の雰囲気が生まれます。ただし、日本の冬の寒さは大敵なので、冬越しには注意して管理してください。続いては、クロトンの育て方について見ていきましょう。
観葉植物に不慣れな方でも、育て方の基本さえ覚えて管理すれば、生命力が強いクロトンは活き活きと育ってくれますよ。
置き場所
クロトンは、日光の良く当たる場所と、水はけと風通しの良い場所を好みます。
春から秋の間には、できるだけ外で日光浴をさせましょう。そうすることで葉つやが良く、健康的に育ってくれます。
反対に冬の間は基本的に室内で管理しますが、あまり日の光に慣れていないうちにいきなり直射日光に当てると、葉焼けを起こす可能性があるので注意が必要です。
葉焼けを起こすと、光合成を行なう葉の組織が死んでしまい、光合成ができなくなってしまいます。春の初め頃は、少しずつ日の光に慣らしつつ、だんだん屋外で管理する時間を増やしましょう。
観賞用のクロトンのほとんどは、ある程度の耐陰性があり、屋内でも育てやすいようになっています。薄い葉色の品種は、直射日光や強い日光に当てると葉焼けしやすいので、窓際で管理する際にはレースカーテン越しやブラインド越しになるよう、日の当たり具合を調節しましょう。葉色の薄い品種には、「サマープリンセス」「アケボノ」「ゴールドスター」などがあります。
水やり
春と秋には、土が乾いたことを確認してから水やりしましょう。水を与える際は、鉢底から水が流れ出るほどたっぷりと与えてください。夏季はとても乾燥するため、土が完全に乾く前にこまめに水を与えてください。水やりとあわせて、霧吹きなどで葉に水を吹きかける「葉水」を行なうと、葉からも水が吸収してくれます。また、葉の埃や汚れを落とし、清潔に保つことで病気や害虫を防ぐ効果もあります。クロトンの美しさとあわせて健康も保てるので、一石二鳥ですよ。
肥料
クロトンは生命力が強い植物ですので、肥料を与えなくても大きく育ちますが、成長を促進させたいときには、少量の肥料を与えましょう。
与える時期は春から秋の間の生長期で、緩効性化成肥料は2ヵ月に1回ほど置き肥をして、液体肥料2週間に1回ほど、適した濃度に希釈して与えてください。
冬季はクロトンが休眠期を迎えるため、肥料は与えないようにします。
置き肥を与えたまま冬を迎えると、肥料やけを起こして根が詰まってしまう恐れもありますので、冬越し前に置き肥は必ず取り除いておきましょう。
根詰まりから株が不健康になり、最悪の場合枯れてしまう恐れもあります。
室内で管理している場合には、有機肥料ではなく化成肥料を使うと、独特の匂いやコバエの発生を防ぐことができますよ。
冬越し
クロトンは暑い地域で育つ観葉植物ですので、日本の冬の寒さは苦手です。
冬の間の管理には充分注意して、無事に春を迎えられるようにしましょう。クロトンは、気温が15度以下になると、徐々に休眠期へと移行するので、冬に春や秋と同じペースで水やりをすると、水分過多になり根腐れを起こす危険があります。そのため、冬場は鉢土の乾燥を確認してから、2〜3日後に水やりをしましょう。
冬の間に乾燥気味に育てることで樹液の濃度が高くなり、寒さに強い株に育てることができます。冬季も日光の当たる場所で管理しますが、冬の屋外では寒いため基本的には室内で管理しましょう。
窓際などの日差しが当たる場所に置くのがベストですが、夜になっても窓際に置いたままだと冷え込んでしまうため、夜間は部屋の奥や中ほどに移動させてください。
また冬場は、エアコンや暖房器具などの熱風がクロトンを乾燥させる原因になるので、注意が必要です。
剪定
クロトンの剪定は、生長期である5〜9月の間に行ないましょう。
剪定の目安としては、混み合っている葉や茎をハサミでカットする程度で問題ありません。
不要な茎などは、根元から手で抜き取っても大丈夫です。
大きく育ちすぎて樹形が崩れてしまったときは、茎を3分の1ほどに切り戻します。
こうしてこまめに剪定すると、枝の間の風通しが良くなり、病気や害虫を防ぐことができます。
植え替え
生命力の強いクロトンの植え替えは、1〜2年に1回ほどのペースで植え替えを行ないましょう。時期としては5〜6月頃に行なうのがベストです。
一定の年数が経っていなくても、鉢底や鉢土の表面から根が飛び出ていたり、土から異臭がしたり、水やりの際に水が流れ出にくくなった場合には、植え替えのタイミングです。
【植え替え手順】
(1)クロトンの株を鉢から慎重に取り出し、根に付いた土を4分の1ほど落とす
(2)一回り大きな鉢に新しい用土を入れる
(3)株を鉢に入れ、周りを土で埋めていく
(4)たっぷりと水を与えて、株が安定するまで1週間~10日ほど、涼しい置き場所で管理する
害虫・病気対策
クロトンには特別かかりやすい病気はありませんが、枝が混み合ったら剪定で調節して、こまめな葉水で葉を清潔に保つよう注意して、病気を予防しましょう。
また、クロトンにはハダニやアブラムシなどの害虫が発生することがあります。
ハダニは主に葉裏を好んで寄生するので、葉水の際に濡れたティッシュや布巾などで葉を拭き取っておき、葉裏まで観察しておきましょう。
ハダニは植物から栄養分を吸い取るので、発見が遅れると株が枯れてしまう恐れもあります。発見次第、すみやかに駆除しましょう。
暖かくなるとアブラムシも寄生しやすく、ハダニのように葉や茎に寄生して、栄養分を吸い取っていきます。養分を吸い取られた部分は白みがかって変色するため、比較的発見しやすいでしょう。
アブラムシの排泄物からは、他の虫たちが好む匂いを発するので、二次被害にも繋がります。発見したら、すぐに駆除するようにしてください。
クロトンの増やし方
クロトンは、「挿し木」や「株分け」で増やすことができます。
株を増やしていくのも観葉植物を育てる楽しみのひとつですので、育て方に慣れてきたらチャレンジしてみてくださいね。
挿し木や株分けでクロトンを増やす際には、寒い時期を避けた5~8月頃に行なうのが適期です。
剪定などで切り落とした枝を使うのもおすすめですよ。
挿し木
挿し木はもっとも成功率の高い増やし方なので、初めて挑戦する場合にはこちらの方法からチャレンジしてみましょう。
【挿し木の手順】
- 枝の先を10~15cmほどに切り取ります
- 枝下の葉を取り除き、2枚ほど葉を残します
- 枝の切り口を水に浸け、1時間ほど浸けておきます
- 鉢やポットに挿し木用の土を入れ、枝を挿します
- 風通しの良い日陰で管理し、土が乾かないよう注意して水を与えます
- 発根を確認したら、日が当たる場所へ移動させましょう
風当たりの強い場所や、日光が強すぎる場所で管理すると、発根の成功率が下がりますので注意してください。
株分け
もうひとつの増やし方として「株分け」があります。
株分けによって増やす場合は、クロトンの株が大きく生長して植え替えを行なうタイミングで、一緒に株分け作業をするのがおすすめです。
新しい鉢を2つ用意して、株分けに挑戦してみましょう。
【株分けの手順】
- クロトンの株を丁寧に取り出して、根に付いた土を落とします。
- 古い根や傷んでいる箇所は取り除いて、根を整理します。
- 株を清潔なハサミや刃で切り分け、新しい鉢に植え替えます。
- 植え付けた株が根付くまで、風通しの良い涼しい場所で水やりをして管理します。
ハイドロカルチャーでも育てられるクロトン
最近では、土の代わりにハイドロカルチャーを使った栽培方法も増えてきています。
「ハイドロ」とは水、「カルチャー」とは栽培を意味しています。
名前のとおりに、人工素材であるハイドロカルチャーを容器に入れて、植物を栽培する方法になります。
ハイドロカルチャーのメリット
ハイドロカルチャーで育てるメリットとしては、「清潔さ」が挙げられます。
観葉植物を育てるうえでは土が必要ですが、土には虫が発生する可能性が高く、独特な土臭さもあります。
植物を育てたいけど、土いじりは苦手だという人も少なくないため、ハイドロカルチャーの需要が高まっています。
ハイドロカルチャーは、洗うことによって繰り返し使用できるため、環境面にも経済的にも優しい素材です。
また、底が空いている鉢を使わず、花瓶や金魚鉢のような器を用いるため、水やりがとても楽だというメリットもあります。
さらに、ハイドロカルチャーにはカラフルな素材が多く、クリア素材の器で育てると見た目が華やかでおしゃれなので、インテリアとしても機能も高まります。
色の違うハイドロカルチャーをグラデーションのように重ねていくなど、自分でデザインする楽しみもあります。
ハイドロカルチャーのデメリット
デメリットとしては、常に器の中は加湿されている状態であるため、水温が上昇しすぎると雑菌やカビの原因になりますし、高温によって根がダメージを受ける恐れがあります。
また、簡単そうに思える水栽培ですが、観葉植物に慣れていないうちは育て方が難しく、かえってハードルが上がってしまうという点もデメリットです。
ハイドロカルチャーの植え付け手順
- まず鉢から株を取り出して土をやさしく落とし、根に付いた土を洗い流します
- 根腐れ防止剤を適量投入して、水の腐食と根腐れを防止します。
- 植え込み剤を少し入れて、上に株を置きましょう。
- 株の向きなど見ながら、バランスよく植え込み剤を追加していきましょう。
- 細かい部分にはピンセットなどを使って植え込み剤を入れると埋まりやすいです。
まとめ
今回は、「変葉木」とも呼ばれるバリエーション豊かな姿が魅力のクロトンについてご紹介してきました。
もともとは熱帯地域が原産なので、お部屋に飾ることでトロピカルな雰囲気を楽しめる観葉植物です。生命力が強いので、育て方のコツを抑えれば初心者の方でも管理しやすい観葉植物ですよ。いちばんのポイントとなるのが冬越しですので、冬季の管理には充分注意して、元気に春を迎えましょう。
さまざまなカラー展開で個性的なクロトンは、自分だけのお気に入りを見つけるのも楽しい観葉植物です。お気に入りのクロトンを見つけて、ぜひ大切に育ててみてくださいね。